馬佐良(ばさら)申し上げ祭り

平成25年度取材
分野①伝統行事・文化
南部町
ば
さ
分野①伝統行事・文化
ら
南部町
馬佐良申し上げ祭り
<概要>
住 所
西伯郡南部町馬佐良
代表者
区長 舩谷 永泰
構成員
馬佐良集落20世帯
馬佐良
(参考)
馬佐良地区の概要(平成 22 年国勢調査)
・人口
65 人
・世帯数
20 戸
・高齢化率
36.9%
<取組の概要>
・申し上げ祭りは、秋の収穫に感謝する水神祭りである。歴史は古く、この地でいつの時代か
ら始まったのかは記録がなく不明であるが、伝統行事として営々と引き継いでいる。
へい ぐし
いな わら
・幣串や稲藁を使った大蛇作りは他の地区でも同様に行われているが、この地の祭りの特徴は
玉垣の中に埋めてある二つの瓶の石蓋を開けて、前年に入れた甘酒と団子の量の減り具合で
翌年の豊作を占うことである。
<取材MEMO(1)>
○取組に至る背景・経緯・目的
・藁大蛇を荒神様に奉納し、豊作を感謝
・
・
・
・
さ
ら
○取組の成果
・昭和 60 年鳥取大学野津龍教授の著
書「鳥取県の祭り歳時記」に掲載さ
れた。また平成元年、馬佐良申し上
げ祭り保存会が設立され、翌年には
鳥取県無形民俗文化財に指定され
た。
・平成7年 7 月にはNHKふるさとの
伝承「大山さんの水信仰鳥取県伯耆
地方」で放映された。
<代表者から一言>
馬佐良集落 舩谷 永泰 区長(中)
取材協力者 毎川 秀巳 様 (左)
取材協力者 牧野 孝
様 (右)
・集落の人口が減少し
高齢化率が高くなっ
たが、この祭りを守
っていきたい。
・毎月神社を掃除し
大切にしている。
<取材MEMO(3)>
○今後の取組内容・長期的な目標
・地区住民が一同に会して行う祭りだが、農家
が減少した今となっては、貴重な行事の一つ
である。地域住民のコミュニケーションの場
としても継続し活用したい。
・この地は、東に遠く大山を仰ぎ、火の神を祭
あ
た
ご
さ
ん
る「愛宕山」
、巨岩信仰の「天宮山」に囲まれ
た地である。特に年間を通じて祭りが多いこ
とから、
「パワーすぽっとBASARA」を目
指したい。
・
申し上げるという申し上げ祭りは、稲作
に必要な水の安定した供給を願い、収穫
を感謝する人々の願いが込められてい
る。
<取材MEMO(2)>
○取組に工夫・苦労した点
・大蛇作りが年に一度の事でもあり、作り
方や組み方の伝承が難しくなってきたの
で、工程を順に追った写真とビデオによ
る教本づくりを行った。
・永年、祭りは 12 月 4 日となっていたが、
お勤めの方も多く平日の行事には参加し
難いとの意見があり、4 日以降の土日に
変更された。
・以前は稲藁を持ち寄っていたが、現在は
委託農家が増えその確保が困難なため、
集落内の農家で一括して用意してもらっ
ている。
ば
馬佐良申し上げ祭り
上あご、舌、下あごを重ね頭を作り、胴をつなげていく
氏神である釿守(ちょうのもり)神社
活動が紹介された刊行物
集落で編集発行さ
れた教本
高い木に吊るし藁を加えて胴を伸ばす
長さはおおよそ 8m にも及ぶ
取材を行っての感想など一言コメント
大蛇が奉納されている神社を訪れた時、境内や祠がきれいに手入れされていました。日頃か
ら集落の皆さんが掃除をして維持されています。このことが、伝統を受け継ぎ守っていくこと
に繋がるのだと感じました。
神社の境内にある玉垣
市町村役場の連絡先
〒683-0351 西伯郡南部町法勝寺 377 番地 1
電話:0859-66-3113 FAX:0859-66-4426