非破壊評価総合展2009 「検査とメンテナンスの情報交流プラザ」 コンクリート強度、 表層品質(耐久性)について 2009年11月19日 (独)土木研究所 森濱 和正 内 容 コンクリート構造物の品質確認、維持管理 強度、表層品質の重要性 ○ 検査 • 強度 設計通りか 耐荷力の確保 • 表層品質 耐久性の確保 緻密か 鉄筋コンクリート 力学的には、圧縮をコンクリート、引張を鉄筋 耐久性は、鉄筋の酸化をコンクリートが保護 圧縮 非破壊試験 継続して測定 引張 ○今後の展開 検査結果を点検へ 鉄筋 粘り強くなる さびる(耐久性) コンクリートの鉄筋保護 国交省 最近の管理・検査項目の追加 間接的なプロセス管理 直接的な構造体検査 管理・検査項目 W/Cの制限 変状把握 強度の管理 単位水量確認 配筋・かぶり 厚さ管理・検査 強度管理・検査 通達 01.3 03.10 05.5 06.9 試験方法 55%以下 ひび割れ調査 リバウンドハンマ 10種の試験方法 レーダ 電磁誘導 微・非破壊5種類 目的 耐久性 耐久性 耐荷力 耐久性 耐久性 耐荷力 表層の緻密性 今後、耐久性にとって重要 非破壊・微破壊試験による強度の検査 強度の推定原理 従来:円柱供試体 構造体コンクリート強度ではない 非破壊・微破壊試験による構造体コンクリートの 強度試験方法、検査方法の確立 ① 強度試験方法の成立条件 ② 測定精度 ③ 判定基準(省略) 非破壊・微破壊試験による強度・耐久性試験 分 試験 類 方法 非 超音波 破 壊 衝撃弾性波 リバウンドハンマ 微 ボス供試体 破 壊 小径コア 引抜き 破壊 標準コア − 円柱供試体 損傷 補 繰 強度推定 耐久性 修 返 方法 精度 評価 な し 微 表層の 可 換 ○ 耐久性 算 不 式 △ − 要 耐久性 標準 浅・広 不 コアと ◎ モニタリング 深・小 耐久性 可 1:1 必 深・広 換算 ○ ー 要 深・広 比較対象 構造体コンクリート品質ではない 非破壊試験による強度試験 ① 強度を推定するための指標 ② 構造体コンクリートの指標の測定方法 ③ 指標から強度を推定する(強度推定式) 国土交通省で採用している方法(3種類) 超音波法 衝撃弾性波法 土研法 iTECS法 表面2点法 指標:弾性波速度と構造体の測定:表面法 表面走査法 鉄筋 構造体の弾性波速度の測定方法 透過法から表面法へ 測線 表 面 法 伝搬時間の測定 コンクリート内部の 音速分布 音速 見かけの音速 コンクリート表層の耐久性評価 内部一定音速 強度推定 L1 探触子間隔 発信 探触子 受信 探触子 透過法 コンクリート表面からの距離 強度推定式(円柱の音速)の求め方 L 衝撃弾性波(表面2点法) P 発信探触子 受信探触子 圧縮強度 伝搬時間t 音速=L/t 圧縮強度 透過法による 平均的な音速 Fc=P/A 推定強度 内部一定音速 音速 衝撃弾性波法(表面2点法)の強度推定結果 70 構造物 A 構造物 B 構造物 C 構造物 D 構造物 E ±10%範囲 ±15%範囲 2 推定強度(N/mm ) 60 50 40 国土交通省で採用している2種類の方法と 強度試験の成立条件 小径コア ボス供試体 30 20 10 0 0 10 20 微破壊試験による強度試験 30 40 50 2 コア強度(N/mm ) 60 70 小径コアの成立条件 寸法効果 小径コア Φ100mmコア 小径コア採取状況 70 小径コア Φ25mm 小径コア:Φ25mm 圧縮強度(MPa) Φ100mmコア N18 N30 N45 BB30 材齢28日 60 50 40 30 20 0 写真4.1 φ100mmコアと小径コア 25 50 75 コア径(mm) 100 小径コア 強度試験結果 ボス供試体 70 y=0.98x+4.78 R2 =0.87 60 50 40 30 試験体: L型試験体 ボックス試験体 20 10 0 0 20 40 60 80 φ100mmコアの圧縮強度(N/mm 2 ) ボス供試体の強度試験結果 コンクリート構造物の主な劣化現象 160 2 コア強度fcB (N/mm ) 小径コアの圧縮強度(N/mm 2 ) 80 140 □100 f cB=1.0061fB- 0.985 −(4) 120 R =0.974 2 f c≒1.0f B-1.0 −(5) 100 □100 □75 80 60 □75 f cB= 0.9594f B- 0.338 −(6) 40 2 R =0.847 20 fc=1.0fB −2.0 −(7) 0 0 20 40 60 80 100 120 140 160 2 ボス強度f B(N/mm ) 1.容積変化(自己収縮,乾燥収縮) 2.ひび割れ・はく離・はく落 3.中性化・炭酸化 炭酸ガス 4.凍害(凍結融解作用) 5.塩害(鉄筋の腐食) 塩化物イオン 6.電食(鉄筋の腐食) 7.表面劣化(汚れ) 8.アルカリ骨材反応 9.化学的劣化 10.長期劣化(リーチング) 耐久性(表層品質) 鉄筋腐食の原因と試験項目 80 コンクリート表面 中性化 深さ かぶり 厚さ さび 塩化物イオン 浸透深さ 鉄筋 砂利 砂 セメント 巻き込まれた空気 空 連行空気 骨材下面の空隙 毛細管空隙 ゲル空隙 1 nm 101 102 20 セメント 砂 (細骨材) 砂利 (粗骨材) 103 104 1 101 μm 105 102 1 2 14 13 15 16 106 103 1 107 104 101 mm 連行空気 巻込空気 ブリーディング 水 水 結合水 水和 セメント セメント (a) 材料の構成 (b) 混合直後 材 隙 40 連行空気 巻込空気 0 アルカリ部分 料 60 空気 水 悪影響 ‐ 積 (%) Cl 容 CO 2 モルタル O 22 100 コンクリート H 2O 表層の緻密性 セメント ペースト かぶりの確保 コンクリートは何から作られ、固まるとどうなるか 未水和 セメント (c) 硬化後 緻密性の検査・点検の課題と問題点 表層と内部の品質の違い(音速分布) 区分 4500 4000 L上 L中 L下 3500 Vo 3000 0 50 100 表面からの距離(mm) L1 150 非 破 壊 微 破 壊 ドリル法 破壊 小径コア 標準コア 衝撃弾性波(接触時間)による緻密性評価 評価対象 緻密性(間接的) 透気性 塩化物イオン量・深さ 中性化・塩化物モニタリング 中性化深さ 塩化物イオン量 透気・透水 中性化・塩化物イオン 各種試験 深さ変化 深さ分布 表面 深さの 平均 接触時間と中性化抵抗性 N18 2 中性化速度係数 音速(m/s) V1 試験方法 超音波 衝撃弾性波 トレント法 電磁波レーダ ボス供試体 インパクター 接触時間 測定波形 0.2 0.3 時間(ms) 0.4 表層の緻密性 平均 153μs N30 N60 1.5 BB24 1 相関係数 0.5 0 100 0.1 N24 110 0.5 接触時間 145μs 142μs 透気試験 (トレント法) 120 130 140 接触時間(μ秒) 0.96 150 小径コアによる中性化深さ 透気係数と評価 極劣 劣 一般 良 優 小径コアによる中性化深さ測定値(mm) 35 y=1.0354x-0.3929 R2=0.7554 30 25 20 15 10 5 0 0 小径コアによる塩化物イオン量 5 10 15 20 25 φ100mmアによる中性化深さ測定値(mm) ボス供試体の中性化深さ 1.2 40 小型試験体及び□100角柱供試体 の中性化化深さ (mm) 全塩化物イオン量(%): 小径(混合数4) 30 1 0.8 0.6 y = 0.8907x 0.4 2 R = 0.9435 0.2 □100角柱供試体との回帰式 y=0.9228+0.3757 2 R =0.987 30 20 小型試験体 □100角柱供試体 10 小型試験体との回帰式 y=0.8852+0.5878 R2=0.978 0 0 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 10 20 30 40 ボス供試体の中性化深さ (mm) 全塩化物イオン量(%):φ100mmコア ボス供試体による塩分浸透深さ・量 まとめ コンクリートの強度、表層品質の確認の必要性と、 主な非破壊・微破壊試験方法について紹介 3 小型試験体の塩化物イオン量 (Cl kg/m ) 25 - 小型試験体の塩化物イオン浸透深さ (mm) 30 40 30 20 y=1.094x−1.316 R 2 =0.977 10 ○ 検査への適用が始まっている 20 ◇ 今後、維持管理のため、点検への適用が重要 15 10 国土交通省で採用している各強度試験方法の要領 土研HP y=1.013X+0.506 R 2 =0.910 5 0 0 0 10 20 30 40 ボス供試体の塩化物イオン浸透深さ (mm) 0 5 10 15 20 25 - 30 3 ボス供試体の塩化物イオン量 (Cl kg/m ) 試 験 微 ボス供試体 破壊 小径コア 法 超音波試験(土研法) 非 衝撃弾性波試験(iTECS法) 破壊 衝撃弾性波試験(表面2点法) 問い合わせ先 戸田建設 ソフトコアリング協会 土木研究所 iTECS技術協会 三井住友建設
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