資料 1 法令改正等について 九州産業保安監督部 電力安全課 目 次 1.政府の規制緩和の検討状況(電力保安関係) 2.電気主任技術者制度における外部委託承認 範囲拡大及び全量買取制度に基づく太陽電池 発電設備の点検頻度見直し 3.電気主任技術者制度における兼任要件の要 件緩和 4.PCB届出制度の改正 5.金属製水道管を利用した接地工事の廃止(技 術基準の解釈の改正) 1 1.政府の規制緩和の検討状況(電力保安関係) 【背景】 ・政府の規制改革については、最近の技術動向や安全性の状況を 踏まえ見直しの検討を進める中、安全性が確認されたものから段 階的に規制緩和を実施。 ・電力保安関係は、エネルギー分野における規制・制度改革に位 置づけ。 ○ エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針(平成24年4月 3日 閣議決定) ○ 日本再生加速プログラム(平成24年11月30日 閣議決定) ○ 規制改革実施計画(平成25年6月14日 閣議決定) (個別規制緩和項目) 1.(太陽電池発電設備に係る)電気主任技術者の不選任承認範囲の拡大 2.太陽光発電設備における電気主任技術者の兼任要件の緩和 2 2.電気主任技術者制度における外部委託承認範囲拡大及び 全量買取制度に基づく太陽電池発電設備の点検頻度見直し (1)電気主任技術者制度における外部委託承認範囲拡大 【改正内容】 発電所に係る外部委託範囲を拡大するため、施行規則等を改正 ※参照 【電気事業法施行規則及び経済産業省告示249号の改正について】 (参考資料P27) 【施行日】 平成25年6月28日 ①外部委託範囲(施行規則第52条第2項) (変更前) 1,000KW未満 太陽光、風力、水力、 火力等 拡大 ②換算係数(告示※第3条) (変更後) 2,000KW未満 太陽光、風力、水力、火力 ※燃料電池は変更なし(1,000kW未満) 事業場 設備規模等 換算係数 発電所 出力100kW未満 0.3 出力100kW以上300kW未満 0.4 出力300kW以上600kW未満 0.6 出力600kW以上1,000kW未満 0.8 出力1,000kW以上1,500kW未満 1.0 出力1,500kW以上2,000kW未満 1.2 ※平成15年経済産業省 告示第249号 3 (2)全量買取制度に基づく太陽電池発電設備の点検頻度見直し ①【改正前】設置形態の違いによる点検頻度の比較 ○外部委託の承認要件として、告示(平成15年経済産業省告示第249号)において、需要設備に ついては「1回/月~3ヶ月」以上、太陽電池発電所については「2回/年」以上の頻度で点検すること を求めている。 全量買取制度 余剰買取制度 高圧受変電設備の部分につい ては、適切な点検頻度に設定す ることが必要。 全量買取 余剰を売電 1回/月~3ヶ月 全量買取 2回/年 2回/年 1回/月 ~3ヶ月 2回/年 PCS PCS PCS 一般負荷 一般負荷 単独設置 同一構内設置(2引込み) 高圧設備を共用(1引込み) 4 ②【改正後】点検制度の見直し 【改正内容】 外部委託範囲の拡大にあたり、太陽光の設備特徴・設置形態等を 考慮した点検頻度を設定(告示※第4条) ※平成15年経済産業省告示第249号 【施行日】 平成26年4月1日(公布日 平成25年6月28日) ただし、平成26年4月1日時点において、既に外部委託承認されているもの、 または承認申請が受理されているものは適用しない。 全量買取制度 全量買取 1回/月 ~3ヶ月 全量買取 1回/月 ~6ヶ月 PCS 1回/月 ~6ヶ月 PCS 1回/6ヶ月 1回/6ヶ月 一般負荷 同一構内設置(2引込み) 設備状況等により 点検頻度が異なる 単独設置 (告示第4条4号) 太陽光発電設備の点 検頻度は1回/6ヶ月 5 ③【改正後】点検頻度の基準(太陽光発電所) 告示(平成15年経済産業省告示第249号)の第4条第4号におい て、太陽光発電所に係る点検頻度を規定。 【点検頻度】 ■太陽光発電所 6月に1回以上(4号本文) ■受変電設備 ※太陽光発電所における保安上の責任分界点から逆変換装置の 系統側接続箇所までの設備 ○第6号本文及び第9号に準ずるもの 3月に1回以上(4号イ) ○第6号ただし書に準ずるもの 6月に1回以上(4号ロ) ○第7号のイからハまでの設備条件の全てに適合する信頼性の高 いもの又は低圧受電のもの 隔月に1回以上(4号ハ) ○受変電設備(イからハまでに掲げるものを除く。) 毎月1回以上 (4号ニ) 6 ◆点検頻度及び圧縮係数(ケース別) (ⅰ)告示第4条第4号イの場合 受変電設備(保安上の責任分界点から 逆変換装置の系統接続箇所まで)が告 示第4条第6号本文または第9号に準 ずる設備を有するものに該当 (点検頻度) 3月に1回以上 (圧縮係数) 0.33 第6号本文に該当の例 (受変電設備が小規模高圧需要設備) 太陽光発電所 点検頻度は 1回/6ヶ月 以上 太陽光パネル パワコン PAS 責 任 分 界 点 ※(第6号)小規模高圧需要設備にあっては 3月に1回以上。 [換算係数計算例] 発電所出力60kWの場合 (受変電含む) 0.3 × 0.33 = 0.099 点 小規模高圧需 要設備 (64kVA未満) キュービクル(変電設備) 点検頻度は 1回/3ヶ月 以上 7 第9号に該当の例 (信頼性の高い設備容量100kVA以下の需要設備) 太陽光発電所 点検頻度は 1回/6ヶ月 以上 太陽光パネル GR付 PAS パワコン 責 任 分 界 点 点検頻度は 1回/3ヶ月 以上 建物 屋内設置の キュービクル式 設備容量 100kVA以下 (第7号)次のイからホまでの設備条件のすべてに適合 する信頼性の高い需要設備であって設備容量が100 kVA以下のもの又は低圧受電の需要設備にあっては隔 月1回以上 イ 構外にわたる高圧電線路がないもの ロ 柱上に設置した高圧変圧器がないもの ハ 高圧負荷開閉器(キュービクル内に設置するもの を除く。)に可燃性絶縁油を使用していないもの 二 保安上の責任分界点又はこれに近い箇所に地絡 保護継電器付高圧交流負荷開閉器又は地絡遮断 器が設置されているもの ホ 責任分界点から主遮断装置の間に電力需給用 計器用変成器、主遮断器用開閉状態表示変成器 及び主遮断器操作用変成器以外の変成器がない もの (第9号)第7号に適合する需要設備であって、次のイか らハまでのすべての設備条件に適合するものにあって は3月に1回以上 イ 受電設備がキュービクル式であるもの(屋内に 設置するものに限る) ロ 蓄電池設備又は非常用予備発電装置がないもの ハ 引込施設に地絡継電器付高圧交流負荷開閉器 又は地絡遮断器が設置してあるもの (換算係数計算例)発電所出力100kWの場合 0.4 × 0.33 = 0.132 点 8 (ⅱ)告示第4条第4号ロの場合 受変電設備(保安上の責任分界点から 逆変換装置の系統接続箇所まで)が告 示第4条第6号ただし書に準ずる設備 を有するものに該当 (点検頻度) 6月に1回以上 (圧縮係数) 0.31 第6号ただし書に該当の例 (登録点検受託法人が点検業務を 受託した小規模高圧需要設備) 登録点検受託 法人 点検頻度は 1回/6ヶ月 以上 九州管内は該当なし 太陽光発電所 太陽光パネル パワコン PAS 責 任 分 界 点 ※(第6号)小規模高圧需要設備にあっては3 月に1回以上。ただし、規則第96条第1号ロに 規定する登録点検受託法人が点検業務を受 託している小規模高圧需要設備にあっては6 月に1回以上 登録点検受託法人とは、一般電気工作物の所 有者又は占有者から一般用電気工作物の点 検の業務を受託する事業を行うことについて、 当該受託事業を行う区域を管轄する産業保安 監督部長の登録を受けた法人 → 工事業組合など 小規模高圧 需要設備 (64kVA未満) キュービクル(変電設備) 点検頻度は 1回/6ヶ月 以上 (換算係数計算例)発電所出力60kWの場合 0.3 × 0.31 = 0.093 点 9 (ⅲ)告示第4条第4号ハの場合 受変電設備が告示第4条第7号のイか らハまでの設備条件の全てに適合する 信頼性の高い設備を有するものに該当 (点検頻度) 隔月に1回以上 (圧縮係数) 0.36 (第7条)次のイからホまでの設備条件(以下略) イ 構外にわたる高圧電線路がないもの ロ 柱上に設置した高圧変圧器がないもの ハ 高圧負荷開閉器(キュービクル内に設置するもの を除く。)に可燃性絶縁油を使用していないもの 第7号のイからハまでに適合する信 頼性の高い設備に該当の例 太陽光発電所 点検頻度は 1回/6ヶ月 以上 太陽光パネル PAS パワコン 責 任 分 [換算係数計算例] 発電所出力500kWの場合 界 (受変電含む) 点 0.6 × 0.36 = 0.216 点 点検頻度は 1回/隔月 以上 キュービクル(変電設備) 10 (ⅳ)告示第4条第4号ニの場合 受変電設備が(イからハまでに掲げる ものを除く) (点検頻度) 毎月1回以上 (圧縮係数) 0.42 受変電設備(イからハまでに掲げる ものを除く)に該当の例 太陽光発電所 点検頻度は 1回/6ヶ月 以上 太陽光パネル PAS パワコン 責 任 分 界 点 (換算係数計算例)発電所出力500kWの場合 0.6 × 0.42 = 0.252 点 点検頻度は 1回/毎月 以上 フレーム式 11 ④換算係数の計算例(余剰買取・全量買取) 1構内に需要設備と太陽光発電所(余剰買取・全量買取)がある場合の換算件数の計算 例を示す。 全量買取制度 余剰買取制度 (例)・需要設備 100kVA(圧縮係数0.6) ・太陽光発電設備100kW(圧縮係数0.25)の場合 高圧設備を共用(1引込み) (例)・需要設備 100kVA(圧縮係数0.6) ・太陽光発電設備100kW(圧縮係数0.33) の場合 同一構内設置(2引込み) 全量買取 余剰を売電 ①需要設備 ①需要設備 1回/2ヶ月 ②発電所 100kVA ②発電所 1回/ 3ヶ月 1回/2ヶ月 1回/ 6ヶ月 100kVA PCS PCS 100kW 一般負荷 【換算係数】 ①需要設備 0.6×0.6 (圧縮係数) =0.36 ②太陽光発電所0.4×0.25(圧縮係数)=0.1 計0.46点 100kW 一般負荷 1回/ 6ヶ月 【換算係数】 ①需要設備 0.6×0.6 (圧縮係数) =0.36 ②太陽光発電所0.4×0.33(圧縮係数)=0.132 計0.492点 12 3.電気主任技術者制度における兼任要件の要件緩和 【改正内容(主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の改正)】 太陽光発電設備の屋根貸しの形態など同一敷地内において設置 者の異なる複数設備に係る電気主任技術者の兼任を認めることにつ いて、設置者間に資本関係がない場合であっても、一定の条件を満 たすことで兼任を可能とするよう改正。 ※参照 【主任技術者制度の解釈及び運用(内規)」の改正について】 (参考資料P41) 【改正日】 平成25年6月28日 【改正前】 設置者Aと設置者Bは各々電 屋根貸しの例 気主任技術者を専任等 【改正後】 設置者Aの主任技術者は、 一定の条件のもと設置者Bの 主任技術者の兼務が可能 13 ◆屋根貸し等の主任技術者の兼任条件 ※内規4.(1)①二を新設 ①両設置者間の契約で規則第53条第2項第5号に規定された事項 (点数頻度に関するものは除く)に準じる事項が定められていること。 ②両事業場に勤務する従業員その他関係者に①について周知してい ること。 ③保安規程に①を遵守することを定めていること。 (参考) ■規則第53条第2項第5号 申請事業場の電気工作物の点検を、別に告示する頻度で行うこと並びに 災害、事故その他非常の場合における当該事業場の電気工作物を設置 する者(以下「設置者」という。)と委託契約の相手方(委託契約の相手方 が前条第2号の要件に該当する者の場合にあっては保安業務担当者を含 む。)との連絡その他電気工作物の工事、維持及び運用の保安に関し、設 置者及び委託契約者の相手方の相互の義務及び責任その他必要事項が 委託契約に定められていること。 ■同一敷地内 敷地内にある一方の電気工作物で発生した事故(代表例としては、屋根 に設置した太陽電池発電設備の火災事故や破損事故)がもう一方の設備 の保安に密接に影響するといえる場合を示す。 ※参照 【主任技術者制度の解釈及び運用(内規)に係るQ&A】 (参考資料P43) 14 4.PCB届出制度の改正 PCB特別措置法における運用との整合性を図るなど、実効的な制度の運 用を一層図る観点から、「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する 電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準 実施要領(内規)」」が改正されました。 ※参照 【電気関係報告規則における通達改正について】 (参考資料P3) 【主な改正点】 従前は電気工作物の絶縁油にポリ塩化ビフェニルの混入が確認された場 合には絶縁油を使用する電気工作物に係る報告の対象でしたが、本改正 によりポリ塩化ビフェニルの量が試料1kgにつき0.5mg以下である場合につ いては報告の対象外となりました。 なお、家電製品に組み込まれたPCB機器、蛍光灯安定器絶縁油につい ては、従前どおり本報告制度の対象外です。 (1)使用中及び廃止時に係るPCB含有電気工作物の届出制度 使用及び廃止の状況を、経済産業省が所管します。 九州産業保安監督部の関係ホームページ http://www.safety‐kyushu.meti.go.jp/denki/shinsei/shinsei6.htm (2)廃止後のPCB含有電気工作物の取扱い 保管及び処分(収集運搬)は、環境省が所管します。 環境省の関係ホームページ http://www.env.go.jp/recycle/poly/index.html 15 5.金属製水道管を利用した接地工事の廃止 (技術基準の解釈の改正) 【概要】 金属製水道管を接地極として利用した接地工事については、近年 施設される水道管は絶縁性のものが多くなっていること、施設時に 接地抵抗値が確保された場合でも設置者の認識のないまま水道管 の設備更新などにより電技解釈の規定する接地抵抗値が満足され なくなるおそれもあることから、当該規定を廃止。 【改正日】 平成25年5月20日 16
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