2010 年 8 月 31 日現在 UW マカオ・プロジェクト 3 投資事業匿名組合マンスリー・レポート第 47 号 当ファンドは、中国・マカオ特別行政区の開発(カジノ街等の建設をメインとする地域開発)お よび経済成長で値上がりが期待できる資産への投資を通じ、その恩恵を享受することを目的としま す。2010 年 8 月末現在における当ファンドの状況を以下に報告いたします。 < フ ァ ン ド 概 要 > 契約期間 2006 年 9 月 22 日∼2011 年 8 月 31 日 (当初契約期間より 2 年延長、 2011 年 8 月 31 日で本匿名組合は終了致します。 ) 途中解約 不可 年 1 回(8 月 31 日決算、11 月中に支払)各事業年度の収益(実現益)から 分配金について 費用を控除した額を分配します。ただし、前年までの損益を通算して損失に なる場合は分配いたしません。 申込総額 4 億 1,390 万円 (出資口数: 4,139 口) < 8 月のファンドコメント > マカオ統計局発表の最新データによると、マカオ居住用不動産の 7 月取引件数は 1,616 件(ユニット 数)となり、4 ヶ月ぶりに活況水準の 2,000 件を割り込み、前年同月比 でも 2009 年 6 月以来のマイナ ス伸び率(−14.63%)となりました。この件数減少の要因を敢えて挙げるとすれば、前年同期が大きく 回復した月であった反動と、50 ㎡で 100 万香港ドルクラスの小型ユニットの取引が減ったことが考えら れます(現地不動産エージェントの話)。後述しますが、中国本土の不動産価格抑制策の影響で、マカ オ不動産市場の上昇トレンドが損なわれ始めている現象ではないと考えます。 中国国家統計局が 9 月 10 日に発表した 8 月の主要 70 都市の不動産販売価格は前年同月比+9.3%で、 伸び率は 4 ヶ月連続で鈍化し、一桁台に縮小してきました(6 月上昇率 11.4%、7 月上昇率 10.3%) 。販 売面積も 8 月は前年同月比−10.1%と前月に続いて二桁の減少幅となりました。また都市別で見ると、 開発地区の海南省海口+46.2%、北京+11.5%等はまだ高い伸びを維持していますが、投機色が強く変動 率が高いとされる広東省深センは+3.7%まで縮小してきており、投機目的の購入はかなり衰えているこ とがわかります。しかし一方で、香港市場に上場している中国本土系不動産会社の一部では、8 月の販 売金額が尚も高水準を維持し、過去最高額を更新するなどしており、これは値下げ販売が活発に行われ て数量が裁けている結果と思われ、依然購入者の潜在的需要はかなり強いと言えそうです。おそらく規 制を緩めるとたちまち価格が跳ね上がることも考えられ、政府は当面、投資抑制策を現状以上のレベル で継続するものと推測します。 一方、前回レポートでもお伝えしたように、中国の投資マネーは、本土の規制を嫌気して、6 月から 香港、マカオの不動産市場に流入している模様です。中国の投資マネーの狙いは、マカオの高級居住用 物件(ユニット)であり、これら物件への引き合いは7月から増加していましたが、8 月はこれら物件 の価格がはっきりと上昇し始めてきました。実際、6、7 月と停滞していた代表的高級居住用物件の評価 額は、8 月に上昇に転じており、今年 5 月の高値水準に接近しています。当ファンドも保有するノバシ ティ物件の実際の売買においても(当ファンドの売買ではない)、売買価額は高位で成立しており、買 い提示額は、活況であった 2007 年後半時の水準を上回って出てきています(ユニットによってバラつ きはあります。)。 8 月のマカオ関連株式は、8 月末発表の中間決算が好内容であったギャラクシーと SJM を除いては冴え ない展開となりました。前月に大幅高となったサンダート株式の 8 月終値は前月末比−3.20%でした。 < 投資先会社 の 状 況 > ■ 2010 年 8 月末日現在 資産別投資割合(投資先会社が保有する資産) 割 合 88.02% マカオ不動産 香港株式 2.12% 短期預け金 4.37% 現金預金 5.49% 短期預け金 4.37% 現金預金等 5.49% 香港株式 2.12% マカオ不動産 88.02% 100.00% 合計 注:3 月末に、現金預金の一部を、マカオ不動産開発事業(開発業者)への間接的な預け金として投資 しています。 ■ 保有するマカオ不動産(2 物件で 5 戸の権利と 4 台分の駐車場) 物件名 物件内容 ノバシティー タイパ島にシュンタックホールディングが開発中の超高級マンションプ (Nova City) ロジェクト。プロジェクトは、約 20∼40 階建てのマンション 15 棟から 構成され、「NOVA TAIPA Project」のフェーズ 2 の開発プロジェクトに あたります。当ファンドは、Tower5 の高層階部分 1 戸と Tower10 の高 層階部分 3 戸を取得しています。 1 戸当り平均価格は約 330 万香港ドル(駐 車場、取得コストは含まず)で、広さは平均して約 140 ㎡のものとなりま す。 フラワー・シティ 超級花城−利賓閣は、タイパ島の、高層コンドミニアムが建ち並ぶ人気 (超級花城−利賓閣) 居住エリアに位置する 35 階建ての高級居住用物件(日本で言うマンショ ン)です。当物件はタイパ島でも屈指の好立地に所在し、周辺にはマカ オ運動競技場と花城公園が隣しています。当ファンドは 27 階の 1 戸(1 ユニット)と駐車場 1 台分を取得しています。ユニットの広さは約 160 平方メートルです。 ■ 保有物件 NovaCity と超級花城の大まかな所在と概観写真(左:NovaCity、右:超級花城) *コタイ地区は、タイパ島とコロアン島との間を埋め立てて出来た東京ドーム 100 個分の広さを有する地区です。 ここにベネチアンが展開する超大型カジノ・リゾートやメルコが手がける複合娯楽施設「シティオブドリームズ」が 開業しています。 ■ 保有する香港上場株式 銘 柄 名 事業内容 香港、マカオを中心に、主にホテル等の商業施設、住宅等の サンダート・インターナショナル(2288) 内装事業を展開する。最近は中東にも進出。2009 年 8 月に香 港市場に上場。 < マカオ経済指標>2010 年 9 月初旬発表 カジノ収益 (1,000MOP) カジノ収益の前年比変化率 旅行者数 (1,000人) 旅行者数の前年比変化率 2010/1月 14,047,605 62.42% 2,046 6.84% 2010/2月 13,534,781 69.38% 2,057 24.37% 2010/3月 13,665,863 42.17% 2,011 6.74% 2010/4月 14,296,438 70.12% 2,111 13.07% 2010/5月 17,164,694 93.41% 2,096 31.74% 2010/6月 13,757,435 64.95% 1,904 30.59% 2010/7月 16,448,061 70.36% 2,162 23.19% 0.13% 1,828 694.78% 3,140,403 949.47% 1,717.94 2.57% 1822 471.16% 1,995,351 435.95% 1,095.14 1.88% 1998 270.00% 2,806,474 372.17% 1,404.64 2.55% 2813 244.73% 6,179,586 530.86% 2,196.80 2.77% 2161 95.57% 4,281,014 270.22% 1,981.03 2.69% 2112 59.28% 3,319,151 103.95% 1,571.57 2.96% 1616 -14.63% 2,642,361 -4.50% 1,635.12 総合CPI指数 (前年比変化率) 居住用不動産取引個数 (ユニット数) 居住用不動産取引個数の前年比変化率 居住者用不動産取引総額 (1,000MOP) 居住者用不動産取引総額の前年比変化率 1ユニット当り不動産取引額 (1,000MOP) ※マカオ統計局発表数値 8 月のカジノ収益は前年同月比約 40%増の 158 億パタカとなり(上記はマカオ統計局発表データで 7 月分まで) 、引き続き高水準で推移していますが、前年月比伸び率としては今年最も低い数字となり ました。最高記録を更新している今年のカジノ収益ですが、ピーク感を指摘する専門家は少ないようで、 6 社のオペレーターは、大小問わず次々とカジノ施設を増やす予定があり、現状は、需要に追いついて おらず、カジノテーブルの数と売上げが明確な比例関係にあると言えそうです。 マカオ統計局は、マカオの第 2 四半期の実質 GDP 成長率が前年同期比+49.1%になったと発表しまし た。この驚異的な数字は、1999 年にマカオが中国に返還されてからの最高記録となります(以前の記 録は、2004 年第 2 四半期の+48.9%)。前年同期が−14.8%であった反動もありますが、過去最高を更新 するカジノ収益に牽引された側面も強く、今年上半期でも 40.2%の成長率を記録しています。これら成 長の副作用としてインフレ率の上昇が懸念されるところですが、2010 年通年のインフレ率は+2.7%の コンセンサス予想があり、当面懸念の必要はなさそうです。 今後注意したいのは、中国政府によるマカオ渡航等に対する規制の更なる厳格化です。カジノ収益の 拡大傾向が顕著になりすぎると、以前のように本土の牽制が入り、最終的には渡航規制が強化される恐 れがあります。現在、実体経済、資産価格とも、一段上離れる状態にあるため、政策による腰折れは避 けたいところです。 <マカオ関連企業の動き> ・メルコ・インターナショナル(200) :CEO はスタンレー・ホー氏の子息であるローレンス・ホー氏。 カジノオペレーションの他に、IT、不動産その他投資部門も手がける。豪クラウン社との共同事業でク ラウン・マカオ、2009 年 6 月開業のシティ・オブ・ドリームズ等を展開。 同社は子会社であるメルコ・クラウンのカジノ収益が貢献し、上半期の純損失が前年比 73%減少したと 発表しました。メルコ・クラウンは、今年 8 月前半までで、マカオでのカジノマーケットシェアが 15% から 19%に増加し、サンズ・チャイナを抜き、SJM に続き 2 番目となった模様です。 ・SJM(8880) :スタンレー・ホー氏率いるマカオ最大のカジノ業者。マカオにある 33 ヶ所のカジノ 施設のうち 20 ヶ所を運営する。 同社の上期純利益は、前年同期比の 3 億 3,800 万香港ドルから 15 億 7 千万香港ドルへと驚異的な増加 となりました。VIP 用のカジノテーブルを 320 から 464 へ増やしたことにより VIP 収益が倍増しまし た。同社は引き続きマカオカジノ業者のトップに君臨し、マーケットシェアを前年上期の 29.6%から 31.8%へ広げました。 ・ギャラクシー(27) :香港-英国資本のカジノ運営会社。 同社の中間決算発表によると、 上半期 EBITDA は前年同期比+91%の 9 億 9,900 香港ドルになりました。 上期の営業収益は前年同期比+61%でしたが、社債買入れに伴う償却損を計上したため、純利益は前年 同期比-55%となりました。同社はマカオでのカジノリゾート開発に追加で 8 億香港ドルを投資すると発 表しています。 <ファンドの運用方針> ファンドの基本姿勢: 主にマカオの不動産資産に投資します。マカオに所在する高級居住用物件(開発中の物件を含む) を中心に投資し、中期で保有後に売却し、収益を得る方針です。マカオ関連の株式にも投資します。 当面の運用方針: 保有する不動産物件の一部または全部売却の機会を見極めていきます。本土の不動産投資規制を嫌 った中国人投資家の資金がマカオ不動産市場に流入し、高級居住用物件(ユニット)が物色されている ことから、保有物件の一部を目先で売却する可能性があります。 マカオ不動産市場の需給バランス、インフラ・大型プロジェクトの進展等に変化はありません。 なお保有物件は転売目的で所有している物件ですが、期間、転売時の影響等から適切と判断される 場合は、期中に賃貸活用も行います。 参考グラフ: Nova City 1平方メートルあたりの価格推移(2008年6月末∼2010年8月末) 45000 40000 35000 30000 25000 2008/6 2008/8 2008/10 2008/12 2009/2 2009/4 2009/6 2009/8 2009/10 2009/12 2010/2 2010/4 2010/6 2010/8 注:1 ㎡当り価格は、評価会社による Nova City 標準物件の月次評価から算出しています。 ※ 当資料は、UW マカオ・プロジェクト 3 投資事業匿名組合の出資者に対し、運用状況等の開示 を目的とした情報提供を行うために株式会社 UW マカオ・プロジェクト 3(営業者)が作成し たものです。金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。また、当資料をもって募集・ 販売を行うものではありません。 ※ 当ファンドの過去の運用実績は、将来の成果を保証するものではありません。 ※ 当ファンドは、外国の不動産、株式等の価格変動を収益源とし、元本が保証されているもので はありません。投資した資産の価値の減少を含むリスクは、出資者が負うことになります。
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