第3編 モデルプラン(案) - 山元町

山元町産業振興計画(中間)
第3編
モデルプラン(案)
平成 25 年 7 月 27 日現在
宮城大学地域連携センター
1
名
称
【農業】 山元いちごのブランド化への実証実験
山元産のいちごは、栽培農家の長年の努力により町を代表するブランドに
成長し、総生産額 16 億円弱、町全体の農業生産額の約5割を占め、本町農
業を牽引する役割を担ってきた。しかし、震災により 129 戸のいちごの農家
のうち 125 戸が被災、家屋はもとより生活の基盤である栽培施設を全て失う
など壊滅的な被害を受けた。
現 状 と課 題
いちご産地の復興再生は、栽培労力の軽減や効率化、収穫量の増大を目的
に大型鉄骨ハウスの栽培等の経営構造改革により、平成 26 年 11 月までに約
72%の作付けが見込まれる。今後は、仙台いちごのブランドに加え、より希
少性と付加価値の高い山元産いちごを開発し、名実ともに日本に誇るいちご
の一大産地として、ブランド力向上に取組む必要がある。
行 動 方 針
◇いちご栽培の伝統技術の継承と技術革新によるブランド力向上
目
◇他産地に先駆けた山元産いちごのオリジナル商品開発
標
□伝統的な「土耕いちご」栽培技術の継承
・溶液栽培に比べて、食味が勝るとされる「土耕いちご」について、科学的
な機能性成分分析を行い、栽培方法による食味の差異を明らかにする。
・現在、4段階で選別されているいちごの評価指標(品質の格付け)の精度
を高めるとともに、山元産の土耕いちごとして商標登録を目指す。
□先端技術の導入による新たな経営モデルの形成
①大規模経営モデルの実証実験
・高設ベンチ養液栽培や高度環境制御、温度管理、雨水利用等の最新のシス
テム導入により、イチゴの促成栽培と夏秋どり栽培(夏秋いちご)、多収生
取
組
産を推進し、収益率の高い経営モデルを形成する。
②将来への種を播く、有機栽培モデルの実証実験
・地下水熱ヒートポンプや殺菌、防虫対策等の先端技術を活用した農工連携
による「有機栽培いちご(オーガニック)
」の実証実験を推進する。
□未出荷いちごを活用した加工品の開発
・規格外や収穫期を逃した未出荷いちご等の未利用資源を活用して、いちご
の加工品開発や食べ方を提案することにより、観光交流と直結した地産地
消を展開する。
2
【資金的支援】
・東日本農業生産対策交付金
・被災地域農業復興総合支援事業交付金
・科学技術振興機構(JST)産学マッチング支援事業
・東北 6 次化産業ブリッジファンド(七十七銀行他)
支
援
策
(事業・財源等)
【政策的支援】
・先端農業産業化システム実証事業(経産省)
・食料生産地再生のための先端技術展開事業(農水省)
・6次産業推進支援事業、6 次産業化整備支援事業(農水省)
・食のモデル地域育成事業(農水省)
推進体制(例)
住
民
事業者
行 政
山元産いちごの販売促進のための情報発信、地場産品の積極的消費
農業法人等:先端技術展開、無農薬促成栽培システム開発の実証実験への取組
(各農家)
研究成果の普及啓発、栽培指導
展 開 イメージ
▲未出荷いちごの収穫体制
3
▲いちご削り
名
称
【農業】 未利用地等を活用した振興作物の産地化
本町の耕作放棄地面積は年々拡大し、平成 22 年度には 411ha となってい
るが、そのうち 40%以上が草刈等を行うことにより、耕作可能な耕地となっ
ている。一方、壊滅的な被害を受けた山元東部地区においては、営農の再開
と農業の復興を実現するため、農地の復旧と併せて大区画ほ場整備事業を実
現 状 と課 題
施するとともに、土地改良換地制度を活用し、土地利用の整序化に取組むこ
ととしている。
今後は、東街道沿いの未利用農地や山元東部地区の農地(畑、水田転作等)
を有効活用し、美しい景観形成にも資する新たな振興作物の産地化を推進し
ていく必要がある。
行 動 方 針
目
標
◇美しい里山や田園の再生に資する民間主体の振興作物の栽培促進
◇四季折々の花咲く、美しい農業農村の再生と農家所得の向上
・・・
□耕作放棄地等でのいちじく栽培の拡大
・いちじくは、仙台圏を中心とした郷土料理「いちじくの甘露煮」用の食材
として安定した需要があり、果樹の中では栽培しやすく、また、定植3年
目で収穫可能であることや成木化後も低木であり、比較的高齢者でも取り
組みやすい品目である。
・いちじくを町の振興作物として位置付け、生産者の発掘や栽培面積の拡大
や生食出荷、冷凍加工等に向けた取組を推進する。
□農地集積地等でのそば栽培の拡大
・公共施設周辺において景観形成を兼ねたそばの作付誘導を図るため、農業
者戸別所得補償制度等を活用して栽培を支援する。
取
組
・花畑として周辺施設との一体的な整備を図り、人が集まる交流の拠点とし
て整備し、観光交流と連携した地産地消を展開する。
□メモリアル公園周辺での菜の花栽培の拡大
・震災遺構や公園整備に併せて、3 月上旬の咲くアブラナ科作物(菜の花)
を
栽培し、資源循環や景観形成を推進する。
・菜の花は観光利用や養蜂などに利用、やがて実をつけ、刈り取られたナタ
ネは搾油され、遺伝子組み換えのない安全、安心なナタネ油として家庭や
学校給食にも利用、搾油の時に生まれる油かすは飼料や肥料として有効活
用され、家庭や学校からの廃食油は地域の協力により回収され、せっけん
や燃料として資源を循環利用する。
4
【財政的支援】
・三井物産環境基金助成事業
・食のモデル地域育成事業(農水省)
支
援
策
(事業・財源
等)
【政策的支援】
・産地水産業強化支援事業
【政策的支援/そば】
・宮城県市町村振興総合補助金
・面積拡大に伴う経費の一部助成(町)
推進体制(例)
住
民
事業者
行 政
美しい里山や田園の再生への主体的な参画
農家:振興作物の栽培促進
(各農家)
町:振興作物栽培の誘導、財政的支援
展 開 イメージ
5
名
称
【農業】 沿岸域でのぶどう畑、ワイナリーの再生
本町の沿岸域は、砂地で水はけが良いことから明治 36 年ごろからぶどう
栽培が盛んに行われていた。また、ピーク時の生産農家は 36 名、
「日本にお
けるグレープジュース発祥の地」と言われた時期もあるとされる。
震災により宮城県内ワイン唯一のワイナリーとぶどう畑が流失し、かつて
現 状 と課 題
の工場も既に解体されているが、有志の会(ボランティア団体)がワイナリ
ー再生を目指して、ぶどうの試験栽培を進めている。
今後は、本町の土地利用計画との整合性に十分配慮しつつ、沿岸域におけ
る観光交流の集客装置となるよう誘導し、プロジェクトの波及効果が地域に
還元されるよう推進の仕組みを構築していく必要がある。
行 動 方 針
目
標
◇沿岸部の防災緑地ゾーンと一体となったぶどう畑の再生
◇農+観光を軸のした新たな共同企業体の育成と交流人口の拡大
・・・
□ワイン用ぶどうの試験栽培と普及
・震災で消失したぶどう畑、ワイナリー
の再生・運営を通して、被災沿岸部
の農地再生、景観形成、地域ブランド
の創出につながるよう支援する。
▲奇跡的に残ったぶどうの木
・段階的に自社農園増設、契約農園(苗、畑のオーナー)等、ボランタリー
な活動を展開しつつ、農園や物販、飲食、食育、産業観光等、多様な事業
を担う、共同企業体的ネットワークを形成する。
□自家醸造による復興ワインの販売
・山元産ぶどうを原料した自家醸造ワインを復興のシンボルに、醸造設備の
取
組
整備、果樹酒製造免許の取得等による操業準備を支援する。
・復興ワインの製造に共感してくれる応援者を募るため、創業支援団体等と
連携した資金調達のための「ファンド(基金)」の創設を検討する。
□新設ワイナリー開業、6 次産業化推進
・レストランやパン工房、燻製小屋、売店等の複合的なビジネスモデルの展
開により、農業+観光の新たな経営モデルを構築する。
・拡張余力を持った施設整備計画に基づいて、実証実験の成果を事業拡充に
反映するとともに、イベントの拡充等のソフト事業を充実する。
6
【自己資金等】
・個人の寄付
・企業の寄付
・復興ワインの販売や仮設レストラン事業で資金確保
支
援
策
(事業・財源等)
【資金的支援】
・食のモデル地域育成事業(農水省)
【政策的支援/ワイン】
・農地の集約整備に合わせたゾーニング等の支援(町)
・「農業特区」
「ワイン特区」等の可能性検討(町)
推進体制(例)
住
民
ぶどう栽培の記憶や技術の継承、主体的な参画による事業支援
事業者
ふるさとの再生・発展を考える有志の会:法人化、研究会や実証実験、事業化
ボランティア:ぶどう栽培の実証実験等への協力、広報PR
行 政
町:研究会の立ち上げ等の支援、関係機関等との調整
展 開 イメージ
7
名
称
【水産業】 新漁法の導入による早期操業再開
磯浜漁港はホッキ貝とサケなどを主要魚種とする沿岸漁業を営み、小規模
ながら「日本一のホッキ貝」の産地と知られるまでになっていた。しかし、
震災により、40 隻あった漁船のうち 39 隻が破壊され、海底の瓦礫処理が進
まないなど、操業再開は難航している。
現 状 と課 題
今後の早期操業再開に向けは、荷捌所とその関連設備の復旧をはじめ、従
来の貝桁漁業から噴流式マンガへの転換を図り、冷海水装置等の整備と併せ
たより鮮度の高い魚貝の出荷体制を確立するなど、磯浜の水産基盤を強化し
ていく必要がある。
行 動 方 針
◇水産物のブランド力向上を目指した早期操業再開
目
◇魚貝の水揚量の増大
標
□創業・出荷体制の整備
・冷海水装置や製氷機を用いて鮮度を保持するこ
とで、付加価値の高い活魚として仙台への出荷体
制を回復する。
・また、漁獲量の拡大や破損貝の軽減、維持費の
軽減等の効果が期待できる噴流式マンガによる
新漁法導入に向けて、可能性を検討する。
□マーケット戦略の立案と実施
▲噴流式マンガ
・山元町の漁業生産の特性と需要者の意向を踏まえ、今後の市場形成の可能
取
組
性、流通対策を詳細に分析・検討する。
⇒民間主体による漁業復興計画の策定
・高品質・安定供給及び水産資源の保護の観点から、震災以前からの禁漁区
域設定、操業期間制限、規格などの基準について厳格化等を検討する。
(例:殻長・重さ等の規格設定)
・経営の安定化、収益性の向上を図るため、水産物の6次産業化(加工、飲
食等の付加価値化)について検討する。
・飲食店等への直販体制の確立について検討する。
8
【財政的支援】
・三井物産環境基金助成事業
・食のモデル地域育成事業(農水省)
支
援
策
(事業・財源等)
【政策的支援】
・産地水産業強化支援事業
など
推進体制(例)
住
民
地場産品の積極的消費、
「口コミ」による周知拡大
事業者
県漁協山元支所:研究会、各種取組への主体的参加
(漁師)
行 政
町:瓦礫撤去、水産基盤整備等の支援
展 開 イメージ
9
名
称
【水産業】 磯浜ホッキ貝のブランド化
磯浜ホッキ貝は、大粒、肉厚で良質なホッキ貝として知られ、県内一の水
揚げ量を誇っていたが、近年は資源の減少や後継者不足などが課題となって
いた。
震災後は、がれき撤去・漁場の回復、漁業従事者の減少、流出した船舶や
現 状 と課 題
関連施設の復旧、放射性物質検査等による安全・安心への取組などの新たな
課題が加わるなど、山元町の特産品であるホッキ貝漁を中心とした漁業の活
性化においては、さらなる品質管理の徹底やブランド力向上に向けた産学官
の連携等の仕組みづくりが必要である。
また、上記の課題解決のためには、地元漁業者はもとより、流通、加工等
の各関係者や研究機関等の主体的な取組が重要である。
行 動 方 針
目
標
◇漁業関係者及び行政(町)等による研究会等の設置、運営
◇ホッキ貝の水揚量 125t(平成 26 年度)
品質管理を行う組織体制の構築
□磯浜ホッキ貝の品質調査
・おいしさの指標となる味、香り、色などに係る各種成分分析を行い、磯浜
ホッキ貝の優位性を明確化する。また、放射性物質、重金属、残留農薬等
の分析を行い、安全・安心かつ良質なホッキ貝の流通を図る。
⇒呈味成分、重金属、残留農薬等の分析・評価
□放射能対策計画の立案と実施
・仙台周辺にある測定機関(市民放射能測定所も含む)と連携した放射能測
定体制を構築する。
□市場調査
取
組
・磯浜ホッキ貝の市場調査を実施し、ニーズを踏まえた資源管理や販路開拓
を推進する。
⇒仙台中央卸売市場、東京築地市場、仲買人、飲食店等への需要調査(聞
き取り調査、アンケート調査)
□地域団体商標登録によるブランド管理
・偽物の流通や粗悪品流通による信頼喪失への事前措置として、磯浜ホッキ
貝の地域団体商標登録を推進する。
10
【財政的支援】
・三井物産環境基金助成事業
・食のモデル地域育成事業(農水省)
支
援
策
(事業・財源等)
【政策的支援】
・産地水産業強化支援事業
など
推進体制(例)
住
民
地場産品の積極的消費、
「口コミ」による周知拡大
事業者
県漁協山元支所:研究会、各種取組への主体的参加
亘理支所、閖上支所、仙台支所等との連携
流通関係者、加工業者、飲食店、観光事業者:市場調査への協力、新商品開発等
東北大学、宮城大学:成分分析、市場調査等、助成金獲得等の支援
行 政
町:研究会の立ち上げ等の支援、資源調査等への補助
展 開 イメージ
11
名
称
【商業】 産直交流施設と連携した商業イベント
震災前、本町の町民の主な買い物先は、最寄り品・買回り品は亘理町、名
取市、仙台市。家族連れの外食は周辺の名取市、亘理町、福島県への流出が
多く、地元での買い物は少ない状況であった。また、震災後、沿岸部でまと
まった店舗を有していた山下駅周辺は、住宅も含め全壊・半壊状況となり、
現 状 と課 題
商業機能が失われた。
復興まちづくりでは、新駅を拠点にした新市街地への商業機能の配置を目
指しており、これらを新たな商業の核として再生していくことはもちろん、
産直交流施設と連携した商業イベントを展開し、本町の商業をしっかり回復
軌道に乗せていく必要がある。
行 動 方 針
◇交流人口を取り込んだ商業の回復軌道への誘導
目
◇農水産物の旬に合わせた「マルシェ(復興市)
」の開催
標
□新市街地へのスーパー等の誘致と商圏形成
・新駅を中心にした商業機能の確保に向けて、外部からスーパー等を誘致す
るとともに、商圏形成に向けた関係者協議を推進する。
□商業祭、広場での「市」や「イベント」
・交流拠点施設の周辺に広場を確保し、商業祭や農水産物の旬に合わせて季
節のイベントを開催する。
(例)
①町内の観光や体験の情報交流拠点…海(浜)と山
②広域観光の情報拠点…名亘地域、福島県、仙南
③山元のうまいもの直売所…(水産品、農産物、加工品)
取
組
④レストラン…(地元の食材が使われるバイキング方式)
《惣菜コーナー》
…(米屋、パン屋、そば屋)
料理を惣菜として提供、一人暮らし世帯への配慮 など
□産直交流施設での「地魚炉端焼き店」の展開
・これまで商品価値のないものとして処分されてきた魚貝類を有効活用し、
産直交流施設の出店で加工販売を展開する。
(例)トビウオ、コダマガイ、破損したホッキ貝の加工・販売
「活魚出荷の磯浜」を内外にアピールするとともに、魚貝を活かした料理
のメニューを開発し、6次産業化の足掛かりにする。
12
支
援
策
(事業・財源等)
【資金的支援】
・ものづくり中小企業・小規
模事業者試作開発等支援補
助金
(中小企業団体中央会)
など
・6次産業推進支援事業、6 次産業化整備支援事業(農水省)
・被災地域交流拠点施設整備事業
・被災地域工嶐活動活性化推進事業
推進体制(例)
特産品の積極的消費、マルシェ(復興市)の情報発信
住
民
事業者
商店:先端技術展開事業
商工会:無農薬促成栽培システム開発の実証実験
NPO:マルシェ(復興市)の情報発信
町:研究成果の普及啓発
行 政
・復興イベント
・未利用施設等でのチャレンジショップ
・店舗展開
展 開 イメージ
13
名
称
【工業】 ものづくりや企業経営を担う人材育成
本町における工業は、比較的小規模の企業が多く、自然に恵まれた農工団
地の整備や若者の定住環境整備等による魅力ある就業の場の創出し、優秀な
人材確保に努めることが求められていた。また、震災では山下駅周辺や坂元
駅周辺に立地した食品加工関連や金属製造関係等の工場が全壊・半壊状況と
現 状 と課 題
なり、事業再開に向けた復旧・復興が課題となっている。
今後は、学校教育や社会教育と連携した地域産業の理解促進や商工業の担
い手となる人材育成、異業種交流等を推進し、農商工連携や6次産業化の基
盤を強化していく必要がある。
行 動 方 針
◇若手就労者や経営者等の人材育成による知識基盤の整備
目
◇農商工連携や6次産業化の基盤を強化
標
□製造業を中心とした関連産業の交流連携
①山元工業会を中心とした交流連携
・山元町内で製造業等の事業所で構成される山元工業会を中心にお互いの結
束力を強めるため、話し合いや交流会、技術の補完等を行い、人材確保や
産業集積の基盤を強化する。
②仙南広域工業会を活かした交流連携
・仙南地域「ものづくり」に携わる製造業を中心とした関連産業が、一体と
なって人材の確保・育成、技術の高度化、自社製品の開発、新市場の開拓等
を図り経営基盤の強化に努める。
取
組
□経営力強化のための外部の経営資源の活用
・復興庁宮城復興局は、被災地域企業が抱えている経営課題の解決、経営力
の強化と地域経済の持続的発展を担うコミュニティ形成に向け、地域復興
マッチング「結の場」を開催している。
こうした、外部の経営資源を積極的に活用し、商工業の経営課題の解決、
経営力の強化を図る。
14
【政策的支援】
宮城県
・みやぎ南部地域ものづくり産業集積形成基本計画
・宮城県南部地域食品関連産業等活性化基本計画
復興庁
・地域復興マッチング「結の場」事業
支
援
策
(事業・財源等)
NPO法人仙南広域工業会
・産学官連携支援事業、人材教育支援事業、モノづくり革新支援事業をはじ
め経営品質革新、品質工学 QE 導入・活用実践、人材教育、労働安全衛生確
保等の支援事業等
推進体制(例)
住
民
事業者
行 政
地域産業への理解、参考観光等への主体的な参画
企業:交流連携を通じたものづくりネットワークの形成
(製造業等)
町:工業会等との交流推進
展 開 イメージ
15
名
称
【雇用】 潜在的な担い手による地域ビジネスの起業
震災前より減少傾向にあった人口、世帯数は、震災による人的被害や転出
により大きく減少し、その傾向が続いている。今後の産業の復興にはいずれ
の分野においても人材の確保、育成が不可欠であり、潜在的な担い手の掘り
起こしや就業のマッチングに努めていく必要がある。
こうした観点から社会経験や企業経営のノウハウを有する人材として、女
現 状 と課 題
性層や定年後の高齢者層を地域課題解決の担い手として捉える視点が重要
であり、今後、こうした潜在的な担い手による多様な地域ビジネスの起業化
を支援していくことが期待される。
行 動 方 針
◇地域の課題解決を志向する小規模な地域ビジネスの起業
目
◇潜在的な担い手の発掘と雇用創出
標
□都市と農村の交流による市民農園ビジネス
・小規模・多品目生産品種による市民主体の農園整備を推進し、農的な暮ら
しに関心ある定年帰農者や新規就農者等に新しい働く場や土と触れあえ
る
場を提供する。
(例)
・イタリアントマト、マッシュルームの栽培
・伊達紫の栽培 など
□福祉作業所等と連携した農産物加工等の地域福祉ビジネス
・高齢者や障がい者の働く機会を確保するため、地域の農産物加工品の製造
取
組
や販売、飲食店の運営等を通じて、居場所づくりを推進する。
また、高齢者の引きこもりや地域での孤立を防ぐため、交流サロンやカル
チャー教室等を開催し、生活不活発病等の予防にも資する。
(例)
・産直カフェ、交流サロンの経営
・食事の配達や買い物代行サービス
・復興グッズの開発 など
16
支
援
策
(事業・財源等)
【資金的支援】
・地域需要創造型等起業・創
業促進事業
(一般財団法人地域創造基
金みやぎ)
・NPO活用雇用出補助金
(宮城県)
・東日本大震災復興ソーシャルビジネス創出促進事業(経産省)
推進体制(例)
住
民
事業者
行 政
地域ビジネスへの主体的な参画
企業:社会的な起業への賛同、協賛
NPO:地域ニーズを踏まえた多様なビジネスモデルの提案
町:起業化のための情報提供、相談、支援
展 開 イメージ
17
名 称
【観光・交流】 地域のお宝発見、お宝磨き
震災前、平成 21 年における観光客数は 41,092 人で、平成 16 年以降4万
~4.5 万人程度で横ばい状況となっている。また、震災後、観光資源である
「夢いちごの郷」、
「海浜公園」などが壊滅的な状況となり、入込数も大きな
落ち込み傾向を示しており、観光振興においては抜本的な対策が求められ
る。
現 状 と課 題
また、海・浜のお宝、山のお宝が豊富に存在しているものの、それらが地
域の良さの自覚につながらず、結果として観光の発信力不足につながってお
り、これらのお宝を活かす実践的な取組みや担い手育成が必要である。
特に、震災の遺構や教訓を観光に活かす視点から観光情報の提供システム
を整備し、復興ツーリズムを推進していくことが期待される。
行 動 方 針
◇震災の遺構や教訓を含めて観光に活かす、海(浜)の山のお宝の連携
目
◇実現可能な観光プログラムの整備と受け入れ態勢の構築
標
18
□観光マップ、カレンダーの制作
・「これを見れば初めて訪れた人でも山元のお宝が分かる!」というような
観光マップ(自然、歴史、暮らしなど)、カレンダー(催しや農、食をテー
マ)を制作する。
□津波湾の記録の保存、活用
津波湾は、世界にも例のない極めて貴重な資源。八重樫神社、中浜小学校、
津波湾等の震災遺構を活かし、自然のダイナミズムとその脅威を学ぶ。
⇒伝承のための記録(映像含む)と冊子制作
□3ラインを活かした観光交流プログラム開発
取
組
《グレープライン》
∇浜街道五十三次
・浜街道沿いに基幹拠点と浜茶屋(サテライト)を設けて、地域交流、情報
発信、誘客促進、レンタサイクル事業 など
《ストロベリーライン》
∇いちご狩り体験、いちご団地のライトアップ
《アップルライン》
∇深山、戸花山のトレッキング、自然然観察、健康ウォーキング、海の見
える眺望体験、エルフの森で季節限定の青空キッチン
∇地球村でカフェ、イチゴジャムづくり体験
∇コンニャク芋掘り体験
【政策的支援】
宮城県
・緊急雇用創出事業
文化庁
・文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業
支
援
策
(事業・財源等)
推進体制(例)
住
民
観光交流ブログラム開発への主体的な参画
事業者
企業:観光交流事業の推進への賛同、協賛、支援
NPO:多様な観光交流事業の実践
行 政
町:観光交流推進のための情報提供、相談、支援
19
展 開 イメージ
名 称
【観光・交流】 古民家や歴史的建造物を活かした交流推進
震災前、藩政時代に農家の世話役であった「肝煎(きもいり)農家」を復元し、
田園空間博物館総合案内所「笠野学堂」を設置し、町全体を“屋根のない博物館”
とする構想のもと、農家の暮らしをテーマにした体験や学習ができるイベントを
実施していた。しかし、
「笠野学堂」が震災で壊滅状態となり、地域資源の保存
現 状 と課 題
や展示、体験学習機能が失われたことから、これまで蓄積してきた地域情報の再
整理が求められる。
今後は、これまでの“屋根のない博物館”の地域拠点となる施設を古民家や歴
史建造物等を活かして再生するとともに、地域や世代を超えた交流を活性化して
いくことが必要である。
行 動 方 針
◇古民家や歴史建造物等を活かした“屋根のない博物館”の展開
20
目
標
◇“屋根のない博物館”の経験を活かした交流の活性化
□歴史的建造物の調査
・地域の資源である歴史的建造物の修復作業をワークショップという形式で
行い、地域の歴史・風土や暮らしぶりを学び、交流活性化の新たな活動拠
点を形成していく。
⇒古民家や歴史的建造物の台帳整備
□古民家の再生を考える研究会
・再生可能な古民家の利活用方策を考える研究会を設置する。
例えば、主に郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストランなど。
世田谷区民健康村に見られる都市と農村の縁組協定等を参考にして、都会
の子供や企業の研修等の拠点として古民家の活用可能性を探る。
取
組
□アートを活かした芸術祭の開催
・海(浜)と山の地域資源を結び、知的好奇心への刺激を提供する、大地の
芸術祭を展開する。
⇒大地の芸術祭
【政策的支援】
・田園博物館構想(町)
・文化財保護法(文化庁)
・みちのく潮風トレイル
長距離自然遊歩道「東北太平洋岸自然歩道)(環境省)
支
援
策
(事業・財源等)
推進体制(例)
住
民
事業者
観光交流ブログラム開発への主体的な参画
企業:観光交流事業の推進への賛同、協賛、支援
NPO:多様な観光交流事業の実践
21
行 政
町:観光交流推進のための情報提供、相談、支援
展 開 イメージ
名 称
【観光・交流】 山元町観光物産振興協会(仮称)の設立
本町では、昭和 63 年 4 月に北海道伊達市と姉妹都市提携をし、スポーツ親善、
絵画・書道交流展示などの交流を行っている。また、震災後は、横浜市や札幌市
をはじめとする自治体から派遣職員の応援を受け、震災復興に取組む中で地域間
交流の下地が形成されつつあるほか、多岐にわたる復興支援ボランティア等を主
現 状 と課 題
体とした活動が、それぞれ自然発生的に広がっている。
今後は、観光交流に関する人・モノ・情報を一元的に収集・整理と戦略的な集
客促進や地域間交流の活性化が期待され、そのための機動力をもった経営組織と
して山元町観光物産振興協会(仮称)の設立が必要である。
行 動 方 針
◇観光交流に関する人・モノ・情報の一元的な管理
22
目
標
◇山元町観光物産振興協会(仮称)の設立
□情報の収集整理・編集、発信
・実践団体等を中心に発起人会を立ち上げて、地域内の交流ネットワークを
形成するとともに、新たな山元町観光物産振興協会(仮称)の設立への機運
を醸成する。
⇒段階的な組織づくりと運営イメージ
取
組
□ふるさと宅配便(仮称)事業の展開
・山元の海の幸、山の幸、フルーツ加工品等を詰め合わせた宅配便を会員制
度やオーナー制度と組み合わせて推進する。
□観光大使、サポーター会員の募集
・観光交流人口の拡大やリピーター確保の一環として、イベント案内や特産
品の割引等の特典を付けた観光大使やサポーターを募集する。
【交流連携】
・くりはらツーリズムネットワーク
・いわき市中之作プロジェクト
・産業経済部田園観光課 (くりはら研究所)
ほか
支
援
策
(事業・財源等)
推進体制(例)
住
民
観光交流ブログラム開発への主体的な参画
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事業者
行 政
商工会:新たな組織体づくりへの助言、指導
企業:観光交流事業の推進への賛同、協賛、支援
NPO:多様な観光交流事業の実践
町:観光交流推進のための情報提供、相談、支援
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