●センターの重点取組(CAE 活用) CAE(熱流体解析)を活用し、高容量発電機負荷試験装置を開発しました 高容量発電機負荷試験装置の開発 機械電子研究所 機械技術課 発電所やプラント等で使用される発電機(常用、非常用)は年々 容量が増加し、それにともない発電機負荷試験装置の高容量化へ のニーズが増加しています。発電機負荷試験装置の高容量化(ヒ ーター容量増)に際しては、装置内の放熱特性の向上が重要で 吉村 賢二 す。CAE(熱流体解析)を活用して、筐体サイズは同じでヒーター 容量が 25%増加した、放熱特性の高い発電機負荷試験装置を赤 ポスター番号 A-1 (口頭) 司電機㈱と共同開発し、赤司電機㈱にて製品化されました。 発電機負荷試験装置 CO2インキュベーターにCAE(熱流体解析)を活用、対応環境温度が向上しました 省エネCO2インキュベーターの開発 機械電子研究所 機械技術課 細胞培養装置であるCO 2インキュベーターにおいて、国内空調 設備の省エネルギー化、また空調設備が不十分なアジアへ展開す るにあたり、従来では要求されなかった高温環境下での温度制御 が求められています。CO2インキュベーターに冷却機構を付加する 山本 圭一朗 ため、熱流体解析を活用し、配置検討を行いました。その結果、従 来よりも高温環境下での温度制御が可能となりました。 ポスター番号 A-2 (口頭) CO2インキュベーター ●新たな重点取組 ふくおか食品開発支援センターの紹介をします ふくおか食品開発支援センターの紹介 生物食品研究所 平成 26 年 11 月に開設予定の、「ふくおか食品開発支援センタ ー」について紹介します。同センターでは、大型凍結乾燥機等の食 食品課 世利 桂一 品加工機器や物性試験機等を整備し、食品加工から物性評価ま での一連の試作をスピーディーにサポートします。 ポスター番号 B-1 (口頭) 大型凍結乾燥機 地域オープンイノベーション促進事業の紹介をします 地域オープンイノベーション促進事業の紹介 生物食品研究所 食品課 経済産業省 平成 25 年度補正予算事業「地域オープンイノベー ション促進事業」において整備された「食品機能性マルチ評価シス テム」を紹介します。 ① 利用目的 : ヘルスケア・バイオ・コスメティック分野において、 世利 桂一 農林水産資源等の食品機能性を評価し、機能性食品および 機能性化粧品の製品開発、製造に利用します。 ポスター番号 B-2 (口頭) ② 用途 : 農林水産資源を活用した上記製品の開発、製造に不 可欠な機能性評価、安全性評価、成分分析を行ないます。 1 マルチ型 ICP 発光 分光分析装置 (システムの一部) ●工業技術センターのモノづくり 新しい複合多層化された自動車用軽量フロアカーペットが開発されました 自動車用軽量フロアカーペットのための高機能防音材及びその製造方法の開発 化学繊維研究所 繊維技術課 自動車用フロアカーペットは主に不織布で構成され、機能として 防音性能が必要です。自動車用部材は、常に軽量化が求められ ていますが、フロアカーペットの場合、防音性能を維持したままで の軽量化が課題となっています。そこで、㈱フコクでは、複合多層 田村 貞明 化に着目し、今までの均一構造の不織布に替わって、新たな高機 能防音材及びその製造方法を開発しました。当課ではその支援を ポスター番号 C-1 (口頭) 実施しました。 自動車用 フロアカーペット 微細かつ高機能な新しい細胞培養容器を開発しました 微細凸形状製作技術の開発と細胞培養デバイスへの展開 機械電子研究所 生産技術課 近年、再生医療研究が活発化する中、細胞培養容器に関して は観察効率の面から、ウェルサイズの微細化や高機能化が要求さ れています。本研究では、放電加工技術を用いて狭ピッチかつ高 精度に微細凸形状を創成する加工技術を開発し、この微細凸形 在川 功一 状を有する金型を用いて、細胞培養と同時に高精彩な蛍光画像 拡大 観察を可能にした新しい細胞培養容器「ガラスボトムMSA」を開 ポスター番号 C-2 (口頭) 発いたしました。 ガラスボトムMSA ナノレベルでの表面状態解析-製品の高性能化に役立ちます SiCロータリージョイントの表面解析技術の高度化 化学繊維研究所 化学課 ロータリージョイントは高圧の水を漏洩することなく固定配管から 回転部分へ供給する連結部であり、摺動部のシール材としてSiC 運転前 (炭化ケイ素)が利用されます。我々はSiCによるシール機構を解 明するため摺動後のSiCの極表面状態を解析し、SiCの表面には 有村 雅司 摺動性およびシール性の向上に寄与するSi-O膜が生成している 運転後 ことを確認しました。Si-O膜の厚みを制御することでSiCのシール ポスター番号 C-3 性能の向上を実現しています。 ロータリージョイント 学習姿勢を良くする学習台を開発しました 適切な姿勢に導く、持ち運べる学習台の開発 インテリア研究所 技術開発課 小学校低学年時の児童は集中力を養うための適切な姿勢教育 が必要とされています。また、低学年時には家庭内の学習環境は 親と一緒にリビング・ダイニングで学習するスタイルが増えている中 で、それに適応した学習机の開発が求められています。 友延 憲幸 これらの点を踏まえ本研究では、適切な学習姿勢に導くことがで きると同時に、任意の場所で効率よく学習ができる、インテリア性 ポスター番号 C-4 に優れた機能性学習机(学習台)の開発を行いました。 2 学習台 軽量マグネシウム合金の金属光沢を活かした表面処理技術を開発しました 携帯家電向けマグネシウム合金製品の開発 機械電子研究所 材料技術課 マグネシウム合金は実用金属中で最も軽く、かつ高い比強度を 有することから、自動車や携帯端末などの軽量化に有望な金属で す。しかしながら金属中で最も錆びやすく、防錆対策に問題があり ました。本技術では化学反応により金属表面に透明な安定皮膜を 古賀 弘毅 形成する技術を開発しました。これによって耐食性を大きく改善す るとともに、金属そのものの色調を活かしたデザインを実現すること ポスター番号 C-5 試作した iPhone ケース が可能となりました。 ダメージレスかつコンタミレスのナノ粒子分散装置を開発しました 超音速湿式ジェットミルの開発 機械電子研究所 機械技術課 電子部品や燃料電池向けのナノ材料の需要が増加しており、凝 集性が高いナノ粒子をその特性を維持しつつ分散させることができ る分散装置の開発が求められています。 本研究では、圧縮エアの断熱膨張によりナノ粒子を含むスラリーを 周善寺 清隆 微小な液滴にすると同時に超音速まで加速し、硬質な基板へ衝突 させることにより分散させる全く新しい方式の微粒化装置(製品名: ポスター番号 C-6 G-smasher)を開発しました。 微粒化装置(G-smasher) 下肢麻痺者の歩行を補助する装具システムを開発しました 下肢麻痺者のための歩行補助装具システムの開発 機械電子研究所 電子技術課 下肢麻痺者は、膝関節を伸展位に固定する長下肢装具を使用し て膝折れを防止しますが、足の振り出し時に膝の屈曲がないため 歩行が困難です。そこで、我々は、装具の足圧パターンから下肢 運動を推定し、歩行タイミングに合わせて膝ロック状態を制御する 渡邉 恭弘 歩行補助装具システムを開発しました。3 次元歩行分析にて、遊脚 期に膝屈曲が見られ、自然な歩行が得られたことを確認しました。 歩行補助装具システムを 装着した長下肢装具 ポスター番号 C-7 ●これからの注目シーズ 天然素材を使用した人気の自然塗料の安全性をさらに向上させました 自然塗料の低放散性化技術の開発 インテリア研究所 自然塗料は天然の循環素材を原料としており、木材関連の塗料 OH O として臭気・健康に敏感な消費者に人気があります。しかし、当所 O OH 塗装 技術開発課 研究において、自然塗料から有害で悪臭物質である各種アルデヒ を見出しました。 固化 O アルデヒド生成 (n) 10000 センサー値(μg/㎥) 古賀 賢一 O 自然塗料からのアルデヒド生成 自然塗料からのアルデヒド生成 ドが発生する事が判明しました。その低減化に取り組み、原料調 整時の酸化処理過程を見直し、アルデヒド放散低減化の可能性 O O2 Δ,hν 過酸化物 不飽和脂肪酸 8000 6000 低減化自然塗料原料 既存自然塗料① 既存自然塗料② 4000 2000 0 ポスター番号 D-1 (口頭) 0 8 16 24 32 40 48 塗装後経過時間(h) 自然塗料原料の低減化の効果 3 福岡県食材からスキンケアに適した機能性素材を多数揃えました 福岡県産スキンケア素材開発 ~福岡県食材 2,500 種からの選抜~ 生物食品研究所 食品課 福岡県の食品製造企業によるスキンケア食品・化粧品の開発が 活発に行われています。一方で、競合他社との差別化のために、 ストーリー性を備えた独自素材や地域性素材の開発ニーズが多 数寄せられています。そこで、当所が保有する福岡県産食材を中 川口 友彰 心に整備した約 2,500 食材を対象にスキンケア(シミ・シワ・たるみ) 関連の機能性評価を行いました。製品開発に役立てていただくた ポスター番号 D-2 (口頭) め、得られた結果と連携方法についてご紹介します。 食材ライブラリ フリーズドライで簡単にナノファイバーを製造できます 凍結乾燥法を用いた低コストナノファイバーの製造技術 化学繊維研究所 化学課 ナノファイバーは、フィルターや触媒担持体として高い性能を示 すことが知られていましたが、価格や製造法の課題により市場化 が進まない状況にありました。発表者らは、高分子水溶液を適切 な条件下で凍結乾燥(フリーズドライ)することで簡単にナノファイ 木村 太郎 バーや多孔質体を製造する方法を開発しました。本技術によるナ ノファイバーシートや多孔質体は、化粧品や食品など身近な生活 ポスター番号 D-3 凍結乾燥法で作製した 多糖ナノファイバー 用品への応用が期待されます。 豆乳ヨーグルトの試作品作製を支援しました 機能材料課の企業支援の紹介 ~豆乳ヨーグルトの試作品作製~ 生物食品研究所 機能材料課 機能材料課で微生物制御に関する相談を受けていた企業さん から、「豆乳を乳酸発酵させた飲料を作りたい」との相談を受けまし た。そこで、乳酸菌の添加量、発酵時間などの検討を 100 mL スケ ールで行いました。検討より得られた情報をもとに製造量を増や 片山 秀樹 し、製造に必要な情報を収集しました。現在 4 L スケールでの製造 を行っています。今後、10 L スケールで製造を行い、製品化に向 ポスター番号 D-4 けた試作品を作製します。 CAEを活用してプレス加工の工程設計を行いました 板鍛造におけるアルミニウム成形技術の開発 機械電子研究所 生産技術課 板鍛造とは、プレス加工における板成形と冷間鍛造を組み合わ せた複合成形であり、板材から高さ方向の形状を立体的に創出す る為の技術です。従来、アルミダイキャストによって製作されていた 製品に対して、板材からプレス加工で製作する為に、CAE(熱流 小田 太 体解析)を活用して工程設計を行いました。 ポスター番号 D-5 美顔器部品 4 デジタル画像相関法を活用し、発光中のLEDの 3 次元変形を計測しました デジタル画像相関法によるLEDの変形計測 機械電子研究所 機械技術課 3 次元の変形挙動を計測することが可能なデジタル画像相関法 を利用して、高輝度LEDの変形挙動を計測するシステム並びに結 果を報告いたします。本研究テーマは県内企業である㈱九州日昌 との共同研究で、企業からの技術相談より発展した研究テーマで 内野 正和 す。平成 24 年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発 等支援補助金で実施しました。 ポスター番号 D-6 光学シミュレーションに実測散乱特性を適用できるようになりました 光散乱測定器を用いた照明設計解析手法の紹介 機械電子研究所 電子技術課 光散乱測定器は、材質面に入射する光の散乱特性(BRDF、 BTDF)を測定する装置です。測定したデータは「LightTools」等 の照明設計解析ソフトウェアに取り込んで、照明部材表面における 散乱特性としての設定が可能なことから、照明用リフレクタや拡散 西村 圭一 板表面等の透過・反射散乱特性として適用することで、配光・照 度・色度等のより高精度な照明設計解析が行えるようになります。 ポスター番号 D-7 光散乱測定器 ●「ものづくり補助金(経産省)」活用事例 ナノファイバー不織布の更なる量産化を目指して エレクトロスピニング法によるナノファイバー製造技術の高度化 化学繊維研究所 化学課 極微細繊維からなるナノファイバー不織布は、フィルターや次世 代電池のセパレーター等への応用が期待されています。㈱メックで は、エレクトロスピニング法に基づくナノファイバー不織布製造装置 の開発を行っており、量産化、高品質化に関する取組を続けてい 木村 太郎 ます。本研究では、セミ量産機について、不織布の品質向上に関 する改良を行いました。また、製造した不織布の品質評価を迅速 ポスター番号 E-1 (口頭) に行うための基盤技術の検討も行いました。 量産化が進む ナノファイバー不織布 製造技術 藍染色の加工量が 1 日あたり 2 倍以上に増えました 藍染色装置製作による染色加工量産化 化学繊維研究所 繊維技術課 筑後染織協同組合では、反応染料を中心に染色を行っていま す。天然の藍染色は、和のテイストや素朴さを求める消費者に好ま れ付加価値が高いのですが、染色工程が複雑で量産化に向かな いことより今まで取り組んでいませんでした。そこで、藍染色を合理 泊 有佐 化するために機械による一部作業の自動化を行い、藍染色の加工 量が 1 日あたり 2 倍以上になりました。工業技術センターでは染色 ポスター番号 E-2 (口頭) した糸や布の品質(染色堅牢度)が、従来法と同じであることを確 藍染色装置 認しました。 5 博多織技術を活かした編みによる新しい素材が開発されました 博多織技術を活かした編みによる新商品の試作開発 化学繊維研究所 繊維技術課 博多織は 770 余年の歴史を有する福岡を代表する伝統的工芸 品です。博多織の主力商品は帯ですが、和服離れが進み、生 産量は年々減少しています。森博多織㈱では、博多織の特長で ある先染めの絹糸を扱う織物作製技術を『編み』に応用して、こ 田村 貞明 れまでにない新商品の展開を図りました。『編み』による新規性、 工程削減によるコストダウン、編物特有の性能で競争力の強化 ポスター番号 E-3 を図っており、当課では、性能評価について支援を実施しまし 『編み』による試作品 た。 ネギ属野菜向け微生物殺菌剤の開発 生物食品研究所 生物資源課 ネギ属は、国内出荷額が第 1 位の約 3,000 億円あり、主要な 野菜です。ネギ属野菜は、病害により商品価値が著しく減少 することから、化学農薬を用いて病害を抑制していますが、化 学農薬に替わる安全・安心な微生物殺菌剤がユーザーから 齋藤 浩之 求められています。我 々は、病 害 菌 に対 して殺 菌 効 果 を有 する約 5,000 株 (国 内 最 大 級 )のバチルス属 菌 を有 してお ポスター番号 E-4 り、今 回 、ネギ属 野 菜 の病 害 に殺 菌 効 果 のある菌 株 の選 抜 微生物殺菌剤 (バチルス属菌) に成功しました。 コマの裏側にらせんの溝を加工、ヒモを巻き易くし子供でも回し易いコマを開発しました らせんの溝で回しやすさを向上させた木製コマの開発 インテリア研究所 技術開発課 現代の子供達はコマにヒモを巻く動作が苦手になり、そんな子 供達でも回し易いコマの開発が求められています。そこでインテ リア研究所は独楽工房 隈本木工所と共同で、裏側にらせん状 の溝を加工しヒモを巻き易くした木製コマの開発に着手しまし 楠本 幸裕 た。コマの加工で使う木工旋盤ではらせん状に加工できないた め、NC制御で複雑な動きが可能な 3Dターニングマシンを業界 ポスター番号 E-5 初導入、らせん加工のプログラムを作成し開発に成功しました。 商品化されたらせんコマ 屋外で長期間使用できる小型LED投光器を開発しました 小型高輝度LED投光器の開発 機械電子研究所 電子技術課 従来照明に比べて発光効率の高いLED照明は、次世代照明 の1つとして期待されています。しかし、大光量のLED照明から 発生する熱は故障や短寿命化、発光効率低下の要因となって います。そこで、本開発では高放熱材料による最適放熱設計を 西村 圭一 行うとともに、光学シミュレーションを用いた照明の最適設計によ り悪環境下でも長時間、性能を損なうことがない小型・軽量な高 ポスター番号 E-6 輝度LED投光器を開発しました。 小型LED投光器 6
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