盤工学会基準(改正案) JGS 0162:0000 礫の最大密度・最小密度試験方法 Test method of minimum and maximum deisities of gravels 適用範囲 1 この基準は,53 mm ふるいを通過し,2 mm 以上の礫を含み,75μm ふるいに 90 %以上残留する粗粒土 の最小密度及び最大密度を求めるための試験方法について規定する。 引用規格及び基準 2 次に掲げる規格は,この基準に引用されることによって,この基準の規定の一部を構成する。これらの 引用規格は,その最新版(追補を含む。 )を適用する。 JIS A 1201 土質試験のための乱した土の試料調整方法 JIS A 1203 土の含水比試験方法 JIS A 1204 土の粒度試験方法 JIS Z 8801-1 試験用ふるい-第 1 部:金属製網ふるい 用語及び定義 3 この基準で用いる主な用語及び定義は,次による。 3.1 最小密度 最小密度試験によって求める礫の最小乾燥密度。 3.2 最大密度 最大密度試験によって求める礫の最大乾燥密度。 4 試験器具 4.1 モールド・カラー モールドは,鋼製円筒及び底板で構成され,カラーの装着が可能なもので,次の条件を満たすもの(図 1,表 1 参照) 。 a) 最大の粒径が 37.5 mm ふるいを通過する礫の場合 Aモールド(内径(200±1)mm,深さ(200±1)mm,容積(6283 ±95)cm3),あるいは Bモールド(内径(300±1) mm,深さ(300±1)mm,容積(21205 ±213)cm3) b) 最大の粒径が 53 mm ふるいを通過する礫の場合 [WG1-71] 2 0162:0000 Bモールド(内径(300±1)mm,深さ(300±1)mm,容積(21205±213)cm3) D Z2 カラー モールド Z1 V 図 1-モールド・カラーの概略 表 1-モールド・カラーの寸法 内 径 D mm 深 さ Z 1 mm 深 さ Z 2 mm 容 積 V cm3 A モールド 200±1 200±1 約50 6283±95 Bモールド 300±1 300±1 約75 21205±213 4.2 試料充填用容器 試料充填用容器は,図 2 に示す平底の半球形容器で,表 2 の条件を満たすもの。 Z D V 図 2-試料充填用容器の概略 [WG1-72] 3 0162:0000 表 2-試料充填用容器の寸法 内 径 D mm 深 さ Z mm 容 積 V cm3 Aモールド用 約130 約50 約500 Bモールド用 約150 約60 約750 4.3 バイブレーター バイブレーターは,A,B モールドそれぞれについて試料上端部に搭載可能な振動型で,図 3 に示すス ペーサー,スペーサーディスク,O-リング付のもの。O-リングを含めたスペーサーディスクの直径は, A モールド用で約 195 mm,B モールド用で約 295 mm とする。バイブレーターの設置例を図 4 に示す。 単位 mm バイブレーター スペーサー O-リング(直径約 8 ㎜) 約 12 (12) 約 50 (50) スペーサーディスク 約 195 (295) 図 3-A モールド用バイブレーターの例(括弧内は B モールド用バイブレーターの寸法例) バイブレーター カラー モールド 試 料 図 4-バイブレーターの設置例 [WG1-73] 4 0162:0000 4.4 深さ測定器具 深さ測定器具は,カラー上端部と試料の堆積面との距離を測定するための鋼直尺と,モールド内部の深 さ測定に必要な目盛り読取り補助器具で構成され,鋼直尺は,測定長 150 mm,幅 15 mm で 0.5 mm まで測 定できるもの,目盛り読取り補助器具は,厚さ 5 mm 程度の鋼製もしくはアクリル製の剛な渡し棒。 4.5 その他の器具 その他の器具は,次のとおりとする。 a) はかり はかりは,次の条件を満たすもの。 A モールド用 最小測定質量 10 g B モールド用 最小測定質量 20 g b) ふるい c) ふるいは,JIS Z 8801-1 に規定する試験用金属製網ふるい。 含水比測定器具 含水比測定器具は,JIS A 1202 の 3(試験器具)に規定するもの。 d) 恒温乾燥炉 恒温乾燥炉は,温度(110±5)℃に保持できるもの。 e) 試料混合容器 試料混合容器は,試料の混合が可能な十分な大きさを有するもの。 f) ストップウォッチ ストップウォッチは,1 秒単位の測定が可能なもの。 5 試料 試料は,次による。 a) JIS A 1201 に規定する方法によって得られたものを試料とする。 b) 試料の最少量の目安は,A モールドでは約 15 kg,B モールドでは約 50 kg とする。 c) 試料は,原則として気乾状態とする。 6 試験方法 6.1 試験準備 試験準備は,次による。 a) モールドの内径D,深さZ1及びカラー上端部からモールド底面までの深さ(Z1+Z2)をはかる。最少読 取り値は 0.5 mmとする。 b) モールドの質量md(g)をはかる。 c) 試料混合容器内に試料を用意する。この時に試料の分級が起こらないようによく混合しておく。 6.2 最小密度試験 最小密度試験の方法は,次による。 a) カラーを装着したモールド内に,試料充填用容器を用いて試料を落下高さが極力ゼロに近づくよう静 かに入れる。 注記 試料充填用容器でモールド中に試料を入れる時は,粒子の分級を避けるために,一カ所へ山積 み状態になることなく,モールド内部に満遍なく行き渡るようにしなければならない。この動 作を繰り返して,モールドの上端面を満たす程度まで平らに試料を入れる。 b) 深さ測定器具を用いて,カラー上端部と試料の堆積面までの距離 z を,カラー上端部に設置した目盛 [WG1-74] 5 0162:0000 り読取り補助器具の下端から図 5 に示す概略深さ測定位置にて 17 点以上測定する。深さ測定の最少読 取り値は 0.5 mm とする。 試料 2 1 3 計測点 モールド 図 5-概略深さ測定平面位置(17 点の例)(図中の数字は計測点間の半径方向の距離の比率を示す) c) モールドの底面と試料の堆積面までの距離hを,カラー上端部からモールド底面までの深さ(Z1+Z2) とカラー上端部と試料の堆積面までの距離zの平均値との差により求め,モールド内径寸法を用いてモ ールド内の試料の体積V1(cm3)を算定する。 d) 試料とモールドの質量m1(g)をはかる。 e) JIS A 1203 に規定する方法に従い含水比w1を求める。 6.3 最大密度試験 最大密度試験方法は,次による。 a) JIS A 1204 に規定する方法により最大密度試験前の粒径加積曲線を求める。 注記 試験回毎に粒度調整を行う場合は,代表的な 1 試料に対して求めればよい。自然材料を対象とす る場合,試料毎に粒度組成が変化する可能性があるので,各試料毎の粒径加積曲線を求めなけれ ばならない。 b) モールド内に,ほぼ同質量に 5 等分した試料を 5 層に分けて入れる。各層ごとにバイブレーターによ り 180 秒間締固める。加振時間はストップウォッチにより測定する。 注記 c) 3 層目の締固めを終了した後にカラーを取り付ける。 5 層目締固め後,深さ測定器具を用いて,カラー上端部と試料の堆積面までの距離 z を,カラー上端部 に設置した目盛り読取り補助器具の下端から図 5 に示す概略深さ測定平面位置にて 17 点以上測定する。 深さ測定の最少読取り値は 0.5 mm とする。 d) モールドの底面と試料の堆積面までの距離hを,カラー上端部からモールド底面までの深さ(Z1+Z2) とカラー上端部と試料の堆積面までの距離zの平均値との差により求め,モールド内径寸法を用いてモ ールド内の試料の体積V2(cm3)を算定する。 e) 試料とモールドの質量m2(g)をはかる。 f) JIS A 1204 に規定する方法により最大密度試験後の粒径加積曲線を求める。 g) JIS A 1203 に規定する方法に従い含水比w2を求める。 [WG1-75] 6 0162:0000 7 計算 計算は次による。 a) 最小密度は,次の式によって算出する。 ρamin = ρdmin = m1 − m d V1 ρamin 1+ w1 100 ここに,ρamin:気乾状態の最小密度(g/cm3) ρdmin:最小密度(g/cm3) m1:最小密度試験の試料とモールドの質量(g) md:モールドの質量(g) V1:モールド内の試料の体積(cm3) w1:含水比(%) b) 最大密度は,次の式によって算出する。 ρamax = ρdmax = m2 − m d V2 ρamax 1+ w2 100 ここに,ρamax:気乾状態の最大密度(g/cm3) ρdmax:最大密度(g/cm3) m2:最大密度試験の試料とモールドの質量(g) V2:モールド内の試料の体積(cm3) w2:含水比(%) c) 最大密度試験後の礫の粒子破砕率を,次の式に示す簡便法により求める。 BM = ΣΔm(dk) B ここに,BM:簡便法による粒子破砕率(%) B ΣΔm(dk):図 6 に示す試験前後の粒径加積曲線より得られた,ふるい目dk +1 を通過しdkに残留 する通過質量百分率(mi(dk),mf(dk))の差分(Δm(dk)= mi(dk)-mf(dk))に対し,Δ m(dk)≧0 のみを加えた値。 [WG1-76] 7 0162:0000 通 過 質 量 百 分 率 100 mf(d k) 80 60 mi(dk) 40 20 試験後 試験前 0 粒 径 (mm) d k d k+1 図 6-簡便法に基づく粒子破砕率の定義 8 報告 試験結果については,次の事項を報告する。 a) 最小密度 b) 最大密度 c) 最大密度試験前後の粒径加積曲線 d) 粒子破砕率 e) 本基準と部分的に異なる方法を用いた場合は,その内容 [WG1-77]
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