(57)【要約】 【課題】 変異ナイセリアオリゴ糖構造を合成する - Questel

JP 2005-296022 A 2005.10.27
(57)【 要 約 】
【課題】 変異ナイセリアオリゴ糖構造を合成するナイセリア株、該ナイセリア株から調
製された変異ナイセリアオリゴ糖構造を含むワクチン調製物、該変異ナイセリアオリゴ糖
構造の製造方法、及び該ワクチン調製物の製造方法を提供すること。
【解決手段】 LgtA、LgtB、LgtC、LgtD、及びLgtEからなる群から
選ばれるグリコシルトランスフェラーゼをコードする読み枠を有するナイセリア株から、
該読み枠が欠失しており、該グリコシルトランスフェラーゼを発現しないナイセリア株、
該ナイセリア株から調製された変異ナイセリアオリゴ糖構造を含むワクチン調製物、該変
異ナイセリアオリゴ糖構造の製造方法、及び該ワクチン調製物の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
LgtA、LgtB、LgtC、LgtD、及びLgtEからなる群から選ばれるグリ
コシルトランスフェラーゼをコードする読み枠を有するナイセリア株から、該読み枠が欠
失しており、該グリコシルトランスフェラーゼを発現しないナイセリア株。
【請求項2】
ナイセリア株に対して有効なワクチン調製物であって、該調製物が、請求項1記載のナ
イセリア株から調製された変異ナイセリアオリゴ糖構造を含むことを特徴とする上記ワク
チン調製物。
【請求項3】
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変異ナイセリアオリゴ糖構造の製造方法であって、LgtA、LgtB、LgtC、L
gtD、及びLgtEからなる群から選ばれるグリコシルトランスフェラーゼをコードす
る読み枠をナイセリア株から欠失させる工程、及び該株から変異ナイセリアオリゴ糖構造
を製造する工程を含むことを特徴とする上記変異ナイセリアオリゴ糖構造の製造方法。
【請求項4】
ナイセリア株に対して有効なワクチン調製物の製造方法であって、LgtA、LgtB
、LgtC、LgtD、及びLgtEからなる群から選ばれるグリコシルトランスフェラ
ーゼをコードする読み枠をナイセリア株から欠失させる工程、該株から変異ナイセリアオ
リゴ糖構造を製造する工程、及び該変異ナイセリアオリゴ糖構造をワクチン調製物中に処
方する工程を含むことを特徴とする上記ワクチン調製物の製造方法。
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【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本 発 明 に 導 い た こ の 研 究 は 、 部 分 的 に パ ブ リ ッ ク ヘ ル ス サ ー ビ ス (Public Health Servi
ce)か ら の 承 認 番 号 AI-10615に 基 づ く 基 金 に よ り 支 援 さ れ た 。 従 っ て 、 こ の 行 政 機 関 は 、
本発明の権利の一部を所有することができる。
発明の分野
本発明は、オリゴ糖の生合成のために有用なグリコシルトランスフェラーゼ、このよう
なグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子および該酵素を製造するための組み
換え法、並びに該方法によって製造したオリゴ糖に関するものである。
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【背景技術】
【0002】
ナ イ セ リ ア お よ び リ ポ − オ リ ゴ 糖 (LOS)
ナイセリア種は、一般的に多くの哺乳動物宿主中に棲息するが、人類はこの種の構成員
に よ る 侵 襲 性 の 疾 患 に 罹 患 す る 唯 一 の 種 で あ る 。 ナ イ セ リ ア メ ニ ン ジ テ ィ デ ィ ス (Neisser
ia meningitidis)は 、 流 行 性 疾 患 と し て 発 生 す る 可 能 性 の あ る 敗 血 症 お よ び 髄 膜 炎 に 対 す
る 病 因 学 的 因 子 で あ る 。 ナ イ セ リ ア ゴ ノ ロ ア エ (Neisseria gonorrhoeae)は 、 淋 病 ま た は
その種々の合併症の原因因子である。これらの生物、特に淋菌は、その表面に露出した分
子 の 抗 原 性 の ア レ イ 、 特 に そ の 接 着 性 の 線 毛 お よ び 混 濁 − 関 連 (opa)タ ン パ ク を 、 著 し く
巧みに変更することが立証されている。この線毛の変更に関する遺伝的メカニズム(メイ
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ヤ ー (Meyer)等 , Cell, 1982, 30:45;ハ ー ス & メ イ ヤ ー (Haas and Meyer), Cell 1986, 44
:107;ク ー ミ ー (Koomey)等 , Genetics, 1987, 117:391;ス ワ ン ソ ン & ク ー ミ ー (Swanson an
d Koomey), Americal Society for Microbiology,ワ シ ン ト ン , 743-761)お よ び opa タ ン
パ ク の 発 現 (ス タ ー ン (Stern)等 , Cell, 1986, 47:61;メ イ ヤ ー (Meyer)等 , Ann. Rev. Mic
robiol., 1990, 44:451; バ ッ ト (Bhat)等 , Molec. Microbiol., 1991, 5:1889)は 、 十 分
に 理 解 さ れ て い る 。 そ の 他 の グ ラ ム 陰 性 バ ク テ リ ア と 同 様 に 、 ナ イ セ リ ア ssp.は 、 そ の 外
皮 の 葉 状 体 中 に LPS を も つ 〔 ジ ョ ン ス ト ン & ゴ ッ ト シ ュ リ ッ ヒ (Johnston and Gotschlich
), J. Bacteriol., 1974, 119:250)。
【0003】
多 く の 腸 内 バ ク テ リ ア 中 に 見 ら れ る 、 繰 り 返 し O-鎖 を も つ 高 分 子 量 LPS と は 対 照 的 に 、
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ナ イ セ リ ア ssp.の LPS は 、 中 程 度 の サ イ ズ を 有 し 、 従 っ て し ば し ば リ ポ オ リ ゴ 糖 ま た は LO
S と 呼 ば れ て い る 。 LOS の 分 子 サ イ ズ は 、 サ ル モ ネ ラ (Salmonella)ssp.の 粗 製 LPS 変 異 体
中に見られるものと類似するが、この物質はかなりの抗原的多様性を有する。髄膜炎菌の
場 合 、 血 清 学 的 型 決 定 法 が 開 発 さ れ 、 該 方 法 は 菌 株 を 12の 免 疫 型 に 区 分 す る 〔 ゾ リ ン ガ ー
& マ ン ド レ ル (Zollinger and Mandrell), Infect. Immun., 1977, 18:424; ゾ リ ン ガ ー &
マ ン ド レ ル (Zollinger and Mandrell), Infect. Immun., 1980, 28:451) 。 髄 膜 炎 菌 LPS
の 構 造 の か な り 完 全 な 理 解 ( 最 近 の 概 説 : バ ー ヒ ュ ー ル (Verheul)等 , Microbiol. Rev.,
1993, 57:34) は ジ ェ ニ ン グ ズ & そ の 共 同 研 究 者 の 研 究 に よ る も の で あ っ た (ジ ェ ニ ン グ ズ
(Jennings)等 , Carbohyd. Res., 1983, 121:233;ミ シ ョ ン (Michon)等 , J. Biol. Chem.,
1990, 265:7243; ガ ミ ア ン (Gamian)等 , J. Biol. Chem., 1992, 267:922; パ ブ リ ア ク (Pa
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vliak)等 , J. Biol. Chem., 1993, 268:14146)。 ナ イ セ リ ア ゴ ノ ロ ア エ の 場 合 に は 、 抗 原
的変質性は非常に顕著であって、血清学的な分類では捕らえどころのないものである。一
部 に は 、 こ れ は 特 定 の 菌 株 に よ り 合 成 さ れ た LOS の 異 質 性 に よ る も の で あ り 、 LOS の 調 製
物 は し ば し ば 間 隔 の 近 接 し た 数 個 の SDS-PAGEに よ る バ ン ド を 含 む (マ ン ド レ ル (Mandrell)
等 , Infect. Immun., 1986, 54:63)。 更 に 、 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を 使 用 し た 研 究 は 、 淋 菌
が そ の 発 現 す る LOS の 血 清 学 的 特 徴 を 変 え る こ と が で き 、 か つ こ の 抗 原 的 な 変 化 が 10-2∼
10-3の 頻 度 で 発 生 す る こ と を 示 し て お り 、 こ の こ と は 、 こ れ ら の 高 頻 度 の 変 異 を 達 成 す る
に は 、 あ る 遺 伝 的 メ カ ニ ズ ム の 存 在 が 必 要 で あ る こ と を 意 味 し て い る 〔 シ ュ ナ イ ダ ー (Sch
neider)等 , Infect. Immun., 1988, 56:942;ア ピ セ ラ (Apicella)等 , Infect. Immun., 19
87, 55:1755)。
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【0004】
淋 菌 に よ り 生 成 さ れ る LOS の 分 子 的 異 質 性 お よ び 抗 原 的 変 化 の た め に 、 こ の 抗 原 の 構 造
化学的な決定は、困難であることが立証されており、極めて精巧な分析に基づく決定的な
情 報 は 、 極 最 近 に な っ て 初 め て 入 手 で き る よ う に な っ た 〔 ヤ マ サ キ (Yamasaki)等 , Bioche
mistry, 1991, 30:10566; カ ー ウ ッ ド (Kerwood)等 , Biochemistry, 1992, 31:12760;ジ ョ
ン (John)等 ,. Boil. Chem., 1991, 266:19303; ギ ブ ソ ン (Gibson)等 , J. Bacteriol., 19
93, 175:2702)。 こ れ ら を 図 1 に ま と め た 。 特 に 興 味 深 い の は 、 四 糖 Galβ 1 → 4 GlcNAc
β 1 → 3Galβ 1 → 4Glcβ 1 → 4 の 存 在 で あ り 、 こ れ は ス フ ィ ン ゴ 脂 質 パ ラ グ ロ ボ シ ド の ラ
ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス の 完 全 な 模 倣 体 で あ る 〔 マ ン ド レ ル (Mandrell)等 , J. Ex. Med
., 1988, 168:107; ツ サ イ & シ ビ ン (Tsai and Civin), Infect. Immun., 1991, 59:3604)
30
。 LOS に お い て 、 こ の 四 糖 は し ば し ば 付 随 的 な N-ア セ チ ル ガ ラ ク ト ー ス ア ミ ン 残 基 (GalNA
cβ 1 → 3Galβ 1 → 4 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glcβ 1 → 4)を 有 し 、 従 っ て ガ ン グ リ オ シ
ドに類似している。淋菌の幾つかの菌株においては、交互の側鎖が見られ、これは構造 G
alα 1 → 4Galβ 1 → 4Glcβ 1 → 4hep→ Rを 有 す る 〔 ジ ョ ン (John)等 , J. Biol. Chem., 19
91, 266:19303)。 こ れ は グ ロ ボ − グ リ コ リ ピ ッ ド の 糖 部 分 の 類 似 体 〔 マ ン ド レ ル (Mandrel
l)等 , Infect. Immun., 1992, 60:3017]で あ り 、 か つ ナ イ セ リ ア メ ニ ン ジ テ ィ デ ィ ス の 免
疫 型 L1中 に 特 徴 的 に 見 ら れ る 構 造 で あ る 。
【0005】
該 LOS 分 子 は 幾 つ か の 生 物 学 的 活 性 を も つ 。 副 腎 皮 質 の 壊 死 に 関 与 す る 毒 素 で あ る と 考
えられている、強力な内毒素分子である。これらは、正常なまたは回復期にあるヒトの血
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清 中 に 存 在 す る 殺 菌 活 性 の 殆 ど に つ い て の タ ー ゲ ッ ト 抗 原 と し て 作 用 す る 〔 ラ イ ス (Rice)
等 , J. Immunol., 1980, 124:2105]。 淋 菌 は 、 極 め て 馴 染 み の う す い シ ア リ ル ト ラ ン ス フ
ェ ラ ー ゼ 活 性 を も ち 、 該 活 性 は 、 外 部 か ら 供 給 さ れ た CMP-NANAの 使 用 を 可 能 と し 、 か つ 該
生 物 の 表 面 上 の LOS に N-ア セ チ ル ノ イ ラ ミ ン 酸 を 付 加 す る こ と を 可 能 と す る 〔 ネ ル ン (Nai
rn)等 , J. Gen. Microbiol., 1988, 134:3295; パ ー ソ ン ズ (Parsons)等 , Microb. Pathog
., 1989, 7:63;マ ン ド レ ル (Mandrell)等 , J. Ex. Med., 1990, 171:1649]。 第 B お よ び C
群 髄 膜 炎 菌 は CMP-NANAを 合 成 す る 能 力 を も ち 、 か つ し ば し ば 外 因 性 の CMP-NANAを 必 要 と せ
ず に 、 そ の LOS を シ ア リ ル 化 す る 〔 マ ン ド レ ル (Mandrell)等 , J. Bacteriol., 1991, 173
:2823]。 ナ イ セ リ ア メ ニ ン ジ テ ィ デ ィ ス 菌 株 6275免 疫 型 L3に お い て 、 そ の シ ア ル 酸 単 位 は
ラ ク ト − N-ネ オ テ ト ラ オ ー ス の 末 端 Gal に 結 合 (α 2 → 3)し て い る 〔 ヤ マ サ キ (Yamasaki)
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等 , J. Bacteriol., 1993, 175:4565]。
【0006】
種 々 の 宿 主 環 境 中 に 見 出 さ れ る CMP-NANAの 濃 度 は 、 こ の 反 応 を 維 持 す る の に 十 分 で あ る
〔 ア ピ セ ラ (Apicella)等 , J. Infect. Dis., 1990, 162:506〕 。 こ の LOS の シ ア リ ル 化 に
よ っ て 、 淋 菌 は 血 清 の 抗 体 − 補 体 依 存 性 殺 菌 作 用 に 対 し て 抵 抗 性 と な る 〔 パ ー ソ ン ズ (Par
sons)等 , Microb. Pathog., 1989, 7:63]。 こ の 耐 性 は 、 LOS に 対 す る 抗 体 に よ り 媒 介 さ
れる上記殺菌作用に対してばかりでなく、他の表面抗原に対するものにも作用する〔ベッ
ツ ラ ー (Wetzler)等 , Infect. Immun., 1992, 60:39]。 フ ァ ン プ ッ テ ン (van Putten)は 、
淋 菌 の CMP-NANAに 対 す る 暴 露 が 、 組 織 培 養 物 中 の 上 皮 細 胞 に 侵 入 す る 該 菌 の 能 力 を 顕 著 に
減 ず る こ と を 立 証 し た 〔 フ ァ ン プ ッ テ ン (van Putten), EMBO J., 1993, 12:4043〕 。 こ れ
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ら の 発 見 は 、 該 LOS の 化 学 的 性 質 を 変 え る 淋 菌 の 能 力 が 、 こ れ ら に 、 異 な る 宿 主 環 境 に 対
処 す る 能 力 を 与 え る こ と を 強 く 示 唆 し て い る 〔 マ ン ド レ ル & ア ピ セ ラ (Mandrell and Apic
ella), Immunobiology., 1993, 187:382〕 。
【0007】
多 分 最 も 効 果 的 な こ と に 、 LOS 変 化 は 人 類 の 感 染 中 の 、 イ ン ビ ボ に お い て 選 別 さ れ た こ
と が 分 か っ て い る 。 十 分 に 特 徴 付 け さ れ た 淋 菌 の 実 験 用 菌 株 MS11mk変 異 体 A を 、 志 願 者 に
接 種 す る の に 使 用 し た 〔 ス ワ ン ソ ン (Swanson)等 , J. Ex. Med., 1988, 168:2121] 。 4 ∼
6日の期間内に感染した2名の対象において、その尿中に回収された淋菌群は、抗原的に
異 な る LOS を 発 現 す る 2 種 の 変 異 体 に 徐 々 に 変 化 し た 〔 シ ュ ナ イ ダ ー (Schneider)等 , J.
Ex. Med., 1991, 174:1601]。 構 造 解 析 は 、 接 種 さ れ た 変 異 体 A が 、 Heplに 結 合 し た β −
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ラ ク ト シ ル 基 の み を 含 む 切 頭 LOS を 生 成 し 、 一 方 で 新 た に 発 生 し た 変 異 体 の 一 方 ( 変 異 体
C ) は 、 完 全 な LOS を 生 成 し た 〔 カ ー ウ ッ ド (Kerwood)等 , Biochemistry, 1992, 31:1276
0〕 。 こ の 事 実 は 、 付 随 的 な 糖 GalNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4 GlcNAcβ 1 → 3 の 添 加 が 、 フ レ
ーム変異メカニズムの制御下にあると考えられる、ことを示唆している。
【0008】
ナ イ セ リ ア 中 の LOS 合 成 遺 伝 子 に 関 す る 情 報 は 殆 ど 入 手 で き な い 。 主 な 進 展 は 淋 菌 菌 株
1291の 5 種 の ピ オ シ ン 変 異 体 ( 1291a-e と 呼 ぶ ) の 、 創 製 〔 デ ュ ダ ス & ア ピ セ ラ (Dudas a
nd Apicella), Infect. Immun., 1988, 56:499〕 お よ び 生 化 学 的 特 徴 つ け 〔 ジ ョ ン (John)
等 , J. Biol. Chem., 1991, 266:19303]で あ っ た 。 免 疫 学 的 お よ び 生 化 学 的 デ ー タ は 、 12
91a、 1291c、 1291d お よ び 1291e が 、 短 縮 さ れ た ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス 鎖 配 列 を も
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つ LOS を 製 造 し 、 変 異 体 1291e が 該 ヘ プ ト ー ス 上 の グ ル コ ー ス 置 換 を も た な い こ と を 示 し
た 。 変 異 体 1291b は も う 一 つ の LOS 構 造 : Galα 1 → 4Galβ 1 → 4Glc( 図 1 参 照 ) を 合 成
す る 。 変 異 体 1291e の 遺 伝 子 的 基 礎 の み が 現 在 明 ら か に さ れ て い る 。 こ れ は 、 ホ ス ホ グ ル
コ ム タ ー ゼ (pgm)の 変 異 で あ り 、 後 者 は UDP-グ ル コ ー ス の 合 成 を 、 結 果 と し て 該 ラ ク ト -Nネ オ テ ト ラ オ ー ス 単 位 の 第 一 残 基 の 付 加 を 妨 害 す る 〔 ゾ ウ (Zhou)等 , J. Biol. Chem., 1
994, 269:11162; サ ン ド リ ン & ス テ イ ン (Sandlin and Stein), J. Bacteriol., 1994, 17
6:2930〕 。 ま た 、 髄 膜 炎 菌 ま た は 淋 菌 の galE変 異 体 が 、 UDP-ガ ラ ク ト ー ス の 非 − 合 成 能 を
保 持 し つ つ 、 切 頭 LOS を 生 成 す る こ と を も 示 し て い る 〔 ロ バ ー ト ソ ン (Robertson)等 , Mol
ec. Microbiol., 1993, 8:891; ジ ェ ニ ン グ ズ (Jennings)等 , Molec. Microbiol., 1993,
10:361]。
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【0009】
オリゴ糖の生合成 オリゴ糖は種々の残基数、結合およびサブユニットをもつポリマー
である。基本的なサブユニットは、炭水化物の単糖または糖、例えばマンノース、グルコ
ー ス 、 ガ ラ ク ト ー ス 、 N-ア セ チ ル グ ル コ ー ス ア ミ ン 、 N-ア セ チ ル ガ ラ ク ト ー ス ア ミ ン 等 で
ある。異なる可能な立体異性オリゴ糖鎖の数は莫大な値である。
オリゴ糖および多糖は、半減期調節剤として機能して、および幾つかの場合においては
構造を与えることにより、タンパク機能および活性において重要な役割を演ずる。上に指
摘したように、オリゴ糖は、ナイセリア、特に淋菌の抗原的な変化、および結果としての
免疫忌避にとって必須である。
【0010】
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炭水化物の合成のための多数の古典的な技術が開発されているが、これらの技術に対し
ては、選択的な保護および脱保護を要求することは困難である。オリゴ糖の有機合成は、
更に多くのグリコシド結合の不安定性、位置選択的な糖結合を達成することの困難性、お
よび一般的に低い合成収率によって妨害される。簡単にいえば、ペプチド合成についての
経験とは違い、伝統的な合成有機化学は、かなり単純なオリゴ糖でさえも、定量的かつ高
信頼度でこれを合成することは不可能である。
オリゴ糖の合成における最近の進歩は、グリコシルトランスフェラーゼの単離について
な さ れ た 。 こ れ ら 酵 素 を イ ン ビ ト ロ で 使 用 し て 、 オ リ ゴ 糖 お よ び 多 糖 を 合 成 で き る (例 え
ば 、 1993年 1 月 19日 付 け の 、 ロ ス (Roth)の 米 国 特 許 第 5,180,674号 を 参 照 の こ と )。 グ リ コ
シルトランスフェラーゼを用いた生合成の利点は、これら酵素により形成されるグリコシ
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ド結合が著しく立体並びに位置特異的である点にある。しかしながら、各酵素は特定の糖
残基の、他の特定のアクセプタ分子、例えばオリゴ糖または脂質への結合を触媒する。か
くして、所定のオリゴ糖の合成はグリコシルトランスフェラーゼの入手可能性によって制
限 さ れ て い る 可 能 性 が あ る (1993年 7 月 8 日 付 け の 、 ロ ス の 国 際 特 許 出 願 WO 93/13198 を
参 照 の こ と )。
【0011】
生合成のもう一つの欠点は、該グリコシルトランスフェラーゼ自体が、通常は細胞中に
かなり低含有率でしか存在しないことである。該酵素を工業的な実施を可能とする程に十
分な量であることは困難である。
従って、当分野では、グリコシルトランスフェラーゼに対する大きな需要がある。更に
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、組み換え技術によるグリコシルトランスフェラーゼの制限のない源を提供するために、
このようなグリコシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子に対する需要もある。
本明細書におけるあらゆる参考文献の引用は、かかる参考文献が、本発明の従来技術と
して入手できることの許諾であると理解すべきではない。
【0012】
発明の概要
本発明は、グリコシルトランスフェラーゼをコードする核酸、これによってコードされ
たタンパク、および該本発明のグリコシルトランスフェラーゼを利用した、オリゴ糖の合
成方法を提供することを目的とする。従って、一局面においては、本発明は中程度に厳密
な 条 件 下 で 、 ナ イ セ リ ア の LOS 遺 伝 子 座 に 対 応 す る 核 酸 、 例 え ば 図 2 に 示 さ れ た ヌ ク レ オ
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チ ド 配 列 (SEQ ID NO:1)に 相 当 す る ま た は こ れ と 相 補 的 な ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を も つ 核 酸 と
ハ イ ブ リ ッ ド 化 で き る 、 精 製 さ れ た 核 酸 を 提 供 す る 。 好 ま し く は 、 本 発 明 の 該 核 酸 は 該 LO
S 遺伝子座の遺伝子のコード配列部分、即ち機能的に活性なグリコシルトランスフェラー
ゼ を コ ー ド す る 図 2 に 示 さ れ た ヌ ク レ オ チ ド 配 列 (SEQ ID NO:1)の 一 部 と ハ イ ブ リ ッ ド 化
される。
【0013】
特定の態様においては、本発明は機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼをコー
ド す る 図 2 に 示 さ れ た ヌ ク レ オ チ ド 配 列 (SEQ ID NO:1)の 一 部 に 相 当 す る ま た は こ れ と 相
補的なヌクレオチド配列をもつ核酸に関する。更なる局面において、該核酸は機能的に活
性なグリコシルトランスフェラーゼをコードする。
40
特 定 の 一 態 様 に お い て は 、 本 発 明 は 図 2 に 示 さ れ た ヌ ク レ オ チ ド 配 列 (SEQ ID NO:1)に
相当するまたはこれと相補的なヌクレオチド配列をもつ核酸を提供することを意図する。
本発明の該機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼは、以下の群から選択される
反応を触媒することにより特徴付けられる。
Gal β 1 → 4 の GlcNAcま た は Glc へ の 付 加 ;
GalNAcま た は GlcNAcβ 1 → 3 の Gal へ の 付 加 ; お よ び
Gal α 1 → 4 の Gal へ の 付 加 。
最も好ましくは、この核酸は、機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼをコード
す る 。 し か し な が ら 、 本 発 明 の 該 核 酸 は 、 ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 (PCR)用 の プ ラ イ マ ー と
して有用な、またはグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の転写のレベルおよびその存在
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確認のためのプローブとして有用な、オリゴヌクレオチドを含む。
【0014】
本 明 細 書 で 具 体 化 す る 特 定 の 態 様 に お い て 、 該 核 酸 は SEQ ID NO:3 、 SEQ ID NO:4 、 SE
Q ID NO:5 、 SEQ ID NO:6 ま た は SEQ ID NO:8 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン
スフェラーゼをコードする。
本発明は、更に機能可能に発現制御配列と結合した、本発明のグリコシルトランスフェ
ラーゼをコードする核酸を含む、発現ベクターにも関連する。従って、本発明はこのよう
な発現ベクターによって形質転換された、組み換え宿主細胞にも及ぶ。
もう一つの局面においては、本発明はグリコシルトランスフェラーゼの製造方法にも関
連し、該方法は該グリコシルトランスフェラーゼの発現を可能とする条件下で、該組み換
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え宿主細胞を培養する工程と、該発現されたグリコシルトランスフェラーゼを回収する工
程とを含む。
第 一 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は SEQ ID NO:3 、 SEQ ID NO:4 、 SEQ ID NO:5 、 SEQ ID N
O:6 ま た は SEQ ID NO:8 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 そ の 機
能的に活性なフラグメントの提供を意図する。
本発明は、更に固相担体に結合したグリコシルトランスフェラーゼを含有する組成物も
意 図 し 、 こ こ で 該 グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ は 、 SEQ ID NO:3 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す
る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 ま た は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト 、 SEQ ID NO:
8のアミノ酸配列を有するグリコシルトランスフェラーゼ、またはその機能的に活性なフ
ラ グ メ ン ト 、 SEQ ID NO:4 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 ま た
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は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト 、 お よ び SEQ ID NO:5 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ
シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 ま た は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト 、 並 び に SEQ ID NO:6
のアミノ酸配列を有するグリコシルトランスフェラーゼ、またはその機能的に活性なフラ
グメントからなる群から選ばれる。
【0015】
新規なグリコシルトランスフェラーゼおよびこれらをコードする遺伝子が提供されたの
で、本発明は更にオリゴ糖、例えば2またはそれ以上の糖を調製する方法をも提供する。
特 定 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 活 性 化 さ れ た GalNAcま た は GlcNAcを 含 有 す る 反 応 混 合 物
を 、 SEQ ID NO:3 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Ga
l 残 基 を 含 有 す る ア ク セ プ タ 部 分 と 接 触 さ せ る 工 程 を 含 む 、 GalNAcま た は GlcNAcβ 1 → 3
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を Gal に 付 加 す る 方 法 ; 活 性 化 さ れ た Gal を 含 有 す る 反 応 混 合 物 を 、 SEQ ID NO:8 の ア ミ
ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 GlcNAcま た は Glc 残 基 を 含
有 す る ア ク セ プ タ 部 分 と 接 触 さ せ る 工 程 を 含 む 、 Galβ 1 → 4 を GlcNAcま た は Glc に 付 加
す る 方 法 ; 活 性 化 さ れ た Gal を 含 有 す る 反 応 混 合 物 を 、 SEQ ID NO:4 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有
す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal 残 基 を 含 有 す る ア ク セ プ タ 部 分 と 接
触 さ せ る 工 程 を 含 む 、 Galα 1 → 4 を Gal に 付 加 す る 方 法 ; 活 性 化 さ れ た GalNAcま た は Glc
NAcを 含 有 す る 反 応 混 合 物 を 、 SEQ ID NO:5 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス
フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal 残 基 を 含 有 す る ア ク セ プ タ 部 分 と 接 触 さ せ る 工 程 を 含 む 、 Ga
lNAcま た は GlcNAcβ 1 → 3 を Gal に 付 加 す る 方 法 ; お よ び 活 性 化 さ れ た Gal を 含 有 す る 反
応 混 合 物 を 、 SEQ ID NO:6 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在
40
下 で 、 GlcNAcま た は Glc 残 基 を 含 有 す る ア ク セ プ タ 部 分 と 接 触 さ せ る 工 程 を 含 む 、 Galβ 1
→ 4 を GlcNAcま た は Glc に 付 加 す る 方 法 に も 関 連 す る 。
【0016】
好ましい一態様において、該オリゴ糖は哺乳動物、特にヒトに対して無害な担体、例え
ば脂質イソプレノイドまたはポリイソプレノイドアルコール上で調製される。このような
担体の具体的な例の一つは、ドリコールホスフェートである。
具体的な一態様においては、本発明のオリゴ糖は不安定な結合を介して該担体に付着さ
れ、かくして該脂質担体から、該オリゴ糖を化学的に分離することが可能となる。また、
オリゴ糖トランスフェラーゼを使用して、例えば該オリゴ糖を脂質担体からタンパクに移
すことができる。更に別の態様において、本発明のグリコシルトランスフェラーゼを真核
50
(7)
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発現系内で発現させて、このような系内で発現されたタンパクをグリコシル化することが
できる。
本発明の重要な利点の一つは、著しく有害な脂質Aとは独立に、ナイセリアのオリゴ糖
抗原の合成を達成することにある。理論的にはワクチンの調製のために望ましいが、ナイ
セ リ ア 由 来 の 天 然 LOS の 使 用 は 成 功 し な い 。 LOS の 脂 質 A タ ン パ ク は 強 力 な 内 毒 素 で あ り
、 著 し く 有 害 で あ る 。 該 LOS の 、 例 え ば 加 水 分 解 に よ る 化 学 的 処 理 は 、 該 オ リ ゴ 糖 の 抗 原
性を破壊し、無用な生成物を放出する。かくして、ワクチンの調製のためには、非−毒性
の脂質に付着したナイセリアオリゴ糖の源をもつことが著しく望ましい。
【0017】
従って、本発明はグリコシルトランスフェラーゼを提供し、および多数のオリゴ糖、例
10
え ば Galα 1 → 4Galβ 1 → 4Glc、 Galβ 1 → 4GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glcま た は GalNAc
β 1 → 3Galβ 1 → 4 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glc( 但 し 、 こ れ ら に 限 定 さ れ な い ) を 調 製
するための方法をも提供する。
従って、オリゴ糖を合成するのに有用なグリコシルトランスフェラーゼを提供すること
が、本発明の主な目的である。
本 発 明 の 更 な る 目 的 は 、 ナ イ セ リ ア メ ニ ン ジ テ ィ デ ィ ス (Neisseria meningitidis)お よ
び N.ゴ ノ ロ ア エ (gonorrhoeae)に 特 徴 的 な オ リ ゴ 糖 の 合 成 法 を 提 供 す る こ と に あ る 。
本発明の目的は、更に血液型コアオリゴ糖を包含する、哺乳動物のオリゴ糖に特徴的な
オリゴ糖の合成法を提供することにある。
更 に 別 の 本 発 明 の 目 的 は 、 LOS の オ リ ゴ 糖 単 位 を 含 有 す る が 、 脂 質 A を 含 ま な い ワ ク チ
20
ンを提供することにある。
本発明の他の目的は、治療上有用なオリゴ糖を合成することにある。
これらのおよび他の本発明の目的は、以下の図面および詳細な説明を参照することによ
り明らかになるであろう。
【0018】
発明の詳細な説明
前述のように、本発明は5種の新規グリコシルトランスフェラーゼ、これらのグリコシ
ルトランスフェラーゼをコードしている遺伝子、及びこのようなグリコシルトランスフェ
ラーゼを用いるオリゴ糖の生合成法を提供する。本発明のグリコシルトランスフェラーゼ
は 、 ヒ ト 血 液 型 抗 原 の 中 心 ( コ ア ) の オ リ ゴ 糖 、 す な わ ち ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス の
30
よ う な 、 様 々 な オ リ ゴ 糖 の in vitroの 生 合 成 に 使 用 す る こ と が で き る 。
本発明のグリコシルトランスフェラーゼのクローニング及び発現は、本願明細書に記載
された標準的方法を用いて達成することができる。このようなグリコシルトランスフェラ
ー ゼ は 、 in vitroで の オ リ ゴ 糖 の 生 合 成 に 有 用 で あ り 、 も し く は 代 わ り に こ の よ う な グ リ
コシルトランスフェラーゼをコードしている遺伝子は、細胞、例えば酵母細胞又は真核細
胞に、トランスフェクションされ、タンパク質及び脂質の別のグリコシル化を提供するこ
とができる。
【0019】
本 発 明 は 、 一 つ に は 、 淋 菌 菌 株 F62 由 来 の 淋 菌 の LOS 生 合 成 に 関 連 し た 遺 伝 子 座 の 発 見
及びクローニングを基礎としている。この遺伝子座は、5個のオープンリーディングフレ
40
ームを有している。それぞれ、第一及び第二の読み枠は相同であるが、第四及び第五の読
み 枠 は 同 一 で は な い 。 間 に 配 置 さ れ た の は 、 E.coliの rfaI及 び rfaJ遺 伝 子 と の 相 同 性 が 少
な く 、 両 方 の グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ が 、 LPS 中 心 ( コ ア ) の 生 合 成 に 関 連 し て い
る 、 追 加 の 読 み 枠 で あ る 。 第 二 及 び 第 五 の 読 み 枠 は 、 ヘ モ フ ィ ル ス ・ イ ン フ ル エ ン ザ の le
x-1 又 は lic2A 遺 伝 子 と の 強 い 相 同 性 を 示 し て い る が 、 こ の 遺 伝 子 中 に は CAAT繰 り 返 し 配
列は含まない。これらの5種の遺伝子、遺伝子の組み合わせ、及び全体の遺伝子座の欠失
が 構 成 さ れ 、 か つ 形 質 転 換 に よ っ て 親 の 淋 菌 菌 株 F62 に 導 入 さ れ る 。 そ の 後 、 こ の LOS 表
現 型 は 、 SDS-PAGE、 及 び モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 と の 反 応 性 で 分 析 さ れ る 。 こ の 淋 菌 変 異 体 の
分 析 は 、 こ れ ら の 4 種 の 遺 伝 子 が 、 内 側 の 中 心 領 域 の 基 質 Glc β 1-4Hep-Rに 、 GalNAcβ 13Galβ 1-4GlcNAc β 1-3Galβ 1-4 が 付 加 し た 、 グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ で あ る こ と
50
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を 示 し て い る 。 E. coli rfal/rfaJ と 相 同 の 遺 伝 子 は 、 別 の LOS 構 造 Gal α 1-4Galβ 1-4G
acβ 1-4Hep-Rの 生 合 成 に お け る 、 α - 結 合 し た ガ ラ ク ト ー ス 残 基 の 付 加 に 関 連 し て い る 。
こ れ ら の 遺 伝 子 は 、 LOS グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を コ ー ド し て い る の で 、 lgtA、 lg
tB、 lgtC、 lgtD及 び lgtEと 命 名 さ れ て い る 。 DNA 配 列 の 解 析 に よ り 、 lgtA、 lgtC、 及 び lg
tDが 、 ポ リ -G域 を 有 し 、 菌 株 F62 の 場 合 は 、 各 々 17、 10及 び 11bpで あ る こ と が 明 ら か に な
っ た 。 従 っ て 、 こ れ ら 3 種 の LOS 生 合 成 酵 素 は 、 読 み 枠 の 変 化 に よ っ て 、 未 成 熟 終 結 と 潜
在 的 に な り や す い 。 お そ ら く こ れ ら の 構 造 的 性 質 は 、 淋 菌 LOS の 高 い 頻 度 の 遺 伝 変 動 (hig
h frequency genetic variation)の 原 因 で あ ろ う 。
【0020】
本 願 明 細 書 を 通 じ て 使 用 さ れ る 略 号 を 下 記 に 記 す : リ ポ 多 糖 類 、 LPS ; リ ポ オ リ ゴ 糖 、
10
LOS ; N-ア セ チ ル - ノ イ ラ ミ ン 酸 シ チ ジ ン 一 リ ン 酸 、 CMP-NANA; 野 生 型 、 wt; Gal、 ガ ラ
ク ト ー ス ; Glc、 グ ル コ ー ス ; NAc、 N-ア セ チ ル ( 例 え ば 、 GalNAc又 は GlcNAc) 。
本 発 明 に お い て は 、 当 該 技 術 分 野 で 一 般 的 な 分 子 生 物 学 、 微 生 物 学 、 及 び 組 換 え DNA 技
術 を 使 用 す る こ と が で き る 。 こ の よ う な 技 術 は 、 文 献 に 十 分 に 記 載 さ れ て い る 。 例 え ば Sa
mbrook、 Fritsch 及 び Maniatisの “ 分 子 ク ロ ー ニ ン グ : 実 験 マ ニ ュ ア ル ” ( 第 二 版 (1989)
、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニュー
ヨ ー ク ) ( 以 下 、 Sambrookら の 論 文 (1989)と 記 す ) ; “ DNA ク ロ ー ニ ン グ : 実 用 的 方 法 ”
( 第 I 及 び II巻 ) (D.N.Glover 編 、 1985 年 ); “ オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 合 成 ” ( M.J.Gait編
、 1984年 ) ; “ 核 酸 の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン ” [B.D.Hames及 び S.J.Higgins 編 (1985)]
; “ 転 写 及 び 翻 訳 ” [B.D.Hames及 び S.J.Higgins 編 (1984)]; “ 動 物 細 胞 培 養 ” [R.I.Fres
20
hney 編 (1986)]; “ 固 定 化 し た 細 胞 及 び 酵 素 ” [IRLプ レ ス (1986)]; B.Perbel、 “ 分 子 ク
ロ ー ニ ン グ の 実 用 ガ イ ド ” (1984)を 参 照 。
【0021】
従って、本願明細書の下記の用語は、以下に記した定義を有す。
細 胞 は 、 外 因 性 又 は 異 種 DNA 該 細 胞 中 に 導 入 さ れ た 場 合 に は 、 こ の よ う な DNA に よ っ て
“ 形 質 転 換 ” さ れ ; こ の 細 胞 は 、 こ の よ う な DNA で コ ー ド さ れ た 1 個 又 は 複 数 の 遺 伝 子 を
発 現 す る こ と が で き る 。 こ の 形 質 転 換 DNA は 、 該 細 胞 ゲ ノ ム を 構 成 す る 染 色 体 DNA に 、 組
込まれても組込まれなくともよく(共有結合)、もしくは自律増殖レプリコンに含まれて
も よ い 。 例 え ば 原 核 生 物 、 酵 母 及 び 哺 乳 類 細 胞 に お い て は 、 形 質 転 換 DNA を 、 プ ラ ス ミ ド
のようなエピソーム性エレメントに保持することができる。“クローン”とは、単一の細
30
胞又は有糸分裂による共通の祖先に由来する細胞集団である。
【0022】
“核酸分子”は、1本鎖型又は2本鎖らせんのいずれかの、リボヌクレオシド(アデノ
シ ン 、 グ ア ノ シ ン 、 ウ リ ジ ン 又 は シ チ ジ ン ; “ RNA 分 子 ” ) 又 は デ オ キ シ リ ボ ヌ ク レ オ シ
ド(デオキシアデノシン、デオキシグアノシン、デオキシチミジン又はデオキシシチジン
; “ DNA 分 子 ” ) を 意 味 す る 。 2 本 鎖 DNA-DNA、 DNA-RNA 及 び RNA-RNA の ら せ ん が 可 能 で
あ る 。 用 語 核 酸 分 子 、 特 に DNA 又 は RNA 分 子 は 、 そ の 分 子 の 一 次 又 は 二 次 構 造 の み を 意 味
し、かついずれか特定の三次構造を限定するものではない。従ってこの用語は、特に直線
又 は 環 状 の DNA 分 子 (例 え ば 制 限 断 片 )、 ウ イ ル ス 、 プ ラ ス ミ ド 、 及 び 染 色 体 に お い て 認 め
ら れ た 2 本 鎖 DNA を 含 む 。 特 定 の 2 本 鎖 DNA 分 子 の 構 造 に つ い て は 、 配 列 は 、 DNA の 非 転
40
写 鎖 に 沿 っ た 5'か ら 3'の 方 向 の 配 列 の み を 生 じ る 通 常 の 習 慣 に 従 っ て 、 本 願 明 細 書 に は 記
載 さ れ る (す な わ ち 、 こ の 鎖 は 、 mRNAと 相 同 な 配 列 を 有 す )。 “ 組 換 え DNA 分 子 ” は 、 分 子
生 物 学 的 操 作 を 受 け た DNA 分 子 で あ る 。
【0023】
核酸分子由来の1本鎖を、適当な温度及び溶液のイオン強度の条件下で、アニーリング
す る こ と が で き る 場 合 に は 、 核 酸 分 子 は 、 cDNA、 ゲ ノ ム DNA 又 は RNA の よ う な 他 の 核 酸 分
子 と 、 “ ハ イ ブ リ ッ ド 形 成 可 能 ” で あ る ( 上 述 の Sambrookら の 論 文 (1989)参 照 ) 。 温 度 及
びイオン強度の条件は、ハイブリダイゼーションの“ストリンジェンシー”を決定する。
ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーによって、塩基間のミスマッチが生じる可
能性があるもかかわらず、ハイブリダイゼーションには、2種の核酸が相補的配列を有す
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ることが必要である。ハイブリッド形成している核酸の妥当なストリンジェンシーは、核
酸の長さ、及び相補性の程度、当該技術分野で周知の変数によって決まる。2種の核酸配
列間の類似性又は相同性の程度が高まるにつれて、これらの配列を有する核酸のハイブリ
ッ ド の Tm値 が よ り 大 き く な る 。 核 酸 の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン の 相 対 安 定 性 ( 比 較 的 高 い
Tmに 相 当 ) は 、 下 記 の 順 に 低 下 す る : RNA:RNA、 DNA:RNA、 DNA:DNA。
ヌ ク レ オ チ ド の 長 さ が 100 以 上 の ハ イ ブ リ ッ ド に つ い て は 、 Tmの 計 算 式 が 得 ら れ て い る
( 上 述 の Sambrookら の 論 文 , 9.50-9.51) 。 よ り 短 い 核 酸 、 す な わ ち オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド
とのハイブリダイゼーションについては、ミスマッチの位置は、更に重要となり、このオ
リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド の 長 さ が 、 そ の 特 異 性 を 決 定 す る ( 上 述 の Sambrookら の 論 文 , 11.7-11.
8) 。 ハ イ ブ リ ッ ド 形 成 可 能 な 核 酸 の 最 短 の 長 さ は 、 好 ま し く は 少 な く と も 約 10ヌ ク レ オ
10
チ ド で あ り ; よ り 好 ま し く は 少 な く と も 約 15ヌ ク レ オ チ ド で ; 最 も 好 ま し い 長 さ は 少 な く
と も 約 20ヌ ク レ オ チ ド で あ る 。
【0024】
DNA の “ コ ー ド 配 列 ” は 、 適 当 な 調 節 配 列 の 制 御 下 に あ る 場 合 に は 、 in vivo で ポ リ ペ
プ チ ド に 転 写 及 び 翻 訳 さ れ た 2 本 鎖 DNA 配 列 で あ る 。 こ の コ ー ド 配 列 の 境 界 域 は 、 5'( ア
ミ ノ ) 末 端 の 出 発 コ ド ン 、 及 び 3'(カ ル ボ キ シ ル )末 端 の 翻 訳 停 止 コ ド ン に よ っ て 決 定 さ れ
る 。 コ ー ド 配 列 は 、 原 核 生 物 の 配 列 、 真 核 生 物 の mRNA由 来 の cDNA、 真 核 生 物 ( 例 え ば 哺 乳
類 ) の DNA 由 来 の ゲ ノ ム DNA 配 列 、 更 に は 合 成 DNA 配 列 を も 含 む が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ る
ものではない。このコード配列の真核細胞における発現を意図する場合には、ポリアデニ
ル 化 シ グ ナ ル 及 び 転 写 終 結 配 列 が 、 通 常 該 コ ー ド 配 列 の 3'に 位 置 す る で あ ろ う 。
20
【0025】
転写及び翻訳の制御配列は、宿主細胞における、コード配列の発現のために供される、
プ ロ モ ー タ ー 、 エ ン ハ ン サ ー 、 タ ー ミ ネ ー タ ー な ど の よ う な DNA 調 節 配 列 で あ る 。 本 発 明
のグリコシルトランスフェラーゼをコードしている個々の遺伝子が、それらの間に非常に
短 い 非 コ ー ド 配 列 を 伴 い 、 単 一 の 座 で 発 見 さ れ て い る に も か か わ ら ず 、 lgtA、 lgtB又 は lg
tCの い ず れ か の 欠 失 を 生 じ る 相 変 異 は 、 そ の 下 流 の 遺 伝 子 の 転 写 の 再 開 始 を 妨 げ る こ と は
ない。従って本願明細書において提供された遺伝子座は、ナイセリアの転写開始配列の転
写を含む。一方、本発明のコード配列は、異種の調節配列の制御下で発現するために操作
することができる。
“ プ ロ モ ー タ ー 配 列 ” は 、 細 胞 内 で の RNA ポ リ メ ラ ー ゼ の 結 合 、 及 び 下 流 ( 3'方 向 ) の
30
コ ー ド 配 列 の 転 写 開 始 が 可 能 な DNA 調 節 領 域 で あ る 。 本 発 明 を 明 確 に す る 目 的 で 、 こ の プ
ロ モ ー タ ー 配 列 は 、 転 写 開 始 部 位 と そ の 3'末 端 で 結 合 し 、 か つ 前 述 の バ ッ ク グ ラ ウ ン ド で
検出可能なレベルの転写を開始するのに必要な塩基又は要素を最低数含むように、上流(
5'方 向 ) へ と 伸 長 す る 。 こ の プ ロ モ ー タ ー 配 列 内 に は 、 転 写 開 始 部 位 ( 都 合 の 良 い こ と に
例 え ば ヌ ク レ ア ー ゼ S1で の マ ッ ピ ン グ に よ っ て 限 定 さ れ た ) 、 更 に は RNA ポ リ メ ラ ー ゼ の
結合に寄与するタンパク結合ドメイン(コンセンサス配列)が認められるであろう。真核
生 物 の プ ロ モ ー タ ー は 、 “ TATA” ボ ッ ク ス 及 び “ CAT” ボ ッ ク ス を 含 む こ と が 多 い が 、 し
かし常ではない。
【0026】
コ ー ド 配 列 は 、 RNA ポ リ メ ラ ー ゼ が 、 こ の コ ー ド 配 列 を mRNAに 転 写 し 、 そ の 後 こ の コ ー
40
ド配列によってコードされたタンパク質へと翻訳される場合には、細胞の転写及び翻訳の
制御配列の“制御下”にある。
“シグナル配列”は、前述のコード配列の前に含むことができる。この配列は、該ポリ
ペ プ チ ド の N-末 端 の シ グ ナ ル ペ プ チ ド を コ ー ド し 、 こ れ は 宿 主 細 胞 に 、 該 ポ リ ペ プ チ ド の
細胞表面又は細胞内オルガネラへの転移、もしくはその培地中への該ポリペプチドの分泌
を 指 示 し 、 か つ こ の シ グ ナ ル ペ プ チ ド は 、 通 常 タ ン パ ク 質 運 搬 機 構 (protein transport m
achinery)に よ り 選 択 的 に 切 断 さ れ る 。 シ グ ナ ル 配 列 は 、 原 核 細 胞 及 び 真 核 細 胞 に 固 有 の
様々なタンパク質に関連して見出すことができる。シグナル配列の組込みは、細菌、酵母
、昆虫細胞(バキュロウイルス)、又は真核細胞による、本発明のグリコシルトランスフ
ェラーゼの高レベルの発現にとって所望であり、宿主細胞における外因性グリコシル転移
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の影響を避けることができる。
【0027】
分子は、イムノグロブリン(抗体)又はT 細胞抗原レセプターのような、免疫系の抗原
認識分子と特異的に相互作用することが可能な場合には、“抗原性”である。前述のよう
に 、 ナ イ セ リ ア の LOS の 炭 水 化 物 (オ リ ゴ 糖 )部 分 は 、 重 要 な 抗 原 決 定 基 で あ り 、 こ れ は 髄
膜 炎 菌 の 血 清 型 を 決 定 す る ( Zollinger 及 び Mandrellの 論 文 、 Infect.Immun. 、 18:424(1
977); Zollinger 及 び Mandrellの 論 文 、 Infect.Immun. 、 28:451(1980)) 。 分 子 の 抗 原 部
分は抗体に対し免疫優性の部分であることができ、もしくは免疫感作の担体分子に対する
抗原部分を複合することによって、該分子に対する抗体を生成するために使用される部分
であることができる。抗原性である分子は、それ自身が免疫原性である必要はなく、すな
10
わち担体なしで免疫応答を誘発することが可能である。
【0028】
“ A” を 含 む 組 成 物 ( こ こ で “ A” は 、 単 一 の タ ン パ ク 質 、 DNA 分 子 、 ベ ク タ ー な ど で あ
る 。 ) は 、 該 組 成 物 中 の 該 タ ン パ ク 質 、 DNA、 ベ ク タ ー ( A 及 び B が 属 す る 種 の カ テ ゴ リ
ー に 依 存 す る ) の 少 な く と も 約 75重 量 % が 、 “ A” で あ る 場 合 に 、 実 質 的 に “ B” ( こ こ で
“ B” は 、 1 種 以 上 の 汚 染 タ ン パ ク 質 、 DNA 分 子 、 ベ ク タ ー な ど で あ る 。 ) を 含 ま な い 。
“ A” は 、 該 組 成 物 の A + B 種 の 少 な く と も 約 90重 量 % で 含 ま れ る こ と が 好 ま し く 、 少 な
く と も 約 99重 量 % が 最 も 好 ま し い 。
更に実質的に汚染物質を含まない組成物は、関心のある種の活性又は特性を有する単一
の分子量の種のみを含有することが好ましい。
20
【0029】
句“医薬として許容できる”とは、分子実体及び組成物が生理学的に認容性があり、か
つ典型的にはヒトに投与した際に、胃の不調、めまいなどのようなアレルギー性又は類似
の有害反応をもたらさないことを意味する。好ましくは、本願明細書で使用された用語“
医薬として許容できる”とは、米連邦の規制当局又は州政府によって認可されたこと、も
しくは米国薬局方、又は他の動物用、特にヒト用の一般に認められた医薬品集に掲載され
たことを意味する。用語“担体”は、前述の化合物と共に投与される、希釈剤、アジュバ
ント、賦形剤、又はビヒクルを意味する。このような医薬用担体は、水及び油類のような
滅菌した液体で、これらは、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの、石油、
動物、植物又は合成を起源とする油であることができる。水又は生理食塩水、及び水性デ
30
キストロース及びグリセロール溶液が、担体として、特に注射溶液として使用するのが好
ましい。本発明の医薬として許容できる組成物は、哺乳類の対象、特にヒトの対象におい
て、反応を生じる作用があるリピドA を含まない。
【0030】
用語“アジュバント”とは、抗原に対する免疫応答を増強する化合物又は混合物を意味
する。あるアジュバントは、緩徐に抗原を放出する組織蓄積物として、及び免疫応答を非
特 異 的 に 増 強 す る リ ン パ 系 活 性 剤 と し て 役 立 つ ( Hoodら の 論 文 、 Immunology, 第 二 版 、 19
81年 、 頁 384、 Benjamin/Cummings 社 、 メ ン ロ パ ー ク 、 カ リ フ ォ ル ニ ア ) 。 ア ジ ュ バ ン ト
を用いない抗原単独での一次チャレンジは、体液性又は細胞性免疫応答の誘発に失敗する
ことが多い。アジュバントは、完全フロイントのアジュバント、不完全フロイントのアジ
40
ュバント、サポニン、水酸化アルミニウムのような無機質ゲル、リゾレシチンのような界
面 活 性 剤 、 プ ル ロ ニ ッ ク (pluronic)ポ リ オ ー ル 、 ポ リ ア ニ オ ン 、 ペ プ チ ド 、 油 又 は 炭 化 水
素 の 乳 化 剤 、 キ ー ホ ー ル リ ン ペ ッ ト ヘ モ シ ア ニ ン 、 ジ ニ ト ロ フ ェ ノ ー ル 、 及 び BCG( バ シ
ル ・ カ ル メ ッ ト - ゲ ラ ン ) 及 び コ リ ネ バ ク テ リ ウ ム ・ パ ル ブ ム (corynebacterium parvum)
のような有用な可能性があるヒトアジュバントを含むが、これらに限定されるものではな
い。このアジュバントは、医薬として許容できることが好ましい。
【0031】
グリコシルトランスフェラーゼ遺伝子の単離
本 発 明 は 、 ナ イ セ リ ア の LOS 座 の 完 全 な 長 さ の コ ー ド 配 列 を 提 供 す る こ と 、 従 っ て 、 本
願 明 細 書 に お い て lgt と 称 さ れ る 、 そ の 座 の グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 特 性 を コ ー ド
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(11)
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している遺伝子のいずれか1種又は5種全てを得ることである。いずれかのナイセリア細
菌 細 胞 は 、 lgt 遺 伝 子 の 分 子 ク ロ ー ニ ン グ の た め の 核 酸 源 と し て 潜 在 的 に 利 用 す る こ と が
できる。以下の具体的な実施態様において、これらの遺伝子は、ナイセリア・ゴノロエア
エ か ら 単 離 さ れ る 。 こ の DNA は 、 所 望 の 細 胞 か ら 、 ク ロ ー ン 化 さ れ た DNA か ら ( 例 え ば DN
A“ ラ イ ブ ラ リ ー ” ) 、 当 該 技 術 分 野 に お い て 公 知 で あ る 標 準 的 方 法 に よ っ て 、 化 学 合 成
に よ っ て 、 cDNAの ク ロ ー ニ ン グ に よ っ て 、 も し く は 精 製 さ れ た ゲ ノ ム DNA 又 は そ れ ら の 断
片 の ク ロ ー ニ ン グ に よ っ て 得 る こ と が で き る ( 上 述 の Sambrookら の 論 文 、 (1989); Glover
,D. M.(編 )、 1985年 、 DNA ク ロ ー ニ ン グ : 実 用 的 方 法 、 第 I、 II巻 、 MRL プ レ ス 社 、 オ ッ
ク ス フ ォ ー ド 、 英 国 を 参 照 ) 。 例 え ば N.ゴ ロ ノ エ ア エ の ゲ ノ ム DNA は 、 フ ァ ー ジ ゲ ノ ム ラ
イ ブ ラ リ ー を 作 成 す る た め に 、 Sau3A の よ う な 制 限 エ ン ド ヌ ク レ ア ー ゼ 又 は エ ン ド ヌ ク レ
10
ア ー ゼ に よ っ て 消 化 さ れ 、 BamHI/EcoRI の よ う な 制 限 エ ン ド ヌ ク レ ア ー ゼ 又 は エ ン ド ヌ ク
レアーゼで消化されたファージベクターへと挿入される。いずれが原料であったとしても
、この遺伝子は、該遺伝子の伝播に適当なベクターに、分子としてクローン化されなけれ
ばならない。
【0032】
ゲ ノ ム DNA 由 来 の 遺 伝 子 の 分 子 ク ロ ー ニ ン グ に お い て 、 DNA 断 片 が 生 成 さ れ 、 そ の 中 の
一 部 は 所 望 の 遺 伝 子 を コ ー ド し て い る と 考 え ら れ る 。 こ の DNA は 、 様 々 な 制 限 酵 素 を 用 い
て 、 特 定 の 部 位 で 切 断 さ れ る 。 代 わ り に 、 マ ン ガ ン の 存 在 下 で DNAse を 用 い て 、 DNA 断 片
と す る こ と も で き 、 も し く は DNA を 、 音 波 処 理 の よ う に 、 物 理 的 に せ ん 断 す る こ と が で き
る 。 そ の 後 、 直 線 DNA 断 片 を 、 ア ガ ロ ー ス 及 び ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド の ゲ ル 電 気 泳 動 、 並 び
20
にカラムクロマトグラフィーを含むがこれらに限定さるものではない、標準的手法により
大きさに応じて分離することができる。
【0033】
一 旦 DNA 断 片 が 生 成 さ れ る と 、 所 望 の lgt 遺 伝 子 を 含 む 特 定 の DNA 断 片 の 同 定 は 、 多 く
の 方 法 で 達 成 す る こ と が で き る 。 例 え ば 、 生 成 し た DNA 断 片 は 、 本 願 明 細 書 に 記 載 さ れ た
配列で合成された標識されたプローブへの、核酸のハイブリダイゼーションによってスク
リ ー ニ ン グ す る こ と が で き る ( Benton及 び Davis の 論 文 、 Science、 196:180(1977); Grun
stein 及 び Hogness の 論 文 、 Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 、 72:3961(1975)) 。 該 プ
ロ ー ブ と 実 質 的 に 相 同 で あ る こ れ ら の DNA 断 片 は 、 ハ イ ブ リ ッ ド 形 成 す る で あ ろ う 。 本 発
明は、グリコシルトランスフェラーゼのためのハイブリダイゼーションプローブとして使
30
用 す る こ と が で き る DNA 断 片 の 具 体 的 な 例 、 例 え ば SEQ ID NO:1 を 提 供 す る 。
【0034】
前述のようにこの遺伝子の存在は、その発現した生成物の物理的、化学的、又は免疫学
的特性を基にしたアッセイによって検出することができる。例えば、電気泳動移動度、等
電点電気泳動の挙動、タンパク質分解の消化地図、タンパク質分解活性、又は機能特性、
特 に グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 活 性 、 受 容 分 子 へ の 糖 転 移 を 仲 介 す る Lgt タ ン パ ク 質
の 能 力 が 類 似 又 は 同 一 の タ ン パ ク 質 を 生 成 す る DNA ク ロ ー ン で あ る 。 代 わ り に 、 推 定 上 の
lgt 遺 伝 子 を 、 突 然 変 異 す る こ と が で き 、 か つ グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ と し て の そ
の 役 割 は 、 LOS の オ リ ゴ 糖 の 様 々 な 構 造 を 検 出 す る こ と に よ っ て 確 立 さ れ る 。
【0035】
40
別 の lgt ゲ ノ ム DNAの 単 離 法 は 、 Lgt を コ ー ド し て い る 公 知 の 配 列 、 例 え ば SEQ ID No:1
の遺伝子配列そのものの化学合成を含むが、これに限定されるものではない。別の実施
態 様 に お い て は 、 lgt 遺 伝 子 の DNA は 、 本 願 明 細 書 に 記 載 さ れ た ヌ ク レ オ チ ド 配 列 か ら 決
定 さ れ た オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド プ ラ イ マ ー を 用 い る PCR で 単 離 す る こ と が で き る 。 他 の 方 法
も可能であり、本発明の範囲に含まれる。
【0036】
次に同定されかつ単離された遺伝子は、適当なクローニングベクターに挿入される。当
該技術分野で公知である多数のベクター- 宿主系を使用することができる。可能なベクタ
ー類は、プラスミド又は修飾されたウイルスを含むが、これらに限定されるものではなく
、このベクター系は、使用した宿主細胞と適合しなければならない。本発明の特定の態様
50
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に お い て 、 lgt の コ ー ド 配 列 は 、 E.coliク ロ − ニ ン グ ベ ク タ ー に 挿 入 さ れ る 。 ベ ク タ ー の
別 の 例 は 、 λ 誘 導 体 の よ う な バ ク テ リ オ フ ァ ー ジ 、 pBR322誘 導 体 又 は pUC プ ラ ス ミ ド 誘 導
体 の よ う な プ ラ ス ミ ド を 含 む が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ る も の で は な く 、 例 と し て pGEXベ ク タ
ー 、 pmal-c、 pFLAG な ど が あ る 。 ク ロ ー ニ ン グ ベ ク タ ー へ の 挿 入 は 、 例 え ば 、 該 DNA 断 片
の、相補的付着末端を有するクロ−ニングベクターへの連結によって達成される。しかし
、 DNA の 断 片 化 に 使 用 さ れ た こ の 相 補 的 制 限 部 位 が 、 該 ク ロ ー ン ベ ク タ ー に 存 在 し な い 場
合 に は 、 こ の DNA 分 子 の 末 端 は 酵 素 的 に 修 飾 す る こ と が で き る 。 代 わ り に 、 所 望 の い ず れ
か の 部 位 を 、 該 DNA 末 端 に 、 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 (リ ン カ ー )を 連 結 す る こ と に よ っ て 、 産 生
することができ;これらの連結されたリンカーは、制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコ
ードしている、特異的な化学合成されたオリゴヌクレオチドを含むことができる。具体的
10
な 実 施 態 様 に お い て 、 こ の よ う な リ ン カ ー 部 位 を 有 す る PCR プ ラ イ マ ー を 用 い て 、 ク ロ ー
ニ ン グ 用 の DNA の 増 幅 す る こ と が で き る 。 組 換 え 分 子 は 、 形 質 転 換 、 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ
ン、感染、電気穿孔法などによって、宿主細胞に導入することができ、その結果この遺伝
子配列の多くのコピーが産生される。
【0037】
単 離 さ れ た lgt 遺 伝 子 又 は 合 成 さ れ た DNA 配 列 を 取 込 ん で い る 組 換 え DNA 分 子 に よ る 、
宿主細胞の形質転換は、該遺伝子の多数のコピーの生成を可能にする。
従 っ て 、 こ の 遺 伝 子 は 、 形 質 転 換 体 の 増 殖 、 組 換 え DNA 分 子 の 形 質 転 換 体 か ら の 単 離 に
よ っ て 、 必 要 で あ る な ら ば 、 挿 入 さ れ た 遺 伝 子 を 、 単 離 さ れ た 組 換 え DNA か ら 回 収 す る こ
とによって、大量に得ることができる。
20
本 発 明 は 、 更 に 該 酵 素 ( 断 片 ) 及 び Lgt と 同 じ 機 能 活 性 を 有 す る Lgt's の 誘 導 体 の 切 断
型 を コ ー ド し て い る 遺 伝 子 を 含 む ベ ク タ ー 類 に 関 す る 。 Lgt に 関 連 し た 断 片 及 び 誘 導 体 の
生成及び使用は、本発明の範囲内である。具体的な実施態様において、この断片又は誘導
体は、機能活性があり、すなわち受容分子への糖転移を仲介することができる。
【0038】
前記グリコシルトランスフェラーゼの切断型断片は、機能活性には不用のタンパク質の
、 N-末 端 、 C-末 端 、 又 は 内 部 領 域 を 除 去 す る こ と に よ っ て 調 製 す る こ と が で き る 。 通 常 、
除去されたこのような部分は、わずかの、例えば1∼5個のアミノ酸残基のみを含むが、
より大きい断片を除去することができる。
他のタンパク質に結合した、本発明のグリコシルトランスフェラーゼを全て又は機能活
30
性部分を含むキメラ分子、例えば融合タンパク質についても考察している。グリコシルト
ランスフェラーゼ融合タンパク質は、少なくともグリコシルトランスフェラーゼポリペプ
チドの機能活性部分に結合したペプチドを介して結合した少なくとも非グリコシルトラン
スフェラーゼタンパク質の機能活性部分を含む。この非グリコシルトランスフェラーゼ配
列は、グリコシルトランスフェラーゼ配列の、アミノ- 又はカルボキシル- 末端であるこ
とができる。融合タンパク質の発現は、酵素的に不活性のグリコシルトランスフェラーゼ
融合タンパク質を生じることができる。このような融合タンパク質をコードしている組換
え DNA 分 子 は 、 グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の コ ー ド 配 列 の フ レ ー ム (in-frame)に 結 合
した、非グリコシルトランスフェラーゼタンパク質の機能活性部分を少なくともコードし
ている配列を含み、かつ好ましくは、特定のプロテアーゼ、例えばトロンビン又はファク
40
タ ー Xaの 切 断 部 位 、 好 ま し く は グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ -非 -グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ
ェラーゼの接合部をコードしている。具体的な実施態様において、この融合タンパク質は
、エシェリヒア・コリを発現することができる。
【0039】
具 体 的 に は 、 Lgt 誘 導 体 は 、 コ ー ド し て い る 核 酸 配 列 を 、 機 能 的 に 等 価 の 分 子 を も た ら
すような置換、付加又は欠失によって変更することによって、作成することができる。ヌ
ク レ オ チ ド コ ー ド 配 列 の 縮 重 の た め に 、 lgt 遺 伝 子 と 実 質 的 に 同 じ ア ミ ノ 酸 配 列 を コ ー ド
し て い る 別 の DNA 配 列 を 、 本 発 明 の 実 施 に お い て 使 用 す る こ と が で き る 。 こ れ ら は 、 該 配
列中の同じアミノ酸残基をコードしている、従ってサイレントの変化を生じている、別の
コ ド ン の 置 換 に よ っ て 変 更 さ れ た 、 全 て 又 は 一 部 の lgt 遺 伝 子 を 含 む ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を
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含 む が 、 こ れ に 限 定 さ れ る も の で は な い 。 同 様 に 、 本 発 明 の Lgt 誘 導 体 は 、 一 次 ア ミ ノ 酸
配列として、機能的に等価のアミノ酸残基が、保存的アミノ酸置換を生じる配列中の残基
に 置 換 さ れ た よ う な 、 変 更 さ れ た 配 列 を 含 む Lgt の ア ミ ノ 酸 配 列 の 全 て 又 は 一 部 を 有 す る
ものを含むが、これに限定されるものではない。
【0040】
例えば、該配列中の1個以上のアミノ酸残基を、類似の極性を有する別のアミノ酸で置
換することができ、これは機能的に等価に作用し、サイレントの変化を生じる。該配列中
のアミノ酸の置換体は、このアミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択することが
できる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸は、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バ
リン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びメチオニンである。極性の中
10
性アミノ酸は、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、
及びグルタミンである。正に帯電した(塩基性)アミノ酸は、アルギニン、リジン及びヒ
スチジンである。負に帯電した(酸性)アミノ酸は、アスパラギン酸及びグルタミン酸で
ある。
【0041】
本 発 明 の Lgt 誘 導 体 及 び 類 似 体 を コ ー ド し て い る 遺 伝 子 は 、 当 該 技 術 分 野 で 公 知 の 様 々
な 方 法 ( 例 え ば 上 述 の Sambrookら の 論 文 (1989)) で 生 成 す る こ と が で き る 。 こ の 配 列 は 、
制限エンドヌクレアーゼ(複数)により、適当な部位で切断され、その後、所望であるな
ら ば 、 更 に 酵 素 的 に 修 飾 さ れ 、 単 離 さ れ 、 in vitroで 連 結 さ れ る 。 Lgt 誘 導 体 又 は 類 似 体
をコードしている遺伝子の生成において、修飾された遺伝子が、所望の活性がコードされ
20
て い る 遺 伝 子 領 域 に お い て 、 翻 訳 停 止 シ グ ナ ル に よ っ て 分 断 さ れ て い な い 、 lgt 遺 伝 子 と
同じ翻訳の読み枠に残留していることが確実であるように注意しなければならない。
【0042】
更 に lgt 核 酸 配 列 は 、 in vitro又 は in vivo に お い て 突 然 変 異 す る こ と が で き 、 翻 訳 、
開始及び/又は終結配列を、形成及び/又は破壊するか、もしくはコード領域を形成する
か 及 び / 又 は 新 規 制 限 エ ン ド ヌ ク レ ア ー ゼ 部 位 を 形 成 す る か 、 も し く は 更 な る in vitroの
修飾を促進するために、既存の配列を破壊する。当該技術分野で公知の突然変異に関する
い ず れ か の 方 法 を 使 用 す る こ と が で き 、 こ れ は in vitroで の 部 位 特 異 的 突 然 変 異 法 ( Hutc
hinson,C. ら の 論 文 、 J.Biol.Chem.、 253:6551(1978); Zoller及 び Smith の 論 文 、 DNA、 3
:479-488(1984); Oliphantら の 論 文 、 Gene、 44:177(1986); Hutchinsonら の 論 文 、 Proc.
30
Natl. Acad. Sci.U.S.A.、 83:710(1986)) 、 TAB( 登 録 商 標 ) リ ン カ ー ( フ ァ ル マ シ ア 社
) の 使 用 な ど を 含 む が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ る も の で は な い 。 PCR は 、 部 位 特 異 的 突 然 変 異
法 に と っ て は 好 ま し い ( Higuchi の 論 文 、 1989年 、 “ PCR を 用 い る DNA 操 作 ” 、 PCR 技 術
: DNA 増 殖 の 原 理 及 び 用 途 、 H.Erlich( 編 ) Stockton Press、 第 6 章 、 頁 61-70) 。 lgtA
、 lgtB及 び lgtC遺 伝 子 は 、 相 変 異 の 突 然 変 異 を 特 に 受 け や す い 、 長 い ポ リ -Gの 伸 長 を 含 む
ことに注目すべきである。
【0043】
グリコシルトランスフェラーゼの発現
Lgt を コ ー ド し て い る 遺 伝 子 、 も し く は 機 能 活 性 断 片 又 は そ れ ら の 他 の 誘 導 体 は 、 適 当
な発現ベクター、すなわち挿入されたタンパク質のコード配列の転写及び翻訳に必要なエ
40
レメントを含むベクターに、挿入することができる。発現ベクターも、同じく複製開始点
を 含 む 。 必 要 な 転 写 及 び 翻 訳 シ グ ナ ル も 、 天 然 の lgt 遺 伝 子 及 び / 又 は そ の フ ラ ン キ ン グ
領域によって供給することができる。様々な宿主- ベクター系は、タンパク質のコード配
列を発現することができる。しかし、細菌の発現系を用いて、天然のコンホメーションの
可能性がより高い、該タンパク質の高レベルの発現を提供することが好ましい。可能性の
ある宿主- ベクター系は、ウイルス(例えばワクシニアウイルス、アデノウイルスなど)
に感染した哺乳類細胞系;ウイルス(例えばバキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;
酵 母 ベ ク タ ー を 含 む 、 酵 母 な ど の 微 生 物 、 も し く は バ ク テ リ オ フ ァ ー ジ 、 DNA、 プ ラ ス ミ
ド DNA、 又 は コ ス ミ ド DNA で 形 質 転 換 さ れ た 細 菌 を 含 む が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ る も の で は
ない。ベクターの発現エレメントは、その強度及び特異性が異なる。使用された宿主- ベ
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クター系に応じて、多くの適当な転写及び翻訳エレメントのうちのいずれか1種を使用す
ることができる。
【0044】
Lgt の 周 辺 質 型 ( シ グ ナ ル 配 列 を 含 む ) が 、 エ シ ェ リ ヒ ア ・ コ リ の 周 辺 質 へ の 、 又 は バ
チルス・スブチラスを基本にした発現系への、該タンパク質の輸送をもたらすことが好ま
しい。
ベ ク タ ー へ の DNA 断 片 の 挿 入 に 関 す る 前 述 の 方 法 の い ず れ か は 、 適 当 な 転 写 / 翻 訳 制 御
シグナル及び該タンパク質コード配列からなる、キメラ遺伝子を有する発現ベクターの構
成 に 使 用 す る こ と が で き る 。 こ れ ら の 方 法 は 、 in vitroで の 組 換 え DNA 及 び 合 成 法 、 並 び
に in vivo で の 組 換 え 体 ( 遺 伝 的 組 換 え ) を 含 む こ と が で き る 。
10
【0045】
グリコシルトランスフェラーゼ又はペプチド断片をコードしている核酸配列の発現は、
第二の核酸配列によって調節することができ、その結果これらのグリコシルトランスフェ
ラ ー ゼ 又 は ペ プ チ ド が 、 前 記 組 換 え DNA 分 子 で 形 質 転 換 さ れ た 宿 主 に お い て 、 発 現 さ れ る
。例えば、グリコシルトランスフェラーゼの発現は、当該技術分野で公知であるプロモー
ター/エンハンサーエレメントのいずれかによって制御することができるが、これらの調
節エレメントは、発現のために選択された宿主において機能しなければならない。細菌に
おける発現に関しては、細菌性プロモーターが必要である。真核ウイルス、又は組織特異
性 の プ ロ モ ー タ ー を 含 む 真 核 プ ロ モ ー タ ー は 、 以 下 に 詳 細 に 述 べ る よ う に 、 lgt 遺 伝 子 を
含むベクターが、一過性の発現のために対象の中に直接注入される場合に好ましく、細菌
20
に よ る 感 染 に 対 す る 異 種 保 護 (heterologous protection)を 生 じ る 。 lgt 遺 伝 子 の 発 現 の
制御に使用することができるプロモーターは、下記を含むが、これらに限定されるもので
は な い : SV40初 期 プ ロ モ ー タ ー 領 域 (Benoist 及 び Charnbonの 論 文 、 Nature、 290:304-310
(1981))、 ラ ウ ス 肉 腫 ウ イ ル ス の 3'長 末 端 反 復 に 含 ま れ た プ ロ モ ー タ ー ( Yamamotoら の 論
文 、 Cell、 22:787-797(1980)) 、 ヘ ル ペ ス チ ミ ジ ン キ ナ ー ゼ プ ロ モ ー タ ー (Wagnerら の 論
文 、 Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、 78:1441-1445(1981))、 メ タ ロ チ オ ネ イ ン 遺 伝 子 の
調 節 配 列 ( Brinsterら の 論 文 、 Nature、 296:39-42(1982)) ; β - ラ ク タ マ ー ゼ プ ロ モ ー
タ ー の よ う な 真 核 発 現 ベ ク タ ー (Villa-Kamaroffら の 論 文 、 Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、
75:3727-3731(1978))、 又 は tac プ ロ モ ー タ ー ( DeBoerら の 論 文 、 Proc. Natl. Acad. Sci
. U.S.A. 、 80:21-25(1983)) で あ り ; 更 に “ 組 換 え 細 菌 由 来 の 有 用 な タ ン パ ク 質 ” ( サ
30
イ エ ン テ ィ ッ ク ・ ア メ リ カ ン 社 、 242:74-94(1980)) 等 参 照 。
【0046】
lgt 遺 伝 子 挿 入 断 片 を 含 む 発 現 ベ ク タ ー は 、 4 種 の 一 般 的 方 法 で 同 定 さ れ る : (a)所 望
の プ ラ ス ミ ド DNA 又 は 特 異 的 mRNAの PCR 増 幅 、 (b)核 酸 の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン 、 (c)“
マ ー カ ー ” 遺 伝 子 機 能 の 存 在 の 有 無 、 及 び (d)挿 入 さ れ た 配 列 の 発 現 で あ る 。 第 一 の 方 法
では、核酸を、増幅された生成物の検出のために、放射性ヌクレオチドの組込み、又は臭
化 エ チ ジ ウ ム に よ る 染 色 を 行 う と 共 に 、 PCR で 増 幅 す る こ と が で き る 。 第 二 の 方 法 で は 、
発 現 ベ ク タ ー 中 の 外 来 遺 伝 子 の 存 在 は 、 挿 入 さ れ た lgt 遺 伝 子 に 相 同 の 配 列 を 含 む プ ロ ー
ブを用いる、核酸のハイブリダーゼーションによって検出することができる。第三の方法
では、組換えベクター/宿主系を、ベクターの外来遺伝子の挿入によって生じた、特定の
40
“ マ ー カ ー ” 遺 伝 子 機 能 ( 例 え ば 、 β - ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ 活 性 、 PhoA活 性 、 チ ミ ジ ン キ ナ
ーゼ活性、抗生物質耐性、形質転換表現型、バキュロウイルスにおける封入体の形成)の
存 在 の 有 無 を 基 に 、 同 定 及 び 選 択 す る こ と が で き る 。 lgt 遺 伝 子 が 、 ベ ク タ ー の マ ー カ ー
遺 伝 子 配 列 中 に 挿 入 さ れ る 場 合 は 、 lgt 挿 入 断 片 を 有 す る 組 換 え 体 は 、 そ の マ ー カ ー 遺 伝
子機能を発揮しないことで確認することができる。第四の方法では、組換え発現ベクター
は 、 組 換 え 体 で 発 現 さ れ た lgt 遺 伝 子 産 物 の 活 性 に つ い て ア ッ セ イ す る こ と に よ っ て 同 定
す る こ と が で き る 。 こ の よ う な ア ッ セ イ は 、 例 え ば 、 in vitroア ッ セ イ シ ス テ ム に お け る
、 lgt 遺 伝 子 産 物 の 生 理 的 又 は 機 能 的 特 性 、 例 え ば グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 活 性 を
基本とすることができる。一旦適当な宿主系及び増殖条件が確立されたならば、組換え発
現ベクターを、増殖させ、かつ大量に調製する。
50
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【0047】
オリゴ糖の生合成
本発明のグリコシルトランスフェラーゼは、オリゴ糖の生合成に使用することができる
。本発明のグリコシルトランスフェラーゼは、特異的受容分子に、特異的に活性化された
サッカライド単位が、立体特異的に複合することが可能である。このような活性化された
サッカライドは、一般にそのサッカライド類のウリジン、グアノシン、及びシチジン二リ
ン酸誘導体からなり、これは遊離基として、ヌクレオシド二リン酸を供する。従って、こ
れ ら の 活 性 化 さ れ た サ ッ カ ラ イ ド は 、 サ ッ カ ラ イ ド -UDP、 サ ッ カ ラ イ ド -GDP又 は サ ッ カ ラ
イ ド -CDPで あ る 。 具 体 的 な 実 施 態 様 に お い て 、 活 性 化 さ れ た サ ッ カ ラ イ ド 類 は 、 UDP-GlcN
AC、 UDP-GalNAc又 は UDP-Gal で あ る 。
10
【0048】
本願明細書で使用される用語“受容分子”とは、グリコシルトランスフェラーゼが、活
性化された糖質を転移する分子を意味する。当該技術分野において周知であるように、炭
水化物の合成は、例えばドリコールリン酸のような脂質への、糖残基の連続的カップリン
グによって進行する。タンパク質をグリコシル化するような真核細胞において、オリゴ糖
又は多糖は、活性化された脂質担体から、小胞体の内腔側のポリペプチドへと転移される
。原核細胞においては、炭水化物は直接リピドA 分子上で合成される。おそらく、本発明
のグリコシルトランスフェラーゼは、成長する炭水化物及び脂質分子の中心部分に対して
反応するのであろう。従って、好ましい態様において、受容分子又は担体は、脂質、好ま
しくはドリコールリン酸のようなポリイソプレノイドアルコール脂質を含む。最大の合成
20
効率は、担体としてリピドA を使用することによってもたらされる。例えばワクチン調製
物のように、対象に生成したオリゴ糖を直接投与するための担体としては、リピドA は有
用ではないにもかかわらず、これは連続的切断(穏やかな条件下で)及び脂質担体からの
オ リ ゴ 糖 の 分 離 の た め に 、 不 安 定 な 連 結 (labilelinkage)を 使 用 す る 際 に は 適 し て い る 。
前記グリコシルトランスフェラーゼが、天然の受容分子に相当する受容分子上での、特異
的に活性化されたサッカライドの、サッカライド残基への付加に効果的に作用するのみで
あ る こ と は 更 に 注 目 さ れ る べ き で あ る 。 例 え ば LgtEは 、 Gal か ら Glc β 1 → 4Hep へ の 転
移 を 触 媒 す る 。 従 っ て 、 グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ が 、 GalNAcの Glc へ の 結 合 (attac
hment)を 仲 介 す る 場 合 に は 、 Glc 残 基 ( 例 え ば 、 該 担 体 に 直 接 又 は 間 接 の い ず れ で 結 合 し
ているかにかかわらず)の性質が、反応効率に影響するであろう。担体が存在しない、も
30
しくは脂質担体以外を使用する状態で、効果的な合成が生じることはおそらくないであろ
う。しかし、非能率的な合成が所望であっても、本発明の実践は、脂質を含む受容分子の
使用に限定されるものではなく、サッカライド、多糖、ポリペプチド、糖タンパク質など
に及ぶ。
【0049】
オリゴ糖の合成のために、グリコシルトランスフェラーゼを、サッカライドの受容分子
への転移及び共有結合に効果的な条件下で、適当な活性化されたサッカライド及び適当な
受容分子を接触させる。特定のサッカライド単位の転移に適切かつ最良の時間、温度及び
pHの 条 件 は 、 通 常 の 試 験 を 通 じ て 決 定 す る こ と が で き ; 一 般 に 、 生 理 的 条 件 が 受 け 入 れ ら
れ る で あ ろ う 。 特 定 の 共 - 試 薬 (co-reagent)が 、 所 望 で あ る こ と も あ り ; 例 え ば こ れ は 、
40
2価の陽イオンの存在下において、活性化されたサッカライド及び受容分子に、グリコシ
ルトランスフェラーゼをより効率よく接触させうる。
【0050】
本発明では、このグリコシルトランスフェラーゼ酵素は、固相支持体、例えばセファデ
ッ ク ス 、 セ フ ァ ロ ー ス 、 又 は ポ リ ( ア ク リ ル ア ミ ド -コ -N- ア ク リ ル オ キ シ ス ク シ イ ミ ド
) (PAN)樹 脂 上 に 、 共 有 又 は 非 共 有 結 合 で 固 定 す る こ と が で き る 。 特 定 の 反 応 を 、 反 応 生
成物からの固相の酵素の容易な分離を伴う、単離された反応液中で進行することができる
。酵素の固定化は、固体支持体に付着した特定のグリコシルトランスフェラーゼを伴い、
カラムの中に一定の順で無作為に又は近接する領域に配置された支持体を伴い、カラムを
通じる反応液の通路及び末端での所望のオリゴ糖の溶出を伴うような、連続的生合成流れ
50
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も考慮する。グリコシルトランスフェラーゼの固体支持体への付着及びこのような固定化
されたグリコシルトランスフェラーゼの使用の効率的方法は、全て参照として本願明細書
に 引 用 さ れ て い る 、 Rothの 、 1993年 1月 19日 に 開 示 さ れ た 米 国 特 許 第 5,180,674号 に 記 載 さ
れている。
【0051】
本発明のグリコシルトランスフェラーゼを用いて調製されたオリゴ糖、例えば二糖類は
、本発明のグリコシルトランスフェラーゼ又は当該技術分野で公知のグリコシルトランス
フェラーゼのいずれを使用するかにかかわらず、更なる合成の受容分子として利用するこ
と が で き る ( 例 え ば 、 Rothの 米 国 特 許 第 5,180,674号 、 及 び 1993年 7 月 8 日 に 公 開 さ れ た R
othの 国 際 特 許 公 開 第 WO93/13198号 で 、 両 者 と も 全 て 参 照 と し て 本 願 明 細 書 に 引 用 さ れ て
10
いる。)。本発明のオリゴ糖組成物は、治療及び診断の用途で広範に有用である。例えば
、このサッカライド組成物は、細胞接着に関連した多数の疾患の治療における細胞表面レ
セプターのための保護剤として有用であることができる。別に少し言及すると、栄養補助
剤、抗菌剤、抗転移剤、抗炎症剤(例えば炎症に関連したレシチン又は細胞表面レセプタ
ーに結合)として有用なサッカライド組成物が、本発明によって予想される。前述のよう
に、本発明のグリコシルトランスフェラーゼは、当該技術分野で公知の他のグリコシルト
ランスフェラーゼ類と共に使用することができる、もしくは合成複合オリゴ糖又は多糖と
して認められる。
【0052】
更に、本発明のグリコシルトランスフェラーゼは、ナイセリアの様々な菌株で発見され
20
た オ リ ゴ 糖 の オ リ ゴ 糖 呈 示 部 (representative)の 合 成 に 使 用 す る こ と が で き る 。 例 え ば 、
遺伝子座からのオーブンリーディングフレームの欠失によって、もしくは合成のためのい
くつかの本発明のグリコシルトランスフェラーゼのみの選択によって、別のオリゴ糖の構
造を調製することができる。これらは、ナイセリア変異体に対し有効なワクチン調製物、
特に淋菌又は髄膜炎菌に対するサブユニットワクチンにおいて使用することができる。
更に、本発明のグリコシルトランスフェラーゼは、ヒトの糖脂質に関連したオリゴ糖に
対応したオリゴ糖の調製に使用することができる。従って、具体的な実施態様において、
本 発 明 は 、 ス フ ィ ン ゴ 脂 質 パ ラ グ ロ ボ シ ド の ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス に 相 当 す る オ リ
ゴ糖;ガングリオシドを模倣するオリゴ糖;及び構造がナイセリア・メニンギチジス免疫
型 L1に 特 徴 的 に 認 め ら れ る 、 グ ロ ボ 糖 脂 質 の サ ッ カ ラ イ ド 部 分 の 模 倣 の 合 成 を 提 供 す る 。
30
本発明のオリゴ糖は、血液型抗原のオリゴ糖中心に対応し、従って、このような血液型抗
原を調製することは、診断又は治療の目的において非常に利用度が高い。
【0053】
従 っ て 、 構 造 GalNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glc( す な わ ち ガ ン グ
リオシド)の調製法は、下記の連続工程を含む:
a.活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ ノ 酸 配 列 SEQ
ID NO:6を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能 活 性 断 片 の 存 在 下 で 、 接
触する工程;
b.活 性 化 さ れ た GlcNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ
ノ 酸 配 列 SEQ ID NO:3 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能 活 性 断 片 の
40
存在下で、接触する工程;
c.活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 、 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 部
分 に 、 ア ミ ノ 酸 配 列 SEQ ID NO:8 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能
活性断片の存在下で、接触する工程;
d.活 性 化 さ れ た GalNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Gal β 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残
基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ ノ 酸 配 列 SEQ ID NO:5 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ
、又はその機能活性断片の存在下で、接触する工程である。
【0054】
同 様 に 、 構 造 Gal β 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glc( す な わ ち ラ ク ト -N- ネ オ テ オ
トラノース)の調製法は、下記の連続工程を含む:
50
(17)
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a.活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ ノ 酸 配 列 SEQ
ID NO:6を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能 活 性 断 片 の 存 在 下 で 、 接
触する工程;
b.活 性 化 さ れ た GlcNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ
ノ 酸 配 列 SEQ ID NO:3 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能 活 性 断 片 の
存在下で、接触する工程;
c.活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 、 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 部
分 に 、 ア ミ ノ 酸 配 列 SEQ ID NO:8 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能
活性断片の存在下で、接触する工程である。
【0055】
10
別 の 実 施 態 様 に お い て 、 構 造 Gal α 1 → 4Galβ 1 → 4Glc( す な わ ち グ ロ ボ 糖 脂 質 ) の 調
製法は、下記の連続工程を含む:
a.活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ ノ 酸 配 列 SEQ
ID NO:6を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能 活 性 断 片 の 存 在 下 で 、 接
触する工程;
b.活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 部 分 に 、 ア ミ ノ
酸 配 列 SEQ ID NO:4 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ 、 又 は そ の 機 能 活 性 断 片 の 存
在下で、接触する工程である。
このようなオリゴ糖類は、担体としてリピドA を用いて調製することができる。得られ
る糖脂質が、ワクチンとして使用される場合には、担体として無毒の脂質、例えばドリコ
20
ールリン酸が使用されることが好ましい。
【0056】
ワクチン接種
ナイセリア菌株に対する能動免疫を、アジュバントと混合した、本発明に従って調製さ
れた免疫量のオリゴ糖で、免疫感作(ワクチン接種)することによって誘導することがで
き、この場合該オリゴ糖は、該ワクチンの抗原成分となる。このオリゴ糖は、担体タンパ
ク質と複合していることが好ましい。代わりに、この抗原が糖脂質である場合には、これ
をリポソームに組込むことができる。
リピドA 上のこのオリゴ糖は有毒であり、かつ本発明のワクチン接種で誘導された能動
免疫は、即時型の免疫応答をもたらすことができるにもかかわらず、このオリゴ糖単独で
30
は細菌感染を引き起こすことはできない。
【0057】
アジュバントの選択は、ワクチン投与される対象によって決まる。好ましくは、医薬と
して許容できるアジュバントを使用する。例えば、ヒトのワクチンのためには、フロイン
トの完全及び不完アジュバントを含む、油又は炭化水素の乳化アジュバントは避ける。ヒ
トでの使用に適したアジュバントの1例は、ミョウバン(アルミナゲル)である。しかし
、動物へのワクチンには、ヒトでの使用には適さないアジュバントを含むことができる。
本発明の、すなわちナイセリア菌株の抗原決定基に相当するオリゴ糖を含有するワクチ
ンは、筋肉、腹腔、静脈への投与などを含むが、これらに限定されるものではない非経口
経路で、投与することができる。
40
ナイセリア菌のその標的細胞への付着を阻害するのに十分な量のナイセリアオリゴ糖の
投与は、髄膜炎菌又は淋菌の感染症の治療にも有効である。この必要量は、標準的方法を
用いる一般的技術の1種によって決定することができる。
【0058】
細胞内グリコシレーションのためのグリコシルトランスフェラーゼの発現
本発明は、更に、この発明のグリコシルトランスフェラーゼを有する宿主細胞の形質転
換を企図する。可能な場合には、1種以上の内因性グリコシルトランスフェラーゼを欠く
細胞における、グリコシルトランスフェラーゼの発現によって、このような真核細胞にお
いて脂質及びタンパク質の新規なグリコシル化並びに原核細胞における脂質の新規なグリ
コシル化を生じるかも知れない。
50
(18)
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例えば、非毒性脂質分子を有する細菌の形質転換によって、そのような細菌上でナイセ
リ ア (Neisseria)オ リ ゴ サ ッ カ ラ イ ド が 発 現 し 、 こ の オ リ ゴ サ ッ カ ラ イ ド は 、 次 い で 、 全
細胞ワクチンに直接使用することができる。
こ れ と は 別 に 、 酵 母 、 昆 虫 又 は 哺 乳 類 の 細 胞 系 統 (cell line)に お け る グ リ コ シ ル ト ラ
ンスフェラーゼの発現によって、これらの細胞によって発現された脂質及びタンパク質の
新規なグリコシル化を生じ得る。
【0059】
ナイセリアオリゴサッカライドに対する抗体、及びそれによる診断及び治療
このオリゴサッカライドがワクチンに使用できると同様に、このオリゴサッカライドは
、それに対する抗体を産生させるのに使用することができる。この抗体は、次いで、細菌
10
の特定の株の検定や、受動免疫に使用することができる。抗体には、ポリクローナル抗体
、モノクローナル抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、及びFab発現ラ
イブラリーが含まれるが、これらに限定されるものではない。この技術分野における公知
の各種方法を使用して、オリゴサッカライドに対するポリクローナル抗体を産生すること
ができる。抗体の産生には、各種の宿主動物をオリゴサッカライドによる注射により免疫
することができる。動物には、うさぎや、マウス、ラット、羊、山羊等が含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0060】
一つの態様においては、オリゴサッカライドを免疫原性のキャリア、例えば、牛血清ア
ルブミン(BSA)や、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)等に結合してもよ
20
い。各種アジュバントを使用して、宿主動物種によるが、免疫応答を増加させることがで
きる。オリゴサッカライドに対するモノクローナル抗体、そのフラグメントや、アナログ
、若しくは誘導体の調製には、培養中の連続細胞系統による抗体分子を提供する各種方法
を使用することができる。これらの方法には、ケーラー及びミルシュタインにより初めに
開 発 さ れ た ハ イ ブ リ ド ー マ 技 術 ( 1975, Nature 256:495-497) や 、 ト リ オ ー マ 技 術 、 ヒ ト
B 細 胞 ハ イ ブ リ ド ー マ 技 術 (Kozborら 、 1983, Immunology Today 4:72)、 及 び ヒ ト モ ノ ク
ロ ー ナ ル 抗 体 を 産 生 す る た め の E B V ハ イ ブ リ ド ー マ 技 術 (Coleら 、 Monoclonal Antibodi
es and Cancer Therapy, Alan R. Liss., pp.77-96)が 挙 げ ら れ る が 、 こ れ ら に 限 定 さ れ
るものではない。
【0061】
30
本発明の追加の態様においては、最近の技術を利用して、無菌動物中にモノクローナル
抗 体 を 産 生 さ せ る こ と が で き る ( PCT/US90/02545) 。 本 発 明 に 従 え ば 、 ヒ ト 抗 体 を 使 用 す
る こ と が で き る し 、 こ の ヒ ト 抗 体 は 、 ヒ ト ハ イ ブ リ ド ー マ を 使 用 し て ( Coteら 、 1983, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:2026-2030) 、 又 は イ ン ビ ト ロ で ヒ ト B 細 胞 を E B V ウ
ィ ル ス に よ っ て 形 質 転 換 す る (Coleら 、 1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therap
y, Alan R. Liss., pp.77-96)こ と に よ っ て 得 る こ と が で き る 。 事 実 、 本 発 明 に よ れ ば 、
「キメラ抗体」の産生に対して開発された技術(オリゴサッカライドに特異的なマウス抗
体分子からの遺伝子を適当な生物学的活性を有するヒト抗体分子からの遺伝子とともにス
プ ラ イ シ ン グ す る こ と に よ る (Morrison ら 、 1984, J. Bacterol. 159-870; Neuberger ら
、 1984, Nature 312:604-608; Takedaら 、 1985, Nature 314:452-454)) を 使 用 す る こ と
40
ができる。
【0062】
この抗体は、本発明の範囲に含まれる。このようなヒト又はヒト化キメラ抗体は、これ
らの抗体が外因性抗体に比べて遥に免疫応答、特に、それ自身がアレルギー応答を誘導す
るものではないので、ヒトの病気の治療に使用するのに好ましい。本発明によれば、単鎖
抗 体 の 生 産 に つ い て 記 述 さ れ た 技 術 (米 国 特 許 第 4,946,778号 明 細 書 )を 適 用 し て 、 オ リ ゴ
サッカライド特異的単鎖抗体を産生することができる。本発明の更に別の態様では、Fa
b 発 現 ラ イ ブ ラ リ ー の 構 築 に 関 し て 記 載 さ れ た 技 術 (Huseら 、 1989, Science 246:1275-12
81)を 使 用 し て オ リ ゴ サ ッ カ ラ イ ド に 対 し て 所 望 の 特 異 性 を 有 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル F a b
フラグメント、若しくはその誘導体、若しくはアナログを迅速にかつ容易に特定すること
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(19)
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ができる。
【0063】
抗体分子のイディオタイプを含む抗体フラグメントは、公知の技術によって産生するこ
とができる。例えば、かかるフラグメントには、抗体分子のペプシン消化によって形成す
る こ と が で き る F(ab')2フ ラ グ メ ン ト や 、 F(ab')2の ジ ス ル フ ィ ド 架 橋 を 還 元 す る こ と に よ
って形成することのできるFab’フラグメント、及び抗体分子をパパイン及び還元剤に
よって処理することによって形成することのできるFabフラグメントが含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。
抗 体 の 産 生 に は 、 公 知 の 技 術 、 例 え ば 、 ラ ジ オ イ ム ノ ア ッ セ イ (ELISA)(enzyme-linked
immunosorbant assay)や 、 「 サ ン ド イ ッ チ 」 イ ム ノ ア ッ セ イ 、 イ ム ノ ラ ジ オ メ ト リ ッ ク ア
10
ッ セ イ 、 ゲ ル 拡 散 プ レ シ ピ チ ン 反 応 ( gel diffusion precipitin reaction)、 イ ム ノ 拡 散
ア ッ セ イ 、 現 場 イ ム ノ ア ッ セ イ (in situ immunoassay)( コ ロ イ ド 金 、 酵 素 又 は 放 射 線 同
位体標識を例えば使用するもの)、ウェスターンブロット、プレシピテーション反応、凝
集分析(例えば、ゲル凝集分析、ヘモアグルチネーション分析)、相補的固定分析、免疫
蛍光分析、プロテインA分析、及び免疫電気泳動分析等、によって所望の抗体のスクリー
ニングを行うことができる。
【0064】
一つの態様においては、抗体の結合は、一次抗体上の標識を検出することによって検知
する。別の態様では、一次抗体は、二次抗体又は試薬の一次抗体への結合を検知すること
によって検出する。更に別の態様では、二次抗体を標識する。この分野では、免疫分析に
20
おける結合の検出には、多くの技術が公知であり、本発明の範囲に含まれる。例えば、特
定のオリゴサッカライドを認識する抗体を選択するためには、そのようなエピトープを含
有するオリゴサッカライドと結合する物質に対して形成したハイブリドーマを分析するこ
とができる。特定の種又は株のナイセリアからのオリゴサッカライドに特異的な抗体を選
択するためには、その種又は株により発現され、単離されたオリゴサッカライドとの正の
結合に基づいて選択することができる。
上記抗体は、オリゴ糖の局在及び活性に関するこの技術分野で公知の方法、例えば、ウ
エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ 、 そ の 場 で の (in situ)オ リ ゴ 糖 の 画 像 形 成 、 適 当 な 生 理 学 的 試
料中のそれらの濃度の測定、に利用できる。
【0065】
30
グラム陽性菌の感染の診断は、所望の、この技術分野で公知の免疫アッセイフォーマッ
トを使用することができる。これらの抗体はインビトロで検出するために、例えば、酵素
、蛍光物質、発色物質、ラジオアイソトープ、染料、金コロイド、ラテックス粒子、及び
化学発光物質等の標識物質で標識することができる。
また、これらの抗体はインビボで検出するために、例えば、ラジオアイソトープ(好ま
しくはテクネチウム又はヨウ素)、磁気共鳴シフト試薬(例えば、ガドリニウム及びマン
ガン)、又は放射線不透過性試薬で標識することができる。
【0066】
ま た 、 本 発 明 の 核 酸 及 び そ の 配 列 は 、 ナ イ セ リ ア (Neisseria)感 染 の 診 断 、 特 に 、 特 定
の株の同定、又はどのグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子が変異しているかを決定する
40
の に 使 用 す る こ と が で き る 。 例 え ば 、 lgt 遺 伝 子 又 は そ の ハ イ ブ リ ダ イ ズ で き る 断 片 は 、
ナ イ セ リ ア 菌 感 染 の 恐 れ の あ る 患 者 か ら の 試 料 と の in situ ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン に 使
用 す る こ と が で き る 。 他 の 実 施 態 様 に お い て 、 本 発 明 の lgt 遺 伝 子 に 基 づ く プ ロ ー ブ を 用
いたPCR増幅法を利用して、ナイセリアの特定の遺伝子セグメントを同定することがで
きる。
本発明の一局面において、プローブ又はPCRプライマーとのハイブリダイゼーション
は、ストリンジェントな条件で、又は、特定の株又は限られた数の細菌の株に特異的な配
列、又は両者を用いて行うことができ、これによって、特定の株(又は複数の株)による
感染の診断が可能になる。また、ハイブリダイゼーションは、よりストリンジェントでな
い条件で行うことができ、又は、配列は細菌の任意の株又は全ての株において一致するこ
50
(20)
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とがあり、これによって、その種の感染の診断が可能になる。本発明は、構成及び手法の
詳細を示す以下の例示的な記述からより良く理解されるであろう。
【0067】
実施例
こ の 実 施 例 は 、 5 つ の 遺 伝 子 を 有 す る ナ イ セ リ ア ゴ ノ ロ エ ア エ ( gonorrhoeae) 株 F 62
の遺伝子座を説明する。これら遺伝子の4つは、GalNAcβ1→3Galβ1→4G
lcNAcβ1→3Galβ1→4を、内部コア領域の基質Glcβ1→4Hep→Rに
逐 次 付 加 す る ( ヤ マ サ キ ら 、 1991、 Biochemistry 30:10566) 。 5 番 目 の 遺 伝 子 は 、 別 の
LOS構造Galα1→4Galβ1→4Glcβ1→4Hep→Rの生合成において、
α 結 合 し た ガ ラ ク ト ー ス 残 基 の 付 加 に 関 与 し て い る ( ジ ョ ン ら 、 1991、 J. Biol. Chem. 2
10
66:19303) 。 D N A 配 列 分 析 に よ り 、 第 1 、 第 3 及 び 第 4 リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム が 、 ポ リ
− G 域 を 含 む こ と が 分 か っ た 。 こ れ ら は 、 株 F 62に お い て 、 そ れ ぞ れ 、 17、 10及 び 11bpで
あ る 。 従 っ て 、 L O S 生 合 成 酵 素 の 3 つ は 、 淋 菌 pilC 遺 伝 子 に つ い て 報 告 さ れ て い る よ
うに、リーディングフレームの変化による早まった停止を受ける恐れがある(ジョンソン
ら 、 1991、 EMBO J. 10:477; ル デ ル ら 、 1992, Molec. Microbiol. 6:3439) 。 こ れ ら の 構
造 的 な 特 徴 は 、 淋 菌 L O S の 頻 繁 な 遺 伝 的 変 化 の 原 因 と な っ て い る も の と 思 わ れ る (シ ュ
ナ イ ダ ー ら 、 1988, Infect. Immun. 56:942)。
【0068】
材料と方法
試薬及び化学薬品:殆どの化学薬品は、シグマケミカル社(セントスルイス,MO)から
20
入手した。制限酵素は、ニューイングランドバイオラボ(ビバリー,MA)から購入した
。
培 地 及 び 生 育 条 件 : 大 腸 菌 株 は 、 固 体 又 は 液 体 L B 培 地 (サ ン ブ ル ッ ク ら ,1989, コ ー ル ド
ス プ リ ン グ ハ ー バ ー ラ ボ ラ ト リ ー プ レ ス 、 コ ー ル ド ス プ リ ン グ ハ ー バ ー )で 生 育 さ せ た 。
抗 生 物 質 を 適 宜 加 え た 。 カ ル ベ ニ シ リ ン を 5 0 μ g/ml及 び エ リ ス ロ マ イ シ ン を 2 0 0 μ g/
ml使 用 し た 。 ナ イ セ リ ア ゴ ノ ロ エ ア エ 株 F 62を G C 寒 天 培 地 (ス ワ ン ソ ン , 1978, Infect
. Immun. 19:320)又 は 2 μ g/mlの エ リ ス ロ マ イ シ ン を 含 む G C 寒 天 培 地 で 生 育 さ せ た 。 L
OS又はゲノムDNAの単離のため、淋菌を1.5%プロテオースペプトンブロス(ディ
フ コ ラ ボ ラ ト リ ー ズ 、 デ ト ロ イ ト M I ) 、 3 0 mMリ ン 酸 塩 、 8 . 5 mMN a C l 、 1 % イ ソ
ビタレックス(ベクトンディッキンソンマイクロバイオロジーシステムズ、コッキースビ
30
ル、MD)中で生育させた。
【0069】
組 換 え D N A 法 : プ ラ ス ミ ド は 、 キ ア ゲ ン ( Qiagen) 社 (チ ャ ッ ツ ワ ー ス 、 C A )か ら 入 手
したキアゲンカラム又はQIAプレプスピンカラムを用いて精製した。
制限酵素による消化、ゲル電気泳動、T4DNAポリメラーゼによるライゲーション及び
大 腸 菌 の 形 質 転 換 は 、 サ ン ブ ル ッ ク ら ( Sambrook et al., 1989,コ ー ル ド ス プ リ ン グ ハ ー
バーラボラトリープレス、コールドスプリングハーバー)に従って行った。サザンハイブ
リダイゼーションは、アマーシャム社(アーリントンハイツ、IL)のECLキットを用
いて標識DNAにより、ハイボンドN+メンブランアマーシャム社上で行った。ゲノムD
N A は 、 モ ク ソ ン ら ( Moxon et al. 1984, J. Clin. Invest. 73:298) に 記 載 さ れ た よ う
40
に単離した。
【0070】
Neisseria gonorrhoeae( 淋 菌 ) 株 F 6 2 ゲ ノ ム D N A の 遺 伝 子 バ ン ク は 、 Sau3A で の 不
完全な消化により得られた約20kbフラグメントを、BamHI/EcoRI消化した
λ 2 0 0 1 ( Karnら 、 Gene 32:217(1984)) に 結 合 さ せ る こ と に よ り 構 築 し た 。 フ ァ ー ジ
ライブラリーを、ランダム−プライマー−標識したプラスミドpR10PIとのハイブリ
ダ イ ゼ ー シ ョ ン に よ り ス ク リ ー ニ ン グ し 、 5 つ の ク ロ ー ン を プ ラ ー ク 精 製 (plaque purifi
cation)に よ り 単 離 し た 。 こ れ ら の ク ロ ー ン か ら の フ ァ ー ジ を 、 C s C l に お け る 沈 降 及
び そ の 後 の 浮 上 (Davisら の Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY(19
80))に よ り 精 製 し 、 D N A を 単 離 し た 。 こ れ ら の ク ロ ー ン の 1 つ か ら 、 4.9及 び 3.4k b の
50
(21)
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2 つ の C l a I フ ラ グ メ ン ト を 、 ゲ ル 電 気 泳 動 及 び G e n e c l e a n I I (BIO 101 Inc
., La Jolla. CA.)に よ る 回 収 に よ り 単 離 し た 。 こ れ ら を 、 S t r a t a g e n e (La Jol
la. CA.)か ら の C l a I 切 断 p B l u e s c r i p t I I S K に 結 合 し 、 そ れ ぞ れ を p
4 9 0 0 及 び p 3 4 0 0 と 名 付 け た 。 p 4 9 0 0 は 、 イ ン サ ー ト (insert)に P s t I 部 位
を 含 み 、 か つ 2.1及 び 2.8k b の イ ン サ ー ト を 含 む 2 つ の ク ロ ー ン に 細 分 さ れ た 。 2.8k b
のインサートを含むクローンはpPstClaと名付けた。p3400のインサート及び
p P s t C l a は 、 S e q u e n a s e I I ( United States Biochemical Co., Clevel
and. OH) を 用 い た 鎖 停 止 方 法 (chain termination method)(Sanger ら , Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 74:5463(1977))に よ り 配 列 決 定 し た 。 図 2 に 示 し た 全 て の 配 列 は 、 両 方 向 に
完 成 (complete)さ せ た 。
10
【0071】
図 6 に 示 し た 挿 入 及 び 欠 失 (deletion)は 、 次 の よ う に 行 っ た 。 I 1 、 I 3 、 △ 1 及 び △
2では、それぞれ、BsaBI、AscI、StyIで切断及びStyI及びBsaBI
で 二 重 切 断 (double cut)し た プ ラ ス ミ ド p P s t C l a を 用 い た 。 1 2 及 び △ 3 で は 、 A
geI又はStyIで切断したプラスミドp3400用いた。完全な遺伝子座は、p34
00からのClaI−ApaIフラグメントを、ClaI及びApaIで切断したpPs
tClaにクローニングすることにより組み立て、そのプラスミドをpLOS5と名付け
た。欠失△4及び△5は、pLOS5を用い、StyIとBbsIでの消化又はStyI
のみでの消化で構築した。全てのケース(BsaBIでの消化を除く)において、切断さ
れたプラスミドを、E.coli DNAポリメラーゼのKlenowフラグメントで処
20
理して、末端を平滑にし、かつermC’(エリスロマイシン耐性マーカー)を挿入した
。 e r m C ’ 遺 伝 子 を 、 プ ラ ス ミ ド p I M 1 3 (Projan ら の J. Bacteriol. 169:5131(198
7))か ら 、 C l a I − H i n d I I I フ ラ グ メ ン ト と し て 単 離 し 、 か つ プ ラ ス ミ ド p H S
S 6 (Seifertら の Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:735(1986))中 の 同 一 部 位 に ク ロ ー ニ ン
グ し た 。 こ の プ ラ ス ミ ド か ら 、 そ れ を N o t I フ ラ グ メ ン ト と し て 切 開 (excise)し 、 そ の
末端を、DNAポリメラーゼのKlenowフラグメントでの処理により平滑にし、ゲル
電気泳動及びGeneclean IIでの回収により精製した。
【0072】
ピ リ エ ー ト 化 さ れ た (piliated)Neisseria gonorrhoeae株 F 6 2 の 形 質 転 換 は 、 E . c
o l i (Klugmanら の Infect. Immun. 57:2066(1989))か ら 単 離 し た プ ラ ス ミ ド 、 及 び エ リ
30
ス ロ マ イ シ ン 2 μ g / m l を 含 む G C 寒 天 培 地 (Swansonの Infect. Immun. 19:320(1978))
に お い て 選 択 さ れ た 形 質 転 換 体 (transformant)を 用 い て 行 っ た 。 各 淋 菌 形 質 転 換 体 の ゲ ノ
ム交換の適合度は、PCR技術を用いて、それらのゲノムDNAにおけるermC’遺伝
子 の 上 流 及 び 下 流 ジ ャ ン ク シ ョ ン を シ ー ク エ ン ス す る こ と (sequencing)に よ り 確 か め た 。
2 つ の ビ オ チ ン 化 し た (biotinylated)プ ラ イ マ ー 、 GCCGAGAAAACTATTGGTGGA(配 列 番 号 9 )
及 び AAAACATGCAGGAATTGACGAT( 配 列 番 号 10) を 合 成 し : こ れ ら の そ れ ぞ れ を 、 そ の 上 流 及
び そ の 下 流 末 端 の 付 近 の e r m C ’ 配 列 の ベ ー ス と し た 。 プ ラ イ マ ー は 、 そ れ ら の 3'末 端
がermC’遺伝子から外側に向くように設計した。これらの各プライマーは、推定挿入
(putative insertion)付 近 の L O S 遺 伝 子 座 の 配 列 に 適 合 す る 適 切 な プ ラ イ マ ー と と も に
使 用 し た 。 P C R は 、 P e r k i n E l m e r (Branchburg, NJ)か ら の G e n e A m p
40
P C R R e a g e n t K i t の 使 用 説 明 書 に 従 っ て 、 25サ イ ク ル で 行 っ た 。 全 て の ケ ー
スにおいて、予期したサイズのプロダクトが得られた。これらのプロダクトのDNA配列
は 、 P C R プ ロ ダ ク ト を 、 D y n a l 社 (Lake Success, NY)か ら の マ グ ネ テ ィ ッ ク ス ト レ
プ タ ビ ジ ン ビ ー ズ (magnetic streptavidin beads)に お い て 精 製 す る こ と 、 及 び H u l t
m a n ら に よ り 開 発 さ れ た 方 法 (Hultmanら の Nucleic Acids Res.17:4937(1989))を ベ ー ス
として、Dynal社のプロトコールに従ってSequenase IIキットを用いて
シークエンシングすることにより決定した。配列を、Genetics Compute
r G r o u p 社 (Madison, WI)の G C G パ ッ ケ ー ジ の コ ン ピ ュ ー タ ー プ ロ グ ラ ム に よ り 分
析した。
【0073】
50
(22)
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免疫学的方法
モノクローナル抗体17−1−L1(L1)、9−2−L378(L3)、2−1−L
8 ( L 8 ) を 、 ろ 過 し た 腹 水 流 体 (ascites fluid)と し て 得 た 。 抗 体 1 − 1 -M を 、 腹 水 流
体として得て、また、3F11及び4C4を、組織培養の上層として得た。LOSを、各
淋 菌 変 異 体 か ら 、 熱 フ ェ ノ ー ル − 水 方 法 (Westphalと Jannの Academic Press, New York 83
-91(1965))に よ り 抽 出 し 、 か つ Johnstonら の J. Exp. Med. 143:741(1976))の 記 載 の よ う
に 精 製 し た 。 L O S を 、 Towbinら (Towbin ら の Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:4350(197
9))に よ り 記 載 さ れ た ウ ェ ス タ ン ブ ロ ッ ト バ ッ フ ァ ー に 2 0 0 μ g / m l と な る よ う に 希
釈 し 、 か つ ア リ コ ー ト 1.5μ l を 、 ブ ロ ッ テ ィ ン グ バ ッ フ ァ ー に 浸 透 さ せ た 3 M M W h a
t m a n ろ 紙 上 に あ っ た M i l l i p o r e C o r p (Bedford, MA)か ら の I m m o b i
10
l o n − P 膜 上 に ス ポ ッ ト (spot)し た 。 ス ポ ッ ト を 、 2 分 間 に わ た っ て 膜 に 吸 収 さ せ 、 ス
ト リ ッ プ (strip)を 、 ブ ロ ッ キ ン グ バ ッ フ ァ ー 中 に 少 な く と も 60分 間 置 い た 。 ブ ロ ッ キ ン
グ バ ッ フ ァ ー は 、 1 5 0 m M の N a C l 、 10m M の ト リ ス − H C l 、 1 0 m M 、 pH 7.5、
5 m M の M g C l 2、 0.02% の N a N 2に 溶 解 し た ゼ ラ チ ン 3 % か ら な っ て い た 。 ス ト リ ッ
プを、1%のゼラチンを含む同一バッファー中において3回洗浄した。ストリップを、ブ
ロッキングバッファーに希釈したモノクローナル抗体を用いて2時間処理した。腹水流体
として入手可能な抗体を、1/1000に希釈し、組織培養の上層として入手可能な抗体
を 1 / 1 0 に 希 釈 し た 。 ス ト リ ッ プ を 洗 浄 し 、 6 0 分 間 、 C a p p e l (Organon Teknika
Co., West Chester, PA)か ら の ホ ス フ ァ タ ー ゼ 結 合 抗 I g G 、 I g A 、 I g M ( 1 / 1
0 0 0 希 釈 ) を 用 い て イ ン キ ュ ベ ー ト し 、 先 に 記 載 し た よ う に (Blakeら の Analyt. Bloche
20
m. 136:175(1984))、 洗 浄 し 染 色 し た 。
【0074】
ゲル電気泳動
L O S 試 料 の ゲ ル 電 気 泳 動 は 、 L e s s e ら (Lesseら の J. Immunol. Meth. 126:109(19
90))に 記 載 さ れ た よ う に 行 い 、 ゲ ル を 銀 染 色 し た (Hitchcockと Brownの J. Bacteriol. 154
-269(1983))。
結果
LOS 遺 伝 子 座 の ク ロ ー ニ ン グ : 淋 菌 (Neisseria gonorrhoeae)の ポ リ ン (porin)遺 伝 子 を
単 離 す る 試 み の 中 で 、 コ ロ ニ ー ブ ロ ッ ト で 、 精 製 ポ リ ン に 対 す る 兎 の 抗 血 清 と 反 応 し た 4.
9kb ClaIフ ラ グ メ ン ト を 含 む pBR322ク ロ ー ン が 、 繰 り 返 し 単 離 さ れ た 。 免 疫 反 応 性 サ ブ ク
30
ロ ー ン 、 即 ち 、 1305bp RsaI-ClaIフ ラ グ メ ン ト か ら 成 る pR10PIが 、 誘 導 さ れ 、 そ の DNA 配
列 が 決 定 さ れ た 。 こ の 配 列 は 、 そ の 種 の LPS合 成 に 関 与 す る こ と が 知 ら れ て い る 、 ヘ モ フ
ィ ラ ス イ ン フ ル エ ン ザ (Haemophilus influenzae)、 所 謂 lex-1(Cope et al., 1991, Molec
. Microbiol. 5:1113)、 又 は lic2A(High et al., 1993, Molec. Microbiol. 9:1275)か ら
単 離 さ れ た 遺 伝 子 に 対 し て 相 同 性 を 有 し て い た 。 プ ロ ー ブ と し て サ ブ ク ロ ー ン pR10PIを 使
用 し て 、 ClaIで 消 化 し た 、 淋 菌 ゲ ノ ム DNA の サ ザ ー ン ブ ロ ッ ト は 、 2 つ の フ ラ グ メ ン ト 、
4.9及 び 3.4kbと の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン を 示 し た 。 然 し な が ら 、 そ の 他 の 制 限 酵 素 で の
消 化 は 、 単 一 バ ン ド の み を 与 え た 。 注 目 す べ き こ と に 、 BfaIで の 消 化 は 、 4.1kb の 単 一 バ
ンドのみを与え、2つのコピーが近接して結合している事を示唆している(データは示さ
れていない)。
40
【0075】
淋 菌 株 F62DNAの λ 2001バ ン ク は 、 pR10PIと の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン に よ っ て ス ク リ ー
ニ ン グ さ れ 、 5 つ の ク ロ ー ン が 単 離 さ れ た 。 そ れ ら の ク ロ ー ン の 内 の 1 つ は 、 ClaI又 は Bf
aIで 消 化 し 、 プ ロ ー ブ と し て pR10PIを 使 用 し た サ ザ ー ン ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン で 試 験 し
た 時 に 、 ゲ ノ ム DNA と 見 ら れ る も の と 同 一 の パ タ ー ン を 与 え た 。 こ の λ 2001ク ロ ー ン の 適
当 な ClaIフ ラ グ メ ン ト が 単 離 さ れ 、 pBluescript II SK-の ClaI部 位 に ク ロ ー ニ ン グ さ れ た
。 3400 ClaI フ ラ グ メ ン ト の 全 体 配 列 が 決 定 さ れ た 。 4900 bp ClaIフ ラ グ メ ン ト を 含 む ク
ロ ー ン の 地 図 化 は 、 一 端 か ら 約 2.8 kbの ク ロ ー ン 中 に 、 単 一 PstI部 位 が 存 在 し 、 2 つ の サ
ブ ク ロ ー ン に 分 割 で き る 事 を 示 し た 。 2.1kb サ ブ ク ロ ー ン の 末 端 の 部 分 配 列 は 、 glycyl-t
RNA シ ン セ タ ー ゼ (glyS)の α サ ブ ユ ニ ッ ト の 大 腸 菌 COOH- 末 端 部 と 、 こ の 遺 伝 子 の β サ ブ
50
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ユ ニ ッ ト の 大 部 分 と に 相 同 な コ ー ド フ レ ー ム を 含 ん で い る 事 を 示 し た (Webster et al., 1
983, J. Biol. Chem. 258:10637)。 大 腸 菌 配 列 に 適 合 す る 必 要 が あ る D N A の 予 測 し た 長
さが存在した。このクローンは、更に試験はしなかった。
【0076】
LOS 遺 伝 子 座 の DNA 配 列 : 2 つ の ク ロ ー ン を 配 列 分 析 す る こ と に よ っ て 見 出 さ れ た 特 徴
の 纏 め を 、 図 2 に 示 す 。 glyS遺 伝 子 に 続 い て 、 5 つ の 近 接 配 置 さ れ た オ ー プ ン リ ー デ ィ ン
グ フ レ ー ム が 見 出 さ れ た 。 最 後 の フ レ ー ム は 、 停 止 コ ド ン の 46bp下 流 に 、 rho 独 立 末 端 シ
グ ナ ル に 典 型 的 な 配 列 を 有 す る 。 続 い て 、 IS1106ナ イ セ リ ア 挿 入 配 列 に 対 し て 顕 著 な 相 同
性 を 有 す る 約 1 0 0 bpの 領 域 が 存 在 す る (Knight et al., 1992, Molec. Microbiol. 6:15
65)。 以 下 に 提 示 さ れ る 、 こ の 遺 伝 子 座 の 性 質 の 更 な る 説 明 は 、 5 つ の オ ー プ ン リ ー デ ィ
10
ン グ フ レ ー ム が 、 LOS グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ (L O S glycosyl transferase)を
コ ー ド し 、 そ れ 故 に 、 そ れ ら は が 、 lgtA-lgtE と 命 名 さ れ た こ と を 示 す 。
【0077】
こ の 遺 伝 子 座 内 の 内 部 相 同 の 調 査 は 、 最 初 の 2 つ の 遺 伝 子 (lgtA、 lgtB)を コ ー ド す る DN
A は 、 第 4 及 び 第 5 遺 伝 子 (lgtD、 lgtE)と し て 繰 り 返 さ れ 、 挿 入 さ れ る も の が 、 付 加 的 オ
ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム 、 lgtCで あ る 事 を 示 し た 。 こ の 事 は 、 lgtBと 、 lgtC遺 伝 子 の
小 部 分 を 含 む pR10PIプ ロ ー ブ が 、 2 つ の ClaIフ ラ グ メ ン ト と ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る が 、 唯 一
の BfaIフ ラ グ メ ン ト ( 図 2 の LOS 遺 伝 子 座 の BfaIの 部 分 を 参 照 ) と の み ハ イ ブ リ ダ イ ズ す
るという、先に示したサザンハイブリダイゼーションにより得られたデータと一致してい
る 。 更 に 詳 細 に は 、 tRNAシ ン セ タ ー ゼ (glyS)の 停 止 コ ド ン に 続 く 16bpは 、 コ ン セ ン サ ス リ
20
ボ ソ ー ム 結 合 部 位 (rbs)が 直 ぐ 後 に 続 く 幹 ル ー プ 構 造 (stem loop structure)の 開 始 点 で あ
り 、 6bp 内 に 、 lgtAの 開 始 コ ド ン で あ る と 考 え ら れ る TTG が あ る 。 幹 ル ー プ (lgtC の 停 止
コ ド ン が 直 ぐ に 続 く )の 開 始 点 か ら 2871bp下 流 に は 、 約 500bp に 対 し て 極 め て 相 同 な 下 流
配 列 を 伴 う 、 幹 ル ー プ 構 造 、 rbs 及 び lgtDの TTG 開 始 コ ド ン の 殆 ど 完 全 な 繰 り 返 し が 存 在
す る 。 次 い で 、 こ の 配 列 は 、 或 る 程 度 変 動 す る 。 然 し な が ら 、 lgtB及 び lgtEの 開 始 点 に お
い て は 、 相 同 は 、 約 200 塩 基 に 対 し て 再 度 、 殆 ど 完 全 な も の と な り 、 次 い で orf の 後 の 部
分に向かって変動する。この相同性タンパク質の類似性は図3及び4に示される。これら
の比較は、分子のN−末端部分で一次構造がほぼ完全に保存され、タンパク質のCOOH
末端に向かって、変動が増加することを示す。
【0078】
30
遺 伝 子 座 の 繰 り 返 し 部 分 の 間 に 挿 入 さ れ る lgtC配 列 は 、 遺 伝 子 座 内 で は 、 或 い は 淋 菌 ゲ
ノ ム で は 繰 り 返 さ れ な い (デ ー タ は 示 さ れ な い )。 こ れ は 、 コ ア LPS の 生 合 成 に お い て 、 グ
ル コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ と し て 働 く 、 極 め て 近 い 関 係 に あ る 遺 伝 子 で あ る 大 腸 菌 rfaI
又 は rfaJ遺 伝 子 に 相 同 で あ る よ う に 思 わ れ る (Pradel et al., 1992, J. Bacteriol. 174:
4736)。 rfaIと lgtCの 類 似 性 は 図 5 に 示 さ れ る 。
それらのコードフレーム内に含まれるこれら遺伝子の3つは、グリシンの伸長をコード
す る グ ア ノ シ ン を 動 か す (runs of)事 が 分 か っ た ( 図 2 参 照 ) 。 こ れ ら の ポ リ − G 領 域 は
、 lgtA(17bp)、 lgtC(10bp)及 び lgtD(11bp)に お い て 見 出 さ れ 、 そ れ ぞ れ の 場 合 、 G 残 基 の
数は、完全なリーディングフレームを維持する数であった(図3及び5参照)。3つの遺
伝子のそれぞれにおいて、1又は2G塩基の変化は、転写の早すぎる終結の原因となる。
40
【0079】
LOS 遺 伝 子 座 の 欠 失 に よ る 淋 菌 F62 の LOS 表 現 型 : lgt 遺 伝 子 の 機 能 を 決 定 す る 為 に 、
LOS 遺 伝 子 座 の 挿 入 又 は 欠 失 が 、 大 腸 菌 で 増 殖 し た プ ラ ス ミ ド で 構 築 さ れ た 。 そ れ ぞ れ の
ケ ー ス に お け る 挿 入 又 は 欠 失 が 、 淋 菌 に お い て 優 れ た 選 択 的 マ ー カ ー で あ る ermC′ 遺 伝 子
で マ ー ク さ れ た (Klugman et al., 1989, Infect. Immun. 57:2066)。 こ の 構 築 は BsaBI、 A
geI及 び AscI部 位 の そ れ ぞ れ の 中 へ の ermC′ 遺 伝 子 の 挿 入 を 示 す 、 図 6 、 I 1 、 I 2 及 び
I3に纏められている。同様に、欠失は、プラスミドの一部を切取り、エリスロマイシン
マーカーで置換する事によって構築された。白の矢印は、議論される遺伝子を示す。これ
ら の プ ラ ス ミ ド の そ れ ぞ れ は 、 淋 菌 株 F62 を 形 質 転 換 す る 為 に 使 用 さ れ 、 形 質 転 換 体 は 、
エリスロマイシン含有プレート上で選択された。淋菌形質転換体のそれぞれのプロトタイ
50
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プ の ゲ ノ ム 変 動 の 忠 実 度 は 、 ermC′ 遺 伝 子 の 上 流 と 下 流 の 結 合 点 を 、 配 列 分 析 す る 事 に よ
って検証された。この報告での命名法を簡単にする為に、淋菌変異体は、図6のプラスミ
ド構築体を同定するのに使用したのと同じ名前が与えられた。
【0080】
突 然 変 異 体 の LOS を SDS-PAGEに よ り 調 べ て 、 菌 株 1291e の LOS と 比 較 し た 。 こ の 菌 株 は
、 デ ュ ダ ス ( Dudas) 及 び ア ピ セ ラ ( Apicella) に よ り ( デ ュ ダ ス 及 び ア ピ セ ラ 、 Infect
. Immun.、 56巻 、 499 頁 ( 1988年 ) ) 、 菌 株 1291野 生 型 の ピ オ シ ン 耐 性 突 然 変 異 体 と し て
初めて単離され、化学的、遺伝学的に広範に特性解析されているものである。化学分析に
よ り 、 こ の 突 然 変 異 体 が ヘ プ ト ー ス 1 上 の ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス 置 換 を 完 全 に 欠 く
こ と が 示 さ れ て い る (ジ ョ ン ( John) ら 、 J. Biol. Chem.、 266 巻 、 19303 頁 ( 1991年 )
10
) 。 こ の 突 然 変 異 体 の 遺 伝 的 ベ ー ス は 特 定 さ れ て お り ( ゾ ウ ( Zhou) ら 、 J. Biol. Chem.
、 269 巻 、 11162 頁 ( 1994年 ) 、 サ ン ド リ ン ( Sandlin) 及 び シ ュ タ イ ン ( Stein) 、 J. B
acteriol. 、 176 巻 、 2930頁 ( 1994年 ) ) 、 こ れ は ホ ス ホ グ ル コ ム タ ー ゼ に つ い て コ ー ド
す る pgm 遺 伝 子 の 突 然 変 異 で あ る 。 こ の 突 然 変 異 は UDP-グ ル コ ー ス の 合 成 を 阻 害 し 、 そ れ
によりグルコースのヘプトースへの付加を阻害する。図7に示されているように、親野生
型 F62 菌 株 は 2 つ の 主 な LOS バ ン ド を も た ら し た が 、 そ れ ら の 外 観 は 従 来 他 の 研 究 者 ら に
よ り 発 表 さ れ た SDS-PAGEパ タ ー ン ( シ ュ ナ イ ダ ー (Schneider)ら 、 Amer. Soc. Microbiolo
gy、 ワ シ ン ト ン 、 400 ∼ 405 頁 ( 1985年 ) ) か ら 区 別 で き な い 。 突 然 変 異 体 が 含 有 す る 主
な バ ン ド の サ イ ズ に 従 っ て 、 突 然 変 異 体 を ゲ ル 上 に 配 列 し た 。 こ の サ イ ズ は 、 F62 wt LOS
の 最 高 バ ン ド か ら Δ 4 又 は 1 2 の LOS の サ イ ズ ま で 、 4 個 の 明 確 な 段 階 で 減 少 す る 。 1 2
20
突 然 変 異 体 ( 遺 伝 子 座 中 の 最 終 遺 伝 子 で あ る lgtEへ の 挿 入 を 伴 う ) が 、 Δ 4 ( 遺 伝 子 座 が
完 全 に 欠 失 し て い る ) と 同 一 の 表 現 型 を 有 す る こ と か ら 、 lgtE生 成 物 は 最 初 の 生 合 成 工 程
を 行 う こ と が 示 唆 さ れ る 。 従 っ て 、 lgtA-Dに よ り コ ー ド さ れ る 酵 素 は 、 完 全 な も の で は あ
る が 、 作 用 す べ き 基 質 を 有 し な い 。 突 然 変 異 体 Δ 5 ( lgtEを 除 く 遺 伝 子 座 が 欠 失 ) は 、 1
段 階 大 き な LOS を も た ら し 、 こ の こ と は こ の 遺 伝 子 が 最 初 の 生 合 成 工 程 に 寄 与 す る と い う
考 え 方 を 支 持 す る 。 ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス 鎖 中 の 最 初 の 残 基 で あ る グ ル コ ー ス に 付
加 で き な い こ と が 知 ら れ て い る 菌 株 1291e の LOS に 比 べ て 、 1 2 及 び Δ 4 突 然 変 異 体 の LO
S は と も に 明 ら か に 大 き い こ と に 留 意 す べ き で あ る 。 こ れ ら の デ ー タ か ら 、 ラ ク ト -N- ネ
オ テ ト ラ オ ー ス の 最 初 の ガ ラ ク ト ー ス に 付 加 す る ガ ラ ク ト シ ル 基 転 移 酵 素 を 、 lgtEが コ ー
ドすることが示唆される。
30
【0081】
更 に 、 ド ッ ト ブ ロ ッ ト 手 法 を 用 い て 、 LOS 試 料 を そ の モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 と の 反 応 性 に
関して調べた。使用したモノクローナル抗体及びその報告されている特異性を、図1に示
す 。 親 菌 株 及 び 突 然 変 異 体 か ら 得 ら れ た LOS に つ い て 観 察 さ れ た 反 応 を 、 図 8 に ま と め た
。 親 F62 と 1-1-M、 3F11及 び L8と の 反 応 性 は 、 従 来 マ ン ド レ ル ( Mandrell) ら ( マ ン ド レ
ル ら 、 Amer. Soc. Microbiology、 ワ シ ン ト ン 、 379∼ 384 頁 ( 1985年 ) ) 、 及 び ヤ マ サ キ
( Yamasaki) ら ( ヤ マ サ キ ら 、 Mol. Immunol. 、 28巻 、 1233頁 ( 1991年 ) ) に よ り 報 告 さ
れている通りであった。
【0082】
突然変異体Δ4及びI2は、いずれの抗体とも反応しなかった。しかしながら、Δ5は
40
抗 体 C4C 及 び L8と 強 く 反 応 し 、 こ の こ と は 最 初 の ガ ラ ク ト ー ス 残 基 が 存 在 す る こ と を 示 し
て い る 。 こ の こ と は SDS-PAGEに よ る 結 果 ( 図 6 参 照 ) と 一 致 し 、 lgtEの ガ ラ ク ト シ ル 基 転
移 酵 素 と し て の 役 割 を 支 持 す る も の で あ る 。 こ の こ と は ま た 、 lgtEの 上 流 で の 欠 失 が あ っ
て も 、 極 性 効 果 に よ り そ の 機 能 は 著 し く は 不 活 性 化 さ れ な い こ と を 示 し て い る 。 F62 wt親
の LOS は 、 L3と の 強 い 反 応 性 を 有 し 、 3F11と の 弱 い 反 応 性 を 有 し て い た 。 3F11の 反 応 性 が
、 GalNAc残 基 の 付 加 に よ り 閉 塞 さ れ る こ と が 知 ら れ て い る ( シ ュ ナ イ ダ ー ら 、 J. Exp. Me
d.、 174 巻 、 1601頁 ) が 、 L3抗 体 の 場 合 に は こ れ と は 異 な っ て い た 。 wt LOSは 、 末 端 GalN
Ac残 基 存 在 す る 場 合 に 反 応 性 を 有 す る 抗 体 で あ る 1-1-M と 反 応 し た 。 1-1-M と の 反 応 性 は
、 lgtDに お い て の み 欠 失 を 有 す る Δ 3 に お い て は 失 わ れ て い た 。 こ の こ と か ら 、 こ の 遺 伝
子 が GalNAc基 転 移 酵 素 を コ ー ド す る こ と が 示 唆 さ れ る 。
50
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【0083】
抗 体 L1( α 1 → 4Galで キ ャ ッ プ さ れ た 代 替 LOS 構 造 に 特 異 的 ) と の 反 応 性 は 、 wt LOSで
は 認 め ら れ ず 、 11及 び lgtCに 影 響 を 及 ぼ す 全 て の 欠 失 に お い て は 存 在 し な か っ た 。 該 反 応
性 は 、 lgtAの 欠 失 の み を 有 す る Δ 1 に お い て 最 も 強 か っ た 。 こ の 突 然 変 異 体 は ま た 、 3F11
及 び L3と の 反 応 性 を 有 し な い こ と に 留 意 す べ き で あ る 。 こ れ ら 2 つ の 発 見 か ら 、 lgtAが Gl
cNAc基 転 移 酵 素 に つ い て コ ー ド し 、 こ の 残 基 が 付 加 さ れ な い 場 合 に は 、 代 替 LOS 構 造 を 生
成 す る lgtCの 作 用 に つ い て の 基 質 は こ の 不 完 全 鎖 で あ る こ と が 示 唆 さ れ る 。 図 7 に 見 ら れ
る LOS 生 成 物 の サ イ ズ が 、 免 疫 学 的 デ ー タ と 一 致 す る こ と に 留 意 す べ き で あ る 。 こ の 結 果
か ら 、 lgtCが α -Gal基 転 移 酵 素 を コ ー ド す る こ と が 示 唆 さ れ る 。 こ の こ と は 更 に 、 突 然 変
異 体 Δ 3 の 抗 体 L1と の 弱 い 反 応 性 に よ っ て も 支 持 さ れ て い る 。 突 然 変 異 体 Δ 3 は lgtDの 欠
10
失 を 有 し 、 末 端 GalNAcに 付 加 す る こ と が で き ず 、 α -Gal基 転 移 酵 素 が ラ ク ト -N- ネ オ テ ト
ラ オ ー ス 基 を 修 飾 し て Pi類 似 の グ ロ ボ シ ド を 生 成 す る こ と が 可 能 と な る ( マ ン ド レ ル 、 In
fect. Immun.、 60巻 、 3017頁 ( 1992年 ) ) 。 突 然 変 異 体 13( 不 活 性 な lgtBを と も な う ) は
1-1-M、 3F11及 び L1と の 反 応 性 を 喪 失 し て お り 、 L3と の 弱 い 反 応 性 の み が 残 っ て い た 。 生
成 物 の サ イ ズ と と も に 、 こ れ ら の 観 察 結 果 か ら 、 Gal β 1 → 4 を GlcNAc残 基 に 付 加 す る ガ
ラ ク ト シ ル 基 転 移 酵 素 を 、 lgtBが コ ー ド す る こ と が 示 唆 さ れ る 。 ヒ マ レ ク チ ン RCA-I は 、
β 連 鎖 中 の 末 端 ガ ラ ク ト ー ス に つ い て 特 異 的 で あ り ( ニ コ ル ソ ン ( Nicolson) 及 び ブ ラ ウ
シ ュ タ イ ン ( Blaustein) 、 Biochim. Biophys. Acta、 266 巻 、 543 頁 ( 1972年 ) 、 リ ン
( Lin) 及 び リ ー ( Li) 、 Eur. J. Biochem.、 105 巻 、 453 頁 ( 1980年 ) ) 、 LOS 試 料 上
の こ の 構 造 の 存 在 を 確 認 す る た め に こ れ を 使 用 し た 。 ELISA 試 験 を 用 い て 、 野 生 型 、 Δ 3
20
、 Δ 2 及 び Δ 5 LOSが 、 末 端 β Gal を 有 す る と 考 え ら れ 、 レ ク チ ン に 結 合 し た の に 対 し (
図 7 参 照 ) 、 Δ 4 、 I2、 Δ 1 及 び I3は 非 反 応 性 で あ っ た ( デ ー タ は 示 さ な か っ た ) 。
【0084】
検討
5個のオープンリーディングフレームを含有する遺伝子座をクローンした。この遺伝子
座 内 の 特 定 さ れ た 8 種 の 突 然 変 異 体 の 、 淋 菌 の 形 質 転 換 体 に よ り 生 成 さ れ た LOS の サ イ ズ
及 び 血 清 学 的 反 応 性 へ の 影 響 か ら 、 こ れ ら の 遺 伝 子 が 、 ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス 鎖 の
大部分の生合成を司るグリコシル基転移酵素であることが示唆される。得られたデータか
ら、これらの遺伝子の各々の機能を特定することが可能である。構造的に非常に深く関係
す る lgtBと lgtEが ま た 、 各 々 Galβ 1 → 4 を GlcNAcあ る い は Glc に 付 加 す る と い う 明 ら か
30
に非常に類似した生合成についての働きをするという点に着目すべきである。同様に、深
く 関 係 す る lgtAと lgtDは 、 GlcNAcあ る い は GlcNAcβ 1 → 3 を 、 各 々 Gal 残 基 に 付 加 す る 。
遺 伝 子 座 中 の 他 の 遺 伝 子 と 無 関 係 な lgtCは 、 Gal α 1 → 4 の 付 加 を 司 る 。
【0085】
DNA 配 列 か ら 、 遺 伝 子 の う ち 3 種 類 ( lgtA、 lgtC及 び lgtD) が 、 タ ン パ ク 質 中 の グ リ シ
ン残基についてコードするグアノシンの領域を含有することが示された。これらは、該遺
伝子の発現の高頻度の変異についての潜在的な機構を付与する。このようなポリ−G領域
中 の ず れ ( Slippage) が 、 淋 菌 pilC遺 伝 子 の 発 現 を 制 御 し 、 そ の 結 果 と し て ヒ ト 上 皮 細 胞
へ の 細 毛 の 接 着 性 に 影 響 す る こ と に つ い て は 、 十 分 に 報 告 さ れ て い る ( ル ー デ ル (Rudel)
ら 、 Molec. Microbiol. 、 6 巻 、 3439頁 ( 1992年 ) ) 。 菌 株 F62 に お い て 、 3 種 の ポ リ −
40
G領域のそれぞれにおける塩基数は、タンパク質がフレーム中にあるようなものであり、
こ の こ と は 、 末 端 GalNAcの 付 加 を 含 む 完 全 LOS を 生 成 す る F62 野 生 型 の 能 力 と 一 致 す る 。
【0086】
LOS生合成の3つの局面は、もしかすると高頻度変異に左右されているようである。
そ の 第 1 は 末 端 GalNAc(lgtD)の 付 加 で あ る 。 こ れ は 、 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 1-1-Mと の 反
応 性 の 変 化 を 起 こ し 、 こ の フ ェ ー ズ 変 異 (phase variation)は ヴ ァ ン パ テ ン (Van Putten
, 1993,EMBO J. 12:4043)に よ り 報 告 さ れ て い る 。 同 様 に 、 lgtAの 変 化 は 、 成 長 鎖 へ の Glc
NAcの 付 加 の 失 敗 を 起 こ し 、 L O S を β - ラ ク ト シ ル レ ベ ル に 短 く す る 。 こ れ は 3.6キ ロ
ダルトン分子で、淋菌におけるLOSの極通常の形態であり、通常のヒト血清の殺菌効果
へ の 抵 抗 を 与 え て い る (シ ュ ナ イ ダ ー (Schneider)ら 、 1985, Infect. Immun. 50:672)。 β
50
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− ラ ク ト シ ル 鎖 か ら 完 全 L O S へ の MS11mkの 変 異 体 A と C の 間 の in vitro変 異 ( 健 常 者
で in vivo に お い て 選 択 的 な 利 点 を 有 し て い た ) が 、 GlcNAcト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ lgtAの 機
能的発現の回復により説明できると推測してみることができる。最終的に、β−ラクトシ
ル (pk− 様 グ ロ ボ ト リ オ ー ス )又 は ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス グ ル ー プ (Pi− 様 グ ロ ボ シ
ド )の い ず れ か へ の α 1 → 4Gal の 変 異 性 の 付 加 ( マ ン ド レ ル (Mandrell), 1992, Infect.
Innun. 60:3017) は 、 lgtCの 発 現 の 制 御 下 に あ る で あ ろ う 。 lgtCト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 活
性 は 、 前 駆 体 の た め に 他 の ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ と 競 合 す る の に 劣 り 、 lgtA又 は lgtDの い ず
れ か が 活 動 し て い な い と き に の み 、 そ の 活 性 が 明 ら か で あ る 。 合 成 さ れ る Galα 1 → 4Gal
β 1 → 4Glc ト リ サ ッ カ ラ イ ド の た め に 、 GlcNAcト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ lgtAは 不 活 性 で あ る
べ き で 、 Pi− 様 グ ロ ボ シ ド Galα 1 → 4Galβ 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glcの 発 現 の
10
た め に GalNAc ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ lgtDは 休 止 し て い て い な け れ ば な ら な い 。
【0087】
ハ エ モ フ ィ ラ ス イ ン フ ル エ ン ザ エ (Haemophilus influenzae)L O S の 匹 敵 す る 高 頻 度
抗 原 性 変 異 も ま た 注 目 さ れ 、 2 種 の 分 離 し た 遺 伝 子 座 で あ る licl( ウ ェ イ サ ー (Weiser)ら
、 1989, Cell 59:657)及 び lic2( ハ イ (High)ら , 1993, Molec. Microbiol. 9:1275) に お
けるCAATの繰り返しの数におけるシフトによって引き起こされる翻訳フレームの変化
に 帰 す る 。 lic2遺 伝 子 の 発 現 を 可 能 と す る シ フ ト は 、 構 造 Galα 1 → 4Galβ 1 → を 有 す る
エ ピ ト ー プ の 発 現 と 相 関 し て い る 。 lic2遺 伝 子 は lgtB及 び lgtEと 相 同 で あ り 、 ガ ラ ク ト シ
ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ は Galβ 1 → 4 で そ れ ぞ れ Glc又 は GlcNAcと 結 合 し 、 こ れ は ハ エ モ
フィラス インフルエンザエLOS合成におけるその機能のようである。これら両者の粘
20
膜病原菌はフレームシフトメカニズムを発展させてLOSの抗原性変異を引き起こし、一
方 lic2の 淋 菌 の 相 同 体 ( lgtB及 び lgtE) は ポ リ − G ト ラ ク ト を 含 ま な い も の で あ る こ と は
注目すべきである。
【0088】
上記のように述べられたフレーム−シフトメカニズムは、遺伝子発現のオン/オフ調節
に適している一方、その遺伝子座の構造はまた、遺伝子発現のレベルのより緻密な調節に
加わる。成長速度が分子量分布及びLOS種が作る抗原特性に影響することが実証されて
い る ( モ ー ス (Morse) ら , 1983, Infect. Immun. 41:74) 。 R N A 転 写 物 の サ イ ズ を 測 定
し て い な い が 、 lgtA、 lgtB及 び lgtC( 例 え ば ポ リ − G ト ラ ク ト が そ の コ ー デ ィ ン グ フ レ ー
ム が 維 持 さ れ る よ う な 場 合 ) が 一 緒 に 転 写 さ れ て い る よ う で あ る 。 lgtAの 末 端 コ ド ン 及 び
30
lgtBの 開 始 コ ド ン は 実 際 重 複 し て い て 、 lgtBの T A A と lgtCの A T G の 間 の 距 離 は た っ た
1 1 塩 基 対 で あ る 。 同 様 に 、 lgtDの 終 止 コ ド ン と lgtEの 開 始 コ ド ン は た っ た 1 8 塩 基 対 し
か離れていない。この機構が、フェーズ変異にされされる3つの遺伝子のいずれかがオフ
配置であるならば、転写は次の遺伝子の始めから有効に再び開始することができる。転写
を再開始するこの能力は、この実験において構築される突然変異体で明らかに判る。
【0089】
LOSの構造と機能との相関関係は未だその初期の段階である。この分野における大き
な進展は、その分子構造、及び多くのよく特徴付けられたモノクローナル抗体との反応性
に 関 連 す る こ と が し ば し ば 明 ら か な 能 力 の 理 解 の 進 展 で あ る 。 こ れ に 加 え て 、 CMP-NANAを
提 供 す る in vivo 環 境 に お い て 、 合 成 さ れ る L O S が コ ン ピ テ ン ト な 受 容 体 構 造 か ど う か
40
に よ っ て 、 生 物 が L O S を シ ア リ ル 化 す る (sialylate)か 又 は し な い と い う 現 実 が あ る 。
多 く の 菌 株 に お い て シ ア リ ル 化 (sialylation)が 血 清 − 抵 抗 状 態 を 誘 導 す る こ と が よ く 知
られている。しかしながら、局所感染におけるシアル化の効果は、よく研究されていない
。ヴァン パテンはLOSのシアリル化が、接着を明らかに大きく変化させることなく上
皮 細 胞 侵 入 へ の 顕 著 な 阻 害 効 果 を 有 す る こ と を 示 し た (ヴ ァ ン パ テ ン , 1993, EMBO J. 12
:4043)。 彼 の 研 究 は 粘 膜 感 染 に お い て 、 シ ア リ ル 化 さ れ 得 な い L O S 構 造 が 効 率 の 良 い 細
胞侵入にとって重要であろうことを示唆している。この報告のコンテクストによれば、こ
の よ う な 構 造 は 、 末 端 GalNAcの 効 率 的 な 付 加 又 は GlcNAcト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を 休 止 さ せ る
ことでLOS鎖を短くすることのいずれかによって達成することができる。LOS化学と
生物学的反応との相関関係は、ピオシン選別によって単離される実在のLOS突然変異体
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の 漏 れ に よ っ て 複 雑 に な る ( デ ュ ー ダ ス (Dudas)及 び ア ピ セ ラ (Apicella), 1988, Infect
. Immun. 56:499;サ ン ド リ ン (Sandlin)ら 、 1993, Infect. Immun. 61:3360) 。 こ れ は 実
際 、 突 然 変 異 体 1291e で 例 示 さ れ 、 大 き な 低 分 子 量 の バ ン ド に 加 え て 、 付 加 的 な よ り 高 い
バンドを示す(図7参照)。淋菌LOSの生合成に関する遺伝的特徴へ供されるその新し
い洞察は、漏れない突然変異体の構築を可能にするであろう。例えばΔ4及びΔ5はポリ
−Gトラクトを伴う遺伝子をもはや含まないので安定な突然変異体である。ポリ−Gトラ
クトを含む遺伝子の発現は、グリシンを他のコドンでエンコードするように領域を設計す
ることによって安定化されるであろう。
【0090】
本発明は、ここに記載される特定の実施態様により、その範囲が限定されるものではな
10
い。なぜなら、そのような実施態様は本発明の一局面の単純な説明として意図され、機能
的に同等の任意の実施態様は本発明の範囲内にあるからである。実際、ここで示され述べ
られたものに加えて本発明の多様な変形が、先にした記載及び添付する図面から当業者に
とって明らかになるであろう。そのような変形は、添付する請求の範囲の範疇に入ること
を意図する。また、ヌクレオチドに与えられるすべての塩基対のサイズは概算であって、
記述の目的のために使用されると解される。種々の参照文献がここに引用され、それらの
開示はここに全体的に参照として組み込まれている。
【0091】
本発明の実施態様を以下に示す。
1.適度なストリンジェント条件下で、図2(配列表の配列番号1)に示されているヌク
20
レオチド配列に対応する、又は相補的なヌクレオチド配列を有する核酸に対し、ハイブリ
ダイズできる精製された核酸。
2.適度なストリンジェント条件下で、機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼを
コードする図2(配列表の配列番号1)に示されているヌクレオチド配列の一部に対応す
る、又は相補的なヌクレオチド配列を有する核酸に対し、ハイブリダイズできる、上記1
記載の核酸。
3.機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼをコードする上記2記載の核酸。
4.機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼをコードする図2(配列表の配列番号
1)に示されているヌクレオチド配列の一部に対応する、又は相補的なヌクレオチド配列
を有する上記1記載の核酸。
30
【0092】
5.機能的に活性なグリコシルトランスフェラーゼをコードする上記4記載の核酸。
6.図2(配列表の配列番号の配列番号1)に示されているヌクレオチド配列に対応する
、又は相補的なヌクレオチド配列を有する上記1記載の核酸。
7 . 前 記 機 能 的 に 活 性 な グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ が 、 下 記 a)∼ c)か ら な る 群 か ら 選
ば れ た 反 応 を 触 媒 す る 上 記 3 記 載 の 核 酸 : a) Galβ 1 → 4 を GlcNAc又 は Glc に 付 加 す る
;
b) GalNAc 又 は GlcNAcβ 1 → 3 を Gal に 付 加 す る ; 及 び c) Galα 1 → 4 を Gal に 付 加 す
る。
8.配列表の配列番号3のアミノ酸配列を有するグリコシルトランスフェラーゼをコード
40
する上記3記載の核酸。
9.配列表の配列番号8のアミノ酸配列を有するグリコシルトランスフェラーゼをコード
する上記3記載の核酸。
10. 配 列 表 の 配 列 番 号 4 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を コ ー ド
する上記3記載の核酸。
11. 配 列 表 の 配 列 番 号 5 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を コ ー ド
する上記3記載の核酸。
12. 配 列 表 の 配 列 番 号 6 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を コ ー ド
する上記3記載の核酸。
13. 発 現 制 御 配 列 と 機 能 的 に 結 合 し て い る 上 記 3 記 載 の 核 酸 を 含 む 発 現 ベ ク タ ー 。
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14. 上 記 13記 載 の 発 現 ベ ク タ ー で 形 質 転 換 さ れ た 組 換 え 宿 主 細 胞 。
15. 下 記 工 程 を 含 む グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 製 造 方 法 : a) グ リ コ シ ル ト ラ ン ス
フ ェ ラ ー ゼ の 発 現 を 許 容 す る 条 件 下 で 上 記 14記 載 の 組 換 え 宿 主 細 胞 を 培 養 す る 工 程 ; 及 び
b) 発 現 さ れ た グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を 回 収 す る 工 程 。
【0093】
16. 配 列 表 の 配 列 番 号 3 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グリコシルトランスフェラーゼ。
17. 配 列 表 の 配 列 番 号 8 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グリコシルトランスフェラーゼ。
18. 配 列 表 の 配 列 番 号 4 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
10
グリコシルトランスフェラーゼ。
19. 配 列 表 の 配 列 番 号 5 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グリコシルトランスフェラーゼ。
20. 配 列 表 の 配 列 番 号 6 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グリコシルトランスフェラーゼ。
21. 固 相 支 持 体 に 結 合 し た グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ を 含 む 組 成 物 で あ っ て 、 該 グ リ
コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ が 下 記 a)∼ e)か ら な る 群 か ら 選 ば れ た も の で あ る 組 成 物 :
a) 配 列 表 の 配 列 番 号 3 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グリコシルトランスフェラーゼ;
b) 配 列 表 の 配 列 番 号 8 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
20
グリコシルトランスフェラーゼ;
c) 配 列 表 の 配 列 番 号 4 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グリコシルトランスフェラーゼ;
d) 配 列 表 の 配 列 番 号 5 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ ; 及 び e) 配 列 表 の 配 列 番 号 6 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の
機能的に活性なフラグメントを有するグリコシルトランスフェラーゼ。
【0094】
22. GalNAc又 は GlcNAcβ 1 → 3 を Gal に 付 加 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 16記 載 の グ リ コ シ ル
ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で Gal 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た GalNAc又 は Gl
cNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る こ と を 含 む 方 法 。
30
23. Gal β 1 → 4 を GlcNAc又 は Glc に 付 加 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 17記 載 の グ リ コ シ ル ト
ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で GlcNAc又 は Glc 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Gal
を含む反応混合物を接触させることを含む方法。
24. Gal α 1 → 4 を Gal に 付 加 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 18記 載 の グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ
ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Galを 含 む 反 応 混 合 物 を 接
触させることを含む方法。
25. GalNAc又 は GlcNAcβ 1 → 3 を Gal に 付 加 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 19記 載 の グ リ コ シ ル
ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た GalNAc又 は
GlcNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る こ と を 含 む 方 法 。
26. Gal β 1 → 4 を GlcNAc又 は Glc に 付 加 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 20記 載 の グ リ コ シ ル ト
40
ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 GlcNAc又 は Glc 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Ga
l を含む反応混合物を接触させることを含む方法。
【0095】
27. 下 記 工 程 を 連 続 的 に 実 施 す る こ と を 含 む 、 構 造 Gal α 1 → 4Gal β 1 → 4Glcを 有 す る
オリゴ糖類を製造する方法:
a) 配 列 表 の 配 列 番 号 6 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 さ れ た Ga
l を含む反応混合物を接触させる工程;及び
b) 配 列 表 の 配 列 番 号 4 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活
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性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る 工 程 。
28. 構 造 Gal β 1 → 4 Glc を 有 す る オ リ ゴ 糖 類 を 製 造 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 20記 載 の グ
リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Ga
l を含む反応混合物を接触させることを含む方法。
29. 構 造 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glcを 有 す る オ リ ゴ 糖 類 を 製 造 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記
16記 載 の グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成
分 に 、 活 性 化 さ れ た GalNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る こ と を 含 む 方 法 。
30. 構 造 Gal β 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glcを 有 す る オ リ ゴ 糖 類 を 製 造 す る 方 法 で
あ っ て 、 上 記 17記 載 の グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1
→ 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る こ と を
10
含む方法。
31. 構 造 GalNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glcを 有 す る オ リ ゴ 糖 類 を 製
造 す る 方 法 で あ っ て 、 上 記 19記 載 の グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal β 1
→ 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た GalNAcを 含 む 反
応混合物を接触させることを含む方法。
【0096】
32. 下 記 工 程 を 連 続 的 に 実 施 す る こ と を 含 む 、 構 造 GalNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4GlcNAc β 1
→ 3Galβ 1 → 4Glcを 有 す る オ リ ゴ 糖 類 を 製 造 す る 方 法 :
a) 配 列 表 の 配 列 番 号 6 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た
20
Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る 工 程 ;
b) 配 列 表 の 配 列 番 号 3 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活
性 化 さ れ た GlcNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る 工 程 ;
c) 配 列 表 の 配 列 番 号 8 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下
で 、 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応
混 合 物 を 接 触 さ せ る 工 程 ; 及 び d) 配 列 表 の 配 列 番 号 5 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的
に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal β 1 → 4G
lcNAc β 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た GalNAcを 含 む 反 応 混
合物を接触させる工程。
30
【0097】
33. 下 記 工 程 を 連 続 的 に 実 施 す る こ と を 含 む 、 構 造 Gal β 1 → 4GlcNAc β 1 → 3Galβ 1 →
4Glcを 有 す る オ リ ゴ 糖 類 を 製 造 す る 方 法 :
a) 配 列 表 の 配 列 番 号 6 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Glc 残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た
Gal を 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る 工 程 ;
b) 配 列 表 の 配 列 番 号 3 の ア ミ ノ 酸 配 列 、 又 は そ の 機 能 的 に 活 性 な フ ラ グ メ ン ト を 有 す る
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下 で 、 Gal β 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 部 分 に 、 活
性 化 さ れ た GlcNAcを 含 む 反 応 混 合 物 を 接 触 さ せ る 工 程 ; 及 び
c) 配 列 表 の 配 列 番 号 8 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す る グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ の 存 在 下
40
で 、 GlcNAcβ 1 → 3Galβ 1 → 4Glc残 基 を 含 む 受 容 体 成 分 に 、 活 性 化 さ れ た Gal を 含 む 反 応
混合物を接触させる工程。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【 図 1 】 淋 菌 LOS 中 に 見 ら れ る 交 互 構 造 。 R1は 2 つ の ケ ト − デ オ キ シ − オ ク ツ ロ ソ ン 酸 (K
DO)残 基 か ら な る LOS の 内 部 コ ア 領 域 を 意 味 す る 。 こ れ ら は 、 順 に 脂 質 A 構 造 に 付 着 さ れ
る 。 淋 菌 中 の R2は 、 典 型 的 に は GlcNAcβ 1 → 2Hepα 1 → 3 で あ る 。 上 部 の 図 の 構 造 は 、 パ
ラ グ ロ ボ シ ド 糖 脂 質 中 に 見 出 さ れ る ラ ク ト -N- ネ オ テ ト ラ オ ー ス と 同 等 の 四 糖 を 含 む 。 多
く の 菌 株 に お い て 、 こ の 四 糖 は 末 端 GalNAcβ 1 → 3 を も つ 。 下 方 の 図 は 、 結 合 し た 末 端 G
alα 1 → 4 を 有 す る 交 互 三 糖 構 造 を 示 す 。 こ の 三 糖 は L1血 清 型 の 髄 膜 炎 菌 お よ び 幾 つ か の
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淋菌菌株中に見出される。 本研究で使用したモノクローナル抗体により識別される、こ
れ ら 2 つ の 構 造 の 部 分 が 示 さ れ 、 こ れ ら は (4C4)(デ ュ ダ ス & ア ピ セ ラ (Dudas and Apicell
a), Infect. Immun., 1988, 56:499)、 3F11( マ ン ド レ ル (Mandrell)等 , J. Ex. Med., 19
88, 168:107; ヤ マ サ キ (Yamasaki)等 , Mol. Immunol., 1991, 28:1233) 、 1-1-M(ヤ マ サ
キ (Yamasaki)等 , Mol. Immunol., 1991, 28:1233)、 2-1-L8(Kerwood)等 , Biochemistry,
1992, 31:12760; シ ュ ナ イ ダ ー (Schneider)等 , J. Ex. Med., 1991, 174:1601; シ ュ ナ イ
ダ ー (Schneider)等 , Infect. Immun., 1985, 50:672)、 9-2-L378お よ び 17-1-L1 で あ る 。
【 図 2 A 】 2 A は DNA 配 列 に 基 づ く 、 LOS 遺 伝 子 座 の 遺 伝 子 マ ッ プ 。 配 列 情 報 bp 1-2725
は プ ラ ス ミ ド pPstCla か ら 得 た も の で あ り 、 bp 2725-5859は プ ラ ス ミ ド p3400(材 料 お よ び
方 法 の 項 を 参 照 の こ と )由 来 の も の で あ る 。 ISは 、 以 前 に 報 告 さ れ た ナ イ セ リ ア 挿 入 配 列 I
10
S1106に 対 す る 相 同 性 を も つ 配 列 の 領 域 を 意 味 す る (ナ イ ト (Knight)等 , Molec. Microbiol
., 1992, 6:1565)。 lgtA-Eの 読 み 取 り 枠 の 位 置 が 示 さ れ て い る 。 ポ リ -Gの 3 つ の 広 が り が
lgtA(17bp)、 lgtC(10bp)お よ び lgtD(11bp)に 見 ら れ 、 か つ こ れ ら は 垂 直 の 黒 い 棒 に よ っ て
示されている。
【 図 2 B 】 2 B は LgtA(SEQ ID NO:3)の ア ミ ノ 酸 配 列 。
【 図 2 C 】 2 C は LgtB(SEQ ID NO:8)の ア ミ ノ 酸 配 列 。
【 図 2 D 】 2 D は LgtC(SEQ ID NO:4)の ア ミ ノ 酸 配 列 。
【 図 2 E 】 2 E は LgtD(SEQ ID NO:5)の ア ミ ノ 酸 配 列 。
【 図 2 F 】 2 F は LgtE(SEQ ID NO:6)の ア ミ ノ 酸 配 列 。
【 図 2 G 】 2 G は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
20
【 図 2 H 】 2 H は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
【 図 2 I 】 2 I は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
【 図 2 J 】 2 J は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
【 図 2 K 】 2 K は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
【 図 2 L 】 2 L は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
【 図 2 M 】 2 M は lgt 遺 伝 子 座 (SEQ ID NO:1)の 核 酸 配 列 。
【 図 3 A 】 3 A は 、 lgtAお よ び lgtDの タ ン パ ク 生 成 物 の 相 同 性 。 2 種 の タ ン パ ク の 一 次 構
造 は 、 特 に 配 列 の 初 め の 半 分 に お い て 極 め て 類 似 し て い る 。 位 置 86で 開 始 す る グ リ シ ン 残
基 は 、 各 遺 伝 子 中 の ポ リ -G領 域 の コ ー ド 化 を 反 映 し て い る 。 該 GCG パ ッ ケ ー ジ の ベ ス ト フ
ィ ッ ト (Bestfit)プ ロ グ ラ ム が 使 用 さ れ 、 シ ン ボ ル (--),(・ ・ ),(・ ) は 、 デ イ ホ フ (Dayho
30
ff)PAM-250 マ ト リ ッ ク ス に 基 づ く 類 似 性 の 程 度 を 表 し て い る 。
【 図 3 B 】 3 B は 、 lgtAお よ び lgtDの タ ン パ ク 生 成 物 の 相 同 性 。 2 種 の タ ン パ ク の 一 次 構
造 は 、 特 に 配 列 の 初 め の 半 分 に お い て 極 め て 類 似 し て い る 。 位 置 86で 開 始 す る グ リ シ ン 残
基 は 、 各 遺 伝 子 中 の ポ リ -G領 域 の コ ー ド 化 を 反 映 し て い る 。 該 GCG パ ッ ケ ー ジ の ベ ス ト フ
ィ ッ ト (Bestfit)プ ロ グ ラ ム が 使 用 さ れ 、 シ ン ボ ル (--),(・ ・ ),(・ ) は 、 デ イ ホ フ (Dayho
ff)PAM-250 マ ト リ ッ ク ス に 基 づ く 類 似 性 の 程 度 を 表 し て い る 。
【 図 4 A 】 4 A は 、 lgtBお よ び lgtEの タ ン パ ク 生 成 物 の 相 同 性 。 2 種 の タ ン パ ク の 一 次 構
造は、特に配列の初めの半分において極めて類似している。これら配列は、またヘモフィ
ル ス イ ン フ ル エ ン ザ エ (Haemophilus influenzae)の 、 lex-1(コ ー プ (Cope)等 , Molec. Mic
robiol., 1991, 5:1113)ま た は lic2A(ハ イ (High)等 , Molec. Microbiol., 1993, 9:1275)
40
の遺伝子に対して、かなりの相同性をも有している。シンボルの意味については、図3を
参照のこと。
【 図 4 B 】 4 B は 、 lgtBお よ び lgtEの タ ン パ ク 生 成 物 の 相 同 性 。 2 種 の タ ン パ ク の 一 次 構
造は、特に配列の初めの半分において極めて類似している。これら配列は、またヘモフィ
ル ス イ ン フ ル エ ン ザ エ (Haemophilus influenzae)の 、 lex-1(コ ー プ (Cope)等 , Molec. Mic
robiol., 1991, 5:1113)ま た は lic2A(ハ イ (High)等 , Molec. Microbiol., 1993, 9:1275)
の遺伝子に対して、かなりの相同性をも有している。シンボルの意味については、図3を
参照のこと。
【 図 5 A 】 5 A は 、 rfaIお よ び lgtCの タ ン パ ク 生 成 物 の 相 同 性 。 E.コ リ の rfaIお よ び rfaI
遺 伝 子 は 、 極 め て 密 接 に 関 連 し て い る 。 こ れ ら は LPS コ ア 領 域 の 2 つ の グ ル コ ー ス 残 基 の
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グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ と し て 機 能 す る ( プ ラ デ ル (Pradel)等 , J. Bacteriol., 1
992, 174:4736)。 lgtCの 位 置 54-56 に お け る グ リ シ ン は 、 該 ポ リ -Gの 広 が り に よ っ て コ ー
ドされる。シンボルの意味については、図3を参照のこと。
【 図 5 B 】 5 B は 、 rfaIお よ び lgtCの タ ン パ ク 生 成 物 の 相 同 性 。 E.コ リ の rfaIお よ び rfaI
遺 伝 子 は 、 極 め て 密 接 に 関 連 し て い る 。 こ れ ら は LPS コ ア 領 域 の 2 つ の グ ル コ ー ス 残 基 の
グ リ コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ と し て 機 能 す る ( プ ラ デ ル (Pradel)等 , J. Bacteriol., 1
992, 174:4736)。 lgtCの 位 置 54-56 に お け る グ リ シ ン は 、 該 ポ リ -Gの 広 が り に よ っ て コ ー
ドされる。シンボルの意味については、図3を参照のこと。
【 図 6 】 LOS 遺 伝 子 座 に お け る 欠 失 。 LOS 遺 伝 子 座 の 3 つ の 挿 入 お よ び 5 つ の 欠 失 は 、 以
下の方法に関する部分に詳述するようにして構築した。使用した制限サイトが示されてい
10
る。挿入は三角で示され、欠失の程度は点描のボックスで示した。白抜きの矢印は、この
構築により崩壊させた読み取り枠を示す。構築物各々において、エリスロマイシンマーカ
ー ermC'を 該 挿 入 ま た は 欠 失 サ イ ト に 挿 入 し た 。
【 図 7 】 LOS 調 製 物 の 銀 − 染 色 SDS-PAGE。 材 料 お よ び 方 法 の 項 に 記 載 す る よ う に し て 、 精
製 し た LOS サ ン プ ル 375 ngの ゲ ル 電 気 泳 動 を 実 施 し 、 か つ 染 色 し た 。 ゲ ル 上 方 に 、 該 調 製
物 各 々 の 中 に 存 在 す る と 推 定 さ れ る 主 バ ン ド を も つ 、 該 LOS の 構 造 を 示 す 。 こ れ ら の 構 造
は、図8に示したモノクローナル抗体との反応性に基づくものであるが、該図には観測さ
れたパターンの説明を簡単化するように示されている。Rは内部コア領域および脂質Aを
表 す 。 1291e は ピ オ シ ン 耐 性 変 異 体 で あ る ( デ ュ ダ ス & ア ピ セ ラ (Dudas and Apicella),
Infect. Immun., 1988, 56:499) 。
20
【 図 8 】 菌 株 F62 wtお よ び 変 異 体 由 来 の LOS と モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 と の 反 応 性 。 モ ノ ク ロ
ー ナ ル 抗 体 を 以 下 の よ う に 略 称 し た : 17-1-L1(L1)、 9-2-L378(L3)、 2-1-L8(L8)。 精 製 し
た LOS を 、 イ ン モ ビ ロ ン (Immobilon)-P 膜 に 適 用 し 、 抗 体 と 反 応 さ せ 、 か つ 材 料 お よ び 方
法の項に記載するように展開させた。該モノクローナル抗体の特異性は、図1にまとめた
。
【図1】
【図2A】
(32)
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
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(33)
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
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(34)
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図2M】
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(35)
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
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(36)
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
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(37)
【図8】
【配列表】
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7
(51)Int.Cl.
C12R
FI
1:36
)
C12R
テーマコード(参考)
1:36
(74)代理人 100082821
弁理士 村社 厚夫
(72)発明者 ゴットシュリッチ エミール シー
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト シックスティサード ストリート 500
Fターム(参考) 4B024 AA01 BA10 BA80 CA02 DA05
4B064 AF04 CA02 CA19 CA21 CB30 CC24 DA01
4B065 AA01X AA01Y AB01 AC14 BA01 BA30 CA21 CA29 CA45
4C085 AA03 BA16 BB24 CC07 DD62