KITASATO UNIVERSITY EAST HOSPITAL DRUG NEWS Vol.24-11 2013 年 10 月発行 薬剤部医薬品情報室(2008・2619) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 目次 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆ §医薬品・医療機器等安全性情報 No.305§・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.1~6 1. ヒドロキシエチルデンプン含有製剤による腎機能障害等について 2. 妊娠と薬情報センター事業について 3. 重要な副作用等に関する情報 ■ネシーナ錠 ■エクア錠 ■アログリプチン安息香酸塩・ピオグリタゾン塩酸塩 ■ディオバン錠 ■黄連解毒湯(医療用) ■コディオ配合錠 ■ツムラ加味逍遙散エキス顆粒 ■バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩 ■辛夷清肺湯(医療用) §薬剤部からのお知らせ§ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.6~8 1. 添付文書改訂情報 ■ヘスパンダー輸液 ■カンプト点滴静注 ■スーテントカプセル ■スチバーガ錠 ■リドーラ錠 ■キュビシン静注用 ■献血ヴェノグロブリンIH静注 ■ベタフェロン皮下注用 §医薬品・医療機器等安全性情報 No.305§ (詳細は URL; http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/file/PMDSI305.pdf 参照) 平成 25 年 9 月 25 日 厚生労働省医薬食品局発行 1. ヒドロキシエチルデンプン含有製剤による腎機能障害等について(※一部抜粋) 1.はじめに ヒドロキシエチルデンプン含有製剤(以下「HES 製剤」という。)は,膠質浸透圧作用に基づく 血漿増量作用をもつ血液代用剤です。 平成 25 年6月に,欧州医薬品庁(EMA)の医薬品安全監視リスク評価委員会(PRAC)より,HES 製剤の安全性に関する問題が示された海外臨床試験の結果を根拠として HES 製剤の販売承認停止 勧告が発表されました。この勧告を契機として,各国で HES 製剤の安全対策措置の見直しが行われ ています。本邦においても,HES 製剤に関する国内外の副作用の発現状況,海外における対応状況 や関連文献等を評価し,厚生労働省は平成 25 年9月に,製造販売業者に対して使用上の注意の改 訂を指示しましたので,その内容等についてご紹介します。 2.海外における状況 PRAC による販売停止勧告の根拠となった臨床試験では,重症敗血症患者及び ICU 入室患者に対 し HES 製剤を投与した場合,リンゲル液や生理食塩液を投与した場合に比べて腎代替療法や死亡に - 1 - 至るリスクが有意に高かったとの結果が示されました。また,この臨床試験結果を裏付けるメタ解 析の論文が複数報告されています。さらに,HES 製剤のうちヒドロキシエチルデンプン 130000(平 均分子量 130000Da,以下「HES 130/0.4」という。)との因果関係の否定できない重篤な腎機能障 害の症例が複数報告されています。米国食品医薬品局(FDA)は,これらの状況を踏まえ,平成 25 年6月に添付文書の Boxed Warning(警告)の項に敗血症及び腎機能障害のある患者では HES 製剤 を使用しない旨を追記しました。 3.国内における状況 本年9月現在,国内において販売されているのはヒドロキシエチルデンプン70000(平均分子量 70000Da,以下「HES 70/0.5」という。)のみであり,承認された効能・効果は「各科領域における 出血多量の場合」及び「体外循環における血液希釈液」とされていることから,重症敗血症等の重 症患者管理における出血を伴わない相対的な循環血液量低下への投与は想定されません。また,国 内において,重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循環血液量低下に投与され,腎機能障 害又は死亡に至った症例は報告されていません。しかしながら,海外臨床試験の結果等を踏まえ, 平成 25 年7月に製造販売業者より添付文書の効能・効果等を十分に確認し,重症敗血症等の重症 患者管理における相対的な循環血液量低下への使用はしないよう,適正使用のお願いが発出されま した。 また、平成25年3月に新たに承認されたHES 130/0.4については,効能・効果が「循環血液量の 維持」であることから,重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循環血液量低下への投与が 想定されます。本剤の承認審査は,欧州での販売停止勧告が出される前に行われておりますが,国 内での待機的手術患者を対象とした臨床試験において腎機能に関連した安全性に関する問題点は 示唆されておらず,欧州の販売停止勧告の根拠となった海外臨床試験も含めて検討され,承認され ています。なお,承認時の添付文書の「重要な基本的注意」及び「その他の注意」の項に当該海外 臨床試験の結果が記載されています。 4.検討結果と安全対策について PRAC による HES 製剤の販売停止勧告を受けて,海外臨床試験,承認後に報告されたメタ解析を 含む関連文献,国内外での腎機能障害の症例報告の状況,及び代用血漿としての臨床的意義等を踏 まえて国内での安全対策の必要性について医薬品医療機器総合機構で検討が行われました。 その結果,HES130/0.4 においては,やむを得ない状況における重症敗血症等の重症患者管理に おける相対的な循環血液量低下への使用の可能性を残すことが適切と考えられることから, 「警告」 欄を新設し,重症敗血症等の重症患者管理における本剤投与に関して,患者の状態を悪化させるお それがあるため,治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与するよう注意を追記し,「重大 な副作用」の項に,腎機能障害を追記するなどの改訂を行うことが適切と判断されました。 一方,HES70/0.5 においては,承認された効能・効果からは重症敗血症等の重症患者管理におけ る出血を伴わない相対的な循環血液量低下への投与は想定されないことから,「効能・効果に関連 する使用上の注意」欄を新設するなど,更なる注意喚起を行うことが適切と判断されました。 以上の検討に基づき,厚生労働省より平成 25 年9月 17 日に,製造販売業者に対し使用上の注意 の改訂が指示されました。現在の添付文書には本稿 p.6 に記載のとおり重症敗血症等関連の注意が 記載されています。医療関係者においても,適正使用の推進を通じた安全確保にご協力をお願いし ます。 - 2 - 2. 妊娠と薬情報センター事業について(※一部抜粋) 1.妊娠と薬情報センター事業について 厚生労働省では,平成 17 年 10 月より,国立成育医療研究センター(旧国立成育医療センター) に「妊娠と薬情報センター」を設置し,妊婦あるいは妊娠を希望している女性に対し,最新のエビ デンスに基づく相談業務を実施しています。さらに相談者を対象として妊娠結果の調査を行い,新 たなエビデンスを確立する調査業務も合わせて行っています。 2.現在の状況 (1)相談状況 これまで,服薬による胎児への影響を心配する妊婦又は妊娠を希望する女性に対し,主治医を通 じた相談,センター又は協力医療機関での対面による相談及びセンターでの電話相談を実施してお り,平成 24 年度は 2,386 件の相談に応じました。 また,センターでは授乳期間中の医薬品の使用について情報を提供しています。母乳の重要性や 医薬品使用のリスクについての考え方を説明するとともに, 「安全に使用できると思われる薬」 「授 乳中の治療に適さないと判断される薬」の表を作成し,ホームページ上に掲載しています。これら は,国内外の様々な最新の医学的研究報告に基づいて作られています。 ・授乳とお薬:http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html (2)リウマチ治療薬と妊娠に関する調査 調査業務の一環として相談者から出産後の情報を提供していただく出生児に関する調査(妊娠結 果調査)を行っておりますが、平成 24 年6月からは, 新たにリウマチ治療薬を使用した妊婦の症 例の登録調査(妊娠結果調査)を実施しています。これは,リウマチ治療薬を使用している妊婦に, 服薬状況や出産後の出生児に関する情報を提供していただき,妊娠中に妊婦が使用したリウマチ治 療薬が出生児に及ぼす影響に関する情報を効率的に集積し,評価し,今後妊娠中にリウマチ治療薬 を適切に使用するための調査です。また,ご協力いただいた患者さんの妊娠・授乳中の薬のご相談 も承っています。 (3)抗甲状腺薬と妊娠に関する調査 平成 20 年1月から,センターと全国の甲状腺専門医などが中心となり,妊婦の協力を得て,「妊 娠初期に投与された抗甲状腺薬の妊娠結果に与える影響に関する前向き研究(Pregnancy Outcomes of Exposure to Methimazole Study: POEM Study)を実施しています。本研究は,バセドウ病の治 療に使用される抗甲状腺薬チアマゾ−ル(MMI)について,MMI 奇形症候群(MMI 曝露と関連の疑わ れている先天異常)の頻度が妊娠初期の MMI 曝露により増加するかどうか明らかにすることを目的 にしています。平成 23 年には中間結果として,妊娠初期の MMI 継続服用は MMI 奇形症候群の発生 と密接な関連性があることが強く示唆されたことが報告されました。妊娠中の抗甲状腺薬使用に関 する母体・胎児双方の安全性についての情報は現在もなお不十分であり,早急に確実なエビデンス を確立することが必要と考え,本調査業 務を進めています。 3.医療関係者へのお願い 医療関係者におかれましては,妊娠中 に使用した医薬品の影響について不安を もつ妊婦等に対して本相談業務の紹介を お願いするとともに,リウマチ治療薬を 使用されている妊婦に対してリウマチ治 療薬の登録調査の紹介をお願いします。 ・相談内容・手順:http://www.ncchd.go.jp/kusuri/process/index.html ・POEM Study:http://www.ncchd.go.jp/kusuri/news/poemstudy1.html - 3 - 3.重要な副作用等に関する情報 【1】アログリプチン安息香酸塩(ネシーナ錠:武田) <使用上の注意(下線部追加改訂部分)> [慎重投与] 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者 [副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常(捻髪音) 等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。間質性 肺炎が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 腸閉塞:腸閉塞があらわれることがあるので,観察を十分に行い,高度の便秘,腹部膨満,持続する腹 痛,嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 直近約3年間(販売開始~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定できないもの。 ・間質性肺炎関連症例:4例(うち死亡0例) ・腸閉塞関連症例:4例(うち死亡0例) 企業が推計したおおよその年間使用者数:約54万人(平成24年4月~平成25年3月) 販売開始:平成22年6月 掲載症例:1 例 【2】アログリプチン安息香酸塩・ピオグリタゾン塩酸塩 <使用上の注意(下線部追加改訂部分)> [慎重投与] 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者 [副作用(重大な副作用)] 腸閉塞:腸閉塞があらわれることがあるので,観察を十分に行い,高度の便秘,腹部膨満,持続する腹 痛,嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 直近約1年9ヵ月間(販売開始~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定 できないもの。 ・腸閉塞関連症例:0例 企業が推計したおおよその年間使用者数:約6万8千人(平成 24 年4月~平成 25 年3月) 販売開始:平成 23 年9月 【3】バルサルタン(ディオバン錠:ノバルティスファーマ) バルサルタン・ヒドロクロロチアジド(コディオ配合錠:ノバルティスファーマ) バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩 <使用上の注意(下線部追加改訂部分)> [副作用(重大な副作用)] 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症 候群),多形紅斑:中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑があらわれることがあるので, 観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 天疱瘡,類天疱瘡:天疱瘡,類天疱瘡があらわれることがあるので,水疱,びらん等があらわれた場合 には,皮膚科医と相談し,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 ①ディオバン錠 直近約3年2ヵ月間(平成22年4月~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定できない もの。 ・中毒性表皮壊死融解症:0例 ・皮膚粘膜眼症候群:1例(うち死亡0例) ・多形紅斑:1例(うち死亡0例) - 4 - ・天疱瘡:0例 ・類天疱瘡:1例(うち死亡0例) 企業が推計したおおよその年間使用者数:約360万人(平成24年1月~平成24年12月) 販売開始:平成 12 年 11 月 ②コディオ配合錠 直近約3年2ヵ月間(平成22年4月~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定できない もの。 ・皮膚粘膜眼症候群:0例 ・多形紅斑:0例 ・天疱瘡:0例 ・類天疱瘡:0例 企業が推計したおおよその年間使用者数:約31万人(平成24年1月~平成24年12月) 販売開始:平成 21 年 3 月 掲載症例:1 例 ③バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩 直近約3年2ヵ月間(販売開始~平成 25 年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定 できないもの。 ・中毒性表皮壊死融解症:0例 ・皮膚粘膜眼症候群:0例 ・多形紅斑:1例(うち死亡0例) ・天疱瘡:0例 ・類天疱瘡:0例 企業が推計したおおよその年間使用者数:約 62 万人(平成 24 年1月~平成 24 年 12 月) 販売開始:平成 22 年4月 【4】ビルダグリプチン(エクア錠:ノバルティスファーマ) <使用上の注意(下線部追加改訂部分)> [副作用(重大な副作用)] 間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常(捻髪音) 等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。間質性 肺炎が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 〈参 考〉 直近約3年2ヵ月間(販売開始~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定できないも の。 ・間質性肺炎関連症例:5例(うち死亡0例) 企業が推計したおおよその年間使用者数:約36万人(平成24年1月~平成24年12月) 販売開始:平成 22 年4月 掲載症例:1 例(以下に紹介) 【5】黄連解毒湯(医療用) 加味逍遙散(医療用)(ツムラ加味逍遙散エキス顆粒:ツムラ) 辛夷清肺湯(医療用) <使用上の注意(下線部追加改訂部分)> [副作用(重大な副作用)] 腸間膜静脈硬化症:長期投与により,腸間膜静脈硬化症があらわれることがある。腹痛,下痢,便秘, 腹部膨満等が繰り返しあらわれた場合,又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し,CT,大腸内視 鏡等の検査を実施するとともに,適切な処置を行うこと。なお,腸管切除術に至った症例も報告されて いる。 ①黄連解毒湯 〈参 考〉 - 5 - 直近約3年2ヵ月間(平成22年4月~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が 否定できないもの。 ・腸間膜静脈硬化症関連症例:4例(うち死亡0例) 企業が推計したおおよその年間使用者数:約3万9千人(平成24年4月~平成25年3月) 販売開始:昭和61年10月 ②ツムラ加味逍遙散エキス顆粒 〈参 考〉 直近約3年2ヵ月間(平成22年4月~平成25年6月)の副作用報告であって,因果関係が否定できない もの。 ・腸間膜静脈硬化症関連症例:6例(うち死亡0例) 企業が推計したおおよその年間使用者数:約19万人(平成24年4月~平成25年3月) 販売開始:昭和61年10月 掲載症例:1 例 ③辛夷清肺湯 〈参 考〉 直近約3年2ヵ月間(平成 22 年4月~平成 25 年6月)の副作用報告であって,因果関係が 否定できないもの。 ・腸間膜静脈硬化症関連症例:4例(うち死亡0例) 企業が推計したおおよその年間使用者数:約2万1千人(平成 24 年4月~平成 25 年3月) 販売開始:昭和 61 年 10 月 掲載症例:1 例 §薬剤部からのお知らせ§ 1. 添付文書改訂情報 ☆ヒドロキシエチルデンプン70000・塩化 ☆ヒドロキシエチルデンプン70000・塩化ナトリウム・ 塩化ナトリウム・塩化 ナトリウム・塩化カリウム・ 塩化カリウム・塩化 カリウム・塩化カルシウム 塩化カルシウム水和物 カルシウム水和物・ 水和物・ 乳酸ナトリウム 乳酸ナトリウム〔 ナトリウム〔ヘスパンダー輸液 ヘスパンダー輸液( 輸液(フレゼニウスカービジャパン) フレゼニウスカービジャパン)〕 [効能・ 効能・効果に 効果に関連する 関連する使用上 する使用上の 使用上の注意] 注意]一部改訂、 一部改訂、追記 重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循環血液量低下には使用しないこと。 [副作用] 副作用]の「重大な 重大な副作用」 副作用」新設 ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴等):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、 喘鳴等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中 止し、適切な処置を行うこと。 腎機能障害:類薬(分子量及び置換度等の異なる HES 製剤)において、急性腎不全等の腎機能障 害があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置 を行うこと。 ☆イリノテカン塩酸塩水和物 イリノテカン塩酸塩水和物〔 カンプト点滴静注( ヤクルト)〕 塩酸塩水和物〔カンプト点滴静注 点滴静注(ヤクルト) [相互作用] 相互作用]の「併用注意」 併用注意」追記 レゴラフェニブ水和物〔臨床症状・措置方法:骨髄機能抑制、下痢等の副作用が増強するおそれ がある。患者の状態を観察しながら、減量するかまたは投与間隔を延長する。機序・危険因子: 本剤の活性代謝物(SN-38)は、主に肝の UDP-グルクロン酸転移酵素 1A1(UGT1A1)によりグル クロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT1A1 阻害作用のあるレゴラフェニブ水和物との併用により、 本剤および本剤の活性代謝物(SN-38)の AUC がそれぞれ 28%および 44%増加し、Cmax がそれぞれ 22%増加および 9%減少したとの報告がある。 〕 [副作用] 副作用]の「重大な 重大な副作用」 副作用」一部改訂 ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察 を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を 行うこと。 - 6 - ☆スニチニブリンゴ酸塩 スニチニブリンゴ酸塩〔 酸塩〔スーテントカプセル( スーテントカプセル(ファイザー) ファイザー)〕 [副作用] 副作用]の「その他 その他の副作用」 副作用」一部改訂( 一部改訂(改訂部分抜粋) 改訂部分抜粋) 肝胆道系:脂肪肝、胆嚢炎 ☆レゴラフェニブ水和物 ☆レゴラフェニブ水和物〔 水和物〔スチバーガ錠 スチバーガ錠【消化器内科・ 消化器内科・消化器外科一時購入薬】 消化器外科一時購入薬】(バイエル (バイエル薬品 バイエル薬品) 薬品)〕 [効能・ 効能・効果] 効果]追記 がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍 [効能・ 効能・効果に 効果に関連する 関連する使用上 する使用上の 使用上の注意] 注意]追記 がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍: (1)イマチニブ及びスニチニブによる治療後の患者を対象とすること。 (2)本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。 [相互作用] 相互作用]一部改訂 本剤は主にチトクローム P450(CYP)3A4 及びグルクロン酸転移酵素(UGT)1A9 により代謝され る。本剤の活性代謝物(N-オキサイド体である M-2 及び N-オキサイドアミド体である M-5)は、 乳癌耐性蛋白(BCRP)及び P-糖蛋白(P-gp)の基質であることが示されている。また、定常状態 における未変化体、M-2 及び M-5 の血漿中濃度は、UGT1A1、UGT1A9、BCRP、P-gp、CYP2C9、CYP2B6、 CYP2D6 及び CYP3A4 を阻害する濃度に達する可能性がある。 [副作用] 副作用]の「その他 その他の副作用」 副作用」一部改訂、 一部改訂、削除( 削除(改訂部分抜粋) 改訂部分抜粋) 精神神経系:回転性めまい、知覚過敏 その他:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能検査値異常 ☆オーラノフィン〔 オーラノフィン〔リドーラ錠 リドーラ錠(グラクソ・スミスクライン) グラクソ・スミスクライン)〕 [重要な 重要な基本的注意] 基本的注意]一部改訂 本剤投与前には必ず血液検査(赤血球数、血色素量、白血球数、白血球分類及び血小板数)、肝 機能検査(トランスアミナーゼ、アルカリフォスファターゼ)、腎機能検査及び尿検査(蛋白、 潜血、沈渣)を実施すること。投与中は毎月1回及び医師が必要と判断した時に血液検査(赤血 球数、血色素量、白血球数、白血球分類及び血小板数)並びに尿検査(蛋白、潜血、沈渣)を行 うこと。また、その他の検査項目については必要に応じて実施すること。 なお、臨床検査のうち白血球数、血小板数及び尿蛋白の検査値が下記のいずれかの値を示したと きは、投与を中止し適切な処置を行うこと。 白血球数…… 3,000/mm3 未満 血小板数……100,000/mm3 未満 尿蛋白……… 持続的又は増加傾向を示す場合、及び血尿が認められた場合 [副作用] 副作用]の「その他 その他の副作用」 副作用」一部改訂( 一部改訂(改訂部分抜粋) 改訂部分抜粋) その他:水晶体又は角膜への金沈着 ☆ダプトマイシン〔 ダプトマイシン〔キュビシン静注用 キュビシン静注用( 静注用(MSD) MSD)〕 [重要な 重要な基本的注意] 基本的注意]一部改訂 本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の 措置をとること。 1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必 ず確認すること。 2)投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。 3)点滴静注の場合は投与開始から投与終了後まで、また、静脈内注射の場合は投与終了後もし ばらくの間、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深 く観察すること。 ☆ポリエチレングリコール処理人免疫 ☆ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン 処理人免疫グロブリン〔 グロブリン〔献血ヴェノグロブリン 献血ヴェノグロブリンIH ヴェノグロブリンIH静注 IH静注( 静注(田辺三菱製 薬)〕 [効能・ 効能・効果] 効果]追記 天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合) [効能・ 効能・効果に 効果に関連する 関連する使用上 注意]追記 する使用上の 使用上の注意] 天疱瘡に用いる場合は、副腎皮質ホルモン剤による適切な治療によっても十分な効果が得られな い患者のみを対象とすること。同種同効製剤(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリ ン)の臨床試験では、副腎皮質ホルモン剤 20mg/日(プレドニゾロン換算)以上を3~7日間使 - 7 - 用したにもかかわらず、臨床症状の改善が認められなかった患者に対し、当該製剤の有効性及び 安全性が検討されている。 腫瘍随伴性天疱瘡、疱疹状天疱瘡、薬剤誘発性天疱瘡に対する有効性及び安全性は確立していな い。 [用法・ 用法・用量] 用量]追記 天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合) :通常、1 日に人免疫グロブリン G として 400mg(8mL) /kg 体重を 5 日間連日点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。 [用法・ 用法・用量に 用量に関連する 関連する使用上 する使用上の 使用上の注意] 注意]追記 天疱瘡における症状の改善は、本剤投与終了4週後に認められることがあるので、投与後の経過 を十分に観察し、本剤投与終了後4週間においては本剤の追加投与は行わないこと。 [重要な 重要な基本的注意] 基本的注意]追記 本剤による天疱瘡の治療は原因療法ではなく対症療法であること及び反復投与による有効性、安 全性は確立していないことに留意すること。 [相互作用] 相互作用]の「併用注意」 併用注意」一部改訂 非経口用生ワクチン(麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、これら混合ワクチ ン、水痘ワクチン等)〔臨床症状・措置方法:本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得 られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3ヵ月以上延期すること。また、生 ワクチン接種後 14 日以内に本剤を投与した場合は、投与後3ヵ月以上経過した後に生ワクチン を再接種することが望ましい。なお、特発性血小板減少性紫斑病(ITP) 、川崎病、多発性筋炎・ 皮膚筋炎、多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP) 、全 身型重症筋無力症、天疱瘡に対する大量療法(200mg/kg 以上)後に生ワクチンを接種する場合は、 原則として生ワクチンの接種を6ヵ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は 11 ヵ月以上)延期すること。〕 [副作用] 副作用]の「重大な 重大な副作用」 副作用」一部改訂 ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察 を十分に行い、呼吸困難、頻脈、喘鳴、喘息様症状、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノー ゼ等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 [副作用] 副作用]の「その他 その他の副作用」 副作用」一部改訂( 一部改訂(改訂部分抜粋) 改訂部分抜粋) 過敏症:汗疱(このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 ) 精神神経系:しびれ(このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。) ☆インターフェロンベータ- 〔ベタフェロン皮下注用 インターフェロンベータ-1b(遺伝子組換 b(遺伝子組換え 遺伝子組換え) ベタフェロン皮下注用( 皮下注用(バイエル薬品 バイエル薬品) 薬品)〕 [副作用] 副作用]の「その他 その他の副作用」 副作用」一部改訂( 一部改訂(改訂部分抜粋) 改訂部分抜粋) 肝 臓:Al-P 上昇 精神神経系:抑うつ その他:血清総蛋白減少、血清アルブミン低下 発行:北里大学東病院薬剤部医薬品情報室 編集責任:黒山 政一(医薬品安全管理責任者) 編 集:平山 武司 滝川 亜弥 香取 祐介 神宮 直子 大隈 良太 〒252-0380 相模原市南区麻溝台 2-1-1 ℡:042(748)9111 内線 2008,2619 - 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