去年のホタテの育ち具合はどうだったのか - サロマ湖養殖漁業協同組合

去年のホタテの育ち具合はどうだったのか
•
•
•
•
•
1
2
3
4
5
水温
産卵とラーバの発生
成長と斃死の状況
環境モニタリング検討会
その他(事前質問に答えて)
平成25年3月8日
サロマ湖養殖勉強会(環境モニタリング検討会報告会)
養殖組合 前川
1.水温
3月~4月20日にかけてマイナス、夏までは低水温
8月末から9月下旬まで高水温が続いた
2.産卵とラーバの発生
時期が遅れ、量は半分
産卵量が少なかったのに、付着時期にラーバ
が多かったのは外海から大量に流入したため
外海のラーバ出現:付着時期のラー
バの山は5月末~6月初め
全ラーバの出現は紋別で最も早く、数も多く出
現。付着サイズは網走が最も遅く、数が多かった
3.成長と斃死の状況
・2012年は2011年と比べ
て5月のホタテの成長が
極めて悪い年であった。
・8月には回復傾向にあっ
たが、11月にはほとんど
成長がみられなかった。
成長不良の原因は?
1.低水温
2.解氷の遅れ(1999は
4/19)
3.第2湖口閉塞
ホタテの成長は東部で特に悪く、8月以降全重量は増加せず、貝
柱も平年より5g以上も軽く、8月以降は減少量も大きかった。
斃死発生状況
2012年の斃死:H19に斃死があった場所も斃死のなかった場所もほぼ同じ
斃死率だった。斃死が多かったのは7月と9月だった。また9月には幌岩沖に
設置した着底カゴで10個体(12個中)の斃死が発生した。
サロマ湖養殖漁業協同組合
4.サロマ湖環境モニタリング検討会(調査体系図)
アラートシステム
斃死要因解明
ラーバ動態予測
成長予測
NV動態予測
(カキ汚染対策)
・高水温 ・低塩分
・低DO
・プランクトン
・異常開殻(貝リンガル)
斃死対策
種苗確保
環境モニタリング検討会(DB化)
エビ
カキ
大型底生
動物
アサリ
ホタテ
生物
ベン
トス
プラン
クトン
河川
負荷
底質
環境
評価
水質
ブイ
管理
NV
分子生物
ホタテDNA
環境
高温耐性
ラーバ起源
多様性維持
斃死対策
種苗放流
環境収容力算出
報告会(教育)
各調査機関による基礎的データ解析
5.その他(事前質問に答えて)
• 出荷時期の歩留予想はできますか(早い時期に)
• 外海採苗と湖内採苗の貝ではどちらが高水温に強
いのですか
答え:現時点では分りません
現状把握レベル
ホタテ成長モニタリング
ホタテDNAのサンプリング
を昨年から開始
(そもそも湖内と外海
採苗稚貝は違うのか)
要因解析
環境との関連分析
将来予測(実用レベル)
水試が外海ホタテで実施
全ゲノム解析(水試)
どの遺伝子が水温に
関係しているのか?
湖内と外海を比較
高温耐性遺伝子を持つ
ホタテの選別、作出、
人工採苗、養殖・放流
Ex.青森、将来は移行
採苗時期に河川水の汚水が流れますが、採苗
器に付着した稚貝に影響はありますか
答え:過去に常呂沖で河川水の流入により放流
後のホタテ稚貝が斃死しました。ホタテは泥
がエラに詰まると窒息するので、エラから偽
糞として排出しエネルギーを消費する。
さらに河川からの泥水は低塩分のためホタテ
を弱らせる。このような状況では稚貝は足糸
を切って逃げようとする(脱落)が、採苗器内
で泥水に長期にさらされれば衰弱する。
近年、サロマ湖の採苗が不安定な感じを
受けるが、何が原因と考えられますか
20,000 18,000 16,000 7月
8月
14,000 12,000 10,000 過去からの付着数変化:
7月調査時は1999年(平成11年)
頃をピークに下降してきたようにも
みえます。
8月調査時は、2~4千粒程度であ
まり変動がないようにみえます。
8,000 6,000 4,000 2,000 0 最近の大型種苗狙いによる早期採苗も
不安定と感じる一因か?
湖内付着のピークは6月下旬になることも
多く、8月の付着数では変動は小さい。
2011年は産卵が悪く、採苗不良
の可能性がありました。たまたま
外海からの大量流入により平年
以上の付着がみられましたが、付
着盛期は6/26と遅れました。
ホタテの産卵は自然の産物であ
り、水温に大きく左右されます。サ
ロマ湖の環境は毎年大きく変動す
ることを念頭において採苗する必
要があります。
湖内のホタテラーバが外海に流出して数が大きく減る
など聞いたことがあるが、昔から湖内は外海とつな
がっており、このような事が採苗が不安定な理由と考
えていいのでしょうか?
平成21年 60%
平成22年 65%
サロマ湖のラーバは40~70%が
外海に流出していると推定されて
います(水試、丸氏、1985)。
ホタテラーバ動態シミュレーション
の計算では、H21、22とも60~
65%程度が流出と推定。
似たような環境にある能取湖など
と比べて、ラーバの発生後の減少
率が高いのは流出量が多いこと
も原因の一つと考えられます。
また、水温上昇の遅い年は産卵
や成長の不良が起こるだけでは
なく、ラーバの成長遅れによる流
出量の増加を引き起こし、採苗不
良の原因となります。
第2湖口の砂の堆積の要因として何が考えられますか?
また、サロマ湖にどのような影響が考えられますか?
L13 水温
0
1/22
1/27
2/1
2/6
2/11
2/16
2/21
2/26
3/2
3/7
3/12
3/17
‐0.2
‐0.4
2013‐0.5m
‐0.6
2013‐2m
2013‐5m
‐0.8
‐1
2013‐10m
2012‐0.5m
2012‐2m
‐1.2
2012‐5m
2012‐10m
‐1.4
‐1.6
‐1.8
昨年3/2の通水後、塩分濃度の緩やかな上昇がみられた
L13 塩分
32.5
32
31.5
2013‐0.5m
31
2013‐2m
2013‐5m
30.5
2013‐10m
30
2012‐0.5m
2012‐2m
29.5
2012‐5m
2012‐10m
29
28.5
28
1/22
1/27
2/1
2/6
2/11
2/16
2/21
2/26
3/2
3/7
3/12
3/17
クロロフィルa量は減少
L13 クロロフィルa
4.5
4
3.5
2013‐0.5m
3
2013‐2m
2013‐5m
2.5
2013‐10m
2012‐0.5m
2
2012‐2m
1.5
2012‐5m
2012‐10m
1
0.5
0
1/22
1/27
2/1
2/6
2/11
2/16
2/21
2/26
3/2
3/7
3/12
3/17
サロマ湖の成り立ち
アサリ礁のアサリが順調に水揚げにつながらない理由は何がありますか?
海水の流れを増加
(地盤高上昇など)
赤川地区アサリ造成礁の現実的な利用法
不良
稚貝発生
成長
生残
良
タマガイに
よる食害
良
良
無
不良
不良
有
不良
粉砕ホタテ
貝殻散布
稚貝の多い場所 不可
から稚貝をポン
プ採集・移殖
漁獲
可能
適地へ
底生藻類
移植
の巻上げ
ケージ試験や平
面波浪場解析で
成長・生残適地
を選定,病気・寄
生虫のチェック
赤川沖アサリ礁の問題点と解決策
不可
可能
可能
タマガイ駆除や
食害防止フェン
ス設置
不可
小型貝で漁
獲(食用or移
植・養殖用)
中央水試 赤川アサリ造成漁
垂下養殖 場提言より引用(平成25年2月)