DC モータドライバ TG-D002 製品説明書 - 滝田技研

DC モータドライバ
TG-D002
製品説明書
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
滝田技研株式会社
目次
1.はじめに...............................................................................1
2.概要...................................................................................1
2.1.主な仕様..........................................................................1
2.1.1.H ブリッジ Freescale 社 MPC17531 ..............................................1
2.1.2.CPU Silicon Laboratories 社 C8051F300.........................................1
2.2.外観および寸法....................................................................2
2.3.コネクタ..........................................................................3
2.4.ブロック図........................................................................4
3.機能説明...............................................................................4
3.1.電源..............................................................................4
3.2.CPU...............................................................................5
3.3.H ブリッジ MPC17531 ...............................................................5
4.参考アプリケーション:位置制御..........................................................6
5.設置方法...............................................................................6
6.保証...................................................................................7
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
1. はじめに
本書は、小型 DC モータ 2 台またはステッピングモータ 1 台の適した滝田技研(株)製小型 DC モータドラ
イバ TG-D002 の使用方法および機能について説明するものです。使用している部品の詳細な情報につい
ては、各部品のデータシートなどをご参照ください。本書に記載の会社名、製品名は、各社の登録商標ま
たは商標です。
2. 概要
DC モータドライバ TG-D002 は、H ブリッジチップに Freescale 社 MPC17531 を使用し、CPU に Silicon
Laboratories 社 C8051F300 を搭載した DC モータドライバとしての使用を目的としたマイコンボードで
す。C8051F300 の豊富な周辺機能をもちいて、指令値電圧とフィードバック電圧の差を増幅し、PWM 信号
に変換する比例制御や、シリアル通信を用いた PWM 出力などにお使いいただけます。オンボードで CPU 電
源を搭載しているので、単一の電圧を加えることで動作します。
2.1.
主な仕様
•
外形寸法
: 30mm × 20mm
•
電源電圧
: 2V~8.6V
•
制御電源電圧) : 3V
2.1.1.
H ブリッジ Freescale 社 MPC17531
•
出力電流
: 700mA (最大 1.4A 但し、パルス幅= 10 ms(周期 200 ms))
•
PWM 周波数
: 最大 200kHz
2.1.2.
CPU Silicon Laboratories 社 C8051F300
•
コア
: MCS-51 互換
•
クロック
: 標準 24.5MHz (最大 25MHz) チップ内蔵
•
演算速度
: 1MIPS/MHz
•
メモリ
: Flash 8kB、RAM 256B
•
A/D コンバータ : 最大 8ch 8bit (プログラムからゲイン x4,x2,x1,x0.5 を調整可能)
•
コンパレータ : 1ch
•
シリアル IF
: UART,SMBus(I2C 互換)
•
デジタル IF
: PWM,汎用タイマー,カウンタ
•
DIO
: 8bit
1
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
2.2.
外観および寸法
図 1:TG-D002 の外観
+3.0V
4
5
VR1 POT2
2 POT1
VREF/P0.0
P0.1
XTAL1/P0.2
XTAL2/P0.3
0.1uF/50V
C2D/P0.7
P0.6/CNVSTR
C2CK/RST
P0.5
P0.4
C8051F300-GM
R5
RA1B
U1
10 C2D
RA1A
PWM1
9 PWM2
POT2
2
R3
8 C2CK
+3.0V
7
SIG4 4.7kΩ
6
SIG3
VIN
VR2
10kΩ
GND
+3.0V
5
1.0uF/25V
GND
4
SHDN
C10 U5
10uF/10V
FB
L2
10uH
C9
10uF/10V
1
GND
RA1D
GND
DS1
2
SW
+3.0V
1
10uH L1
D1 +3.0V
3
A K
1
1
GND
GND
VIN
GND
U2B
6
7
2
1 PWM1p
R1
6.8kΩ
Header 6
330Ω
GND
GND
GND
U2C
8
9
SIG
3
14 PWM2n
CN1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
SIG4
SIG3
SIG2
SIG1
1
2
3
4
5
6
R4
GND
+3.0V
4.7kΩ
R2
P1
OUT2B
OUT2A
OUT1B
OUT1A
2
3
GND
2 PWM1n
GND
PWM1
VIN
VIN
U2A
C4
10uF/10V
12
RA1C
GND
5
VIN
C3
10uF/10V
4
GND
C7
VIN
C2
10uF/10V
+3.0V 0.1uF/50V
C5
GND
11
3
10kΩ
+3.0V
3
1
2
GND VDD
SIG1
+3.0V SIG2
1
3
GND
1
C1
3
+3.0V
GND
GND
1 C2D
2 C2CK
3
+3.0V
GND
GND
PWM2
U2D
+3.0V
0.1uF/50V C6
U4
1
VDD
LGND
PWM1n
2
IN1A
IN2A
PWM1p
3
IN1B
IN2B
4
GND
PSAVE
VM2
OUT2A 5
OUT2A OUT2B
6
GND
PGND1 PGND2
OUT1A 7
OUT1A OUT1B
8
VIN
VM1
C2L
C12
9
GND
Cres
C1L
10
C2H
C1H
0.1uF/50V
MPC17531AEV
GND
C13
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
GND
PWM2p
PWM2n
OUT2B
OUT1B
C14
VIN
GND
0.1uF/50V
0.1uF/50V
10
GND
BM03B-SRSS-TB
11
4
13 PWM2p
+3.0V
BM10B-SRSS-TB
GND
図 2: 回路図
2
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
図 3: 部品配置・寸法図
2.3.
コネクタ
表 1: 電源 パッド
信号
機能
V+
2~8.6V
0V
GND
表 2: 出力 パッド
信号
機能
1A
出力 1A
1B
出力 1B
2A
出力 2A
2B
出力 2B
表 3: CN1 コネクタ
ピン番号
信号
機能
1
C2D
2
C2CK
C2 インタフェース(クロック)
3
GND
GND
C2 インタフェース(データ)
嵌合するコネクタ: SHR-03V-S-B
3
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表 4: Sig コネクタ
ピン番号
信号
機能
1
GND
GND
2
SIG4
C8051F300-P0.5 に接続
3
GND
GND
4
SIG3
C8051F300-P0.4 に接続
5
+3.0V
外部用電源(+3.0V 50mA)
6
GND
GND
7
SIG2
C8051F300-P0.1 に接続
8
GND
GND
9
SIG1
C8051F300-P0.0 に接続
10
+3.0V
外部用電源(+3.0V 50mA)
嵌合するコネクタ: SHR-10V-S-B
ブロック図
モータ電源
電源回路
CPU
C8051F300
Hブリッジ
MPC17531
モータ
Sig コネクタ
CN1コネクタ
コンパレータ
2.4.
半固定抵抗 x2
図 4: ブロック図
3. 機能説明
3.1.
電源
TG-D002 には、LinearTechnology 社のステップアップレギュレータ LT1615 を用いた、SEPIC 型のスイッチング
レギュレータが搭載されています(図 5)。モータを駆動する MPC17531 の許容電源電圧(2~8.6V)から、CPU お
よび周辺回路の動作に必要な 3V を生成しています。生成した 3V は Sig コネクタの 5 ピン、10 ピンにも接続され
ているので、ポテンショなどの電源として、使用可能です。外部機器の電源として使用する場合は、 100mA 以下
の電流でご使用ください。
4
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
VIN
C7
10uH L1
5
1.0uF/25V
VIN
SHDN
D1 +3.0V
3
C9
10uF/10V
L2
10uH
1
SW
GND
2
GND
4
1
R1
3
FB
GND
+3.0V
6.8kΩ
C10 U5
10uF/10V
4.7kΩ
R2
GND
GND
図 5: SEPIC 電源回路
3.2.
CPU
TG-D002 には、MCS-51 互換コアを搭載した C8051F300GM を採用しています。C8051F300 の詳しい説明に
ついては、Silicon Laboratories 社提供のデータシートをご覧ください。
C8051F300 のデバッグインターフェースである C2 インターフェースの信号は、CN1 コネクタに接続されていま
す。Silicon Laboratories 社の USB DEBUG Adapter との接続は、図 6 のようになります。
1
3
5
7
9
CN1
2
4
6
8
10
C2D
C2CK
GND
1
2
3
図 6: USB DEBUG Adapater との接続
+3.0V
VR1 POT2
2 POT1
4
5
VREF/P0.0
P0.1
XTAL1/P0.2
XTAL2/P0.3
C2D/P0.7
P0.6/CNVSTR
C2CK/RST
P0.5
P0.4
RA1B
U1
10 C2D
RA1A
PWM1
9 PWM2
POT2
2
R3
8 C2CK
+3.0V
7
SIG4 4.7kΩ
6
SIG3
+3.0V
VR2
10kΩ
GND
11
3
10kΩ
GND
R5
1
1
2
GND
C8051F300-GM
3
1
+3.0V
SIG1
SIG2
C1
0.1uF/50V
GND VDD
3
+3.0V
GND
図 7:CPU 周辺の回路
P0.2,P0.3 には、ゲイン設定やオフセット設定などお使いいただける用に、10kΩ の半固定抵抗が接続
されています。半固定抵抗を使用する場合は、P0.2、P0.3 を A/D コンバータに設定してご使用ください。
3.3.
H ブリッジ MPC17531
C8051F300 の P0.6、P0.7 は、コンパレータを介して、 MPC17531 の IN1A,B および IN2A,B に接続されていま
す。C8051F300 内蔵 PCA から出力された PWM 信号は、コンパレータを通して、正相・逆相の 2 つの信号に変
化され、それぞれ、IN xA,B に入力されます。CPU の PWM 出力と、モータ出力の間の関係は、それぞれ、 表
5、表 6 の通りです。
5
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
表 5:P0.7 の真理値表
P0.7 IN1A IN1B OUT1A OUT1B
H
L
H
L
H
L
H
L
H
L
表 6:P0.6 の真理値表
P0.6 IN2A IN2B OUT2A OUT2B
H
H
L
H
H
L
L
H
L
H
4. 参考アプリケーション:位置制御
TG-D002 は、高性能な 8 ビット CPU C8051F300 と H ブリッジ MPC17531 を搭載しており、さまざまなアプリケー
ションへの適用が可能です。図 8 は、TG-D002 を位置制御に用いる場合の接続図です。二つのモータを
1AB、2AB につなぎ、モータの軸に取り付けられたポテンショメータを Sig コネクタに接続します。指令電圧と、ポ
テンショの電圧の差 E に、VR1、VR2 で設定された電圧からゲイン G を掛け、PWM のデューティ比を決定しま
す。
ポテンショ
メータ
DCモータ
電源
(2V~8.6V)
指令
(0V~+3V)
指令
(0V~+3V)
ポテンショ
メータ
DCモータ
図 8: 位置制御構成
5. 設置方法
H ブリッジチップで発生した熱は、基板内の銅箔を通じて基板全体に伝達されます。過熱による焼損を避けるた
め、基板を使用する際は、金属など十分な放熱能力を持つ板などに取り付けてご使用ください。また、導体に取
り付ける場合は、基板底面が直接導体と接触しないように、絶縁シートなどを挿入するようにしてください。
6
TG-UM-TG-D002-Draft-201007-001
6. 保証
保証期間は納入後 6 ヶ月です。この期間内で使用上の注意が守られ、弊社の責に帰する不具合が生じた場
合、瑕疵のある当該製品を直ちに修理または交換させていただきます。ただし、 本製品の不具合が以下のいず
れかに起因する場合、本保証は適用されません。
① 使用上の誤り、或は、不当な改造や修理による故障及び損傷の場合。
② 落下、振動などによる損傷。
③ 火災、天災、塩害、ガス、異常電圧などによる故障及び損傷の場合。
④ 接続している外部機器に起因して故障した場合。
⑤ 弊社以外の手で改造、修理がなされた場合、又は弊社の仕様書に基づかない改造、修理がなされた
場合。
■保証に関するその他の制限事項
滝田技研株式会社は、本製品の瑕疵に起因する損害に対していかなる責任も負いません。本製 品および付属
ドキュメントは、現状ある姿のまま提供され、特定のアプリケーションへの適合性に関して、いかなる保証も行わ
れず、また、暗示されるものでもありません。本製品の使用または故障の結果として生じた損害賠償請求に対
し、滝田技研株式会社は一切応じないものとします。
本製品またはその改良型は、本製品の故障によって直接的または間接的に人体に対して危険な状況が起こ
ることが合理的に予想される装置およびシステムにおける使用が意図されたものではありません。
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7