36( 36 ) THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 Feb. 2003 MRSA の arbekacin に対する感受性とアミノグリコシド不活化 酵素産生遺伝子との関連性 田端麻紀子・清水正樹・荒明美奈子・小川 弘 明治製菓株式会社薬品総合研究所 (2002 年 9 月 9 日受付) Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) のアミノグリコシド不活化酵素産生 遺伝子の一つである aac(6Ј)/aph(2Љ)保有と arbekacin (ABK) 感受性との関連性を ,ABK の MIC 値が 0.125ϳ64 m g/ml を示す MRSA 計 49 株を用いて検討した。その結果 ,aac(6Ј)/ aph(2Љ)を保有しない 11 株はすべて ABKの MIC が 0.5 m g/ml 以下と感受性であった。一方 , この遺伝子を保有する 38 株に対する ABK の MIC は 0.25ϳ64 m g/ml と幅広い分布を示し , aac(6Ј)/aph(2Љ)保有株の中には ABK 感受性株と耐性株が存在した。また ,アミノグリコシ ド系抗菌薬不活化酵素産生遺伝子のうち aac(6Ј)/aph(2Љ)および aad(4Ј,4Љ)を保有し ,かつ ABKの感受性が異なる3株より調製した粗酵素液作用後のABKおよびgentamicin (GM) の 残存率はいずれもMIC値を反映しており,MICが高い株ほど抗菌活性残存率が低かった。 また ,すべての株で ABK の抗菌活性残存率は GM のそれより高かった。 臨床におけるaac(6Ј)/aph(2Љ)保有株の分離頻度とABKの感受性を確認するため,1999年 に神奈川県内で臨床分離された MRSA について検討した。その結果 ,97 株中 28 株が aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有していたが ,それらはすべて ABK 感受性であった。 以上の結果から ,臨床で分離される MRSA は aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有していてもほとんど の株は ABK 感受性であることが明らかとなった。 aureus 酵素による薬剤の不活化であるが2,3),ABKはこの (MRSA) は b - ラクタム薬のみならず多くの抗菌薬 AG 不活化酵素に安定な化合物の開発を目的とし に耐性であり,MRSA起因感染症は治療に難渋し, た種々の研究により合成・開発された薬剤であり, 院内感染の原因となるなど ,臨床の現場で大きな ブドウ球菌を代表とするグラム陽性菌およびグラ Methicillin-resistant Staphylococcus 1) 問題となっている 。 ム陰性菌の産生するほとんどの AG 不活化酵素に 現在 ,わが国で MRSA 感染症に使用されている 安定である4,5)。ABKに対し耐性を示すMRSAは上 抗菌薬は arbekacin (ABK), vancomycin および teico- 市当初から数 % 認められていたが ,多くが中等度 planinの3薬剤あり,このうち最も早く,1990年に 耐性であり ,その分離頻度はその後ほとんど変化 上市されたのがアミノグリコシド系抗菌薬 (AG) していない6,7)。しかし,高度耐性株7)や従来の報告 の ABK である。AG に対する耐性機序は主に修飾 と異なる構造部位を修飾する不活化酵素を持つ Feb. 2003 THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 ABK 耐性 MRSA も報告されている 8)。堀田らは MRSA のうち ABK 耐性菌は aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有 37( 37 ) 3. 最小発育阻止濃度 (minimum inhibitory concentration; MIC) 測定 していたと報告している 9)。しかし ,この報告は MIC は Mueller-Hinton broth (MHB, Difco)および ABK 耐 性 株 か ら の 考 察 で あ り ,逆 に aac(6Ј)/ Mueller-Hinton agar (MHA, Difco) を用い ,日本化 aph(2Љ)保有が ABK 耐性に結びつくかは検討され 学療法学会標準法に準じた寒天平板希釈法 10)によ ていない。今回我々はMRSAのaac(6Ј)/aph(2Љ)保有 り測定した。 とABKの感受性との関連性について,臨床分離株 を用いて検討したので報告する。 4. 各遺伝子の検出 遺伝子の検出は土崎らの方法 11)に従い ,マルチ I.実験材料と方法 プレックスコロニー PCR 法にて行った。プライ マーは表1に示したメチシリン耐性遺伝子(mecA)9) 1. 使用菌株 と AG 修飾酵素産生遺伝子 aac(6 Ј )/aph(2 Љ ) 9) , 1) ABK 感受性と AG 不活化酵素産生遺伝子保 aad(4Ј,4Љ)12) および aph(3Ј)-III12)を標的遺伝子とす 有との関連の検討 るものを用いた。 当研究所保存臨床分離 MRSA の中から ABK の MHA 平板に接種し ,35°C 一夜培養後に生育し MIC 値が 0.125ϳ64 m g/ml の各値を示す 49 株を選 た菌体をPCR反応液[1ϫPCR buffer,dNTPs 各0.2 び ,実験に用いた。 mM , 1 m M MgSO4・H2O, KOD-plus-DNA poly- 2) 最近の臨床分離株における ABK 感受性と AG 不活化酵素産生遺伝子保有 1999 年に神奈川県内の 7 施設より分離された MRSA 97 株を使用した。 merase (TOYOBO) 0.4U,プライマー 0.2 または 0.5 m M]20 m lに加えた。 PCR はサーマルサイクラー(TaKaRa PCR Thermal Cycler PERSONAL,宝酒造)を用いて,95°C・ 3 分 Æ(95°C・30 秒 Æ50°C・30 秒 Æ72°C・60 秒) 2. 使用薬剤 ϫ30サイクルの条件で行った。得られたPCR産物 ABK(明治製菓)およびgentamicin(GM, 明治製 は1.4%アガロース電気泳動後,エチジウムブロマ 菓)はそれぞれ力価の明らかな原末を用いた。 イド染色し ,観察した。 表 1.コロニー PCR に使用したプライマー 38( 38 ) THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 5. 粗酵素液の調製 粗酵素液は,生方ら13),澤井ら14)の報告を参考に Feb. 2003 を停止させた。 残存力価の測定はバイオアッセイにて行った。 して調製した。すなわち ,一夜培養菌液 10 ml を すなわち ,Bacillus subtilis ATCC 6633 を混釈培養 MHB 200 ml に接種し ,37°C で 5 時間振盪培養後 , した感受性ディスク用アガー-N(SDA, 日水)を用 遠心分離により集菌した。生理食塩液で菌体を洗 いて ,これに反応液または対照液を含むペーパー 浄した後 ,TMK buffer[100 mM Tris-HCl, 10 mM ディスクを置いて 4°C,1 時間予備拡散した後 , Mg(CH3COO)2, 60 mM KCl, 6 mM 2- メルカプトエタ 32°C,18ϳ20 時間培養し ,発育阻止円径を測定し ノール,pH 7.0] 1 mlに菌体を懸濁した。Lysostaphin た。この条件における標準曲線をもとに阻止円径 (和光純薬工業)を 25 m g/ml となるように添加し , から残存薬剤量を算出し,対照を100%とした抗菌 37°C, 30 分反応させて溶菌後 ,さらに超音波破砕 活性残存率を計算した。 し,4°C, 30,000ϫg, 30分遠心分離後の上清を粗酵 素液とした。 II.結果 粗酵素液の蛋白濃度は Bio-Rad protein assay (Bio-Rad) を用いて測定した。 1. ABK 感受性と AG 不活化酵素産生遺伝子 3 種類の AG 不活化酵素産生遺伝子の保有と 6. 抗菌活性残存率の測定 ABKのMIC値との関係を図1に示した。ABKに対 TMK buffer 20 m l に 40 mM ATP 10 m l, 2 mM acetyl して種々の感受性を示す MRSA 49 株の中では , CoA 10 m lを加えた中に,被験薬液 10 m l,粗酵素液 aac(6Ј)/aph(2Љ)のみを保有する株が6株,aad(4Ј,4Љ) 50 m lを加えて37°C,2時間反応させた。対照はATP の み を 保 有 す る 株 が 10 株 , aac(6Ј)/aph(2Љ)と およびacetyl CoAの代わりにTMK bufferを加えた。 aad(4Ј,4Љ)の両方を保有する株が 30 株 ,aac(6Ј)/ その後 ,この反応液の 20 m l をペーパーディスク aph(2Љ)と aph(3Ј)-III の両方を保有する株が 2 株で , (ADVANTEC, 8 mm,薄型)に滴下し ,マイクロ いずれの遺伝子も保有しない株は1株であった。こ オーブン(600W,15 秒 ϫ2 回)にて加熱し ,反応 の う ち , aad(4Ј,4Љ)保 有 の 有 無 に か か わ ら ず , 図 1.Arbekacin に対する感受性の異なる MRSA 49 株におけるアミノグリコシド不活化酵素産 生遺伝子の有無と arbekacin の MIC 分布 Feb. 2003 THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 39( 39 ) 図 2.Arbekacin に対する感受性の異なる MRSA 49 株における gentamicin と arbekacin の MIC の関係 aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有しない 11 株は ABK の MIC が 0.25ϳ64 m g/mlに分布し,GMのMICはABKのMIC 0.5 m g/ml以下と低い値であった。aac(6Ј)/aph(2Љ)を の約 64ϳ128 倍であった。 保有する 38 株の MIC は 0.25ϳ64 m g/ml と幅広く分 布しており ,4 m g/ml 以下の ABK 感受性株の中に aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有する株が26株認められた(図 1)。 3. AG 不活化酵素作用後の ABK および GM の 抗菌活性残存率 ABK に対する感受性の異なる 49 株の中で , aac(6Ј)/aph(2Љ)と aac(4Ј,4Љ) の両方を保有する 30 株 2. ABK と GM の感受性相関 の中から ,ABK 感受性株 (MIC: 0.5, 4 m g/ml) およ ABK に対する感受性の異なる MRSA 49 株につ び耐性株 (MIC: 32 m g/ml),計3株を選択し,それぞ いて ,ABK および GM の MIC 値の相関を図 2 に示 れの菌株より粗酵素液を調製し,ABKおよびGM した。このうち,aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有しない11株 と反応後の抗菌活性残存率をそれぞれ測定した は GM の MIC が 0.5 m g/ml 以下であり ABK の MIC (図3) 。ABK,GMいずれもその残存率はMIC値を とほぼ同様の値を示した。一方,aac(6Ј)/aph(2Љ)を 反映しており,MICが高い株ほど抗菌活性残存率 保有する 38株はすべて GM のMICが16 m g/ml 以上 が低かった。また,すべての株でABKの抗菌活性 であったが ,ABK の MIC は先に述べたように 残存率は GM より高かった。 40( 40 ) THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 Feb. 2003 図 3.アミノグリコシド不活化酵素作用後の gentamicin (GM)および arbekacin (ABK)の残存率 図 4.1999 年に臨床で分離された MRSA 97 株におけるアミノグリコシド不活化酵素産生遺伝 子の有無と arbekacin の MIC 分布 4. 1999年の臨床分離株におけるABK感受性と 受性であった(図 4)。 不活化酵素産生遺伝子保有 1999年の臨床分離株97株では,90株がaad(4Ј,4Љ) III.考察 を保有し,このうち24株がaac(6Ј)/aph(2Љ)も保有し ていた。また,aac(6Ј)/aph(2Љ) のみを保有する株は 臨床分離菌では AG の耐性機構は耐性菌が産生 4 株 ,いずれの遺伝子も保有しない株は 3 株で , する AG 修飾酵素による薬剤の不活化が主体であ aph(3Ј)-IIIを保有する株はなかった。使用した97株 り ,リボゾームなどの作用点の変化や細胞膜の薬 に対するABKのMICはすべて1 m g/ml以下であり, 剤透過性の低下に基づくものは少ない3,5)。AG修飾 aac(6Ј)/aph(2Љ)の有無にかかわらず,すべてABK感 酵素にはアセチル化酵素 (aminoglycoside acetyl- Feb. 2003 THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 41( 41 ) transferase; AAC),アデニリル化酵素 (aminoglyco- を保有する株の中にも ABK 感受性株が存在する side adenylyltransferase; AAD, またはaminoglycoside ことが明らかとなった。 nucleotidyltransferase; ANT),およびリン酸化酵素 (aminoglycoside phosphotransferase; APH)があり,グ また ,ABK と GM の感受性の関係をみると , aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有しない株はABKとGMのMIC ラム陽性および陰性菌に広く分布している 。黄 がほぼ同等であるのに対し,aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有 色ブドウ球菌が産生する主な酵素は kanamycin 耐 するほとんどの株は ABK の MIC が GM の 1/64ϳ1/ 性菌が産生する APH(3Ј),GM 耐性菌が産生する 128であった。aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有する株のABK AAC(6Ј)/APH(2Љ),および tobramycin 耐性で GM 感 とGMに対する感受性の違いは,山下らの報告17)に 受性菌が産生する AAD(4Ј,4Љ)がある 15)。不活化酵 あるように,AG不活化酵素に対する基質特異性の 素による修飾を受けにくい薬剤の開発を目的に合 違いにより ,ABK が GM より AAC(6Ј)/APH(2Љ)の 成された ABK は APH(3Ј)による不活化部位を持た 基質となりにくいためと考えられる。今回の検討 ず,AHB (4-amino-2-hydoroxybutyryl)基による立体 で不活化酵素作用後の ABK の抗菌活性残存率が 障害により AAC(6Ј)/APH(2Љ)および AAD(4Ј,4Љ)に GMより高い結果も,ABKがGMと比較し,AAC(6Ј)/ 3) 16) 不活化されにくいことが明らかとなっている 。 APH(2Љ)の基質となりにくいことを示唆してる。 今回 ,我々はマルチプレックスコロニー PCR 法 ABK 耐性は AAC(6Ј)/APH(2Љ)産生遺伝子の増加 を用い , MRSA から AG 不活化酵素産生遺伝子を や転写活性の上昇によるものと考えられてい 検出し ,AG 不活化酵素産生遺伝子と ABK 感受性 る 18,19)。今回 ,ABK および GM の感受性が低い株 の関係を検討した。感受性から耐性までABK感受 ほど不活化酵素作用後の抗菌活性残存率が低い結 性の異なる株で検討した結果,aac(6Ј)/aph(2Љ)を保 果であった。これはAAC(6Ј)/APH(2Љ)産生量が株に 有しない株は ABK と GM の両者に感受性であり , よって異なり ,産生量の増大により酵素活性が非 aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有する株はすべてGMに耐性を 常に高くなった株が ABK 耐性になると考えられ 示した。一方,aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有する株はABK た。ABK耐性株はほとんどがGM高度耐性株であ に対しては感受性から耐性まで幅広い感受性分布 ると報告されているが7,9,17),今回の検討でも,ABK を示し ,aac(6Ј)/aph(2Љ)保有株の中には ABK 感受 耐性株はすべてGM高度耐性株であった。これは, 性株と耐性株が存在した。また今回の結果では ABK 耐性株は AAC(6Ј)/APH(2Љ)産生量が多くなっ aac(6Ј)/aph(2Љ)保有の有無にかかわらず,aad(4Ј,4Љ) ているため,ABKより基質となりやすいGMに対 の保有は ABK の感受性に影響を与えていなかっ し ,高度耐性を示すと考えられた。しかし池本ら た。aph(3Ј)-III の保有については ABK が APH(3Ј)- は,1998年から1999年にかけて呼吸器感染症患者 III の作用点を持たないため ,この酵素の産生によ より分離された MRSA 51 株についての検討で , る直接的な影響は無いと思われる。しかし , GM 高度耐性株 (MIC: м256 m g/ml) が 5 株検出さ aph(3Ј)-III を保有している 2 株がいずれも aac(6Ј)/ れたが,ABK 耐性株は1株のみであったと報告し aph(2Љ)を同時に保有しABK耐性であったため,両 ている 20)。出口ら 7)および鈴木ら18)の報告でもGM 者の保有が耐性化に何らかの関係がある可能性も 高度耐性株のうち,ABK耐性株は約2割であった。 考えられた。 このことからも,ABK耐性となるのはGM高度耐 これらの結果は堀田らの aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有 9) しない株は ABK 感受性株であるとの報告 と一致 していた。さらに今回の検討によりaac(6Ј)/aph(2Љ) 性株の中の一部であり ,必ずしも GM 高度耐性株 がすべて ABK 耐性株ではないと考えられた。 一方,山下ら17)および出口ら7)はABK耐性でGM 42( 42 ) THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 56—1 とABKのMICが同じ株を各1株ずつ報告している。 7) 我々の検討でも 49 株のうち 1 株が ABK の MIC が 64 m g/ml,GM の MIC が 128 m g/ml であった。これ 8) は ABK の耐性メカニズムが AAC(6Ј)/APH(2Љ)によ る修飾以外にもあることを示唆しており,今後,更 9) なる検討が必要である。 臨床における aac(6Ј)/aph(2Љ)保有株の分離頻度 10) とABKの感受性を確認するため,1999年に神奈川 県内で臨床分離された MRSA について検討した。 11) その結果 ,97 株中 28 株が aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有し ていたが ,それらはすべて ABK 感受性であった。 12) また,ABKはGMと比較し不活化酵素の基質とな り難く,ABK耐性となるためには多量のAAC(6Ј)/ APH(2Љ)産生が必要であると考えられた。 13) 以上の結果から ,臨床で分離される MRSA は aac(6Ј)/aph(2Љ)を保有していてもほとんどの株は ABK 感受性であることが明らかとなった。 14) 参考文献 1) 2) 3) 4) 5) 6) 橋本 一:1993 年までの日本におけるメチシリン耐 性黄色ブドウ球菌の薬剤耐性。Jpn. 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In 49 isolates of MRSA for which MIC of ABK ranged from 0.125 to 64 m g/ml, the MICs of ABK for 38 strains carrying aac(6Ј)/aph(2Љ) gene were widely distributed from 0.25 to 64 , whereas those for 11 strains without that gene were all Ϲ0.5 m g/ml. Residual rate of ABK activity was higher than that of gentamicin after the reaction with each crude enzyme preparation extracted from 3 isolates of MRSA, carrying aac(6Ј)/aph(2Љ) and aad(4Ј,4Љ) genes. Furthermore, 97 strains of MRSA isolated at Kanagawa prefecture in Japan in 1999 were all sensitive to ABK, although 28 strains of them carried aac(6Ј)/aph(2Љ) gene. These results showed that ABK resistance was not necessarily related to carrying aac(6Ј)/aph(2Љ) gene in clinical isolates of MRSA.
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