第1分科会>NPO支援センターが目指すもの ~NPO支援センターがこれから果たす

■事例報告①
特定非営利活動法人
せんだい・みやぎNPOセンター
仙台市市民活動支援センター
センター長 小松州子 氏
す。サポートセンターの管理・運営は私
たちが市民参加や、市民協働の社会を実
現するための取り組みの第一歩となりま
した。
それでは、次にサポートセンターの紹
私は、仙台市が設置している仙台市市
介をいたします。サポートセンターは
民活動サポートセンター(以下、サポー
1999 年 6 月 30 日に全国初の公設民営の市
トセンター)のセンター長を務めており
民活動支援センターとして開館しました。
ます。今日は、サポートセンターの事例
まだ、指定管理者制度がない時代でした。
などもご紹介しながら、民間の中間支援
公共施設を民間が担うということで、か
施設である、せんだい・みやぎNPOセ
なり注目を集めました。視察・見学は、
ンターが公共の市民活動支援施設におけ
初年度で約 150 件、昨年でも 70 件ありま
る取り組みを、皆さんにご紹介していけ
した。管理・運営において評価いただい
ればと思っております。
ている点は、二つあると思っています。
私ども、せんだい・みやぎNPOセン
ひとつは、サポートセンター自体が行政
ターは、仙台市の市民活動サポートセン
とNPOとの協働の現場であるというこ
ターを始め、4つの公共施設の管理・運
と。もうひとつは、民間の中間支援組織
営を行っております。初めに、そもそも
がその専門性、ノウハウを活かして施設
せんだい・みやぎNPOセンターが、ど
の管理・運営に当たっているということ
のような組織なのかということをご紹介
です。これは、私たちがサポートセンタ
します。
ーを管理・運営するに当たっての取り組
せんだい・みやぎNPOセンターは、
み方針でもあります。
1997 年に設立した民間の中間支援組織で
す。ミッションは、仙台宮城の地におい
て、NPO活動の発展を目指し、分野や
地域を超えて、広くNPOの活動基盤の
強化を図りながら、企業・行政とのパー
トナーシップを形成して、最終的に目指
しているところは市民社会の発展です。
次に具体的な取り組み成果として、
「仙
このミッションを達成するための事業の
台に情報の背骨を通すプロジェクト」通
3本柱があります。1つは、市民公益活
称「骨プロ」の事例を紹介します。これ
動の支援。2つ目は自治体の改革支援。
は仙台市内 11 の公共施設が連携して行う、
3つ目は企業のソーシャル化支援。この
市民の情報の受発信を支援するための仕
ような組織のミッションがあり、私たち
組みです。サポートセンターで市民活動
は 1999 年 6 月から仙台市の市民活動サポ
に関するイベント情報などチラシを一括
ートセンターの管理・運営を担っていま
して受け付け、それを仙台市内の公共施
1
設に週 1 回庁内メールを使って配送して
から中間支援組織として提供したいサー
います。運用開始は 2005 年からです。な
ビスを、形にしながら、市民公益活動の
ぜ、この仕組みを作ったか。99 年に開館
促進を目指して施設の管理・運営を行っ
してから、サポートセンターでは、市民
ています。
活動団体が発信するイベントチラシやニ
■事例報告②
特定非営利活動法人
山形の公益活動を応援する会・アミル
代表理事
山形市市民活動支援センター
所長 齋藤 和人 氏
私たちの市民活動支援センターは今回、
ューズレターなどの情報を受付、配架し
てきました。その数は常時 600 件程度に
なります。市民活動団体の皆さんが非常
に活発に情報発信しているというのが分
かっているんですけれども、それがすべ
ての市民に行き届いているわけではなく、
皆さまの分科会の場所を提供していると
いうことで、若干、市民活動支援センタ
まだまだ情報を届ける先があるなという
ーのご説明だけさせていいただきたいと
のが、管理・運営を行っていく過程で分
思っております。
かってきたことです。そういった現状を
この市民活動支援センターは、山形市
踏まえて、私たちは仙台市の他の公共施
が設置している市民活動の支援のための
設の情報発信支援がどのようになってい
施設でございますが、私たちは中間支援
るのか調査しました。そうしたところ、
組織山形の公益活動を応援する会・アミ
それぞれの施設は設置趣旨があるので、
ルという名前で、団体の紹介をさせてい
限られた分野の情報しか受発信していな
ただきたいと思います。私たちは、山形
いということが見えてきたのです。私た
市のこのセンターを受託する前に、任意
ちはサポートセンターの管理・運営を通
団体「山形の公益活動を応援する会アミ
じて、情報の受発信支援のノウハウがあ
ル」からスタートしております。任意団
りましたので、このノウハウを活かして、
体ですが、もともとは県のアドバイザー
施設間が連携することで、情報の受発信
制度という、中間支援の制度があったん
のための仕組みを作れないかと考えたの
ですが、その中でアドバイザーとして活
です。これはせんだい・みやぎNPOセ
動していたメンバーたちが、いったん社
ンターからの提案によって、仙台市の担
会に戻ったんですね。緊急雇用の財源を
当者と協議しながら、個々の施設に趣旨
使ったものですから、1年で皆さん、戻
説明を行い、共感をいただいて一緒に作
ったんですが、その後どうも県内の中間
り上げていったまさに協働のモデルとな
支援の状況を見ると、これで大丈夫なの
っています。6施設で始まりましたが今
かなと。自分たちも関わってきたのです
は 11 施設と広がっており、利用する市民
の方の評価も非常に高くなっております。
が、この先不安だなとすごく感じまして、
そしてアミルという中間支援組織を立ち
今回は、
「骨プロ」の事例1つしかご紹
上げて、僕らが1年ではありましたが、
介できませんが、日常的な管理・運営を
関わった中で学んできたノウハウとかを
通じて、拾い上げてきたニーズや、それ
2
スキルアップしながら、応援していきた
ニティファンド」という、山形県の社会
いなということで立ち上げました。立ち
貢献基金と同じように、山形市が設置し
上げてみると、やっぱりそこは非常に、
ているコミュニティファンドがありまし
これは足りない部分だ、大変だというこ
て、その中に2つ、こちらの方に評議委
とに気がついて、まずは自分たちで実務
員による審査という、こちらの部分と、
的なサポートをしていこうというところ
それから公開プレゼンテーション審査と
からスタートしたんですが、スタートし
いうものがあります。この公開プレゼン
てみると、これはそれだけじゃないぞと。
テーションというのが、非常に特異な形
足りないところはもっとあるぞというこ
式なので、全国から注目を浴びていまし
とに、だんだん気がついてきまして、そ
て、視察にいらっしゃる方とか、たくさ
れで特定非営利活動促進法に基づいて、
んいらっしゃるんですが、それは補助金
NPO法人になりました。そんな中で、
ですね。コミュニティファンドを支援す
県の中間支援の機能整備事業とか、そう
る団体を、市民の投票ですべて決めてし
いったものを活用しながら、少しずつ自
まうという、こういった形の公開プレゼ
分たちの活動フィールドを広げてまいり
ンテーションというのがありまして、お
ました。ちょうどその中で、平成20年、
よそ200人の市民の方がいらして、市
こちらの指定管理者の公募がありました
民団体が一生懸命プレゼンテーションを
ものですから応募しまして、受託され、
しまして、その内容をみんなで判断して、
今、運営を1年半ぐらいやっているとい
「じゃあこの団体に補助金をあげてくだ
う若い団体です。もともとアドバイザー
さい。使ってください」というような、
制度というのは、昨日もパネラーとして、
これが公開プレゼンテーションの風景で
この中にもいらっしゃいますが、齋藤緑
すが、ざっとこんな形で、会場もすごく
さんとか県の黎明期にNPOを立ち上げ
熱気があります。こういう取り組みをし
た方たちが組織した団体があったのです
ております。これはその投票して支援先
が、その中で中間支援機能整備事業とし
を決める、パソコンによる投票の風景で
て雇用され活動しました。いまこの山形
すけども、こういった形で毎年1回、7
市の市民活動支援センターには登録団体
月末に取り組んでおります。そんな形で、
が255、それから年間利用者数3万1
山形市の市民活動支援センターは、先ほ
798人という数字ですが、私たちもや
どご紹介のあったせんだい・みやぎなど
はりソフトの部分で、いかに山形の地域
に比べると、まだまだ生まれたばかりの、
に貢献できるかというところを日々考え
よちよち歩きの状態ですが、これから自
ているところで、やっと1年半経ったと
分たちのミッションを追究していきなが
ころです。
ら、皆さんと一緒にがんばっていきたい
市民活動支援センターは公設で、私た
と思います。よろしくお願いいたします。
ちNPO法人が民営でやっているわけで
すが、山形市の支援制度の中に「コミュ
3
■事例報告③
山形市市民活動支援センター
外部評価委員
株式会社荘銀総合研究所
顧問 石川 敬義 氏
や県の事業評価や仕分け事業に参加して、
山形市でも委員長を仰せつかったりとか、
何でこんな面倒な事をやるのか考えると、
コミュニティと組織、ステークホルダー
と組織との溝が深く、コミュニケーショ
石川でございます。外部評価を仰せつ
ン不足が問題という気がします。
かってます。委員は3人で、皆の合意結
公共マネジメント化は、NPOも含み
果でなく,私個人的な所見です。評価方
ますが、施策市場の関連例の補完代替、
法も今年からの取組で、考えながらやっ
地域性や緊急性の脱社会的機能の充実。
ています。
地域アイデンティティの確立。ここに行
まず評価前に、こういう作業時に常に
政もNPOも一緒に向かう必要がありま
考えるのは、物事を高い所から俯瞰し全
す。これは横浜コードですが、昔は市民
体図を見る視点,鳥の目。現場で必ず手
能力の上に行政能力もE、この2つしか
探りで触って確かめる,虫の目。環境変
なかった。その間にNPO法で、BCD
化にどう対応していくかの,魚の目。加
が出てきて、価値観ががらりと変わった。
えて自分の目と眼鏡で2つ、4つ、この
変わった途端、色々な法律が出てきて、
沢山の目玉で見ます。それで見ると、公
仕事のやり方ががらがら変わり始めた。
概念の変化の中で、NPOも相当変化し
私はこの自治基本条例(町づくり基本条
ています。私は国民主権、地域主権の考
例)
、これは昨日の川北さんのアイエスオ
えに大賛成で、何とか実現しないと日本
ー、今のロクセンに繋がる話で、グロー
は危ない気がします。
バルでもローカルでも、この自治概念、
最近、自治基本条例が増えています。
コミュニティを作り替えていこうという
山形市は問題無いですが、周辺町村で職
動きが根本にある気がします。
員を地域担当制にして、地域住民と一緒
市民活動支援センターですが、市民活
に課題解決する取組みが増えています。
動と指定管理制度がだぶった形です。昔
中央集権型から地方分権、地方主権型自
は、市民活動は無償で,金を稼いでは悪
治に向かわないと,日本は回っていかな
い,それは市民活動・ボランティアじゃ
い。それで自治会、住人自治を本気でや
ないという概念が強く、山形も残ってい
らないとということで、自治基本条例で
ます。NPO法で分配しなければ公益と
は市民概念も変化しています。住民参加
いう概念が出てきて、混乱している人が
の基本策定による,お任せ民主主義から
沢山います。支援型からテーマ型へのN
脱却し、本物の民主主義を行う必要があ
POが出てきた事は、充実してきました。
ると。その一環としてマニフェスト選挙
アウトソーシングは,外部資源の利活用
かと。そして,イギリス輸入の行財政改
とも言えますが,NPO法人が役所へも
革システム、ミニパブリックマネジメン
らいもの的な様子や、逆に行政側の仕事
ト。指定管理も同じですが、私自身、国
まる投げとか、この辺は問題がある気が
4
します。指定管理は、公の施設について
アミル(指定管理者)の使命とセンタ
民間力を活用する制度ですが、根本的に
ーの運営管理体制は、整理する必要があ
はコスト削減とサービス向上を一緒に行
ります。アミルのミッションは、本来,
う概念。この難しさを実感しています。
中間支援です。次に指定管理者の役割で,
評価の考え方と方法ですが、何をどう
コスト削減とサービスの向上。3つ目に
評価するかは,対象により違います。支
支援センターの役割として、市民活動支
援センター、指定管理者制度の評価を考
援,市の共創指針の実現、市政目標の達
えた場合、今迄同様ではできません。ま
成。この全部は無理な注文ですが大事で
ず、監査と評価の違いですが、監査はル
す。2番目に、支援センターの運営体制
ールや規範性に重点があり、評価はミッ
ですが、独自の満足度調査・ニーズ調査
ションや効率性、測定と、幅広い概念が
を行ってます。また、市の監査と,自己
必要です。評価手法も一般的には費用対
内部監査も行ってます。市が勧告できる
効果というB/Cの他、今は国営事業は
弾力的な形です。市と登録団体の代表に
ライン型、事前・中間・事後評価、サイ
よる運営委員会や、更に、連絡機能協議
クル型(PDCA)の評価ですね。一番
会も風通しの良い組織体制・運営です。
の基本はパフォーマンス・メジャーメン
この辺を伸ばしたい。評価の第1使命は、
トですが、検討中です。
費用便益効果。利用者が多い程支出増に
山形市には共創指針があります。第7
なる為、人件費で調整必要となり,ここ
次総合計画の中で,まちづくりの理念の
は問題と思います。人件費は嘱託職員の
根本柱が3つあり、その3つ目に安心し
給与基準を準用してますが,厳密にはP
て暮らせる地域社会を共に作るまちづく
SC、パブリックセクターコンパラター、
り。この共に創るが、共創かと。定義は
PFIで言う事業計画時の、人件費の比
「市民活動・事業者・行政」それぞれの
較対象から給与策定すべきと。人件費は、
主体が立場や違いを越えて認め合いなが
アミルは53.9%で、内閣調査44.
ら,それぞれの役割を果たすのがまちづ
3%より高く、硬直性が高く問題かと思
くりの形だと。私なりに考えると、川北
います。
さんや私の「協働」と「協働」の概念は
費用便益価値の金銭価値換算は困難で
同じで、山形市は,本物の協働でないも
すが、例えば道路に花を植える団体があ
どきが多いので、うちは本当の協働です
るとして,数え評価方法で,仮にそれが
よと。また先程、齋藤所長の説明で山形
無い場合幾ら掛かるという評価方法もあ
市コミュニティファンド。これも民間に
りますが、バーチャルで現実的に乏しい。
よるNPO活動への資金支援です。それ
ですから、最終的に市民活動団体が市政
と,公開プレゼンテーション。約 200 人
目標を達成した際の費用便益は,今の所
の市民審査員が参加します。私も市民審
計測不可能と思います。あとマネジメン
査員で参加して非常に楽しく,中には一
ト評価ですが、これは2つ目の評価の考
緒にやりたいと思う提案もありました。
え方で、収入源の多角化。公開プレゼン
5
は指定管理費と別収入での運営で,更に
県からNPO育成アドバイザー養成事業
を受託しており、これも指定管理費と別
勘定です。これは提言ですが、相談業務
を整理し,例えばQ&A集を出版する等、
収入源の多角化を考えてはどうか。市が
認めるかは別問題ですが。
ありがとうございました。
さらに地域活性化、来館者数も1つの
それでは、ワークショップを進めるに
バロメーターにしてますが、私は、新た
当たりまして、テーブルの上にA3の用
な効能サービスの創出を、例えばコミュ
紙がございます。そこに自分の組織の課
ニティビジネス等の方が大事と感じてま
題・問題、それに対する原因、それが普
して、指標も工夫が必要です。始めたば
通は組織の問題として、自分の課題とし
かりで評価出来るレベルではないですが, て取り上げていないというのが非常に多
色々な分野の団体にヒアリングし、この
いんですが、今回は自分の問題・課題と
6つの指標の点数です。0点:団体活動
して書いていただくようにお願いします。
に全然寄与せず。100 点:大変寄与。50
このワークショップの進め方と狙いです
点:普通,となってます。結果、結局一
が、自分の変化、自分をどう変えていく
番多いのが,地域社会への課題解決力に、
かということです。そのためには自分を
センターに登録している事で貢献してい
見つめ直すということが、最初に必要か
ると。意外でしたが、それだけ地域社会
なという気がします。もちろん組織の課
に存在感を与えているという純心かなと
題や、自分の課題がイコールだったりす
感じます。今後サンプル数を増やし、分
るのですが。
野別にデータを取らないと、正確には出
そのために、NPO支援センターがう
てこないと思います。最後になりますが、
まく機能していない。その原因は自分の
センター支援の傾注領域と成果変化シミ
中にあるんだということに気づいて、そ
ュレーションで、これはシステムダイナ
れを地域の中に持ち帰って、自分が積極
ミック思考という、ローマクラブが成長
的にそこにかかわって変えていくんだと。
の限界を作った時の手法で、この6つの
そういう宣言、コミットメントをこのワ
手法が市民満足について、このバロメー
ークショップの中でしていただきたいと
ターを変えると、満足もどう変わるかと
いうことが一つの狙いであります。
いうもので、このシステムを考えていま
あとはやはり、NPO支援センターの
すが完成していません。これからの検証
一番大事なネットワーク、お互いの関係
です。
性づくりというものがあります。ぜひこ
■ワークショップの進め方
のワークショップの中で、ここのグルー
【コーディネーター 舟木 仁 氏】
プの中で、そういった関係性づくりをぜ
ひ学んでいただきたいなと思います。
6
その関係性づくりというのは、意識的
りなかったところと、これからこんなこ
なものではなくて無意識の中の共有とい
とが足りないのではないかというのを、
う部分まで掘り下げていかないと、それ
それぞれ書き分けていただけますでしょ
ぞれのNPO支援センターに帰ったとき
うか。
に、みんながそういった自分たちの理念
どういうふうにあとから発表してもら
を共有ということで、本当に理念を共有
おうかということも念頭に置いていただ
するということであれば、無意識の中に
いたほうがいいですね。
みんなが共有するような関係性を作らな
皆さんに発表いただくときにも、ただ
ければ、本当の市民との協働も進んでい
言いっぱなしにするというよりは、共通
かないのかなという気がします。
性の高いところと、個別性のあるところ
そういったことも、このワークショップ
というのと、緊急度みたいなところで、
の中で経験していただきたいなという思
少し分けて、ちょっと共有していただい
いがあります。
たほうがいいかな。
まずは自分の足りない部分、いわゆる
自分の弱さですね。やっぱり弱さを自己
〇舟木コーディネーター
開示しないことには、物事は進まないの
ありがとうございます。
かなと。関係性もそこから始まってくる
付箋が手元にございますので、付箋に
んじゃないのかなという気がします。ぜ
問題点などを書き込んで、それを模造紙
ひ素直に自分の足りない部分、弱さ、そ
に貼り付けて、最終的にはそれをファシ
ういったものを書いて、それをどう自分
リーテーショングラフィックみたいな形
で解決していくんだというところまで掘
で書き込んでいく。それを想定してお願
り下げて書いていただければというふう
いします。
に思います。
まとめて話すということも1つのスキ
ルですから、なるべく手短にまとめて皆
■ワークショップ進め方のアドバイス
さんに伝えるということをお願いします。
【コメンテーター 川北 秀人 氏】
ファシリテーターを決めましょう。そ
書きにくいなと思われた場合、A3の
れぞれのグループでファシリテーター、
コピー用紙を横長に置いてみましょう。
お願いします。
これまでやってきたことの中で、これは
ちょっと足りなかったということと、こ
れから自分たちに期待される役割として
足りないもの、つまり、今までの自分の
センターの中での役割、あるいはその中
間支援の機能をどうやって強化しようか
ということを考えたときに、これまでや
それでは終わったグループは、ここに
ってきたこととして、求められていて足
書いてあるとおり、自分の課題、それは
7
共通の課題だったりするわけですけれど
答えられなくて困る。何で困るのかよく
も、自分に足りないもの、自分に足りな
分からないことがあって困る。どこまで
いものの原因、それは外的要因ではなく
答えたり、かかわったりしたらいいのか、
て、自分の中にあるもの、内的要因、団
上司に聞いてみないと分からなかったり
体の中にある要因を抽出してもらって、
する。専門知識がないので、どこに紹介
そこに対する解決策。そこまで、付箋を
すればいいか、その知識もまだ不足して
使って思いつくままに書いていただけま
いる。自分たちの勉強不足であるという
すか。
原因であることがありました。
あるべき姿を求めるというのも大切な
それから、職場に情報が共有化されて
ところです。その姿にどうして近づかな
いないことがあって、それも自分たちの
いのか、その原因を明らかにしていくこ
情報不足の原因であろうということ。い
とも大切です。そうじゃなければ、解決
ろいろな窓口の存在というのを皆さんに
策は見つからないし、あるべき姿に近づ
お知らせする、そういうPRも不足して
くということが難しいと思います。
いるんじゃないかというのが一番多く出
発表するのは、自分たちの課題、共通
た課題でしたので、それに対する処方を
課題、そしてその原因を探る。その解決
どうしたらいいのかということを皆さん
策をあるべき姿、自分をどう変革してい
で考えました。
くかということを、最終的にそれぞれが
やはり大切なのはネットワーク作りだ
コミットメントしていくと。そういう発
けれども、そのネットワーク作りという
表の場にしたいと思います。
のは、行政は情報収集は得意だけれども、
集めるだけ集めて、データを作って、そ
■ グループ発表
れで終わってしまう。どうやってそれを
第1班
発信するか、どうやって市民団体と情報
第1班です。第1班は、ちょっと特殊
を共有するかということがないといけな
と言いますか、私がNPO法人のほうの
い。それはやはり、ネットワークという
立場で、多少、活動センターともかかわ
のは、人と人の顔が見え、人間関係があ
ってますけれども、行政ではないという
ったところに初めてネットワークができ
ことと、活動センターが準備中であると
るのではないか。
ころ、それから、見切り発車してしまっ
それから記録。みんなが見られるよう
て1年たって困っているところ、かなり
な記録というのも、インターネットが使
活動しているけれども、その中でいろい
えない方も、活動団体の中ではかなり多
ろ問題点があるところと、かなり幅があ
いので、ついデータベースなんていうこ
りましたので、最初は自由にいろいろな
とを言ってしまうけれども、どうやった
ことを言っていただきました。その中で、
ら、人の目に見える情報になるのかとい
特に共通した問題点というのは、
「相談さ
うこと、それを具体化していかなければ
れたとき困る」というのがありました。
いけないという。
8
そのためには、やはり人が集まること、
について、挙げさせていただきました。
人と人とが触れ合うことが一番大事じゃ
特に情報発信ということに関しては、伝
ないかということになりました。集まる
える努力というのをしているようで、実
場作り。そこに初めて、人づくり、人間
はしていない。しているつもりでいたと
関係づくりができるのではないでしょう
いうところが、非常に大きなところであ
かと。
ります。
それで私たちは、1つのテーブルで、
相手の立場に立って、市民の立場、ほ
その共通の約束として、とにかく今年度
かのNPOの方々の立場に立った情報を
内が無理なら来年度内に、とにかく活動
伝えられているかどうかということにつ
団体と一緒に活動の発表の場、交流会な
いては、反省が非常に多いということで
どの開催をして皆さんとまず仲良くなっ
あります。
て、顔を見て、情報を共有する場を作り
それから、サイトを立ち上げたとして
ましょうという、交流会の開催、勉強会
も、共通のサイト、あるいは、それぞれ
の開催をし、その場で情報発信するなど
のホームページもそうなんですけれども、
になりました。
更新がなかなか少ない。それが役立って
そして、関係が作れれば、活動団体の
いるかどうか、見られているかどうか、
側から提案事業など出していただいて、
単にカウンターでそれが判断できるかと
いくつかの団体と自治体とが協働して、
いうとそうでもないところがあります。
その提案事業を実現するようなとこまで
そうならないためにも、回数をやって
もっていけたらと。何年もかかるかもし
いるうちに、情報が見られていくという
れませんけれども、それが、市民のその
ところに進めていかなくてはいけないと
場から生まれる協働ではないでしょうか。 いうのも見えてきたところであります。
私たちの目標としては、身近なところ
コミュニケーションというところで、
から協働の実現ということで、そういう
私は官の立場におるわけですが、どうし
発表会の場を作るということになりまし
ても旧来からある官が民より上なんだと
た。それを、共通の約束にしました。
いう、そういうふうな協働を全く阻害す
るようなことが、現実としてそれぞれの
第2班
心の中にある。官としても、なかなかN
われわれ2班、このメンバー、わずか
PO活動、それぞれの団体に対する理解
3時間ではありましたけれども、すてき
も不足しているというところが大きいと
な仲間ということで、いい関係ができた
ころであります。
というふうに思っております。
それに関連するところですが、後継者
それでは情報発信、ソフト開発、それ
不足。一般的な意味でのNPO活動を、
からコミュニケーション、後継者不足と
後継をしていただく人の不足というのは、
いう4つのポイントにしぼって問題点、
どこの団体も抱えていらっしゃると思い
あるいはうまくいかない原因というもの
ますけれども、行政の立場でいうと、私
9
もそうなんですが、この4月に替わった
継ぎというのは、非常に大きな力をおく
ばかりです。ころころ替わっていってし
ことになろうかと。そういうのが大きな
まうということで、そういう意味での後
課題だったのではないかと思います。
継者、行政の後継者という点では、非常
それからライフワークバランスという
に大きなポイントがあがっております。
ところで、これもかなり根本的なところ
その中でも、やはりすてきなワークラ
になりますけれども、個人として幸せで
イフバランス、すてきな仕事をしている
あるのかどうか。あるいは人の喜びは自
っていうものが、みんなに分かっていた
分の喜びであるのかどうかという、NP
だけないと後継者も育たない。あるいは、
Oの根源的なものにかかわってまいりま
ついていかないというところを指摘をさ
すけれども、そういった点でミッション
れたというところであります。
を果たすために、それぞれが幸せである
ソフト開発、これは広い意味でありま
のかどうか、それに向かっていけるかど
すけれど、この中でもビジョンがない。
うか、という部分が、一つのあるべき姿
あるいはニーズを把握してない。あるい
ではないかというところが出てまいりま
は事業のチェック、改善する時間がなか
した。
なかない。根本的に忙しすぎるというふ
資源も広い意味での資源ということで、
うなところが、共有的な課題としてあが
それぞれのNPOの活動をしていると、
ったというところであります。
存在自体が地域の宝であるというところ
そのうえで、次にあるべき姿というと
から考えますと、非常に重要なポイント
ころで、さまざまなポイントから挙げて
が出たんではないかと思います。
みたところであります。
ニーズの把握。しっかりとNPOの活
市民協働の場、効率化、ライフワーク
動を見る。アンケート、あるいは直接会
バランス、資源の提供、ニーズの把握、
って話すということも非常に重要なポイ
情報の把握、情報発信というところで、
ントであるというところになりました。
やはりNPOに対してどう支えるかとい
最終的に、あるべき姿っていうのは、
う要素。
活動支援センターと言いますのは、地域
それから情報をどう提供していくのか、 作りの拠点であり、それから地域の情報
どう協働していくかと、大きなところに
ステーションであると。そうなって皆さ
なろうかと思いますけれども、特に市民
んが集まってくる。情報が集まって、さ
協働の場。
らには、そこから発信できるというふう
やはり民に対して、官が委託事業とし
なすてきなセンターを作ってまいりまし
てお任せしたっていう感じじゃなくて、
ょうというところで話をしたところです。
官も共に活動していく行事の場、あるい
は検討の場、そういうのが必要でありま
第3班
しょうし、それは効率化というところで
3班は、センターとして、自分として
いっても、人事異動の際の事細かな引き
足らないところをまず、皆さんからあげ
10
てもらって作業をいたしました。
とをまとめた結果、実態ニーズを知らな
その中で、結果的にセンターとして足
いので、まず、市民ニーズの調査や、収
らないものというのは、一番知っている
集活動をやらなきゃならない。
はずのセンターでありながら、その職員
もちろんやっているわけですけれども、
でありながら、市民の実態、ニーズを本
単にアンケート調査を郵送で配っただけ
当の意味で知っているのかどうか、知ら
であったり、本当に地道な活動、現場に
ないんじゃないかということが、課題と
行って把握なりをしてるかどうかとか、
してあがりました。
そういうことも問題ですし、調査はお金
それと同時にそういうものを行政もN
がかかるで、なかなかできないという実
POも、またセンターも、それぞれ得意
態がある中で、やっぱりそういう本当の
分野、不得意分野があるんだけれども、
意味での市民ニーズを調査して、収集し
お互いを知っていないことから、活用で
て、集約していかなければ、その上で、
きる体制になっていないじゃないかとい
センターがどういうことをやるべきかと
うことが原因としてあげられてきて、結
いうのは再認識できないんじゃないかと
果として、じゃあそれをどう解決してい
いうこと。
くんだと。
その実施結果の内容をもとに、行政と
一番知っているし、一番知らなきゃな
NPOとの定期的な情報交換会を設定し
らないセンターとしての解決策が、この
て、ネットワークを作りながら、課題解
原因をクリアするためにいろいろ出てき
決をしていくべきではないかと。
たのは、共通認識のためのNPOや行政
もちろん、最後のセンターのあるべき
との場の設定が必要ではないか。組織と
姿として、そういう多種多様な主体のコ
しても個人としてもスキルを上げていか
ーディネートをすることが、センターに
なきゃならないんじゃないかとか出てき
求められていることではあるのだけれど
たんですけども、結果としては、先ほど
も、来年に向けてやることは、行政とN
2班も言ったとおり、どうセンターとし
POの定期的な情報交換会を設定し、課
てネットワークを作っていくかというと
題解決に向けながら、もっと企業なり、
ころに帰結するんだろうと思います。
住民なりを巻き込んでいこうと。
最後はあるべき姿のところになるんで
センターのあるべき姿としては、要は
すけれども、企業とか、市民だとか、行
何が求められてるかっていうのは、地域
政だとか、支援団体とか、そういうふう
の多様な主体のコーディネートを求めら
なところといかにネットワークを作るか
れているということに結論が出たところ
というのが、解決策につながっていくん
です。
だろうというふうにまとまりました。
ネットワークを作るには、今すぐやる
第4班
べきこととしては、どんなことを来年に
最初は、やはり自分が抱えてる課題み
向けてやらなきゃならないんだというこ
たいなものを出し合いましたところ、い
11
ろんな仕事の方がいらっしゃいました。
しっかりできてない、確認できてないと
スタッフとして参加されている方、理
いうような議論で進んでいきました。
事として参加されている方、あるいは行
ほかの団体とのネットワークっていう
政マンとして参加されてる方で、分けて
のも当然たくさん出てきました。例えば、
みましたら傾向が出てきまして、スタッ
既存のボランティア団体とか、ボランテ
フが抱えてる課題っていうのは、何と言
ィアセンターっていうのもありますよね。
っても、スキルアップっていうのが、こ
そういうのと、NPO法人、組織という
んなにたくさん出てきました。
のはどういうふうに住み分けできるんだ
現場のスキルアップとともに、その中
とか、異分野間のネットワークづくりも
でやっぱりリーダーになれるような人材
課題だし、それを進めるための情報発信
を育成していくっていうことというのも
力も不足しているといったようなところ
非常に強調されていました。そもそもス
で、課題が見えてきました。
タッフの意識変革っていうのが、サラリ
そこで、解決するにはどうすればいい
ーマン的に雇われて、そのままずっとき
かっていうことで、たくさん出てきまし
ているところから、出せないでいるみた
た。解決の流れというテーマを据えてお
いなところが背景にあるということです。 ります。
理事は理事で、外側から見て、組織を
現場の流れを作っていきたいというこ
活性化させるさまざまな役割を持ってる
とで、それに対しては、理事も含めて、
と思うんですけれども、何か自覚のない
どんなふうな働きかけをすれば解決に向
理事ってたくさんいますよね。その組織
かっていけるか。
の名前を背負って動くというところから
解決を1つのゴールとして、個々のス
始めていかなきゃいけなかったりとか、
タッフの専門性を高めたいというところ
創業者の現場にはかかわってなくても、
を1つのゴールに設定をしまして、その
しっかり過去を振り返って、売るところ
ためにはまず、多くの団体ができてない
を責任持ってやるとか、深く考える時間
カリキュラムを作るところからスタート
がそもそもなさ過ぎるとか、とにかく、
する。
研究をするスタッフ、現場の忙しいスタ
カリキュラムを徹底させていく過程の
ッフの代わりにちゃんとその辺のところ
中で、いろいろ取り入れるべき工夫があ
を分析研究するみたいなところから、全
るわけですよね。マンツーマンでOJT
体を統括できるようなリーダーも同時に
をするとか、情報の共有システムをしっ
養成していかなきゃならない。その辺は、
かりと確立するとか、現場サイドにコー
スタッフとかが絡んでくるんだと思うん
ディネートできる人材を配置するとか、
ですけれども、出てきました。
センターの存在、団体のPRに力を入れ
あと理事とスタッフ、あるいは委託者
て、ちょっと抽象的ですけれども、そこ
というのもあると思うんですけども、そ
のところが足りないことで何とかすると
ういうところの情報が、やっぱり共有が
いうことです。
12
それに向けて、外からアドバイスでき
いうのをどうしたらいいのかっていうの
るような仕組みを作る。課題を確認する。
あとすべての事業で理事に何らかの担当
を挙げました。
それに対して、さらに深く掘り下げて、
をさせるということですね。
具体的にどうすればいいか。
理事が宣伝マンになるような仕組みを
すぐできそうなものとか、ちょっと時
作ることです。
間をかけてやるようなことで、みんなで
さらに大事なのが、創業者とかトップ
話し合いました。
にいる人の経営理念、ミッションってい
やっぱり一番多かったのが、知識不足、
うのを、その人が常に表明し続けること
日常業務によるものも知識不足というこ
が結局単純だけれども、何より大事なん
とが言えるのかなと思うのですけれども、
だなっていうこと。それだけだとまだ無
何せ情報も蓄積していくことで、それが
責任なんですね。職員一人一人とちゃん
自信につながっていくのではないかなと
と向き合うという思いを持ってる人と向
思っております。
き合わなければ、それは伝わるわけがな
具体的には、NPOの活動をよく理解
いっていうところが出てきました。
していないとか、専門知識が足らない。
そのためには、ミッションにむけて実
NPOの実態をよく知らない。
務をやっているのかということをプレゼ
支援する側として、こういうものを知
ンするような機会を設ける、勉強会でミ
っていなければ、聞かれたときに答えら
ッションを共有するとか、振り返りの時
れないというのもあるんですけれども、
間をしっかり持つとかというような解決
相談者としてスキルが足りないとか、そ
策も同時に出てきました。
ういったものをどうすればいいかという
先ほどボランティア団体との関係性み
ことで、勉強すること。
たいな話もかなり出ていましたけれども、
あと事例を習得。やっぱりいろんな事
専門性をそんな形で高めることによって、 例を知っておくと、「ああ、そういえば、
NPOとボランティア団体に向けた支援
あのときああいう人たちがいたな」とい
ができるのではないかというような結論
うことで、相談されたときに答えること
にまとまりました。
ができると思うんですけど、そういった
ものをどんどん自分の中に蓄積していく
第5班
のと、それをデータ化して、スタッフ全
私たち、第5班は、行政側、NPO、
員で共通認識として持っているというこ
支援センター側から見た形、いろんな立
と。
場の人がいるんですが、NPO支援にか
それがセンターとしても力がアップす
かわる仕事という立場から、困りごとと
る、個々の力がアップしていくことにな
いうのを挙げてみました。
ると思います。
日常業務とか、知識不足とか、カテゴ
勉強していく中で、具体的には本を読
リー分けをして、それに対する解決策と
んだり、こういった勉強会に参加する。
13
もちろん自分たちで自発的に勉強会を
そうすると、支援組織として、力が強
開く。川北先生を呼んでみんなで勉強す
くなっていくのではないかなということ
るとか、そういったことが出ました。
で、具体的にあるべき姿はどうかという
そういったことをやって、データ化し
と、情報と場の提供という意味では、情
て、勉強したことをみんなで共有し合う
報をたくさん蓄積していくことで、支援
ということが大事なんじゃないかなとい
スタッフとしての力になると思いました。
うことでした。
あと団体との関係、それが困りごとと
第6班
いうことで、やはり団体とのつながりが
メンバー8人で、これまで自分自身に
足りないとか、調査不足、団体に出向い
足りなかったこと、これからの自分自身
たりすることがなかなかできないという
に足りないだろうことを、わりと時間を
のがあります。
かけて、1人ずつ発表して共有しました。
団体を訪問しても、あいさつ程度で実
その中で、それぞれの立場の中で、い
際、どんなニーズがあるのか、困りごと
ろいろな課題が出てたんですが、大きく
があるのかっていうのが把握できていな
2つ、ほぼ全員の方に共通する課題とい
いという問題点があります。
うことで2つ選びました。
それをどうしたらいいかっていうと、
1つがスキル不足、もう1つがニーズ
積極的に出向いていって、自分たちでニ
把握の不足。それぞれ、スキル不足って
ーズの調査をしたほうがいいんじゃない
いうと、コミュニケーションスキルだっ
か。察知することも大事だけれども、話
たり、経営についてのスキルだったり、
している中で、もうちょっと深く掘り下
会計・経理・事務等の専門性だったり、
げて、何を困っているかとか、そういっ
マネジメントスキルだったり、各種事例
たものを把握する力を持ったほうがいい
だったりなんですが、そのスキルが不足
のではないかということでした。
している原因は、経験不足とか、勉強不
それで団体から聞き取るにしても、具
足、あとスキル習得の場がないとか、そ
体的には調査票を作って、細かい項目ご
れぞれの組織の中での情報共有不足など
とに分けていろいろ聞いていく。そうい
が原因として挙げられていました。
うものでもあるとないのとでは、全然違
もう1つのほうのニーズ把握不足につ
うのかなということでした。
いては、読んだままなんですけど、市民
それをもとに、またデータ化して共通
活動団体のニーズをまずつかめていない
ファイルとして持っておくと、この団体
ということが、課題として共有されて、
はこういうことで困ってたんだなという
その原因は時間がないとか、ちょっと言
共通認識があると、どんどん自分たちの
い訳も入ってますけれども、情報共有不
中に情報が入っていくので、スタッフ一
足だったりとか、そもそもニーズを把握
人一人の自信につながっていくと思いま
すること自体の場を作っていないってい
す。
うことが原因として挙げられていました。
14
これら2つの課題を解決していくため
それぞれ8名がコミットメントした宣言
に何が必要かっていうことを同じく8人
をこちらに書かせていただいてます。
で洗い出したところ、研修とか講座とか
練習、こういったものによって、スキル
■コーディネーターコメント
を習得していくことが必要という話だと
〇舟木コーディネーター
か、マニュアルの作成、Q&Aの作成、
みなさん、すばらしいファシリテーシ
そういったものが必要じゃないですかと
ョングラフィックを使いながらの発表で
いう話が出てました。
した。
ほかに事例集めと、その集めた事例の
それぞれ発表していただいて、それに
共有であるとか、ときには専門家の助言
対する意見とか、ご質問とか、多分ある
とか、専門家の方と連携して行うことも
んだろうと思います。ただ大変申し訳あ
必要なんじゃないかなという話がありま
りません。こちらの運営不足で、そうい
した。
う時間が取れないこと、大変申し訳なく
ニーズの把握不足については、ニーズ
思っております。
のアンケート調査とか、アンケート結果
それぞれ発表したものをぜひ持ち帰っ
の分析とか、各団体に実際赴いて話し合
て、自分たちでその地域で、ぜひ実行し
いすることが必要じゃないかなというこ
て、その成果をまた次のフォーラムに持
とで、解決策がいくつか出ていました。
っていって、こういうことをやったよと
最後に、今回のワークの中で、一番最
いうことを報告できるようにしてもらい
後にあったんですけれども、8人それぞ
たいと思いますので、よろしくお願いし
れが、これら解決策をやっていく中で、
ます。
今後できれば期限を含めて、こういった
最初に申し上げたとおり、このグルー
ことをそれぞれ必ず実行していきますと
プワークの一番の大切なことは、お互い
宣言したものを、1人につき1つもしく
が無意識の中で共有、共感をするという
は2つずつ挙げさせていただいてます。
ことが大事です。関係作りです。
いくつか紹介すると、例えば12月末
それは皆さんが一緒になってやったと
までに市内のNPO団体15団体におじ
いうことで、実現したのかなと思います。
ゃましてニーズを聞き出すとか、来年度
皆さん名刺交換をして、何か困ったと
までに対人折衝等の研修を必ず受講しま
きはそういった方にいろいろ聞いたりし
すとか、実際現場に出掛けていってイン
て、これからお互いの情報交換ができる
タビューをして、そのインタビュー結果
だろうということが、大変すばらしい成
をウェブに掲載しますとか、市民活動団
果だと思います。あとは自分が変わって
体の現場だと思いますけど、月2回必ず
いく。自分が変わって、それを地域の中
足を運んで、情報交換や関係作りを絶対
で実施していくという強い決意、自分が
行っていきますよとか、アンケート調査
変わるっていうことを、やはり皆さんも
や意見交換会を実施していきますという、 実感したのではないかという気がします。
15
そういう意味では、すばらしい成果が
の1年、例えば何をやるかというような
あったグループワークだと思います。本
こともきちんと発信していかなくてはい
当に皆さん、短い時間にありがとうござ
けないということを痛感して、今後努力
いました。
してまいりたいと思います。今日はあり
がとうございました。
■事例発表者コメント
小松州子氏
石川敬義氏
皆さんお疲れさまでした。私も本当に
短時間で、よくこれだけ上手くまとめ
短時間でよく議論されて、まとめられた
られたなと感心させて頂きました。私、
なというふうに思いました。冒頭の事例
山形市内のNPO団体を個別に回ってい
報告で行ったとおり、仙台市のサポート
ます。こういうパブリックサービスが
センターにたくさんの方々が視察に見え
次々新しい形で生まれて、形も推進化に
ているっていうことをお話ししましたけ
よってケアされていきますと、日本や山
れども、やはり今日の発表を聞いていて、
形県がタイタニック号になっても、山形
見るだけではなくて、経験やスキルを共
市は浮かんでると,そう確信を持ってい
有していきパワーアップしていくことが、 ます。
次の力になるのかなというふうに、今日
の発表を聞いていて思いました。私も仙
台のサポートセンターに持ち帰って、今
日皆さんが議論したことを共有し、次の
パワーにしていきたいと思っています。
ありがとうございました。
■コメンテーターコメント
齋藤和人氏
皆さん、お疲れさまでした。各グルー
川北秀人氏
プを回って、皆さんが非常に熱い議論を
皆様、お疲れさまでした。
交わして、成果を作っていた過程を見ま
ITを使えない人もいるんですけども、
して、大変感動しております。私たちも
目に届く情報も確かに重要なんですけど、
同じセンターを運営する者として、たく
いま市民ってどうやって情報を探してる
さんのことを今回の発表で学ばせていた
のかも念頭に置きたいと思いますね。
だいたと思っています。そして、私たち
例えば、子育てについて、お母さんた
も職員の間で、この半期、何をやるかと
ちが知りたいと思ったときに、どうやっ
いう、MBOというシステムを作ってお
て探してますかね。携帯で探してませ
りまして、自分の約束をして、それがで
ん?ということは、携帯に情報が出てな
きたか、できないかを反省するという作
いと、ないのと同じ。
業を、この春から始めたんですが、それ
ITが使えない団体に配慮するんじゃ
と同時に、やっぱりセンターとしてのこ
なくて、その活動についての情報が欲し
16
い人に配慮する支援をしなきゃいけない
皆さんのところには、チラシ集まって
ですよね。
きてるはずです。集まってきたもを集ま
例えば、子育て支援活動のための携帯
ったまま出してもだめなんです。届ける
電話サイト講座とかが、皆さんに求めら
ようにしなきゃいけない。皆さん、情報
れるわけです。そこにギャップがあるわ
を並べてちゃんと出してますか。
けです。そのギャップはニーズなんです。
もう1つ、交流会、ぜひやっていただ
それから先程でてきたように、つなぐ
力、重要ですね。つなぐためにはどうし
きたいです。
なきゃいけないかっていうと、強みも課
皆さんのところで、祭りとかやると、
題も知らなきゃいけないっていうことで
「ああ、疲れたね」で終わりません?何
す。この人とこの人、知り合いにしたい
で、
「ああ、疲れたね」で終わるかという
なと思ったときに、接点を教えてあげる
と、それはお互い同士の交流をさせてな
ことって大事ですよね。
いからです。
ネットワークっていうのは、ただ場を
そこで、仙台の加藤さんから聞いた話
設けりゃいいっていう話じゃないですよ。
ですが、祭りのブースに出店して、一般
やっぱり、何が接点なのかっていうこと
公開前の1時間や30分に「まず、ブー
を教えてあげなきゃいけない。
ス番号奇数の人、動いてください」と言
そして資源を提供する。例えば、せん
って、交換でお互いの活動についてしっ
だい・みやぎでいうと、
「みんみんファン
かり学ばせる時間をとると仲良くなると
ド」
。皆さんのところでも、県が作った基
いうんです。
金だとかいうのは、資源を提供する力で
つまり、ネットワークというのは、あ
すけど、人を提供するのがボランティア
る意味、引き出す場が必要なわけですよ
センターの仕事、それから物を提供する
ね。
ことができる、例えば企業の中古の物品
さて、支援ってなに?支援って7つの
を提供するということになっていくわけ
力が必要だと思います。イの一番は何か。
それは相談に対応する力です。それから
です。
内部の人材育成、スタッフの育成も大
調査して情報を集めてくる。例えば、協
事だし、理事の育成も重要です。
働環境調査っていうのはすごく重要な仕
そして、政策提言できないとだめ。
事です。
政策提言というのは要望ではありませ
ん。規制緩和するとか、仕事が進めやす
くするために、協働ってこういう仕組み
ではないかといったようなことが提案で
きないとだめ。
ぜひ、この機会に覚えておいていただ
きたいのは、団体に関する情報を集めま
しょうって、皆さんおっしゃいましたよ
17
ね。どういう情報を集めますか?
できるわけですね。そしたら専門性がつ
まず、その団体について、私たちが一
くわけです。
番知らなきゃいけないのは、その団体の
つまり、皆さんって、待っていれば専
組織を知らなきゃいけないんですね。組
門性がつくって勘違いしてませんか。
織図を書いてもらいます。なぜか。年間
先ほど申し上げたように、自分たちの
の事業報告書と、決算書に現れてこない
活動に必要とされているスキルみたいな
ことがあるでしょ。ボランティアの存在
ものを、大きく考えるんじゃなくて、ま
です。ボランティアがどこで何をしてる
ず目の前のことをしっかり把握していく。
のかを知ると。
そうやって専門家になる一歩手前の半人
2つ目は、意思決定の手法です。
前にしていくことをしないと。地域のこ
例えば、総会で決めること、理事会、
とについてちょっと勉強して、お祭りが
あるいは現場の会議で決めてることは何
この時期ありますということが分かって、
かを議事録を読んでいきます。
じゃあ、何ができるわけということがあ
3番目は、人材育成の仕組みです。
るかもしれないですけど、これ、12カ
中間支援のスタッフの研修は、座学で
月続けたら12個学べるわけですもんね。
やってもだめ。逆に日常の仕事の中から
何にもしないで時間どおり来て時間ど
どう育てるのか。先ほどのせんだい・み
おりに帰るというだけの職員と、12個
やぎの話みたいに、3週間で半人前にし
勉強した人と、社会的にどっちが通用し
ていくというところがないとだめです。
ますかという話です。
私たちの仕事で重要なことは何かって
お疲れさまでした。ありがとうござい
いうと、センターに閉じこもったり、引
ました。
きこもったりしないこと。
私たちの仕事は、現場に出てなんぼで
す。ローテーションでやるにしても現場
にどれだけ足を運ぶのか。それをやるこ
とによって、その団体の現場が持ってい
る工夫だとか、自分たちが気づいてない
■コーディネーターコメント
課題を指摘できるということです。
〇舟木コーディネーター
それをやるためのポイントとして、ま
ず担当を決めましょう、1カ月ごと。例
具体的な事例をあげて、私たちに大変
えば「あの小学校区の担当を私、今月や
貴重なアドバイスをくださり、ありがと
ります」とか、1カ月間担当を決めて勉
うございました。
強をしてもらってください。その結果を
事例発表の3人の方たちと、川北さん
15分で発表するという時間を週に1回
に、大きな拍手でもって、感謝の意を表
持っておく。スタッフが4人いたら、そ
したいと思います。どうもありがとうご
れでもう毎週15分ずつのミニ勉強会が
ざいました。
18
すばらしい分科会だったと思います。
これをぜひ活かしていただきたいと思
っています。
お疲れさまでした。ありがとうござい
ました。
19