特集 施工パッケージ型積算方式 「施工パッケージ型積算方式」 Q&A 国土交通省大臣官房技術調査課建設システム管理企画室 国土交通省国土技術政策総合研究所総合技術政策研究センター建設システム課 件等に適合する工事内容を積算する場合には， １． 対象工事や積算方法等について 施工パッケージ単価を用いることになります し，土木工事標準歩掛の適用条件等に適合する 工事内容を積算する場合には，積上げ積算方式 Q１ 施工パッケージ型積算方式による積算の開 始はいつからですか？ A１ により積算することになりますので，ある一つ の工事の積算の中に，施工パッケージ単価と積 平成２ ４年１０月１日以降に入札を行う全ての 土木工事を対象に，施工パッケージ型積算方式 上げ積算単価の両方がある場合も想定されま す。 による積算を開始します。 例えば，ある一つの舗装工事の中に次のよう 施工パッケージ型積算方式は，ユニットプ な細別がある場合の積算は，それぞれ次のよう ライス型積算方式と同様に，工種を限定して適 な積算方法により積算することが考えられま 用するのですか？ す。 Q２ A２ ユニットプライス型積算方式では，ユニッ ・表層：施工パッケージ型積算 トプライス型積算基準に定めた「舗 装 工 事」 ・遮音壁：積上げ積算 「道路改良工事」 「築堤・護岸工事」等の中から ・溶融式区画線：市場単価 対象工事を抽出することとしていましたが，施 いずれにしても，施工パッケージ単価の名称 工パッケージ型積算方式では， 「舗装工事」「道 だけで適用を判断するのではなく，各々の工事 路 改 良 工 事」 「築 堤・護 岸 工 事」等 だ け で な 目的物や現場条件等が施工パッケージ型積算基 く，全ての土木工事を対象に施工パッケージ型 準や土木工事標準歩掛の適用範囲等に適合する 積算方式による積算を行います。なお，施工パ か否かを確認し，積算することが基本となりま ッケージ化した歩掛については土木工事標準歩 すのでご留意ください。 掛から削除します。 Q３ Q４ 全ての土木工事で施工パッケージ型積算方 式を適用するということは，ある工事の積算を 行うにあたり， 「施工パッケージ型積算方式で 積算を行う部分」と「積上げ積算方式で積算を 行う部分」があるのでしょうか？ A３ ご質問のとおり，ある一つの工事を積算す るときに，施工パッケージ型積算基準の適用条 ２ ２ 建設マネジメント技術 2012 年 6 月号 施工パッケージ型積算に必要な情報は，ど のように公表されるのですか？ A４ 次のような資料を公表しています。 １） 施工パッケージ型積算方式 試行実施要領 当試行の目的，対象工事の範囲，留意点等を 定めたもの ２） 施工パッケージ型積算基準 各施工パッケージの適用範囲，条件区分，費 施工パッケージ型積算方式 特集 用内訳等を定めたもの １∼２） については，国土交通省ホームページ に 掲 載（http : //www.mlit.go.jp/tec/sekisan/ sekkei.html） ３） 平成２ ４年度施工パッケージ型積算方式標準 地区（東京１７区），基準年月は平成２３年９月に なります。 標準単価や機労材構成比等の見直しはどの Q８ ように行うのですか？ A８ 標準単価の設定は，各施工パッケージ単価 単価表 の条件区分ごとに収集した合意単価および応札 各施工パッケージの標準単価および補正に必 者単価をもとに設定します。ただし，低入札価 要な機労材構成比等，また，標準単価から積算 格調査制度調査対象工事や統計学的に見て著し 単価への補正方法等を記載 く応札額が高い場合，数量総括表の細別区分と ３） については，国土技術総合研究所ホームペ 一致していない工事費内訳書の単価等について ージに掲載（http : //www.nilim.go.jp/lab/pbg は，単価解析に用いるデータとして採用せず棄 /theme/theme2/theme_sekop.htm） 却することとしています。また，複数年の施工 Q５ 平成２ ４年度上期（４∼９月）は，どのよう な積算方法をしているのですか？ A５ 平成２ ４年度上期（４∼９月）に入札を行う パッケージ単価の傾向や施工状況調査による実 際の施工状況等の変動も踏まえながら設定する こととしています。 仮に，合意単価および応札者単価から得られ 工事については，これまでどおり積上げ積算方 式により予定価格を積算します。 Q６ 今後もユニットプライス型積算方式は行う のですか？ A６ ユニットプライス型積算方式の課題を改良 した新たな積算方式として，施工パッケージ型 た標準単価の傾向と，施工状況調査による傾向 が異なる場合には，歩掛調査レベルの詳細な施 工実態調査を実施し，現場の施工実態を再度把 握した上で，標準単価や機労材構成比を再設定 することも検討しています。 積算方式を導入することとしましたので，平成 積算単価への補正に用いる機労材構成比や代 ２ ４年４月１日以降に入札を行う工事からユニッ 表機労材構成規格等については，施工状況調査 トプライス型積算方式による積算を実施しない の結果をもとに見直していきます。 こととしました。 なお，これまでにユニットプライス型積算方 式により契約し，平成２ ４年度以降も工期が継続 する工事については，ユニットプライス型積算 方式で契約を継続します。 Q９ 標準単価の見直しの頻度は年１回ですか？ A９ 標準単価の見直しは，年度当初に１回を予 定しています。 Q１０ 標準単価をもとに予定価格を算出する施工 パッケージ型積算方式では，物価の変動をどの ように反映させるのですか？ ２． 施工パッケージ単価 A１０ 積上げ積算方式では，１カ月に１度更新さ れる最新の物価を用いることで物価変動を予定 価格に反映させています。 Q７ 平成２ ４年度の標準単価や機労材構成比等 は，どのように設定したのですか？ A７ 一方，施工パッケージ型積算方式では，合意 単価や応札者単価等の解析作業を考慮すると標 平成２ ４年度は施工パッケージ型積算方式の 準単価を毎月更新することは困難です。このた 開始初年度であるため，施工パッケージ単価設 め，代表材料規格の物価変動を考慮するための 定以前に，施工パッケージ型積算基準の条件区 標準単価から積算単価への補正式により，１カ 分ごとの合意単価や応札者単価の収集および施 月ごとの最新の物価変動を予定価格に反映しま 工状況調査がなされていません。そのため，平 す。 成２ ４年度の標準単価や機労材構成比等は，土木 工事標準歩掛をもとに設定しました。 なお，平成２ ４年度標準単価の基準地区は東京 Q１１ 価格の妥当性（価格下落）への懸念は改善 されるのですか？ A１１ ユニットプライス型積算方式では，受注者 建設マネジメント技術 2012 年 6 月号 ２ ３ 特集 施工パッケージ型積算方式 との合意単価のみを用いて単価を設定していま ッケージ単価により変更します。 したが，施工パッケージ型積算方式では，合意 Q１５ 現場の施工条件により，代表機械規格に示 単価に加え応札者単価も活用し標準単価を設定 されている機械で施工が難しい場合，施工パッ することとしました。 ケージ単価は変更されるのでしょうか？ 標準単価については，A４） で記載のとおり公 A１５ 現場の施工は，仮設，施工方法その他工事 表していますので，今後の経年的な変動状況を 目的物を完成させるために必要な一切の手段に 確認いただくことができます。 ついては受注者の責任において実施することが Q１ ２ 応札者単価はどのように収集されるのです か？（応札者の負担は増えるのですか？） 基本であり，これまでの積上げ積算方式でも， 通常の施工現場であれば土木標準積算歩掛の機 A１ ２ 現在，一般競争入札で実施している工事に 械と現場に搬入した機械が異なっても変更対応 ついては，入札時に工事費内訳書の提出を求め しておらず，施工パッケージ型積算方式でも同 ています。国土交通省発注の工事は，ほとんど 様になります。 一般競争入札で実施していますので，実質的に 仮に，施工条件が非常に厳しく通常の施工機 ほとんどの工事で工事費内訳書の提出がなされ 械で施工が困難な状況が生じた場合には，契約 ています。 時の条件や施工パッケージ型積算基準の適用範 施工パッケージ型積算方式における応札者単 囲や条件区分と照らし，条件区分等に合致しな 価の収集は，この工事費内訳書により実施する いのであれば，見積りを徴収して積算を実施す ことを予定しており，応札者の負担が増えない るなど，積算方法を変更して，適切に対応する よう検討しています。 ことになると考えます。 ３． 設計変更 ４． 今後の予定 Q１ ３ 「弾力的な契約変更」といいますが，これ Q１６ 今後何年程度でどの程度が施工パッケージ までの設計変更と対応が違うのでしょうか？ 型積算に移行するのですか？ A１ ３ ユニットプライス型積算方式では，作業土 げ積算はなくなるのですか？ 将来的には積上 工についてはプライス単価の費用内訳に含まれ A１６ 平成２４年度の実施状況を踏まえた上で，順 ていたため，現場条件等の変更により数量変動 次，施工パッケージ型積算基準を拡大していく が生じても設計変更対応ができていませんでし こととしています。現時点において，何年程度 た。施工パッケージ型積算方式では，作業土工 でどの程度まで拡大していくかお答えできませ を工事目的物の施工パッケージ単価から分離し んが，将来的には，特殊な工事目的物や作業内 たため，変更対応が可能となりました。 容を除き，積上げ積算方式から施工パッケージ Q１ ４ 積上げ積算方式と施工パッケージ型積算方 式では，変更の対応が違うのでしょうか？ 型積算方式に移行していくことを検討していま す。 A１ ４ 同一の条件区分の範囲内であれば単価の変 Q１７ 施工パッケージ型積算基準に移行した土木 更を行わないという考え方は，積上げ積算方式 工事標準歩掛は，平成２５年度以降，更新されな も施工パッケージ型積算方式も変わりません。 いのでしょうか？ 施工パッケージ型積算方式では，条件区分が A１７ A３）でも記載したとおり，施工パッケージ 変わるような変更（運搬距離の変更，土質の変 型積算基準に移行した歩掛については土木工事 更，昼夜間施工の変更等）があった場合には， 標準歩掛から削除することとなりますので，更 変更後の施工条件に合致する条件区分の施工パ 新作業は行いません。 ２ ４ 建設マネジメント技術 2012 年 6 月号
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