共同防災組織の防災活動 - 危険物保安技術協会

わが社の
防災体制
共同防災組織の防災活動
JFE スチール株式会社 東日本製鉄所 千葉地区
万㎡、従 業 員 数 は 約 2,500 名 と 協 力 会 社 の 約
はじめに
6,300名で構成されています。
JFE スチールの生産拠点は、図 に示すよう
また、千葉県では図
に東日本(千葉地区・京浜地区)
、西日本(倉敷
地区・福山地区)の
岸部に沿って
地区にある臨海型大型製
に示すように東京湾沿
地区の石油コンビナート等特別
鉄所とパイプの製造工場である知多製造所で構
防災区域が指定されています。東日本製鉄所千
成され、最先端の技術力による高品質な鉄鋼製
葉地区は京葉臨海中部地区石油コンビナート等
品の生産を効率的に行っています。
特別防災区域に属し、多くの危険物や高圧ガス
東日本製鉄所は、日本最初の民間製鉄所とし
の設備等を有する「石油コンビナート等災害防
て設立された京浜地区と、戦後初めて銑鋼一貫
止法(以下「石災法」という。
)」における特定
製鉄所として建設された千葉地区からなる、首
事業所となっています。
都圏に立地した都市型の製鉄所です。
共同防災組織について
事故・災害の発生又は拡大防止を目的とした
東日本製鉄所千葉地区の概要
防災組織として石災法第19条の規定に基づき、
東日本製鉄所千葉地区は東工場、西工場、生
浜工場の
陸上ならびに海上に関する共同防災組織を事業
工場から構成され、総面積は約766
図
JFE スチール
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事業所配置
Safety & Tomorrow No.138 (2011.7)
図
石油コンビナート等特別防災区域
②
所独自の自衛防災隊に加えて構成しています。
千葉地区海上共同防災組織:
千葉市沿岸区域
また、
「石油コンビナート等特別防災区域を
指定する政令」により、千葉市地区の地域防災
構成
に関して石油コンビナート等特別防災区域協議
③
つの特定事業所間において
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域
会を構成しています。
協議会:
①
千葉市の石油コンビナート等特別防災区域
JFE 千葉地区陸上共同防災組織:
東日本製鉄所千葉地区内
つの特定事業所間において構成
つの特定事業所間
以下に、前記①∼③の共同防災組織及び協議
において構成
JFEケミカル(株)
東日本製造所 千葉工場生浜分工場
西工場
JFEスチール(株)
東日本製鉄所 千葉地区
JFEスチール(株)
東日本製鉄所 千葉地区生浜工場
生浜工場
JFEケミカル(株)
東日本製造所 千葉工場
東工場
図
JFE 千葉地区陸上共同防災組織構成事業所の位置
Safety & Tomorrow No.138 (2011.7) 64
会長
副会長
幹事
共同防災組織
運営委員会
(敬称略)
JFEスチール(株) 東日本製鉄所 千葉地区 東工場および西工場
JFEスチール(株) 東日本製鉄所 千葉地区 生浜工場
JFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場
JFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場 生浜分工場
<業務委託先>JFE東日本ジーエス(株) セキィリティ事業部千葉事業所
指揮者1名
消防車要員7名
・4つの特定事業所で構成
・会長事業所はJFEスチール(株) 東日本製鉄所 千葉地区
副会長事業所はJFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場
図
JFE 千葉地区陸上共同防災組織の組織構成
会についての構成、活動状況をご紹介します。
⑴
表
JFE 千葉地区陸上共同防災組織
JFE 千葉地区陸上共同防災組織は、東日本製
鉄所千葉地区内における共同防災活動および防
可搬式放水銃
基
普通泡放水銃
基
着
11.16㎘
〈参考〉上記の他に東日本製鉄所千葉地区内には、JFE
ケミカル(株)に甲種普通化学消防車が配備さ
れています。
の組織構成図に示す東日本製
鉄所千葉地区内の
台
泡消火薬剤
日に設置されました。構成事業所は図
の位置図、図
大型化学高所放水車
耐熱服
災資機材の共有化と整備等を行うために昭和53
年11月
JFE 千葉地区陸上共同防災組織の防災
資材等
つの特定事業所です。共同
防災業務は JFE 東日本ジーエス株式会社セ
キュリティ事業部に委託し、表
⑶
に示す消防車
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域
協議会
等の防災資材を保有しています。
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域協
⑵
議会は、防災に係わる訓練・教育・情報交換等
千葉地区海上共同防災組織
千葉地区海上共同防災組織は、千葉港周辺海
を共同で行うことにより災害発生および拡大の
域に係る災害の発生、拡大の防止を図るために
防止を図るとともに、災害が発生した場合には
昭和53年11月
防災活動に協力し、地域の安全を確保するため
所は、図
日に設置されました。構成事業
の位置図および図
に昭和53年
の組織構成図に
示す千葉市域の港湾に所在する
月17日に設置されました。構成事
業所は、図 の位置図および図
つの特定事業
の組織構成図
所です。共同防災組織の業務は株式会社ダイ
に示す千葉市の石油コンビナート等特別防災区
トーコーポレーションに委託し、オイルフェン
域に所在する
つの特定事業所です。
ス展張船、オイルフェンス等の防災資材を保有
しています。
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Safety & Tomorrow No.138 (2011.7)
JFEケミカル(株)
東日本製造所 千葉工場生浜分工場
エヌアイケミカル(株)
千葉事業所
西工場
JFEスチール(株)
東日本製鉄所 千葉地区
丸紅エネックス(株)
千葉ターミナル
JFEケミカル(株)
東日本製造所 千葉工場
生浜工場
東京電力(株)
千葉火力発電所
東工場
図
千葉地区海上共同防災組織構成事業所の位置
会長
副会長
事務局
共同防災組織
運営委員会
(敬称略)
JFEスチール(株) 東日本製鉄所 千葉地区 東工場および西工場
丸紅エネックス(株) 千葉タ−ミナル
エヌアイケミカル(株) 千葉事業所
東京電力(株) 東火力事業所千葉火力発電所
JFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場
JFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場 生浜分工場
<業務委託先> (株) ダイトーコーポレーション 千葉支店
・6つの特定事業所で構成
・会長事業所はJFEスチール(株)東日本製鉄所 千葉地区
副会長事業所は丸紅エネックス(株)千葉ターミナル
およびエヌアイケミカル(株)千葉事業所の2事業所
・運営委員会:1回/年、役員会:都度召集
防災要員4名
(指揮者1名を含む)
図
千葉地区海上共同防災組織の組織構成
JFEケミカル(株)
東日本製造所 千葉工場生浜分工場
JFEスチール(株)
東日本製鉄所千葉地区 生浜工場
エヌアイケミカル(株)
千葉事業所
西工場
JFEスチール(株)
東日本製鉄所 千葉地区
JFEケミカル(株)
東日本製造所 千葉工場
生浜工場
(株)J-オイルミルズ
千葉工場
成田国際空港(株)
丸紅エネックス(株)
千葉ターミナル
東工場
東京電力(株)
千葉火力発電所
図
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域協議会構成事業所の位置
Safety & Tomorrow No.138 (2011.7) 66
会長
副会長
事務局
協議会
JFEスチール(株) 東日本製鉄所 千葉地区 東工場および西工場
JFEスチール(株) 東日本製鉄所 千葉地区 生浜工場
丸紅エネックス(株) 千葉タ−ミナル
JFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場
JFEケミカル(株) 東日本製造所 千葉工場 生浜分工場
エヌアイケミカル(株) 千葉事業所
東京電力(株) 東火力事業所 千葉火力発電所
(株)J-オイルミルズ 千葉工場
成田国際空港(株) 千葉港頭事務所
・9つの特定事業所で構成
・会長事業所はJFEスチール(株)東日本製鉄所 千葉地区
副会長事業所は丸紅エネックス(株)千葉ターミナル
・総会:1回/年、理事会:都度召集
図
⑴
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域協議会の組織構成
防災活動、防災訓練について
時に迅速かつ適確な対応が行えるように備えて
JFE 千葉地区陸上共同防災組織
います。
また、JFE 千葉地区陸上共同防災組織におい
東日本製鉄所千葉地区内施設での災害発生を
想定した防災訓練を事業所の自衛防災隊と合同
ては独自に消防ポンプ繰法訓練等を
に
度で実施しています。
回/月程度で行っています。異常現象とし
回/週程
て火災・ガス漏洩等を想定し、各施設管理者か
らの JFE 千葉地区陸上共同防災組織への通報、
⑵
千葉地区海上共同防災組織
海上への油漏洩を想定した対処訓練を計画時
各施設防災組織と連携した消火・救護活動から
点から千葉海上保安部様のご指導をいただき
鎮火確認までの一連の訓練を展開し、災害発生
空気呼吸器装着活動
放水
写真
JFE 千葉地区陸上共同防災組織での防災訓練
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Safety & Tomorrow No.138 (2011.7)
放水による拡散処理
オイルフェンス展張
写真
千葉地区海上共同防災組織での防災訓練
救護
放水
写真
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域協議会での防災訓練
回/年で実施しています。異常現象として配管
洩油処置・消火・延焼防止等についての一連の
フランジ部破損等による油類・化学物質の流出
訓練を実施しています。
を想定し、通報・拡散防止・回収/放水拡散等
についての一連の訓練を実施しています。
今後の取り組み
大規模地震発生による火災・漏洩・津波等を
⑶
千葉地区石油コンビナート等特別防災区域
想定した消火・救護・避難等の活動は、各事業
協議会
所の自衛防災組織による活動のみならず、共同
地震被害に対する対処訓練を計画の時点から
防災組織として近隣事業所間で連携することが
千葉市消防局様のご指導をいただき
回/年で
実施しています。
異常現象として配管等設備破損に起因する油
漏洩のタンク火災への進展を想定し、通報・漏
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被害の軽減に重要です。今後とも共同防災組織
における実践的訓練や防災情報の共有化等を通
して、事業所相互間の協調の継続に努めて参り
ます。