Technical News 株式会社 住化分析センター ●Li イオン二次電池(電極バインダ樹脂の分析) TN298 Composition analysis of the binder resin in electrodes for Li-ion batteries [概 要] 正極、負極について多段階抽出処理を行い、得られた抽出物ならびに抽出残渣について FT-IR、熱分 解/GC-MS 法を適用することにより、正極、負極中にバインダー成分として含まれる SBR(スチレン/ ブタジエン系ポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)などの定性 分析を行うことができます。 正極、負極 第一段階抽出処理 抽出物1 抽出残さ FT-IR Py/GC-MS 第二段階抽出処理 抽出物2 抽出残さ FT-IR Py/GC-MS 図1 FT-IR Py/GC-MS 正極、負極の多段階抽出処理の概要 100 %Transmittance 95 90 85 80 75 正極 100 %Transmittance 90 80 70 60 50 40 4000 負極 3500 3000 図2 2500 2000 Wavenumbers (cm-1) 1500 正極、負極抽出物の FT-IR スペクトル 1000 分析例を図 2∼6 に示します。 図 2 の例では、正極・負極の抽出物中に、それぞれ SBR および PVDF が含まれていると推定されました。 図 3 の例では、負極残渣においては有意な FT-IR スペクトルは得られませんでしたが、正極残渣の中 には PTFE は含まれていると推定されました。 図 4 の例では、抽出物 1 のパイログラム上の約 5.0 分の溶出ピークにスチレンモノマーが検出されて います。 %Transmittance 110 CH2 CH 正極 105 100 95 10 %Transmittance 9 負極 8 7 6 5 4 3 4000 3500 3000 図3 2500 2000 Wavenumbers (cm-1) 1500 1000 正極、負極残渣の FT-IR スペクトル 図4 抽出物 1 のパイログラム 図 5 の例では、抽出物 2 のパイログラム上の約 1.5 分の溶出ピークにフッ化ビニリデンモノマーが検 出されています。 図 6 の例では、抽出残渣のパイログラム上の約 1.5 分の溶出ピークに PTFE の各種分解物(-CF2-, -CF2CF2-, -CF3, -CF2CF2CF2-など)が検出されています。 F CH2 C F 図5 抽出物 2 のパイログラム F F C C F F n 図6 n 抽出残渣のパイログラム 作成:大阪(ES0805)2-BO-(51) 4-U0-(31) n
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