防除情報第4号「水稲 葉いもち」 - 宮城県

平成 26 年度
発生予察情報
平成 26 年6月 12 日発行
宮城県病害虫防除所
(TEL:022-275-8982)
防除情報第4号
葉いもちの感染好適条件が出現しました。
水田を観察し,早期発見,防除に努めましょう。
・アメダス資料による葉いもちの感染好適日の推定(BLASTAM)では,感染好適条件
が過去 10 年中最も早い6月6日に県南部に出現しました(表1)。また,6月7日以降も
準好適条件が出現しており,感染するリスクが高いため,6月第4半旬以降に葉いもち
が発生するおそれがあります。
・仙台管区気象台の発表によると,東北南部は平年より7日早い6月5日に梅雨入りし
たとみられます。このため,今後は曇雨天が多く,葉いもちの感染・発病に好適な気象
条件になると考えられます。
・水田ほ場をよく観察し,葉いもちの病斑が認められたら,直ちに茎葉散布剤による防
除を実施しましょう。また,箱施用剤による予防防除を行っていない場合は,葉いもち
対象の水面施用剤を散布しましょう。
○防除のポイント
(イ) 残苗が,まだほ場に確認されています。残苗は本田でのいもち病の発生源になりますので
速やかに処分してください。処分する際はいもち病が発病していないか確認し,発病があっ
た場合は,本田での発生に特に注意しましょう。
(ロ) 水田ほ場をこまめに見回り,葉いも ちの病斑が認められたら,直ちに茎葉散布剤による防
除を実施しましょう。箱施用剤及び水面施用剤による予防防除を行った場合でも,発病が
見られたときには茎葉散布剤による防除が必要です。
(ハ) 移植栽培で箱施用剤による予防防除を行っていない場合及び直播栽培では,各種水面施
用剤をそれぞれの防除適期(オリゼメート粒剤は6月 20 日頃まで)に散布してください。
表1 平成 26 年度アメダス資料による葉いもちの感染好適日の推定(BLASTAM)
日
付
川
渡
築
館
米
山
石
巻
女
川
新
川
塩
釜
仙
台
名
取
白
石
蔵
王
亘
理
丸
森
-● ○ - ○ ○
-△ - - - ○
-△ △ - △ ○
-● ○ - - △
?- - - - ○
-- - - - -
江
ノ
島
-- - - - -
-- △ - △ -
-△ △ - - ○
-- ○ △ - ○
-- - - - -
東
松
島
-- △ ○ ○ -
鹿
島
台
-- - - △ -
準好適条件1
準好適条件2
大
衡
-- △ ○ ? ○
○
△
桃
生
-- - - ○ -
好適条件
古
川
-- - △ ○ -
●
志
津
川
-- - - - -
-- △ ○ ○ -
-- - ○ △ ○
-- - - - -
-- - - ○ △
-△ △ - - -
6/5
6/6
6/7
6/8
6/9
6/10
駒 気
ノ 仙
湯 沼
葉いもちの大量感染に好適な気象条件(葉面湿潤時間 10 時間以上,平均気温 15~
25℃,前5日間の平均気温 20~25℃)が出現した日
当日の条件は満たしているが,前5日間の平均気温が条件からはずれている場合
葉面湿潤時間の長さのみ好適条件を満たしている場合
防情4号 1
表2 主ないもち病の水面施用剤(登録は平成 26 年6月1日現在)
薬剤名
使用時期
備考(系統等)
その他の合成殺菌剤(抵
抗性誘導)
オリゼメート粒剤
葉いもち初発の 10 日前から初発時
オリブライトパック
葉いもち初発の 10 日前~10 日後(但し収穫 45
QoI殺菌剤
日前まで)
嵐粒剤
葉いもち初発の 10 日前~初発時
QoI殺菌剤
※平成 26 年度宮城県農作物病害虫・雑草防除指針より抜粋
※備考(系統等)は(社)日本植物防疫協会発行の農薬ハンドブック 2011,または農薬作用機構分類一覧による
表3 主ないもち病の茎葉散布剤(登録は平成 26 年6月1日現在)
薬剤名
使用時期
使用回数
備考(系統等)
カスミン液剤
穂揃期まで
2
カスミン粉剤DL
穂揃期まで
2
フジワン粉剤DL
収穫 14 日前まで
2
その他の合成殺菌剤
ブラシン粉剤DL
収穫7日前まで
2
ブラシンフロアブル
収穫7日前まで
2
その他の合成殺菌剤,メラニン
生合成阻害剤(MBI-R)
ノンブラス粉剤DL
収穫7日前まで
2
ノンブラスフロアブル
収穫7日前まで
2
デラウス粉剤 DL
収穫 14 日前まで
2
デラウスフロアブル
収穫 14 日前まで
2
ビームゾル
収穫7日前まで
3
ビーム粉剤
収穫7日前まで
3
抗生物質殺菌剤
メラニン生合成阻害剤(MBIR),その他の合成殺菌剤
メラニン生合成阻害剤(MBI-D)
メラニン生合成阻害剤(MBI-R)
※平成 26 年度宮城県農作物病害虫・雑草防除指針より抜粋
※備考(系統等)は(社)日本植物防疫協会発行の農薬ハンドブック 2011,または農薬作用機構分類一覧による
農薬使用上の注意
○粒剤,パック剤を散布する場合は,田面が露出しないよう水深を確保し,各種防除剤の使用
基準を遵守してください。
○耐性菌の出現や増加を避けるため,同一系統薬剤の連続使用や多数回散布は行わないでく
ださい。
○粉剤や液剤を散布する場合は,周辺環境等への飛散に気をつけてください。また,粉剤はDL
剤を選定する等して飛散を少なくしてください。
※薬剤の選定に当たっては,最新の農薬登録情報を確認してください。また,農薬を散布する際には周辺作物の収穫時期に
注意し,農薬が飛散しないよう防止対策をとるとともに,散布農薬を必ず記帳してください。
農薬登録情報 http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm
※農薬の空容器の野焼き(野外の焼却)は禁止されています。農薬の空容器の処理に当たっては,産業廃棄物処理業者に
委託するなど,適正に処理してください。
防情4号 2