<審判を始めるには・・・> - nifty

<審判を始めるには・・・>
■バスケットボールの審判をやってみたいけど、始め方が分からない。
■将来、JBLやスーパーリーグなどの国内大会、オリンピックなどの国際大会を吹いて
みたい。
■理由は様々ですが、審判を始めたい方は、お近くのミニバスケットボールチーム、北相
ミニバスケットボール連盟審判委員会、北相バスケットボール協会審判委員会などに連絡
してください。
●ミニバスケットボール(北相ミニ連)から審判を始めると・・・
北相ミニ連内のチームに所属か連盟所属
↓
初心者審判講習会などに参加した後、練習試合や公式戦で審判を経験
↓
基準に達した後、北相ミニ連の承認で、北相ミニ連公認となる
↓
基準に達した後、県ミニ連の承認で、県ミニ連B級公認となる
↓
基準に達した後、県ミニ連の承認で、県ミニ連A級公認となる
↓
基準に達した後、県バスケットボール協会の承認で、県公認となる
↓
基準に達した後、日本バスケットボール協会の承認で、日本公認となる
↓
その後、A級公認・AA級公認・国際公認に進むことができる
<審判活動に求められるもの>
■審判はルールを把握し、的確に処置し、円滑に試合が進むように努力する必要がありま
す。
■各地区審判委員会主催の審判講習会、県審判委員会主催の審判講習会への積極的な参加
が求められます。
たとえ技術があっても、講習会へ参加していない者には昇級するチャンスがありません。
■ 審判の上達には、ルールブックの熟読・通読はもちろんのこと、向上心がなければ上達
はしません。 積極的に審判活動を行い、反省を活かして、上達につなげて下さい。
○ 審判に必要な本
日本バスケットボール協会、2002 年発行。
・ ミニバスケットボール 競技規
則
・ バスケットボール 競技規則
・ オフィシャルズ マニュアル
…
ミニバス用ルールブック(こちらに載ってないもの
は一般用を参照)
日本バスケットボール協会、2004 年発行。
…
一般用ルールブック
日本バスケットボール協会、2004 年発行。
…
審判の位置取り、判定の処置方法、TOマニュアル
日本バスケットボール協会発行。現在は在庫なし。
・ ケースブック
…
・ バスケットボール フォー エ
ブリワン
出ることが多い
日本バスケットボール協会発行。在庫不明。
…
バスケットボールを普及させるために
大修館から出版。
・ 詳解 バスケットボールのルー
ルと審判法
試合中のケーススタディ、ルールテストはここから
…
ルール改正年には必ず出版される(8~12 月頃)
2004 年(最新)版が出版されました!!
<よい審判をするために>
●ここでは、阿部哲也氏/著の『詳解 バスケットボールのルールと審判法』(大修館、
2004/9/1)に掲載されている「よい審判をするためのアドバイス」から、抜粋して紹介し
ていきます。
┃ 審判の心構え ┃
ゲームは、プレイヤー、コーチ、テーブル・オフィシャルズ、審判、観客で構成され、
審判はゲームをスムーズに進行させる役割を担っています。
審判は公正で中立な存在、つまり空気のようなものです。必要な時にだけ現れ、あとは
目につかないようにしています。権威をことさらに示し、威圧的な態度を取ることは慎む
べきでしょう。しかし、必要な時は毅然とした態度も忘れてはなりません。ゲームの主役
は プレイヤーであり、観客もプレイを見に来ているのです。審判はそれを暖かい目で見守
り、規則というレールから外れた時に軌道修正させる手助けをする気持ちが必要なのです。
審判は確かに損な役目です。完璧に笛を吹いて当たり前、1つでもミスがあると非難の
声が聞こえてきます。しかし、誰かがそれを引き受けなければゲームは成立しないのです。
┃ 競技規則について ┃
「バスケットボール競技規則」は、競技に携わる者にとっては、いわば法律のような
ものです。審判はもちろん、コーチやプレイヤーも、それをよく読んで理解しておく必要
があります。
競技規則は、できるだけ通読しておくように心がけましょう。1つの条項について、
他の章や条項が関係してくることが多くあります。1回読んだだけで理解はできません。
繰り返し読んでください。各項目や注釈の関連性が理解できるようになると思います。
試合の前日、試合終了後、あるいは疑問が生じた場合など、繰り返し競技規則を読んで
確認する習慣を身に付けましょう。
┃ 審判技術 ┃
審判技術として最も重要なことは、実際に起こった事実だけを見定めることです。カン
だけで笛を吹いてはいけません。
例えば、パーソナル・ファウルの場合、からだの触れ合いの事実があったことが判定の
第一条件です。からだの触れ合いがないのに、触れたであろうっと思って笛を鳴らしては
いけないのです。また、ボールがラインを越えて出て行った場合、アウトの床に触れて
初めてヴァイオレーションが成立します。ボールが空中にあるうちに、笛を鳴らさず、床
に触れた瞬間に笛を鳴らさなくてはなりません。
確認、確認、また確認が、審判技術の向上につながるのです。
┃ よい角度の取り方 ┃
ゲーム中、攻撃側プレイヤーと防御側プレイヤーと審判の位置が一直線に重なり、その
角度から違反を取り上げることがあります。周りからは「その位置で本当に見えるの?」
といった疑問の声が聞こえます。そのような角度からの判定は、よい判定とは言えません。
ボールの動き、プレイヤーの動きに1つひとつ細かく対応し、攻撃側と防御側の両方の
プレイヤーが視野に入る角度からプレイを見ることが大切です。半歩か一歩の動き、上体
を 傾けるだけでも見る角度は変わってきます。
始めたばかりの審判は、ゲームを通して全力で走り、動いてみてください。最初は、
無駄な動きもあるでしょう。しかし、それで良いのです。徐々に経験を積むことで、無駄
な 動きは省かれ、よい角度の取り方が分かってくるでしょう。頭の中で考えて動くのでは
なく、まずは動いて、それから理解していけば良いのです。
┃ 判定の一貫性 ┃
審判をする上で大切なことは、判定の一貫性を保つことです。前のゲームで、あのチーム
はどのようなことをしたのか、あのプレイヤーはなにをしたのかという先入観を持って試
合に臨むことはよくありません。試合ごとにゲーム内容は変わるので、そのつど的確な処
置をする必要があります。また、試合中に見逃してしまう判定もあるかもしれませんが、
穴埋め的な判定は慎まなければなりません。この穴埋めをすることによって、ゲーム全体
における判定の一貫性が損なわれることになります。また、周りの観客はそれぞれの審判
に対する個人的な感情を抱きがちです。そうならないためにも、判定の一貫性がとても重
要になってくるのです。
┃ トレーニング ┃
審判はゲームの進行役として、常に規則というフィルターを通してプレイを観察し、さら
に 動きながら瞬時に判定をくださなくてはなりません。そのためにも、普段から審判とし
ての能力を高めるためのトレーニングが必要になってきます。
例えば、前を向いて歩きながら視野の横の方で動いているものを捉えることは視野の範囲
を広げることになります。また、テレビでスポーツを観戦している時も(特にバスケやサ
ッカー)ただボールの動きを追いかけるのではなく、ボールのないところでのプレイに注
目したり、あるいはプレイを予測したりすることは、審判のトレーニングになります。
それから忘れてはならないのが、体力的なトレーニングです。ビッグゲームでは、1試合
に 15~16km 走ると言われています。体力が必要なのはプレイヤーだけではなく、審判も必
要なのです。
┃ 審判技術の研究 ┃
審判技術を向上させるには、各種審判講習会に参加することはもちろんですが、審判の上
手い人をよく観察して、自分とどこが違うのか考えることも重要です。判定、ジェスチャ
ー、動きや相手審判とのコンビネーションなど、他の審判の良いところを観察し、自分で
工夫して身に付けていくことが大切です。日本国内にも多くのすばらしい審判がいます。
その動作、判定やバスケに対する考え方などについて、ゲームを見ながら観察することが
でき、勉強できるチャンスでもあります。また、国際大会での審判も参考になるでしょう。
一方、女性の審判に関しては、その数やレベルも年々向上しており、多くの女性審判が活
躍しています。2003 年には2名の国際審判が誕生し、2004 年のアテネオリンピックには、
日本から1名の女性国際審判が派遣されました。これらのことが、さらに女性審判の発展
につながり、多くの方々がレベルを高めるきっかけになればと思います。
┃ 審判の評価 ┃
審判の印象は、その審判の評価につながる大切なものです。それぞれの審判の人格・性格
が笛に現れてきます。ルールを正しく覚え、ルールが何を言わんとしているのか、その精
神を理解することが大切です。
印象の悪い審判について、国際審判員として活躍された何人かの意見をまとめてみました。
ほんの少し気を配れば直せる事も多くあります。参考にしてください。
1.服装に締りがない。
2.プレイのスピードに付いて行けない。
3.コートの端から端まで走ろうとしない。
4.重箱の隅をつつくような判定をする。
5.自分のカンだけで笛を鳴らす。
6.一生懸命さが出ていない。
7.笛の鳴らし方が弱々しい。
8.発声が小さく、聞こえない。
9.プレイヤー、コーチなどが判定に不服を唱えても、少しも注意しない。
10.テクニカル・ファウルを堂々と取り上げられない。
11.横柄な態度をとる。
12.ユーモアに欠ける。
13.判定を誤った時に、ハッキリと「今のは審判のミス!」と謙虚に訂正しない。
14.
「穴埋め」や「お返し」の判定をする。
15.T.Oで問題があったあと、全体に結果を知らせないでうやむやのうちに再開する。
16.得点が競り合ってきた時に、平静さを失う。
17.不正に対して、心から怒る「勇気」がない。
┃ ゲームの最初の笛 ┃
とくに経験の浅い審判にアドバイスしたいことは、試合が始まってから最初に行う判定の
時に相手の審判よりも早めに、そして笛も長めに強く吹き鳴らし、大きな声でコールする
ように努めることです。そうすることで、それまで溜まっていたフラストレーションをキ
レイに拭い去ることができます。しかし、相手審判よりも先に鳴らすことに注意しすぎて、
誤った判定をしてはいけません。試合が始まって最初の笛が「ナイス・ジャッジ」だと、
その試合を通じてミスが少なくなり、気持ち良く審判ができるものです。
┃ テーブル・オフィシャルズに気を配る ┃
ゲーム前に審判は、テーブル・オフィシャルズの各分担を確かめます。最初に「よろしく」
と挨拶を交わしますが、ゲームが始まるとあまり気を配らない審判を見かけます。T.O
もゲーム運営の一旦を担っているので、ゲームが終わるまで気を配る必要があります。
T.Oに番号やファウルの種類などを伝える時は、審判はスコアラーの目を見てシグナル
を出すことです。そしてスコアラーから出される「確認の合図」を確認してから、ゲーム
を再開させましょう。
T.Oがミニバス・中学生・高校生では、ついゲームに見とれて仕事がおろそかになる
ことがあります。また、不審な点や疑問点を審判に確認しないでそのまま過ごしてしまう
ことがあります。途中でこのようなミスを発見すると、ゲームは一時中断してしまいます。
中断によって、その後のゲーム展開がガラリと変わってしまうこともあります。そのよう
なことを避けるためにも、常に気を配り、連絡を取りながらゲームを進めていく必要があ
ります。
正確なT.Oを育てていくのも、審判の大切な仕事なのです。
(以上、『詳解 バスケットボールのルールと審判法』から抜粋)
┃ 最後に ┃
審判技術の向上には、競技規則を通読して理解を深め、経験を積むことも大切です。
しかし、自分では気付かないこともあります。審判をしたあとは、自分よりも階級の高い
審判に反省をお願いすることも、勉強のひとつです。「反省会」はどんな公認の審判でも
試合後は必ず行います。審判を始めたばかりの人や、帯同審判の人も、時間があるときに
自分の試合の反省を聞くように心がけましょう。
分からないことや、疑問に思うことなどは、お近くの審判委員会へご連絡ください。