おしづおばさん 今年は NHK 大河ドラマ『平清盛』が放送されているが、これに関連して 40 年前の NHK 大 河ドラマ『新・平家物語』に纏わる思い出がある。 『おしづおばさん』 、私は『吉野作造』の末妹をこう呼んでいた。 『おしづおばさん』は私の母方祖母の兄『戸石清次』の妻であるから気安く『おしづお ばさん』と呼んでいたが、正式名は『しづ』である事が最近になって解った。 『戸石清次』は『吉野作造』の書籍出版に多くの協力をしている。 『しづおばさん』とは発音しにくく、 『おしづおばさん』となったのかも知れない。 私が子供の頃であるから、まさか歴史上の人物の妹と言う事よりも何時もお小遣い、お 菓子を貰える『気前の良いおばさん』として大好きであり、おふくろは『十番町のおばさ ん』 、又は『おしづおばさん』と呼んでいた様であるし、おばさんは姪であるおふくろを『さ っちゃん』(幸子)と呼んでいた。 当時、 『おしづおばさん』は仙台市東十番町に一人暮らしをしていたのであるが時折、お ふくろが『おしづおばさん』に行く時は無条件で『お供』をしたものである。 勿論、 『お供』の目的は言わずもがな…である。 ある時、おばさんが私に『やっちゃんの名前はウチの泰一と同じタイだったねえ…』と 言っていたのを記憶している。 即ち、おふくろの従弟であり、後に太宰治の無二の親友となった文学者戸石泰一である。 『おしづおばさん』は NHK 大河ドラマ『新・平家物語』(1972 年仲代達矢主演)を見なが ら静かに眠る様に逝ったとおふくろから聞かされた。 私が『おしづおばさん』の出生地大崎市古川に住み続けているのも何かの因縁だろうか。 2012 年 4 月 18 日 大崎市古川鶴ヶ埣字新江北 84-3 内海 泰 1
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