プロトコール(ハイ・コピープラスミド用)

日本ジェネティクス株式会社 2006/04/12Rev.0
NucleoBond Xtra
プロトコール(ハイ・コピープラスミド用)
注意:
新製品 NucleoBondXtra シリーズは、デブリス除去フィルター、シリカ樹脂担体、バッ
ファーなどが改良されているため、従来までの陰イオン交換カラムをベースとしたプラス
ミド精製キットと比較して、プロトコールが一部異なっています。
プロトコールを十分にご確認のうえ、以下のとおりに調製を進めてください。
最適な培養液使用量(LB 培地):
高いプラスミド収量が得られる最適な培養液使用量 V(ml)は、最適な総菌数(ペレット湿重
量)が得られるように、培養液の OD600 値より下記の公式にてお求めください。
ハイコピー・プラスミド用
NucleoBond®
Xtra Kit
ペレット
湿重量
公式
OD600
=2
OD600
=4
OD600
=6
OD600
=8
Midi
Maxi
0.75 g
2.25 g
V(ml) = 400/OD600
V(ml) =1200/OD600
200 ml
600 ml
100 ml
300 ml
66 ml
200 ml
50 ml
150 ml
1) 前培養(スターターカルチャー)
寒天プレートから新鮮な単一コロニーをピックアップし、LB 培地 3∼5 ml (適切な抗生物
質を含む)に植菌して下さい。
37°C、~8 時間、振盪培養してください。
2) 培養
適量の抗生物質を含んだ LB 培地にスターターカルチャー1/1000 量を添加し、37°C で 12∼
16 時間培養してください。
3) 集菌
培養液の OD600 を測定し、最適な培養液量 V[ml]を決定してください。
MIDI V [ml] = 400 / OD600
MAXI V [ml] = 1200 / OD600
計算で得られた培養液量をチューブに移し、4,500 ∼6,000 x g 、4°C で 10 分間程度遠心分
離し、ペレット化して上清を完全に取り除いてください。
4) 再懸濁
再懸濁バッファーRES + RNase A を添加し、ピペッティングまたはボルテックスして、ペ
レットを完全に再懸濁してください。(効果的な溶菌のためには、ペレットの塊が残らない
ことが重要です。)
バッファーRES + RNase A
MIDI
8 ml
MAXI 12 ml
NucleoBond Xtra プロトコール/ハイコピープラスミド用
日本ジェネティクス株式会社 2006/04/12Rev.0
5) 溶菌
溶解バッファーLYS を懸濁液に加えてください。 チューブを 5 回程度穏やかに反転混合し
てください(ボルテックス不可:DNA の剪断や染色体 DNA 混入の防止)。
室温(20-25°C)で 5 分間インキュベーションしてください。
バッファーLYS
MIDI
8 ml
MAXI 12 ml
6) カラムの平衡化、カラムフィルターのプレウェット
5)のインキュベーション中に平衡化バッファーEQU を用い、「カ
ラムの平衡化」と同時に「カラムフィルターのプレウェット」を行
ってください。
注)図左のようにバッファーをカラムフィルターのフチに滴下し、
重力によりフィルター全体が濡れるようにしてください。
(カラムとカラムフィルターは乾いた状態では機能しません。)
バッファーEQU
MIDI
12 ml
MAXI 25 ml
良い例
悪い例
7) 中和
中和バッファーNEU をライセートに加え、すぐにチューブを 10-15 回穏やかに反転混合し
て丁寧にライセートを混ぜてください(ボルテックス不可)。
注 1)デブリスが大きな塊にならないよう注意してください。
注 2)よく混合できるよう、溶液量はチューブ容量の 2/3 以下になるようにしてください。
そのままステップ 8 へ進んで下さい(ライセートのインキュベーションは必要ありません)。
バッファーNEU
MIDI
8 ml
MAXI 12 ml
8) ライセート清澄化とロード
必ずチューブを 3 回反転混合し、ライセートの懸濁状態が均一になるようにしてからカラム
(カラムフィルター装填済み)にロードしてください(フィルターの目詰まりを防ぐため)。
ライセートはカラムフィルターで清澄化されると同時にカラムに滴下されます。もしカラム
フィルターの許容量を超えるライセートを添加する場合、数回に分けてください。
9) カラムフィルターとカラムの洗浄
ライセートが全てカラムを通過するまで待ってください。
平衡化バッファーEQU(注:バッファーWASH ではありません)で
カラムフィルターとカラムを洗浄してください。
注)図左のようにフィルターのふちにバッファーを注ぎ、フィルター
内に残ったライセートを洗浄してください。
バッファーEQU
MIDI
5 ml
MAXI 15 ml
NucleoBond Xtra プロトコール/ハイコピープラスミド用
良い例
悪い例
日本ジェネティクス株式会社 2006/04/12Rev.0
10) カラムフィルターの廃棄
カラムフィルターを引っぱり出すか、カラムを上下逆にしてカラムフィルター
を取り出し、廃棄して下さい。
注)バッファーWASH でカラムフィルターを洗浄すると、純度が低下します。
この時点で必ずカラムフィルターを取り除いてください
11) カラム洗浄
洗浄バッファーWASH でカラムを洗浄してください。
バッファーWASH
MIDI
8 ml
MAXI 25 ml
12) 溶出
溶出バッファーELU をカラムに添加し、プラスミド DNA を溶出して下さい。
バッファーELU
MIDI
5 ml
MAXI 15 ml
13) プラスミド DNA の沈殿
溶出した溶液に室温のイソプロパノールを添加し、十分にボルテックスした後、2 分間イン
キュベートしてください。
15,000 x g 、4°C で 30 分間遠心分離し、注意深く上清を取り除いてください。
イソプロパノール(室温)
MIDI
3.5 ml
MAXI 10.5 ml
14) プラスミド DNA ペレットの洗浄と乾燥
ペレットに室温の 70%エタノールを添加し、15,000 x g 、室温(20-25℃)で 5 分間遠心分
離し、注意深く上清を取り除いてください。
室温(20-25℃)で MIDI5-10 分間、MAXI10-15 分間ペレットを乾燥してください(ペレッ
トが乾燥しすぎると再溶解し難くなりますのでご注意ください)。
70%エタノール(室温)
MIDI
3.5 ml
MAXI 10.5 ml
15) プラスミド DNA の再溶解
適量の TE バッファーまたは滅菌蒸留水を DNA ペレットに添加して再溶解してください。
チューブの形状により、優しくピペッティングしながら撹拌するか、十分量の溶液を添加し
た上で、3D シェーカーで 10-60 分間撹拌してください。
分光光度計などでプラスミド DNA 量を測定してください。また、アガロースゲル電気泳動
などでプラスミド DNA の品質をご確認ください
NucleoBond Xtra プロトコール/ハイコピープラスミド用