資料4 バイオディーゼル燃料の性状とその影響について − 京都市におけるバイオディーゼル燃料化の取組みについて− 京都市環境局 1 京都市のバイオディ−ゼル燃料化事業 【給油所】 廃食用油より精製した バイオディ−ゼル燃料を ごみ収集車や市バス に用いることで年間 4,000tの二酸化 炭素が削減されます。 【回収風景】 2 平成6年規制車両の燃料噴射系統分解調査 車両形式:FK627D 走行距離:13,031km <不具合状況> エンジンオイルへの燃料混入によるオイル漏れが発生 <燃料噴射ポンプ分解調査結果> 錆の発生、変色、固形物の付着など が認められた。 図A 図B 図A:CPVバルブ 錆発生が見られ る 図B:プランジャーリード 溝部が茶色に変色 図C 図:燃料噴射ポンプ 図C:SPGアッパリテーナ 黒い固形物が付着 3 平成6年規制車両燃料噴射系統分解調査 <燃料噴射ノズル分解調査結果> ・ノズルテスタにて噴霧不良確認、使 用不可レベル ・摺動部の磨耗、固形物の付着が認 められ、これが噴霧不良の原因と考 えられる。 ・噴射ノズル噴霧不良により、エンジ ンオイルへの燃料混入が起こったと 考えられる。 図B:摺動部磨耗 図A:固着物付着 摺動部磨耗 図C:固形物が付着 4 燃料噴射ポンプ分解調査 燃料噴射ポンプ分解調査(短期的影響) (短期的影響) <不具合の状況> 吹き上がり不良、ハンチング <結果> 摺動部の磨耗などはみとめられなかったが、ポンプ最 下部のTCV部に褐色の堆積物が認められた。 褐色の堆積物 ⇒ 分析結果 : 主に グリセリン や K 5 燃料配管の劣化調査(長期的影響) 燃料配管の劣化調査(長期的影響) 燃料パイプ内面の銅めっき状態 燃料パイプ内面の銅めっき状態 ・燃料パイプ内面銅めっきの組織写真:良好 銅めっき 燃料サクションパイプ 倍率 X400 断面 a−a 注)組織写真は、粒界をみるためエッチング実施しており、基地に 黒く見られる部分があるが空洞ではない. 6 燃料配管の劣化調査(長期的影響) 燃料配管の劣化調査(長期的影響) リターンパイプ内面腐食状態 リターンパイプ内面腐食状態 ・パイプ内面赤錆の組織写真.10∼15μmの腐食孔あり 倍率 X400 リターンパイプ (バイオディ-ゼル) 倍率 X400 リターンパイプ (軽油) 7 新規格燃料の精製と実車走行実験 8 バイオディーゼル燃料の製造方法と主な改良点 離︼ 水 洗 方 式 ︻ 二 次 処 理 ︼ ︻ 分 脱 水 ︻ 三 次 処 理︼ 添加剤︵ 曇り点降下剤︶ ︻ 四 次 処 理︼ ③ フィルターサイズ(5μm∼1μm)の 変更により 夾雑物が減少 1μmフィルター ︻ フィルター︼ ② 精製工程を乾式(吸着・遠心分離)から湿式 (水洗)により、残留グリセリン・アルカリ金属・ 吸着剤等の低減化 バイオディーゼル燃料 ︻ 製 品︼ ① 水分及びメタノールの減圧除去により、メタノー ルの再利用と残留水分・メタノールの低減 応︼ 精製法の主な改良点 メタノール回収 ︻ 一 次 処 理 ︼ ︻ 反 メタノール KOH 減圧脱水等 ︻ 前 処 理︼ 廃食用油 ︻ 原 料︼ 【副原料】 9 製造方法の改良による燃料性状の変化 項目 密度(15℃) (g/m 動粘度(40℃) (m㎡/s 流動点 (℃ 目詰点 (℃ 10%残留炭素(*2) (% セタン価 水分 (ppm 引火点 (℃ 硫黄分 (ppm モノグリセライド*** (% ジグリセライド*** (% トリグリセライド*** (% 遊離グリセリン*** (% 全グリセリン*** (% メタノール (%) アルカリ金属類 (Na+K) (mg/Kg) 酸価 (mg/g) ヨウ素価 *1 *2 *3 *4 *5 平成14年度 供給燃料 平成13年度 供給燃料 京都市 暫定規格案 (*1) 0.8874 5.696 -7.5 -7 5.3 50.4 0.8899 5.455∼5.769 -12.5∼-15.0 −5 10.2 50.1 0.86∼0.90 3.5∼5.0 -7.5℃以下 -5℃以下 0.30以下 51以上 300 649∼800 500ppm以下 198 1 0.821 1.311 7.942 0.005 0.958 <0.01 32∼33 2 0.573∼0.757 1.169∼1.260 10.16∼11.28 0.059∼0.300 1.457∼1.619 0.76∼0.80 100℃以上 10ppm以下 0.8%以下 0.2%以下 0.2%以下 0.02%以下 0.25%以下 0.2%以下 2 101 5mg/Kg以下 0.08 0.11 0.5mg/g以下 113 115 120以下 新長期排ガス規制開始時期までの暫定規格 参考値とする 90%流出温度については、バイオディーゼル燃料の特性により分解が起こり、測定不能。 品質確保法による軽油の強制規格基準 米国の「ASTM PS 121」法を採用 分析方法 JIS K 2249 JIS K 2283 JIS K 2269 JIS K 2288 JIS K 2270 JIS K 2204 JIS K 2275 (カールフィッシャー 法) JIS K 2265 JIS K 2541 GC GC GC GC 計算による GC 燃焼-吸収ICP発光法 基準油脂分析 試験法2.3.1 基準油脂分析 試験法2.3.4.1 10 現車両(平成10年規制車)燃料エレメント分解調査結果 13年 度 燃 料 使 用 13年 度 燃 料 使 用 14年 度 燃 料 使 用 14年 度 燃 料 使 用 外観 新品エレメント 白色 濾紙 ホルダー部 水 溜 り部 ※13年度使用燃料及び14年度使用燃料で2ヶ月間走行後、エレメントの分解調査を行った ・13年度燃料を使用した燃料エレメントが褐色に染まっている 11 燃料エレメント圧力損失調査 100 圧力損失 (kPa) 使用限度 現行油50 現行油100 新油50 新油100 新品エレメント 10 1 0.1 1 10 流量 (L/min) ※現行油:平成13年度燃料 新油:平成14年度燃料 (2ヶ月間走行後測定) ・現行油と比較して、新油を使用した燃料エレメントの圧力損失 が小さい結果となっている 12 バイオディーゼル燃料が ディーゼル自動車に与える影響(まとめ) 13 平成6年排ガス規制車両におけるトラブル 自動車への影響 1 ゴムホース(NBR)からの 燃料漏れ(にじみ) 2 燃料系統のゴムの膨潤 3 加速不良、出力不良 4 冷却始動性の悪化 5 噴射ノズルにスティック ⇒ 噴射ノズル・吸排気弁に デポジット付着 ⇒黒煙・白煙の排出 ⇒燃料のオイルへの混入 6 噴射ポンププランジャの磨耗 7 噴射ポンプに無数の細かい傷 不具合の原因 1・2 メチルエステルのゴムへの 浸透性 3・4 燃料エレメントへの夾雑物・ 固形物の付着による目詰まり ⇒送油不良 5・6・7 夾雑物・固形物による 摺動部の磨耗 改善措置 1 ゴム材料の変更 ①ゴムホースを布巻きNBR に変更 ②キャップ・パッキンをテフロン に変更 2 精製工程の改善 ①遠心分離器の採用 ②シリカゲルカラムの追加 ③フィルターサイズの変更 (5μm→1μm) 3 燃料のオイルへの混入 暫定対策 ①アイドリングを減らす ②エンジンオイルの交換頻 度をあげる 14 平成10年排ガス規制車両におけるトラブル 自動車への影響 1 燃料エレメント 目詰まり 2 噴射ポンプ不良 TCV(タイミングコントロー ルバルブ)の作動不良 不具合の原因 1 燃料中の遊離グリセリ ン、アルカリ金属、吸着剤 の残留 2 噴射ポンプの流量増 加と燃料フィルターの 微細化 3 残留グリセリンの堆積 ⇒ エンジン始動不良 4 低温時の飽和脂肪酸 析出によるエレメント目詰 まり 改善措置 1.精製工程の改善 ① 水分及びメタノールの減圧除 去により、メタノールの 再利用と 残留水分・メタノー ルの低減 ② 精製工程を乾式(吸着・遠心 分離)から湿式(水洗)により、 遊離グリセリン・アルカリ金 属・吸 着剤等の低減化 ③ フィルターサイズ(5μm∼ 1μm)の 変更により夾雑物の低 減化 2.添加剤の投入 3.燃料供給系統の暫定対 策 燃料エレメントを2連式に 変更 15 バイオディーゼル燃料をディーゼル自動車に 使用する場合の影響 1.燃料供給系統への影響 ① 燃料エレメントの目詰まり ⇒ グリセリン、K ② 燃料パイプの腐食 ⇒ 酸価(遊離脂肪酸) メタノール ③ 燃料ホース及びパッキングの膨潤、劣化 ⇒ エステル類 2.燃料噴射系統への影響 ① 噴射ノズルのスティックやデポジットの生成 ⇒ 未反応油(モノ、ジ、トリグリセライド) ② 噴射ポンプの作動不良 ⇒ グリセリン、K 16 バイオディーゼル燃料使用車両の燃料ホース類の対策 − 燃料ホース及びパッキング:布巻きホース&フッ素系ゴム − 17 京都市のバイオディーゼル燃料暫定規格 京都スタンダードの策定 項目 単位 密度(15℃) g/ml バイオディーゼル燃料規格 京都市 E U 規格 暫定規格案 EN14214 2 0 0 2 .3 2003.7 0.86∼0.90 0.86∼0.90 アメリカ ASTM D6751 2002.3 0.88 m㎡/s 3.5∼5.0 3.5∼5.0 1.9∼6.0 流動点 ℃ −7 .5 以下 ― ― 目詰点 ℃ −5 以下 −20∼+5(気候による) ― 10%残留炭素 % 0 .3 0以下 0.30以下 0.50以下(100%燃料) 5 1 以上 51以上 47以上 動粘度(40℃) セタン価 硫黄分 ppm 1 0 以下 10以下 500以下 引火点 ℃ 1 0 0 以上 101以上 130以上 ppm 5 0 0 以下 500以下 500以下 モノグリセライド % 0 .8 以下 0.8以下 ― ジグリセライド % 0 .2 以下 0.2以下 ― トリグリセライド % 0 .2 以下 0.2以下 ― 遊離グリセリン % 0 .0 2 以下 0.02以下 0.02以下 全グリセリン % 0 .2 5 以下 0.25以下 0.24以下 メタノール % 0 .2 以下 0.2以下 ― mg/kg 5 以下 5以下 ― 酸価 0 .5 以下 0.5以下 ― ヨウ素価 1 2 0 以下 120以下 ― 水分 アルカリ金属類( N a+K) ◎ EU規格には、新たに酸化安定度(≧6hr) が追加規定された 18 京都市廃食用油燃料化施設 日量 5000 ℓ 環境省補助事業 脱温暖化及び二酸化炭素排出抑制対策事業 19 国内初の高度な精製システム 拠点回収 3槽構造 8工程の製造プロセス 廃 食 用 油 原料 貯蔵タンク 【廃食用油】 1.前処理槽 ①前処理工程 (廃食用油の水分除去) 【メタノール】 メタノール回収 購入 給 油 所 ②反応工程 (2段階反応によるバイオディーゼル燃料化) 【触媒 KOH】 2.反応分離槽 ③グリセリン分離工程 ④残留メタノール回収工程 ⑤温水洗浄工程 【温 水】 3.精製槽 市 バ ス (燃料中の残留グリセリンの高度除去) ⑥水分除去工程 (燃料中の水分の高度除去) 混 合 器 軽油 タンク ゴミ収集車 【バイオディーゼル燃料】 製品貯蔵タンク 給 油 所 ⑦添加剤注入工程 ⑧微細夾雑物除去工程 (1ミクロンのフィルターによる高度除去) 20 バイオディーゼル燃料の特性把握に向けた バイオディーゼル燃料の特性把握に向けた 最近の取組みと今後の課題 最近の取組みと今後の課題 1.バイオディーゼル燃料の脂肪酸組成の把握 ⇒バイオディーゼル燃料の均質性、飽和/不飽和脂肪酸比率の 把握 2.高圧燃料噴射装置(コモンレール)使用車両の燃料温度 3.バイオディーゼル燃料の基礎物性の把握 ①燃料成分と燃料特性との関係 ②バイオディーゼル燃料の低温流動性 ⇒流動点降下剤などの添加実験 ③バイオディーゼル燃料の 酸化安定性 ⇒酸化防止剤の添加実験 ④バイオディーゼル燃料の10%残留炭素 21 バイオディーゼル燃料の均質性 各種脂肪酸組成比率の平均値と変動係数 (13ヶ月間) 製造年月 パルミチン酸 ステアリン酸 飽和脂肪酸 オレイン酸 リノール酸 リノレン酸 不飽和脂肪酸 02/ 4 9.4 3.5 12.8 43.3 38.7 5.2 87.2 02/ 5 9.6 3.5 13.1 45.3 36.7 4.9 86.9 02/ 6 9.3 3.5 12.8 44.1 37.8 5.3 87.2 02/ 7 9.4 3.4 12.8 43.6 38.2 5.4 87.2 02/ 8 9.6 3.3 12.9 45.1 36.6 5.4 87.1 02/ 9 8.2 2.9 11.2 49.3 33.3 6.3 88.8 02/10 8.9 3.2 12.1 45.3 37.0 5.6 87.9 02/11 8.6 3.0 11.6 44.1 38.5 5.8 88.4 02/12 8.3 2.9 11.2 46.0 37.1 5.7 88.8 03/ 1 8.5 3.1 11.5 45.5 37.5 5.4 88.5 03/ 2 7.4 2.8 10.2 49.9 34.2 5.7 89.8 03/ 3 8.2 3.1 11.3 47.0 36.5 5.2 88.7 03/ 3 8.6 3.2 11.8 45.6 37.9 4.7 88.2 03/ 3 8.4 3.2 11.6 45.8 37.9 4.7 88.4 03/ 4 8.5 3.1 11.5 45.5 37.9 5.1 88.5 03/ 4 9.1 3.1 12.2 45.5 37.3 4.9 87.8 平均値 8.75 3.18 11.93 45.68 37.06 5.34 88.07 標準偏差 0.61 0.21 0.80 1.79 1.46 0.42 0.80 変動係数 6.94 6.64 6.72 3.92 3.94 7.84 0.91 最高 9.6 3.5 13.1 49.9 38.7 6.3 最低 7.4 2.8 10.2 43.3 33.3 4.7 89.8 22 86.9 バイオディーゼル燃料の基礎物性 (低温流動性関連) 飽和脂肪酸量(%)と燃料の雲点(℃)との関係 曇点vs飽和脂肪酸量(%) 60 50 パーム y = 2.82 17x + 14.02 2 2 R = 0.99 65 飽和脂肪酸(%) 40 30 菜種1:パーム1 20 10 大豆 菜種88:パーム12 菜種94:パーム6 菜種 0 -10 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 曇点(℃) 23 バイオディーゼル燃料の基礎物性 (低温流動性関連) 流動点降下剤などの添加実験 ( - 5 ℃ 、72 Hr ) ( 冬季における低温流動性の向上及び結晶析出防止対策 ) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 初期条件: 0 hr 冷却温度: - 5 ℃ 時間: 72 hr ①無添加 ②∼⑩各種薬剤添加 結果(72h後):⑦ ∼ ⑩は一定添加効果が確認 24 高圧燃料噴射装置(コモンレール)の燃料温度 高圧燃料噴射装置(コモンレール)の燃料温度 ・燃料入口温度を変化させた場合の燃料出口リーク温度 ・Pc(コモンレール圧)=140MPa、160MPa インジェクタ 燃料リーク温度(℃) 110 105℃ 105 98℃ 100 95 160MPa 140MPa 90 サプライポンプ 85 80 75 30 40 50 60 燃料入口温度 (℃) 70 80 燃料リーク温度 (出口集合部) 25 高圧燃料噴射装置(コモンレール)使用車両の 高圧燃料噴射装置(コモンレール)使用車両の 燃料温度測定 燃料温度測定 高圧燃料噴射装置(コモンレール)使用車両 各箇所の燃料温度(燃料タンク、サプライ側、リターン側等) 回転数 1500 rpm 3000 rpm 110.00℃ 外気温度 100.00℃ A:燃料タンク内底 B:燃料タンクの吐出口 90.00℃ C:サプライポンプ内 80.00℃ 110.00℃ 100.00℃ 90.00℃ 80.00℃ D:燃料タンク戻り口 70.00℃ 70.00℃ E:エンジン水温 60.00℃ 60.00℃ 50.00℃ 50.00℃ 40.00℃ 40.00℃ 30.00℃ 30.00℃ 20.00℃ 20.00℃ 10.00℃ 10.00℃ 0.00℃ 0.00℃ 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 120 360 0 10 20 30 40 26 バイオディーゼル燃料の長期保管時の酸化劣化 バイオディーゼル燃料の長期保管時の酸化劣化 保管サンプルの過酸化物価の経時変化 保管サンプルの過酸化物価の経時変化 長期保存時の劣化推移 250.0 POV 200.0 150.0 100.0 50.0 0.0 2003年5月 2003年3月 2003年1月 2002年12月 2002年10月 2002年9月 2002年7月 2002年5月 2002年4月 2002年2月 保管サンプルの過酸化物価(POV)の経時変化(13ヶ月間) 27 バイオディーゼル燃料の基礎物性 バイオディーゼル燃料の基礎物性 (酸化安定性) (酸化安定性) 燃料保管期間と過酸化物価(POV)とCDM試験 燃料保管期間と過酸化物価(POV)とCDM試験 CDM試験(Conductometric Determination Method) 加熱条件 : 110 ℃ バイオ燃料 製造年月日 300 250 過酸化 物価 (POV) 誘導 期 菜種ME 11 6.5 h 03 / 5/12 6 5.7 h 03 / 5/15 12 4.6 h 03 / 4/ 3 14 4.3 h 02 / 5/ 7 236 0.6 h 200 µS/cm 150 100 50 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 h 28 バイオディーゼル燃料の酸化安定性 バイオディーゼル燃料の酸化安定性 酸化防止剤の添加とその効果 酸化防止剤の添加とその効果 バイオ燃料:製造年月日 03 / 5 / 12 加熱条件 : 110 ℃ µS/cm 300 酸化防止剤 250 0 200 (時間) ppm 5.7 h ppm 7.1 h 1000 ppm 7.9 h 500 150 誘導期 100 50 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 h 29 バイオディーゼル燃料の基礎物性 バイオディーゼル燃料の基礎物性 (10%残留炭素) (10%残留炭素) 10%残留炭素と未反応油(モノ、ジ、トリグリセライド)との関係 10%残留炭素と未反応油(モノ、ジ、トリグリセライド)との関係 y = 0.1758x + 0.3563 5.00 10%残炭(mass%) 4.00 3.00 2.00 1.00 0.00 0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 モ ノ-ジ -トリ-ク ゙ リセライド 合算(wt%) 30 不飽和脂肪酸組成比と10%残留炭素 不飽和脂肪酸組成比と10%残留炭素 二重結合と熱安定性(熱重合・炭化) 二重結合と熱安定性(熱重合・炭化) 不飽和脂肪酸組成比と10%残留炭素 パーム油 メチルエステル 10%残油 [不飽和組成比] 50.1 % 大豆油 メチルエステル 10%残油 86.7 % 菜種油 メチルエステル 10%残油 93.9 % 1.01 % 0.86 % 【10%残留炭素】 0.15 % 「JIS K 2270:原油及び石油製品-残留炭素分試験方法」 による測定値 ←→ 「ASTM D 1160:減圧下での石油製品の標準蒸留法」 31 今後の課題 (1) 新型車両(高圧燃料噴射装置(コモンレール)使用車両)に対 応した燃料品質について 酸化安定性 (2) 廃食油(成分構成)とバイオディーゼル燃料の特性と対策 ① 飽和脂肪酸組成比率と低温流動性・結晶析出性 適切な添加剤の選定・開発 ② 不飽和脂肪酸組成比率と熱及び酸化安定性 適切な酸化防止剤等の選定・開発 (3) バイオディーゼル燃料の分析方法の確立 ①10%残留炭素 ②酸化安定性 ③ 遊離グリセリン類 JIS ASTM , EN (4) バイオディーゼル燃料の品質規格の策定 バイオ燃料混合軽油の強制規格の策定 原料であるバイオディーゼル燃料の品質規格の策定 32
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