モバイルアプリケーション ユーザー中心のモバイル - Hewlett Packard

ビジネスホワイトペーパー
HP Anywhere による
アプリケーションの
モバイル化
モバイルテストとアプリケーション開発のための
エンタープライズ向けプラットフォーム
ビジネスホワイトペーパー | HP Anywhere によるアプリケーションのモバイル化
モバイルが普及した現在、ユーザーとアプリケーションとの
関わりが極めて強くなっています。それはユーザーがお客様、
パートナー、従業員のいずれであっても同じです。しかし、
企業ユーザーのニーズを満たそうとすると、いくつかの課題
に直面します。アプリケーションは、さまざまなデバイスや画
面 サイズ で シームレスに 機 能し、デ ー タセ キュリティを
犠牲にすることなくリアルタイムコラボレーションを促進する
ことが求められています。このバランスを実現するためには、
その企業独自の要求に合わせて構築されたモバイルテストと
アプリケーション開発のためのプラットフォームが必要です。
アプリケーション時代の主導権を握っているのは
ユーザーです
モバイル化が極度に進んだ今日の企業環境では、
これまでとは異なる種類のユーザー、ひいては異
なる種類のITが登場しています。
このような変化を理解するため、少し前のシステムを振り返ってみましょう。メインフレームをベース
にしていた最初期のアプリケーションでは、
ユーザーはそのシステムに従う必要がありました。グリー
ンスクリーンとコマンドラインが標準で、
システムに機能を実行させるには比較的高度な技術的知識
が求められていました。クライアント/サーバーのアーキテクチャーになると、GUI (グラフィカルユー
ザーインターフェイス)、
ウィジェット、単純なポイント&クリックが登場しました。
しかし、ユーザー体験
に対する配慮はほとんどありませんでした (数百件の結果が表示されるリスト選択などがその例で
す)。また、
このモデルは一部の人々にシステムに関するトレーニングが実施されることを前提として
いました。
この前提はWebブラウザーによって覆され、設計者は新しいタイプのユーザーを念頭に置いて設計を
行うようになりました。それはコンピューターを所有し、
インターネットに接続しているあらゆる人々で
す。そして、
コンピューターはポケットに収まるようになり、
インターネット接続は無線になった今、
ユー
ザーがアプリケーションを理解するのではなく、
アプリケーションがユーザーを理解することが期待さ
れています。ユーザーがいる場所 (食料品店、
スポーツイベント会場など)、状況 (駐車スペースを探し
ている、
チケットを購入するなど)、友人との親密さといった要素は、
ユーザーが情報を定義したり入力
したりしなくても、
アプリケーションが直感的に認識する必要があります。
時代は新しくなり、
システム中心からユーザー中心へと変化しています。数世紀前、太陽が地球の周り
を回転しているのではなく、地球が太陽の周りを回転していることが明らかになって科学が覆された
のと同様に、
システム中心ではなくユーザー中心であることが求められる世界に私達は直面していま
す。
コンシューマライゼーションへの移行
ソフトウェア開発はシステム中心からユーザー中
心へと変化しました。
図1. ユーザー中心
メインフレーム
クライアント/サーバー
Web
システム中心
デバイス
ユーザー中心
新時代が開発者にもたらした課題
ユーザー中心となった現在、従業員が使用するモバイルアプリケーションを開発・保守するのは単純
な業務ではありません。開発者は、複数のプラットフォーム、言語、
テクノロジーから、企業データが保
存されている複雑なレガシーシステムとの統合にいたるまで、
さまざまな課題に対処しなければなら
ないうえ、対応の速さも求められます。モバイルテストと開発ライフサイクルのすべての段階におい
て、
スピードは極めて重要です。
2
ビジネスホワイトペーパー | HP Anywhere によるアプリケーションのモバイル化
開発者が直面する課題には、次のものがあります。
• OSの複雑さ̶複数のオペレーティングシステム (iOS、
Android、Windows® 8、RIM、
Firefox OS、Tizenなど)
があるため、開発者はプラットフォームごとに同じアプリケーションの別バージョンを作成し保守しな
くてはなりません。
• データの接続性̶モバイルアプリケーションの開発者は、確実かつセキュアな方法でレガシーデー
タにアクセスできる必要があります。
しかし、
これは容易なことではありません。バックエンドのレガ
シーシステム (SAP®、PeopleSoft、Salesforceのアプリケーションが稼働しているシステムなど) は、複雑
なアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) やエンタープライズセキュリティ機能が原
因でスピードが遅くなることも多くあります。
My Appsビュー:
My Appsは、エンタープライズアプリケーションの
ユーザーデスクトップ を表します。 ユーザーのす
べてのモバイルアプリケーションが整理され1つ
の領域に表示されるため、アクセスやステータス
の更新が容易です。
• デバイスの多様性̶今日、会社の管理下にあるデバイスではなく、個人所有のモバイルデバイス
(携帯電話およびタブレット) を使用する従業員は増加する一方です。企業がプラットフォーム全体を
所有していた時代は過ぎました。アプリケーションの配備先に関係なく、
ユーザー中心の環境には堅
牢なアプリケーション管理とデータセキュリティが求められています。また、
ユーザー中心になること
で、多種多様なオペレーティングシステム、画面解像度、サイズ、
デバイスメモリなどが使用されると
いうモバイルテストと開発の問題も発生します。
こうした課題は、
エンタープライズソフトウェア開発者に新たな要件を突きつけることになります。
企業のモバイル化における 6 つの主な要件
今日のモバイルアプリケーションには、主に6つの要件があります。IT組織がこれらの要件を満たすた
めには、
独自の機能セットが搭載された開発プラットフォームが必要になります。それがHP Anywhereで
す。
モバイルアプリケーションの要件
HP Anywhereソリューション
1. 複数のオペレーティングプラットフォームとデバイス HP Anywhere は、iOS、Android、Windows 8 タブレッ
のフォームファクターをサポートする。
トなどの複数のモバイルオペレーティングプラット
目標は、
プラットフォームごとに異なるアプリケーショ フォームとスマートフォンやタブレットなどのデバイ
ン を 並 列 開 発 す る の で は な く、iOS、Android、スのさまざまなフォームファクターをサポートしてい
Windows 8 など、さまざまなプラットフォーム上で稼 ます。そのため、開発者は複数のオペレーティング
プラットフォームにわたって実行されるコンテナー内
働するアプリケーションを提供することです。
にアプリケーションを構築することができます。
2. データが保存されているレガシーシステムへの接続 HP Anywhere はビルド済みコネクターのライブラリを
を簡素化する。
組み込むように拡張可能であるため、開発者は新し
開発ソリューションを使 用すれば、お客 様、製 品、い モ バ イ ル ア プ リ ケ ー シ ョ ン を、SAP、Oracle、
トランザクションなどに関するデータが保存されて PeopleSoft、Salesforce などの一般的なバックエンド
いるレガシーエンタープライズシステムとモバイルア エンタープライズシステムに簡単にリンクできます。
プリケーションを簡単に接続できます。
3. モバイルアプリケーションの管理と制御を実現する。 IT 管理者は HP Anywhere のコンテナーを使用するこ
ユーザーロール別の管理を可能にすると、特定のア とにより、ユーザープロファイルに応じてアプリケー
プリケーションやデータへのアクセスを制御できるよ ションへのアクセス権を付与できます。コンテナー
うになるため、ユーザーは自分にとって最も重要な を使用すると、読み込みが許可されているアプリケー
ションのアプリストア が使用可能になります。
情報に容易にアクセスできます。
4. 一元的な制御によってセキュリティを管理する。
IT 管理者は HP Anywhere を使用することで、アプリ
IT チームは、認証および権限付与を管理する機能、ケーションの配備先に関係なく、アプリケーション
アプリケーションへのアクセスを無効にする機能、お の制御も可能です。一元管理されているコンテナー
よびユーザーデバイスからアプリケーションとその関 を介して、モバイルデバイス上のアプリケーションに
連データを削除する機能を所有しているべきです。 おける情報アクセスポリシーおよびセキュリティ機
能を管理できます。
5. 開発者のコンテキストスイッチを回避し、開発を迅 HP Anywhere は、開発者の効率を高めるよう設計さ
速化する。
れた、モバイルアプリケーション開発用の統合環境
開発者は、異なるシステムやコンテキストの切り替え を提 供しま す。ソフトウェア 開 発 キット (SDK) は、
に時間を費やすべきではありません。開発者に必要 Eclipse や IntelliJ などの一般的な開発環境と統合さ
なのは、ソフトウェア開発ライフサイクルで主要な れます。
ツールにアクセスできる単一の開発者ワークベンチ
です。
6. コンテキストベースのコラボレーションを実現する。 HP Anywhere のコンテナー内で実行されるモバイル
モバイルソリューションでは、ユーザー同士が簡単に アプリケーションには、あらかじめコラボレーション
つながりを持つことができ、アプリケーションおよび 機能が組み込まれています。この機能を利用すると、
ビジネスの問題のコンテキスト内でコラボレーション Microsoft® Lync® などのコミュニケーションツールを
介したユーザー間のコンテキスト中心のコラボレー
できることが望まれます。
ションが促進されます。
3
ビジネスホワイトペーパー | HP Anywhere によるアプリケーションのモバイル化
図 2. アプリケーションのリアルタイム確認
IDE/シミュレーター:
IDE (統合開発環境)/シミュレーターは、開発者の
IDEの中から直接HP Anywhereを構築できるよう
にするネイティブなEclipseまたはIntelliJプラグイ
ン で す。 開 発 者 は 、組み 込まれてい るシミュ
レーターを使 用することで、選 択したフォーム
ファクターで実行されているアプリケーションを
リアルタイムで確認できます。
重要なのは ユーザーにフォーカスし続けることです
会社のモバイル化にあたり、目標に迷うことはありません。ユーザーを中心に考えればよいのです。
モバイルアプリケーションは、
サポートするシステムではなく、
ユーザーのニーズや期待に応えられる
ようにカスタマイズしなければなりません。
IT組織がこの新時代で成功を収めるためには、モバイルアプリケーションの個々の課題に適したモバ
イルテストと開発のための多目的プラットフォームが必要です。それがHP Anywhereです。HP
Anywhereは、モビリティをビジネス上の優位性を高める戦略的資産へと変える総合ソリューションで
す。
詳細情報
hp.com/go/HPAnywhere
メールニュース配信登録
hp.com/go/getupdatedjp
© Copyright 2013–2014 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 本書の内容は、将来予告なく変更されることがあります。 HP 製品およびサー
ビスに対する保証については、当該製品およびサービスの保証規定書に記載されています。 本書のいかなる内容も、新たな保証を追加するも
のではありません。 本書の内容につきましては万全を期しておりますが、本書中の技術的あるいは校正上の誤り、省略に対しては責任を負い
かねますのでご了承ください。
Microsoft、Windows 8、および Lync は、Microsoft グループの登録商標です。 Oracle は、Oracle およびその関連会社の登録商標です。 SAP は、
ドイツおよびその他の国における SAP AG の登録商標です。
4AA3-4825JPN、2014 年 8 月、Rev. 1