0.001 - 医療安全全国共同行動

行動目標S
手術安全ーWHO指針
の実践
支援チームS
2011年11月18日 医療安全全国フォーラム
WHO 安全な手術のためのガイドライン2009
• 目的:世界中の手術の安全性を高める。
• 内容:安全な手術に必要な10の目標が定め
られている。
• 目標達成のための方法:手術室で手術チー
ムが使用するために作られた「手術安全
チェックリスト(改訂版)」の使用
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
行動目標 S:安全な手術-WHO指針の実践
(1) 正しい患者の正しい部位を手術する
(2) チームは、患者を疼痛から守りながら、
麻酔薬の投与による有害事象を防ぐことが
分かっている方法を用いる
(3) 命にかかわる気道確保困難もしくは呼
吸機能喪失を認識し適切に準備する
(4) 大量出血のリスクを認識し適切に準備
する
(5) 患者が重大なリスクを持っていると分
かっているアレルギーあるいは薬剤副作用
を誘発することを避ける
(6) 手術部位感染のリスクを最小にすることが分
かっている方法を一貫して用いる
(7) 手術創内に器具やガーゼ(スポンジ)の不注意
な遺残を防ぐ
(8) 全ての手術標本を確保し、きちんと確認する
(9) 効果的にコミュニケーションを行い、手術の安
全な実施のために極めて重要な情報をやりとりす
る
(10) 病院と公衆衛生システムは、手術許容量、手
術件数と転帰の日常的サーベイランスを確立する
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
安全文化を発展させる
チェックリストには二つの目的がある
①患者の安全を一貫して確保すること:手術をまずチーム
で行っているという意識付けをすること。そのためのコ
ミュニケーションの確立。また、有効とされてきた内容、
あるいは過去の警鐘事例から重要性の認識されてきた
内容を確実に実行に移すことにある。
②それを達成することに意義を見出す文化を導入(あるい
は維持)することである
A.チェックリストの修正
B.チェックリストを手術室に導入する
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
チェックリストは8の市で試行された
PAHO I
トロント、カナダ
EURO
EMRO
ロンドン、イギリス
アンマン、ヨルダン
WPRO I
マニラ、フィリッピン
PAHO II
シアトル、アメリカ
WPRO II
オークランド、ニュー
ジーランド
AFRO
イファカラ、タンザニ
ア
SEARO
ニューデリー、インド
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・・・・その結果、術後の
合併症発生率と死亡率
を三分の一以上減尐さ
せました!
Haynes et al. A Surgical Safety Checklist to Reduce Morbidity and Mortality in a
Global Population. New England Journal of Medicine 360:491-9. (2009)
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
結果 - 全ての分野
ベースライン
症例数
死亡率
全ての合併症
SSI
予定しない再
手術率
チェックリスト
P値
3733
1.5%
11.0%
6.2%
3955
0.8%
7.0%
3.4%
0.003
<0.001
<0.001
2.4%
1.8%
0.047
Haynes et al. A Surgical Safety Checklist to Reduce Morbidity and Mortality in a Global Population. New
England Journal of Medicine 360:491-9. (2009)
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手術安全チェックリストの導入から2年
経過後までの取り組み
名古屋大学医学部付属病院では2008年9月
よりWHOの手術安全チェックリストを簡易なも
のに改変し導入した。
2年以上が経過した2010年9月の状況と今後
への改善点を麻酔科医と手術室看護師にアン
ケートを実施し検討したので報告する。
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
名古屋大学で
の導入過程
1.まず、簡素化し
たチェックリストに
して「皆で使ってみ
よう」(看護師を
チェックリストコー
ディネーターにし
て導入するのは無
理があった)
2.どうやって使う
の?やや混乱
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
5か月後と2年後のアンケート調査
• 手術室に勤務する麻酔科医と看護師にアン
ケートを行い、それぞれ34名と32名から回答
を得た。
• 現在のチェックリストの各項目について、それ
が実施できているかと有用であるかを質問し
た。
• WHOのチェックリストにあって、現在チェックし
ていない項目について、チェックしたほうがい
いと思うかを質問した。
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麻酔導入前の確認はできていますか
麻酔科医
いいえ
はい
1か月後
いいえ
看護師
どちらとも
いえない
5か月後
はい
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2年後
執刀直前の確認はできていますか
麻酔科医
いいえ
はい
1か月後
5か月後
2年後
どちらとも
いえない
いいえ
看護師
はい
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
患者退室前の確認はできていますか
麻酔科医
いいえ
どちらとも
いえない
はい
1か月後
5か月後
2年後
どちらとも
いえない
いいえ
看護師
はい
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
各項目のチェックはできていますか
できている
0%
どちらともいえない
20%
40%
できていない
60%
80%
無回答
100%
0%
20%
40%
60%
患者確認
アレルギー
手術部位
体位
特殊準備
抗生剤使用法
自己紹介(外科医)
自己紹介(麻酔科医)
自己紹介(看護師)
出血量、時間
術式、その他
麻酔科医説明
抗生剤終了確認
看護師説明
術式変更
外科医コメント
ガーゼ
針
看護師コメント
麻酔科コメント
麻酔科医
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
看護師
80%
100%
各項目は有用であると思いますか
極めて有用
0%
ときに有用
20%
有用でない
40%
60%
無回答
80%
100%
0%
20%
40%
60%
患者確認
アレルギー
手術部位
体位
特殊準備
抗生剤
自己紹介(外科医)
自己紹介(麻酔科医)
自己紹介(看護師)
出血量、時間
術式、その他
麻酔科医説明
抗生剤
看護師説明
術式変更
外科医コメント
ガーゼ
針
看護師コメント
麻酔科コメント
麻酔科医医療安全全国共同行動目標S支援チーム 看護師
80%
100%
現在チェックしていない項目ですがチェックした方がいいと思いますか
そう思う
どちらともいえない
0%
20%
40%
そう思わない
60%
80%
無回答
100%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
麻酔器薬剤
パルスオキシメーター
気道確保困難
出血量
画像
ラベル付け
器材
麻酔科医
看護師
その他多く寄せられた意見としては
・麻酔科医が導入前のチェックに参加していない。
(担当医は薬剤の準備、指導医は掛け持ちしているため)
・退室前のチェックでは各自サインするだけになっている。
医療安全全国共同行動目標S支援チーム
アンケート結果を踏まえた当院用チェックリスト改定案
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