宇宙における植物生産技術の開発動向と展望.pdfファイル(378kB)

SHITA シンポジウム 2001
宇宙における植物生産技術の開発動向と展望
東海 大 学開 発工 学 部生 物工 学 科
谷
1
晃
は じ めに
宇 宙 で の 植 物 生 産 は 、 宇 宙 船 や 宇 宙 ス テ ー ショ ン 、 月 面 基 地 等 で 滞 在 す る ク ル ー ( 搭
乗員 、 滞在 員) に 対す る食 糧 生産 や CO 2 の O 2 へ の 変 換の 点 で必 要と 考 えら れて お り 、
そ の 栽 培 技 術 を 確 立 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、 宇宙 環 境 が 植 物 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 す る た
め に は 、 植 物 を 地 上 と 同 様 に 栽 培 で き る 装 置 が必 須 で あ る 。 特 に 、 現 在 ま で は 後 者 の 観
点か ら 、宇 宙環 境 に対 応し た 装置 の要 素 技術 開発 が 試み られ て いる 。
地 上 と 異 な る 宇 宙 環 境 と し て は 、 微 小 重 力 、宇 宙 線 が 挙 げ ら れ 、 宇 宙 線 の 影 響 を 調 べ
る 暴 露 部 を 除 く 船 内 で は 、 微 小 重 力 に 対 応 で きる 要 素 技 術 の 開 発 が 必 要 で あ る 。 微 小 重
力 と は 、 軌 道 上 の 宇 宙 ス テ ー シ ョ ン や 宇 宙 船 に 働 く 微 小 な 重 力 の こ と を 意 味 し 、 10 -3 ∼
10 -5 G の範 囲の も のを 指す 。ま た、宇宙 ス テー ショ ン や宇 宙船 内 で植 物実 験 を行 う場 合 、
使用 可 能電 力や 空 間は 厳し く 制限 され て おり 、省 電 力 、省 スペ ー スの 装置 が 求め ら れ る 。
本 稿 で は 、 こ れ ま で の 宇 宙 で の 植 物 実 験 結 果を レ ビ ュ ー す る と と も に 、 宇 宙 に お け る
植 物 生 産 技 術 の 問 題 点 を 整 理 し 、 そ れ ら を 克 服す る た め に 現 在 開 発 さ れ て い る 植 物 栽 培
技術 を 紹介 する 。 また 、今 後 の展 望に つ いて 私見 を 述べ る。
2
現 在 まで の 宇 宙 実験 結 果
こ れ ま で 宇 宙 で の 植 物 実 験 は 、 ロ シ ア ( 旧 ソ連 ) と 米 国 の 宇 宙 船 ( ス ペ ー ス シ ャ ト ル
など ) や、 ロシ ア の宇 宙ス テ ーシ ョン Mir 内で 行 われ てき た 。 1987 年以 前 の宇 宙 で の
植物 実 験結 果に つ いて は 、高 橋・菅( 1987)のレ ビ ュー が詳 し い 。この 後 の結 果に つ い
ては 、 国際 的な 植 物生 理学 雑 誌を 中心 に 報告 され て きた 。
宇 宙 環 境 、 特 に 微 小 重 力 が 植 物 に 及 ぼ す 影 響 に 関 し て は 、 発 芽 、 シ ュ ー ト や 根 の 重力
屈性 を 中心 に検 討 され てき た(Halstead and Dutcher, 1987 ; 谷 、相賀 , 1992)。最 近 の
ユ ニ ー ク な 例 と し て は 、 キ ュ ウ リ が 発 芽 時 に 種皮 か ら 子 葉 を 抜 き 去 る 際 、 種 皮 を 押 さ え
つけ る 役目 をす る ペグ の形 成 位置 が 、重 力 の 影響 を 受け ると い う報 告が あ る(Takahashi
et al., 2000)。 こ れら は、 地
球 上で 植 物 が 如何 に 重 力 に対
表1 宇宙と地上の異なる重力下で生育したサラダナの初期成長量の比較
Length (mm)
し て適 応 し 、 姿勢 を 制 御 でき
Hypocotyls
Root
る よう に な っ たか を 探 る 意味
Flight microG
7.0±0.1
14.1±0.3
で 重要 な 研 究 であ る 。 結 果の
Flight Centrifuge 0.01G
6.6±0.2
14.4±0.4
一 例と し て 、 サラ ダ ナ の 初期
Flight Centrifuge 0.1G
7.0±0.1
17.2±0.4
Flight Centrifuge 1G
6.1±0.1
17.3±0.4
Ground Centrifuge 1G
12.9±0.6
27.1±0.3
成 長に 及 ぼ す 重力 の 影 響 を表
1 に 示 す。 胚軸 の 伸長 量は 、
宇宙 で 微小 重力 か ら 0.01G、
Ground Stationary 1G
13.2±0.2
26.9±0.4
(Merkys and Laurinavicius, 1990を改変した谷ら, 1995の文献を引用)
SHITA シンポジウム 2001
0.1G、 1G で 大 き な 差 は な か っ た 。 根 の 伸 長 量 は 、 重 力 が 高 い と 高 ま る 傾 向 に あ っ た。
この 結 果で 注目 す べき こと は 、地 上の 対 象2 区で 、宇宙 での 4 処理 区と 比 べて 、胚 軸 長 、
根 長 と も 著 し く 高 く 、 宇 宙 で の 実 験 は 重 力 以 外の 要 因 が サ ラ ダ ナ の 生 育 を 遅 ら せ た と 考
えら れ るこ とで あ る。
他方 、 微 小 重力 環 境 が 植物 の 全 生 活環 と 遺 伝 的変 異 に お よぼ す 影 響 を検 討 す る ため、
栄 養 成 長 か ら 生 殖 成 長 に 至 る 宇 宙 実 験 も 数 例 行わ れ た 。 こ れ ま で に 用 い ら れ た 植 物 材 料
は 、 シ ロ イ ヌ ナ ズ ナ と コ ム ギ で あ る 。 サ リ ュ ート 7 号 で 育 て た シ ロ イ ヌ ナ ズ ナ か ら は 若
干量 の 種子 が得 ら れた( Merkys and Laurinavicius, 1990)。し かし 、シ ロ イヌ ナズ ナ で
はそ の 稔性 が低 下 し雌 蕊の 形 態異 常が( Kaung et al., 1995)、コ ム ギ では 不 稔( Halstead
and Dutcher, 1987) が認 め られ た。
こ の よ う に 、 こ れ ま で 行 わ れ た 宇 宙 で の 植 物栽 培 で は 、 植 物 が 地 上 と 同 様 に 正 常 に 育
た な か っ た 。 そ の 後 に 行 わ れ た 栽 培 環 境 計 測 から 、 次 章 で 述 べ る 微 小 重 力 以 外 の 様 々 な
栽 培 環 境 も 地 上 と 異 な っ て い た こ と が 認 め ら れ、 少 な か ら ず こ れ ら の 環 境 要 因 が 宇 宙 で
の 植 物 生 育 に 影 響 し た と 考 え ら れ る に 至 っ た 。こ の 状 況 で は 、 重 力 が 植 物 に 及 ぼ す 影 響
を宇 宙 実験 で十 分 には 明ら か にで きな い 。
3
宇 宙 では 、 微 小 重力 以 外 に どの よ う な 環境 が 問 題 であ ろ う か ?
表2 に 問題 とな り うる 環境 要 因を 整理 し た。
これ ま で 実 験が 行 わ れ てき た 宇 宙 船内 で は 、 微小 な 振 動 が絶 え ず 起 こり 、 電 磁 波が発
生 し て い た 。 表 1 で 宇 宙 の 4 処 理 区 で サ ラ ダ ナの 初 期 成 長 量 が 低 い の は 、 こ の た め で な
いか と 考え られ る (Halstead and Dutcher, 1987)。
また 、密閉 容器 内 で植 物を 育 てる と、内 部の エチ レ ン濃 度が 高 まる(谷 ら. 1993)。エ
チ レ ン 濃 度 の 上 昇 は 、 上 偏 成 長 だ け で な く 、 葉の ク ロ ロ シ ス を 招 き 光 合 成 速 度 を 低 下 さ
せる( Tani et al., 1995 ; 谷ら , 1996a)。閉 鎖 環境 内 での エチ レ ン濃 度の 上 昇は 、栽 培 装
置の規模が大きくなった場合でも起こりうるため、閉鎖生態系生命維持システム
( CELSS)の植 物 生産 でも 詳 細に 検討 さ れて きた(谷 ら 、1995 ; 谷 ら、1996b ; Tani et
al., 1996 ; 谷ら 、 1997 ; Tani et al., 1997)。
微小 重 力 下 では 自 然 対 流が 極 度 に 抑制 さ れ 、 花粉 が 重 力 によ っ て 柱 頭へ 落 下 し 受粉す
る と い う 過 程 が 起 こ り に く い 。 こ の た め 、 植 物種 に よ っ て は 稔 実 歩 合 が 著 し く 低 下 す る
こと も 考え られ る 。
また 、対 流 の抑 制 のた め、葉 面 境 界層 抵 抗が 極度 に 高ま り、葉 の C O 2 と H 2 O の交 換
表2 微小重力および宇宙放射線以外で宇宙で問題となる植物栽培環境要因
船内の振動
船内の機器から発せられる電磁波
栽培容器内のエチレン上昇
自然対流が極度に抑制され重力に依存する受粉プロセスが行われにくい
自然対流が極度に抑制されるため光合成が低下する
自然対流が極度に抑制されるため蒸散が低下し、葉温が高まる
栽培培地内の水分布が微小重力下と1G下で異なる
微小重力下では重力に影響される水移動がおこらない
SHITA シンポジウム 2001
が抑 制 され る 。この た め 、光合 成 速度 と 蒸散 速度 が 低下 する( Kitaya et al., in press)。
蒸 散 の 低 下 は 奪 わ れ る 気 化 熱 量 を 低 下 さ せ 、 葉面 境 界 層 抵 抗 の 増 大 に よ る 顕 熱 交 換 の 抑
制と 同 様に 、葉 の 温度 を高 く 維持 する 方 向へ 働く ( 北宅 ら、 1999)。
重 力 が ほ と ん ど な い 状 況 で は 、 栽 培 培 地 内 の水 分 布 が 地 上 と 異 な る 。 地 上 で は 、 培 地
下 部 ほ ど 水 分 量 が 高 い 状 態 が 普 通 で あ る が 、 微小 重 力 下 、 親 水 性 の 培 地 で は シ ン ク が な
い 場 合 均 一 に 分 布 す る 。 培 地 に 疎 水 性 の も の を用 い た 場 合 、 培 地 内 で 毛 管 力 に よ る 水 移
動が 起 こら ず、 水 供給 個所 と 他の 個所 で 水分 量が 極 度に 異な る 。こ の現 象 が、 Mir 内 で
コム ギ がう まく 生 育し なか っ た一 因と 考 えら れた ( Salisubury, 1995)。
4
微 小 重力 下 で 植 物の 生 育 環 境を 適 切 に 制御 す る こ とで 、重 力 が植 物 に お よぼ す 影 響
を 正 し く 解析 で き る
3 章 で 述 べ た よ う に 、 宇 宙 で は 重 力 が ほ ぼ ゼロ に な る と と も に 、 様 々 な 環 境 要 因 が 地
上 の 対 象 区 と 異 な る 。 こ の 状 況 で は 、 植 物 の 成長 ・ 発 達 や 遺 伝 的 変 異 に お よ ぼ す 重 力 の
影 響 を 検 討 す る 際 に 、 重 力 以 外 の 要 因 に よ っ て起 こ っ た 現 象 を 、 微 小 重 力 に よ る も の と
誤っ て 解釈 して し まう 恐れ が ある 。
こ の た め 、 微 小 重 力 下 で 植 物 の 生 育 環 境 を 適切 に 制 御 で き る 宇 宙 用 植 物 栽 培 装 置 を 開
発 す る 必 要 が あ る と 、 強 く 認 識 さ れ る よ う に なっ て き た 。 必 要 と さ れ る 装 置 は 、 ま ず 栽
培空 間 のガ ス環 境 を適 切に 制 御で きる 必 要が ある 。C O 2 濃 度 や O 2 濃度 の 適正 範囲 へ の
制 御 は も ち ろ ん 、 エ チ レ ン な ど の 微 量 有 害 ガ スの 蓄 積 を 抑 え る た め の 除 去 シ ス テ ム あ る
い は 換 気 シ ス テ ム を 備 え る 必 要 が あ る 。 ま た 、栽 培 空 間 内 に 気 流 を 起 こ し 、 葉 面 で の ガ
ス 交 換 を 地 上 と 同 様 な レ ベ ル ま で 促 進 す る 。 ただ し 、 こ の 場 合 、 気 流 が 強 す ぎ る と 葉 の
表3 現在開発中あるいは開発が完了した宇宙実験用植物栽培装置
国名
開発元
装置名
装置名略称
←
装置の詳細
ロシア、ブルガリア Institute of Biomedical Problem 他
SVET
米国
WCSAR, Wisconsin-Madison大学
Astroculture Plant Growth Unit
ASC-8
ガス濃度、温湿度を制御
米国
WCSAR, Wisconsin-Madison大学
Commercial Plant Biotechnology
Facility
CPBF
ガス濃度、温湿度を制御
米国
NASA, Ames Research Center
Plant Genetic Bioprocessing
Apparatus
PGBA
ガス濃度、温湿度を制御
米国
NASA, Ames Research Center
Salad Machine
米国
NASA, Kennedy Space Center
Biomass Production System
BPS
ガス濃度、温湿度を制御
米国
NASA
Plant Research Unit
PRU
ガス濃度、温湿度を制御, ISSの大型遠
心器への搭載用
日本
5大学共同研究グループ
Space Plant Box
SPB
ガス濃度、温湿度を制御
日本
NASDA
Cell Biology Experiment Facility
CBEF
温湿度制御、CO2は%レベルの制御、
幼植物まで、遠心器つき
EU
ESA/ESTEC
European Modular Cultivation System
EMCS
ガス濃度、温湿度を制御、幼植物まで
EU
ESA/ESTEC
BIOLAB
←
ガス濃度、温湿度を制御、幼植物まで、
遠心器つき
ドイツ
Berlin 大学
PHYTOSYS
←
ガス濃度、温湿度を制御
←
キャビンの空気をとりこむ、ガス濃度、
温湿度の制御なし
高密度栽培システム、PGBAへの搭載
を検討中
参考文献:Hoehn et al., 2000 ; Daunicht and Richer, 2000 ; Zhou and Turner, 2000 ; Zhou et al., 2000 ; Kliss et al., 2000 ; Brinckmann and Brillouet, 2000)
SHITA シンポジウム 2001
振動 を 招き 、葉 に 加速 度を 与 える こと か ら、適度 な 気流 速が 必 要で ある 。栽培 培地 に は 、
親水 性 で毛 細管 が 発達 した も のを 用い 、微 小 重力 下 で水 の移 動 を容 易に す る必 要が あ る 。
親水 性 培地 では 、 疎水 性培 地 に比 べて 1 G 下 でも 水 の分 布が 均 一に なり や すく 、1 G 下
と微 小 重力 下で 水 の分 布差 異 を小 さく で きる 。
5
開 発 が進 む 宇 宙 用植 物 栽 培 装置
現在 開 発 中 の、 あ る い は開 発 を 完 了し た 栽 培 装置 を 表 3 に示 す 。 こ れら の 装 置 の多く
は、 4 章で 述べ た 改良 点を 考 慮し 、様 々 な工 夫が 施 され てい る 。た だし 、 Mir に搭 載 さ
れて い る SVET は、培 地の 水 分環 境の 制 御に 注意 が 払わ れて い るも のの 、ガ ス 環境 は 制
御さ れ ず 、キャ ビ ンの 空気 を 直接 利用 す る 。この た め 、高 CO 2 濃 度や 高 エチ レン 濃 度な
ど 不 適 切 な ガ ス 環 境 に な り 、 先 に 述 べ た 水 の 不均 等 分 布 に 加 え て 、 コ ム ギ の 不 稔 の 原 因
にな っ たと 報告 さ れた(Salisbury et al., 1996)。米 国 は 、ア メリ カ 航空 宇 宙局(NASA)
の 研 究 所 を 中 心 に 装 置 開 発 が 進 ん で お り 、 ス ペー ス シ ャ ト ル に 搭 載 し 、 基 礎 性 能 の 評 価
試 験 を 度 々 行 っ て き た 。 ヨ ー ロ ッ パ や 日 本 で も、 国 際 宇 宙 ス テ ー シ ョ ン 向 け の 装 置 開 発
が進 め られ てい る 。
6
日本製の栽培装置−微小
重 力 場 植 物 実 験 装 置 ( Space
Plant Box, SPB) −
6.1
SPB の 概 要
Air circulation
fan
Air suction fan
Transpiration
著 者 らは 、1997 年 よ り日 本 宇
宙フ ォ ー ラ ムの 助 成 を 受け て 日
本独 自 の 栽 培装 置 の 開 発を 進 め
RSM
Hydrophilic
strings
て き た (谷 ら , 1999., Kitaya et
al., 2000a)。こ の 装置 を微 小 重
力場 植 物 実 験装 置 と 名 づけ 、 英
語名 を Space Plant Box( 以下
SPB とす る )と した 。SPB の模
Condensation
RSM
Water
accumulator
Cooler
Air/liquid
separator
Water flow
Air flow
図1
RSM : Root supporting material
SPB の模 式 図
式図 を 図1 に示 す 。
本 装 置 の 開 発 に 当 た っ て は 、 表 4 に 示 す 要 素技 術 を 開 発 あ る い は 応 用 し 、 小 重 力 を 実
現す る 航空 機実 験 にて 表 5 に 示す いく つ かの 選定 要 素技 術お よ び新 しい 考 案技 術の 性 能
評価 を 行っ た。これ ら の検 討 をも とに し、1999 年 に 試 作機 1 号( 図2 )を 製 作し 、そ の
試 作 機 で 植 物 栽 培 を 通 し て 性 能 評 価 実 験 を 行 っ た 後 、 一 部 に 改 良 を 加 え 2000 年 春 に
Breadboard Model を 完成 さ せた ( 図 3) (Tani et al., 2000a)。
本 装 置は 、栽 培 チャ ンバ ー と冷 却部 か らな り、栽 培チ ャン バ ー内 の温 湿 度、C O 2 濃 度 、
培 地 の 水 分 含 有 量 、 冷 却 フ ィ ン 面 温 度 を 制 御 でき 、 微 量 ガ ス の 蓄 積 を 抑 え る こ と が で き
る 。 ま た 、 光 合 成 と 蒸 散 の 速 度 を 継 続 的 に 自 動計 測 で き る 点 で 、 他 の 装 置 を 超 え る 性 能
を持 つ 。根 の支 持 体に は、 特 製の セラ ミ ック ヌー ド ル支 持体 ( 図 4)を 用 い、 親水 性 の
ヌー ド ル表 面特 性 によ って 水 移動 が円 滑 に行 える 。
SHITA シンポジウム 2001
また 、 親 水 性の ガ ラ ス
繊維 を 用 い た水 循 環 シ ス
テム は 、 水 を輸 送 す る た
めに エ ネ ル ギー を 必 要 と
しな い (大 熊ら , 2000)。
これ は 、 水 ポテ ン シ ャ ル
勾配 に そ っ て移 動 す る 水
に対 す る 抵 抗を 、 最 大 限
に低 減 で き る親 水 性 ガ ラ
ス繊 維 を 用 いる こ と で 実
現で き た ( 図5 )。ま た、
表4 SPB用に開発した、あるいは改良した要素技術
下方気流による気流制御技術(a)
光触媒と炭素系吸着剤を併用した微量ガス除去技術
気流循環経路の制御による光合成・蒸散計測技術(b)
フィン面温度と気流循環経路の制御による温湿度制御技術(b)
貯水タンク親水化による水供給技術 (c)
気液分離技術(d)
セラミックヌードル支持体(e)
LED光源(f)
ガラス繊維による水輸送技術(g)
冷却フィンの親水化による水蒸気回収システム(h)
緩効性肥料による養分供給方法(e)
(a) Kitaya et al., 2000b, (b) Tani et al., 2000a
(c)Tani et al., 2000b, (d) 中村ら, 2000 (e) 斎藤ら, 1999
(f) Goto et al., 2000, (g) 大熊ら, 2000b, (h) 谷ら, 1999
この ガ ラ ス 繊維 を 用 い る
こと で 、 繊 維上 で の カ ビ
の発 生 を 完 全に 防 止 で き
る。
本装置は、冷熱面で除
熱す る 空 気 交換 経 路 以 外
に、 チ ャ ン バー 内 の み で
空気 循 環 す る経 路 を 持 つ。
これ ら 2 経 路を 切 り換 え、
かつ 冷 却 フ ィン 面 温 度 を
制御 す る こ とで 、 チ ャ ン
バー 内 空 気 から 一 定 の 顕
熱を 奪 い な がら 、 奪 う 潜
熱量 ( 水 蒸 気量 ) を コ ン
トロ ー ル で きる ( 図 1 参
照)。こ れ に よっ て 、栽 培
図 2 SPB 試作 機 1 号 の概観 写 真
チャ ン バ ー 内の 気 温 と 湿度 を 、
表5 小重力環境を作り出す航空機実験で検討した項目
同時 に 簡単 に制 御 でき る 。ま た、
ポトメータ法による蒸散計測 (a)
対流抑制が葉温、光合成、蒸散にあたえる影響 (b)
湿度センサの出力と重力の関係 (c)
水供給システムの作動性能 (d)
ミストによる養液供給方法 (e)
表面張力フィルターを用いた気液分離法 (f)
チャ ン バ ー 内空 気 循 環 経路 を 設
ける こ と に よっ て 、 こ の経 路 で
の循 環 中 に 蒸散 速 度 を 計測 で き
るよ う に な った ( チ ャ ンバ ー 内
の水 蒸 気増 加速 度 =蒸 散速 度)。
6.2
SPB の 性 能
オオ ム ギ を 67 日間 栽培 し た
地上 実 験中 の SPB 内 の気 温 、湿
セラミックヌードル支持体内の水分布
水輸送用繊維の透水係数 (g)
対流の抑制と湿度センサの応答
(a) 小林ら, 1999 (b) Kitaya et al., in press
(c)Tani et al., 2000c (d) Tani et al., 2000b
(e) 後藤ら, 2000 (f) 中村ら, 2000 (g) 谷ら, 2000
SHITA シンポジウム 2001
度 の 変 化 を 図 6 に 示 す 。 プ ロ グ ラ ム ミ ス に よ る気 温 上 昇 が 起 こ っ た 7 日 目 を 除 い て 、 気
温は 20∼ 20.5℃ 、 湿 度は 55∼ 65% の範 囲 内に 維 持で きた 。 フィ ン面 温 度と 湿度 が 一時
的 に 大 き く 変 化 し て い る 部 分 は 、 故 意 に フ ィ ン面 温 度 を 変 化 さ せ て 制 御 可 能 な 湿 度 範 囲
を調 べ る実 験を 行 った 時期 の デー タで あ る。 図 7 に フ ィン 面 温度 を変 化 させ た場 合 の 、
栽 培 チ ャ ン バ ー 内 の 気 温 と 湿 度 の 変 化 を 示 す 。 気 温 を 一 定 に 維 持 し な が ら 、 湿 度 を 20
∼ 30%の 幅 で制 御 でき るこ と がわ かっ た。た だし 、こ の 制御 可 能湿 度範 囲 は、チャ ン バ
ーへ の 熱負 荷や 植 物の 蒸散 速 度に 依存 す る。 図 8 は、 1 時間 ご と に 1 分 間強 制 的に 空 気
経 路 を チ ャ ン バ ー 内 循 環 に 切 り 換 え 蒸 散 速 度 を計 測 し た 時 の 、 栽 培 チ ャ ン バ ー 内 の 温 湿
度 の 変 化 を 示 す 。 チ ャ ン バ ー 内 循 環 中 は 、 水 蒸気 の シ ン ク が な い た め 水 蒸 気 量 が 上 昇 し
気温 も 高ま るが 、 蒸散 測定 終 了後 直ち に チャ ンバ ー 内空 気は 冷 却部 へ送 ら れ、 2 分 以 内
に温 湿 度は 制御 範 囲内 に低 下 する 。図 9 に 、 1 時間 ご と に計 測 した 蒸散 速 度の 日平 均 値
を プ ロ ッ ト し た 、 栽 培 期 間 中 の 蒸 散 速 度 の 経 日変 化 を 示 す 。 こ の 結 果 か ら 栽 培 期 間 中 の
オオ ム ギの 総蒸 散 量は 、 2630m L と計 算 され た。 図 10 に栽 培 期間 中の ガ ラス 繊維 の 含
水率 と 積算 水供 給 量の 変化 を 示す 。本 装 置は 植物 の 蒸散 水を 回 収し 、再 利 用 し てい る が 、
植 物 体 内 に 蓄 積 さ れ た 水 や 装 置 外 へ 漏 れ た 水 を外 部 か ら 補 う 必 要 が あ る 。 そ の た め 、 培
地 下 面 の 繊 維 の 含 水 率 を 赤 外 線 式 水 分 セ ン サ でモ ニ タ リ ン グ し 、 設 定 値 以 下 に な る と 一
定 量 を 供 給 す る 制 御 を 行 っ た 。 こ の 図 か ら 、 栽培 期 間 中 繊 維 の 含 水 率 が 低 下 す る と と も
に 、 必 要 量 の 水 が 外 部 か ら 供 給 さ れ 、 含 水 率 が一 定 値 以 上 に 維 持 さ れ て い る こ と が わ か
る。栽培 期 間中 の 総供 給水 量 は 90m L で 、実 験中 に 植物 が体 内 に蓄 えた 水 の量 は 約 70mL
であ っ たこ とか ら 、 約 20m L の水 が SPB か ら外 部 へ漏 れた と 推測 され た 。 SPB の 水 循
環効 率 を
水循 環 効率 ={(総蒸 散 量−漏れによる損失 量)/総蒸 散 量}×100
とし て 計算 する と 、99.2% と高 い 水循 環 効率 であ っ た 。図 11 に 栽 培期 間 中の オオ ム ギ
の 光 合 成 速 度 の 変 化 を 示 す 。 光 合 成 速 度 は 、 蒸散 速 度 と 類 似 の 変 化 傾 向 を 示 し た 。 栽 培
期間 中 にオ オム ギ が吸 収し た 総炭 素量 は 0.26mol と計 算 され 、こ れ は栽 培 終了 時に 計 測
した オ オム ギの 乾 物重 から 概 算し た固 定 炭素 量( 0.31mol)と 大 差 なか っ た。
この よ うに 、SPB は植 物の 栽 培環 境を 長 期に わた っ て適 切に 制 御で き 、物 質 交 換量 や
循環 量 を正 確に 把 握で きる こ とを 確認 し た。
6.3
SPB の 開 発 課 題
地 上 での 栽培 実 験で 、SPB は 植 物を 正 常に 栽培 可 能な こと を 確認 した 。また 、SPB に
用い た 微小 重力 対 応の 要素 技 術性 能を 、 0.01∼ 0.02G の 小重 力 を実 現す る 航空 機放 物 線
飛行 実 験に て評 価 し、必要 に 応じ て改 良 を加 えた 。今後 、SPB の 装 置自 体 の微 小重 力 下
での 性 能評 価を 行 う必 要が あ る。
さら な る 開 発課 題 と し ては 、 植 物 の生 育 状 況 をモ ニ タ リ ング で き る 技術 の 開 発 あるい
は 応 用 が 必 要 で あ る 。 植 物 の 形 態 、 葉 温 、 蛍 光な ど を 非 接 触 で 計 測 し 、 で き る だ け 多 く
の 植 物 生 理 ・ 生 体 情 報 を 収 集 で き る シ ス テ ム を装 備 し た い 。 ま た 、 今 後 日 本 独 特 の 植 物
SHITA シンポジウム 2001
栽 培 実 験 と し て 水 稲 の 栽 培 を 行 う 必 要 が あ る と著 者 は 考 え て お り 、 水 稲 栽 培 用 根 圏 環 境
制御 装 置の 開発 を 進め てい き たい 。水 稲 栽 培 シス テ ムの 開発 は 、SPB が 今後 日 本の 装 置
とし て の独 自性 を 強調 する た めに も、 ぜ ひ進 めて い きた いと 考 えて いる 。
7
宇 宙 での 植 物 生 産の 展 望
現 在 、 ス ペ ー ス シ ャ ト ル で 行 わ れ て い る 植 物実 験 で は 、 重 力 屈 性 機 構 の 解 明 が 中 心 で
あり 、植物 ホル モ ン分 布、酵 素活 性、Ca な どの イ オン 濃度 、膜電 位計 測 など に加 え て 遺
伝 子 レ ベ ル で の 解 析 が 行 わ れ つ つ あ る 。 一 方 、国 際 宇 宙 ス テ ー シ ョ ン で 予 定 さ れ て い る
植 物 実 験 は 、 栽 培 期 間 を 長 く 取 れ る こ と か ら 、発 芽 か ら 栄 養 成 長 を 経 て 生 殖 成 長 に い た
る実 験 、い わゆ る Seed to seed 実験 に 焦点 を絞 っ たも のが 多 数行 われ る 予定 であ る 。こ
れ ら の 実 験 は 、 宇 宙 環 境 が 植 物 の 生 殖 成 長 や 遺伝 的 変 異 に お よ ぼ す 影 響 の 解 析 を 試 み る
も の で あ り 、 生 物 学 的 な 基 礎 課 題 を 明 ら か に する だ け で な く 、 将 来 的 な 宇 宙 に お け る 植
物 生 産 の 基 礎 課 題 を 解 明 し 、 長 期 の 有 人 宇 宙 活動 に と っ て 不 可 欠 な 生 命 維 持 シ ス テ ム を
確 立 す る た め に も 重 要 で あ る 。 こ の よ う に 宇 宙で の 植 物 実 験 は 、 短 期 の 実 験 で 解 析 可 能
な 重 力 屈 性 な ど の 反 応 メ カ ニ ズ ム の 解 析 か ら 、長 期 の 実 験 で は じ め て 結 論 が 出 る 植 物 の
生産 、 食糧 供給 と いう 課題 へ 変わ りつ つ ある 。
現 在 、 著 者 ら の グ ル ー プ や 各 国 の 研 究 者 が 開発 を 試 み て い る 植 物 栽 培 装 置 は 、 電 力 、
空 間 の 点 で 制 約 が 厳 し く 、 微 小 重 力 対 応 の 技 術開 発 も 不 充 分 で あ る 。 そ の 意 味 で 、 装 置
開 発 は 困 難 を 伴 う が 、 取 り 組 み 甲 斐 の あ る 研 究課 題 で も あ る 。 現 在 ま で 、 開 発 さ れ た 栽
培 技 術 は 、 ど の 装 置 に 関 し て も 宇 宙 で の 長 期 の性 能 評 価 は ま っ た く 行 わ れ て い な い 現 状
で あ る が , こ の 状 況 は 国 際 宇 宙 ス テ ー シ ョ ン の完 成 、 運 用 開 始 と と も に 一 変 す る で あ ろ
う 。 国 際 宇 宙 ス テ ー シ ョ ン が 完 成 し 、 運 用 が 本格 化 す る と 、 そ の 後 の 十 年 で 栽 培 技 術 は
確立 さ れる であ ろ う 。2020 年 ま で の 20 年 間が 栽 培技 術開 発 上 、最も 重 要な 期間 に なる
と 予 想 さ れ る 。 そ の 後 の 食 糧 生 産 へ 向 け て の 装置 の 大 型 化 は 、 空 間 と 電 力 の 制 限 が な く
な る 、 あ る い は あ っ た と し て も 極 め て ゆ る い もの に な る た め 、 そ れ ほ ど 困 難 を 伴 わ な い
であ ろ う 。また 、月 面 での 閉 鎖生 態系( or 制 御生 態 系 )生命 維 持シ ステ ム( CELSS)に
おけ る 植物 生産 装 置の 開発 で は、 重力 が 地球 の 1/6 と小 さい が 存在 する た め、 技術 移 転
は容 易 であ る。
8
謝辞
本 研 究 の 共 同 研 究 者 の 東 北 大 学 高 橋 秀 幸 教 授、 大 阪 府 立 大 学 北 宅 善 昭 助 教 授 、 東 京 大
学 後 藤 英 司 助 教 授 、 宇 都 宮 大 学 斎 藤 高 弘 助 教 授に は 、 研 究 を 通 じ て 有 益 な 議 論 を 重 ね る
こ と が で き た こ と を 感 謝 す る 。 本 研 究 は 、 日 本宇 宙 フ ォ ー ラ ム の 地 上 公 募 研 究 の 助 成 金
を受 け て行 った 。 ここ に、 謝 意を 表す る 。
SHITA シンポジウム 2001
9
引 用 文献
Brinckmann, E., Brillouet, C., 2000. SAE Technical Paper Series 2000-01-2472.
Daunicht, H. J., Richer, C., 2000. SAE Technical Paper Series 2000-01-2474.
Goto, E., J. Tsujimura, H. Takahashi, Y. Kitaya, T. Saito, A. Tani, 2000. Proceedings
of the XIV Memorial CIGR World Congress 2000. 1799-1802
後藤 英 司・ 辻村 淳 之助 ・高 橋 秀幸 ・北 宅 善昭 ・齋 藤 高弘 ・谷 晃 , 2000. CELSS 学会 平 成
12 年 度 年 次学 術 講演 会要 旨 集 p.41-42
Halstead, T. W., Dutcher, F. R., 1987. Annu. Rev. Plant Physiol., 38 : 317-345.
Hoehn, A., Stodieck, L. S., Clawson, J., Robinson, E., Seelig, H., Heyenga, A. G.,
Kliss,M. H., 2000. SAE Technical Paper Series 2000-01-2232.
Kaung, A., Musgrave, M. E., Matthews, S. W., Cummins, D. B., Tucker, S. C., 1995.
Amer. J. Bot. 82 : 585-595.
北宅 善 昭・川井 優 幸・鶴山 浄 真・後藤 英 司・高橋 秀 幸・谷晃・齋 藤 高弘・清 田 信 . 1999.
日本 農 業気 象学 会 ・日 本生 物 環境 調節 学 会・ 日本 植 物工 場学 会 合同 大会
p.322-323
Kitaya, Y., A. Tani, E. Goto, T. Saito, H. Takahashi, 2000a. Adv.Space Res. 26(2) :
281-288
Kitaya, Y., Kawai, M., Tsuruyama, J., Takahashi, H., Tani, A., Goto, E., Saito, T.,
Kiyota, M., 2000b. Proceedings of the XIV Memorial CIGR World Congress 2000.
1008-1013
Kitaya Y., Kawai, M., Tsuruyama, J., Takahashi, H., Tani, A., Goto, E., Saito, T.,
Kiyota, M., Adv. Space res., in press.
小 林 有 一 ・ 齋 藤 高 弘 ・ 志 賀 徹 ・ 荒 川 陽 司 ・ 高 井政 和 ・ 島 貫 雅 一 ・ 谷 晃 ・ 北 宅 善 昭 ・ 後 藤
英司 ・ 高橋 秀幸 , 1999. CELSS Journal. 12(1) : 9-14.
Kliss, M., Heyenga, G., Hoehn, A., Stodieck, L., SAE Technical Paper Series
2000-01-2476.
Merkys, A. J., Laurinavicius, R. S., 1990. In “Fundamentals of Space Biology”.
Japan Sci. Soc. Press, p69-83.
中村 智 丈・齋藤 高 弘・福村 一 成・志賀 徹・谷 晃・後 藤 英 司・北 宅 善 昭・高 橋 秀 幸 , 2000.
平 成 12 年 度日 本 農業 気象 学 会・ 日本 生 物環 境調 節 学会 大会 講 演要 旨集 . p.456-457
大 熊 健 ・ 谷 晃 ・ 齋 藤 高 弘 ・ 後 藤 英 司 ・ 高 橋 秀 幸 ・ 北 宅 善 昭 . 2000. 日 本 植 物 工 場 学 会 平
成 12 年 度 大会
p.28-29
齋藤 高 弘・中村 智 丈・志賀 徹・安 藤達 男・谷 晃・高 橋 秀 幸・北 宅 善 昭・後 藤 英 司 . 1999.
平成 11 年 度日 本 植物 工場 学 会・ 日本 農 業気 象学 会 ・日 本生 物 環境 調節 学 会合 同大 会 .
p.324-325
Salisubury, F. B., Bingham, G. E., Campbell, W. F., Carman, J. G., Bubenheim, D.
L., Yendler, B., Jahns, G. 1995 Life Support and Biosphere. 2 : 31-39.
Salisubury, F. B., Bingham, G. E., Campbell, W. F., Carman, J. G., Hole, P.,
Gillespie, L., Nan, R., Jiang, I., Bubenheim, D. L., Yendler, B., Sytchev, V. N.,
Podolsky, I. B., Levinskikh, M., Chernova, L., Ivanova, I. 1996 SAE Technical
SHITA シンポジウム 2001
Paper Series, 961392..
谷晃 ・ 山南 明久 ・ 清田 信・ 北 宅善 昭・ 相 賀一 郎. 1993. CELSS Journal 5: 11-16.
谷晃 ・ 相賀 一郎 , 1995
章担 当
新 版 -生 物環 境 調節 ハン ド ブッ ク
「 重力 と植 物 , (1) 植 物」 の
養 賢堂
Tani, A., Kiyota, M., Aiga, I. 1995. Biological Sciences in Space 9 : 314-326.
Tani, A., Kiyota, M., Aiga, I., Nitta, K., Tako, Y., Ashida, A., Otsubo, K., Saito. T.
1996.
Adv. Space Res. 18(4/5). 181-188.
谷晃 ・ 斎藤 隆雄 ・ 清田 信・ 相 賀一 郎. 1996a.
生 物 環境 調節
谷晃 ・ 清田 信・ 相 賀一 郎. 1996b. 生物 環 境調 節
谷晃 ・ 清田 信・ 相 賀一 郎.
Tani, A., Kiyota, M. 1997.
1997.
生 物 環境 調節
34: 37-43.
34: 29-35.
35: 41-46.
Adv. Space Res. 20(10) : 1923-1926.
谷晃・大熊 健・田 中茂 樹・齋 藤高 弘・北 宅善 昭・後 藤英 司・高 橋秀 幸,1999. CELSS Journal.
12(1) : 21-25.
Tani, A., T. Okuma, E. Goto, Y. Kitaya, T. Saito, H. Takahashi, 2000a. Proceedings
of the XIV Memorial CIGR World Congress 2000. 1008-1013
Tani, A., T. Saito, Y. Kiyota, H. Takahashi, E. Goto, 2000b. Environ. Control in Biol.
38(2) : 89-97
Tani, A., Y. Kitaya, E. Goto, T. Saito, H. Takahashi, 2000c. Journal of Agricultural
Meteorology. 56(3) : 209-215
谷 晃 ・ 梅 木 利 春 ・ 大 熊 健 ・ 齋 藤 高 弘 ・ 後 藤 英 司 ・ 高 橋 秀 幸 ・ 北 宅 善 昭 . 2000. 日 本 植 物
工場 学 会平 成 12 年 度 大会 講 演要 旨集
p.26-27
高橋 秀 幸・ 菅洋 , 1987. 宇 宙船 の 植物 学 、学 会出 版 セン ター 、 pp142
Takahash, H., Kamada, M., Yamazaki, Y., Fujii, N., Higashitani, A., Aizawa, S.,
2000. Planta 210 : 515-518.
Zhou,
W.,
Duffie,
N.,
Mookherjee,
B.,
2000.
SAE
Technical
Paper
2000-01-2474.
Zhou, W., Turner, M., 2000. SAE Technical Paper Series 2000-01-2473.
Series
SHITA シンポジウム 2001
図3 SPB Breadboard Model の写 真
図 4 根 の 支持 体( 培 地)に用 い るセ ラ
ミッ ク ヌー ドル
30
Ambient temperature
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
Air temperature
Temperature (℃)
25
20
Relative humidity
15
10
5
Fin temperature
0
0
10
20
30
40
50
60
70
Days after sowing (day)
図6 67 日 間のオオムギ栽培 中の SPB 内 気 温 、湿度、冷 却 フィン面温 度 の推移
Relative humidity (%)
図 5 冷却 部内のフィン面を被ったレー
ヨン繊 維 からつながる水 輸 送 用 親 水
性ガラス繊 維
25
Air temperature
Temperature (℃)
20
Relative humidity
15
10
Fin temperature
5
0
15:00
18:00
21:00
0:00
3:00
6:00
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
9:00
Relative humidity (%)
SHITA シンポジウム 2001
Time (h)
図 7 フィン面 温 度 を変 化 させた場 合 の、栽 培 チャンバー内 の気
温と湿 度の変化
21
68
20.8
66
20.6
64
20.4
62
Temperature
20.2
60
Transpiration
measurement
20
20:07
20:08
20:09
20:10
Relative humidity (%)
Temperature (℃)
RH
58
20:12
20:11
Time
Transpiration rate (mmol/s)
図 8 蒸散 測定 中の栽 培チャンバー内の温 湿 度の変 化
0.03
0.02
0.01
0
0
10
20
30
40
50
60
Days after sowing
図 9 栽 培 期間 中の蒸 散速 度の推 移
70
SHITA シンポジウム 2001
100
Water supply
Water content
46
80
44
60
42
40
40
20
38
0
0
10
20
30
40
50
60
70
Days after sowing
Net photosynthetic rate (nmol/s)
図 10 栽 培 期間 中のガラス繊維の含水 率と積 算水 供 給量 の変化
100
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
60
70
Days after sowing
図 11 栽 培 期間 中のオオムギの光合成 速 度の変化
Total amount of water
supply (mL)
Water content (%)
48