問 題 1 - 土地改良測量設計技術協会

「平成 24 年度 農業土木技術管理士資格試験問題」
問
題
1
【注意事項】
①
問題 1 はこの用紙の裏側にあります。
②
答案用紙の全てに受験番号と答案用紙番号を記入してください。
問題 1
農業農村整備事業に関する調査、計画、設計、積算、施工、管理等の業務の中か
らあなたが経験した業務に関する技術的課題について、発注者または受注者の立場
から次の項目にしたがって 2,400 字以内で記述しなさい。
(1)業務概要とあなたの果たした役割
(2)技術的な検討課題と解決策
(3)現時点における解決策の評価
「平成 24 年度 農業土木技術管理士資格試験問題」
問
題
2
次の問に対して正しい答の番号を答案用紙に記入しなさい。
(正答番号を 1 つだけ記入のこと)
(注意事項)
①
答案用紙は別にあります。
②
答案用紙に受験番号を記入してください。
〔問 1〕土地改良長期計画(平成24年3月)の基本方針に関する記述について、
(A)
∼(D)に当てはまる用語の組み合わせとして、適当なものはどれか
a.
「
(A)を支える水と土の再生・創造」を基本理念とする。
b. 農を「強くする」ため、地域全体としての(B)の体質強化を図る。
c. 国土を「守る」ため、震災復興、
(C)の強化と多面的機能の発揮を図る。
d. 地域を「育む」ため、農村の協働力や地域資源の潜在力を活かした(D)の再生を図る。
(A)
(B)
(C)
(D)
1. 国土
流通加工
防災・減災力
環境
2. 食
食料生産
防災・減災力
コミュニティ
3. 国土
流通加工
農業生産力
コミュニティ
4. 食
食料生産
農業生産力
環境
〔問 2〕土地改良長期計画(平成24年3月)に関する記述のうち、不適当なものは
どれか
1.区画整備済み水田は155万ヘクタールにおよび、全て区画、農道、排水ともに整備され
て輪換畑として利用できる。
2.全水田面積の約6割が30a 程度以上の区画に整備されているが、1ha 程度以上の大区
画ほ場の整備済み面積は8%に留まっている。
3.東日本大震災により被災した農地は、農業農村復興マスタープランに基づき、平成26年
度までに警戒区域等を除くおおむね全ての農地(約1.9万 ha)の営農再開を目指して
いる。
4.農業用用排水施設について、頭首工等の基幹的施設は全国で約7千箇所、水路は40万㎞
以上が整備され、それらの資産価値は、再建設費ベースで32兆円に達している。
〔問 3〕わが国の農村地域の動向に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.農村地域は、農業者の減少や高齢化に伴い、農業用用排水施設の管理が不十分となったり、
防災の担い手が減少したりするなど、地域の防災力の低下が懸念されている。
2.都市農業は、新鮮な農産物の供給という役割は果たしていないが、災害時の防災空間を確
保し、農業体験・交流活動の場や心やすらぐ緑地空間を提供するなど多様な役割を果たし
ている。
3.農村地域は、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱等の資源が豊富に存在し、
エネルギー生産でも重要な役割が期待されている。
4.農林水産業に被害を与える野生鳥獣の生息域が全国的に拡大し、野生鳥獣による農作物被
害は全国で 200 億円以上と拡大してきている。
−1−
〔問 4〕 食料自給率に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.昭和 55(1980)年以降、米の消費減や畜産物・油脂の消費増が継続したことで、食料自
給率の低下につながった。
2.供給熱量ベースの食料自給率は、近年、40%前後で推移しており、平成 20(2008)年度
から平成 22(2010)年度までの間で2ポイント低下(41%→ 39%)した。
3.生産額ベースの食料自給率は、平成 20(2008) 年度から平成 22(2010)年度までの間で
4ポイント上昇(65%→ 69%)した。
4.平成 32(2020)年度の食料自給率目標として、供給熱量ベースで 70%まで引き上げるこ
ととしている。
〔問 5〕土地改良法に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.土地改良事業計画の同意取得に当たっては、三条資格者の1/2以上の同意があればよい。
2.施設を新設する土地改良事業のうち農家負担が無い事業では、三条資格者の同意取得は必
要ない。
3.土地改良事業の実施主体である土地改良区の組織や組織運営に関する規定が定められてい
る。
4.農業集落排水施設整備事業は土地改良事業として実施手続きが定められている。
〔問 6〕次の文章は、土地改良法第1条第2項の土地改良法の(目的及び原則)に関
する条文である。(A)∼(C)に当てはまる用語の組み合わせとして、適当
なものはどれか。
土地改良事業の施行に当たっては、その事業は、
( A )に配慮しつつ、
( B )の総
合的な開発及び保全に資するとともに( C )の発展に適合するものでなければならない。
(
(A)
(B)
(C)
1.環境との調和
未利用資源
農
2.環境との調和
国土資源
国民経済
3.農家の意向
未利用資源
国民経済
4.農家の意向
国土資源
農 村
村
〔問 7〕土地改良事業の費用対効果分析に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.土地改良事業のすべての効果は、すべての費用を償う必要がある。
2.土地改良事業に要する費用の受益者負担額は、受益者の農業経営の状況からみて相当と認
められる負担能力の限度を超えてはならない。
3.土地改良事業の費用対効果分析の評価対象期間は、当該事業の工事期間プラス40年であ
る。
4.水源かん養効果等の多面的機能の発揮に関する効果は、総便益の算定に含めない。
−2−
〔問 8〕土地改良法第2条に定められている土地改良事業のとして、不適当なものは
どれか。
1.土地改良施設の廃止
2.埋立て又は干拓
3.園芸施設(温室等のハウス施設)の災害復旧
4.農用地に関する権利の交換分合
〔問 9〕下図は水田における計画用水量を算定するための構成要素を示したものであ
る。(A)∼(D)に当てはまる用語の組み合わせとして、適当なものはどれ
か。
補助水源量
−
水田かんがい
用水量
地区内
利用可能量
(C)
(A)
ほ場単位
用水量
(B)
蒸発散量
浸透量
取水地点
計画用水量
−
栽培管理用水量
(D)
送水損失水頭
配水管理用水
その他
用水量
配水管理用水量
施設機能
維持用水量
− は負となる量であることを示す
注)○
(A)
(B)
(C)
(D)
1.
粗用水量
純用水量
反復利用量
有効雨量
2.
粗用水量
純用水量
有効雨量
反復利用量
3.
純用水量
粗用水量
反復利用量
有効雨量
4.
純用水量
粗用水量
有効雨量
反復利用量
〔問 10〕畑地のかんがい計画に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.計画間断日数は、ほ場容水量(24 時間容水量)を作物の消費水量の最大値で除して、小
数点以下を切り捨てて算定する。
2.スプリンクラかんがいの適用効率は、一般に50%程度とされている。
3.管水路の送水損失率は、15%程度が標準値である。
4.ファームポンドの本来的な機能は、送水施設と配水施設の通水時間の差を調整することで、
このためのファームポンドの容量を時間差容量という。
−3−
〔問 11〕かんがい計画に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.用水計画では、原則として 10 年に 1 回程度発生する渇水年を基準年とする。
2.貯水施設の容量の算定は、その目的に応じ、月または 10 日単位ごとの水収支計算を行い、
必要な精度を確保する。
3.かんがい計画にあたっては、水利施設の多面的機能の発揮の観点からも総合的に検討する
ことが望ましい。
4.かんがい計画では、対象となる受益区域、受益面積を確定したうえで、全受益地に必要な
水源を確保する。
〔問 12〕下図は、機械排水と自然排水を組み合わせて排水を行っている地区の内外水
位の関係を示している。ア∼オと(A)最大湛水深、
(B)湛水時間、
(C)水
門閉鎖時間の組み合わせとして、適当なものはどれか。なお水門の開閉等操
作に要する時間は無視する。
(A)最大湛水深
(B)湛水時間
(C)水門閉鎖時間
1.
エ
ウ
イ
2.
オ
ア
ウ
3.
エ
ア
ウ
4.
オ
ウ
イ
〔問 13〕農地排水に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.機械排水を計画する場合、ポンプ台数は施設の信頼性を高める上で、計画排水量に対して
複数台とすることが望ましい。
2.排水ポンプ効率は、揚程によって左右されるので、一般的には計画最高実揚程の80%程
度と仮定するのが妥当である。
3.排水機場は排水路と排水本川の合流点付近の最低位部で、基礎地盤の良好な所に設置する
のが望ましい。
4.分散排水方式とは、排水系統の最下流に排水施設を設置し計画排水量を排水する方式であ
る。
−4−
〔問 14〕水路の水理計算に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.自由水面をもつ無圧トンネルは、計画流量が自由水面を持って流れるので原則としてマニ
ング公式により水理計算を行う。
2.パイプラインの摩擦損失水頭は、ヘーゼン・ウィリアムス公式により求める。
3.不等流の水面追跡は、既知の支配断面などを始点として常流の場合は下流に向かって計算
する。
4.暗渠のオープントランジション部分は、水理的には不等流となる。
〔問 15〕農業用パイプラインに使用される既製管に関する記述のうち、
(A)∼(D)
の説明に当てはまる管種の組み合わせとして、適当なものはどれか。
(A)重量が比較的大きいが、強度、耐久性が大きく、内外圧の大きい管路に適する。
(B)複合材料でできており、軽量で耐食性、耐電食性を持っている。
(C)不とう性管で、電食の恐れがなく、低圧の管路に適する。
(D)溶接接合により継ぎ手の水密性に優れると共に、耐久性に富むが、電食のおそれがあ
る。
(A)
(B)
(C)
(D)
1.鋼管
強化プラスチック複合管
遠心力鉄筋コンクリート管
ダクタイル鋳鉄管
2.ダクタイル鋳鉄管
強化プラスチック複合管
遠心力鉄筋コンクリート管
鋼管
3.鋼管
遠心力鉄筋コンクリート管
強化プラスチック複合管
ダクタイル鋳鉄管
4.ダクタイル鋳鉄管
遠心力鉄筋コンクリート管
強化プラスチック複合管
鋼管
〔問 16〕管水路の設計に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.管水路は常時満水が原則であることから、管路内に空気が混入しないようにする必要があ
る。
2.路線は、地形条件に支配されることが少なく、開水路に比べ路線選定の自由度が大きい。
3.水田と畑地が混在する地区では、管水路全体を低圧システムとしなければならない。
4.充水時、止水時のバルブ開閉時間の設定には、十分な注意が必要である。
〔問 17〕ため池の改修方法に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.堤体改修には、中心遮水ゾーン型工法が多く採用されている。
2.基礎地盤の透水性が高い場合は、不透水層までの遮水ゾーンや矢板及びブランケットなど
の施工をする必要がある。
3.基礎地盤に軟弱層が存在するときは、軟弱層の置き換え、押さえ盛土工法により所定の安
全性を確保する。
4.洪水吐は、200年確率洪水流量の1.2倍の流量を安全に流下させる能力を有するもの
に改修する。
−5−
〔問 18〕ダム計画に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.ダムの建設地点は、谷幅が広く貯水容量が大きく取れる場所が望ましい。
2.ダムサイトの形状係数(堤長/堤高)が小さければ、一般にコンクリートダムに比べてフ
ィルダムが経済的に優れている。
3.コンクリートダムの施工は、気温の影響を受けにくく、温度規制は特に必要はない。
4.フィルダムは、コンクリートダムに比べて応力を広く分散させるため、基礎地盤に対する
適応の幅が広い。
〔問 19〕頭首工の各施設に関する記述のうち、不適当なものはどれか
1.土砂吐は、河川流心の維持と取り入れ口付近の沈積土砂を排除して、取水に支障のないよ
うにするため設けられる。
2.エプロンは、取入れ口から流入した水流を滑らかに整えて、水路に導くために設けられる。
3.護床工は、頭首工を流下する水流による洗掘を防止するため河床に設けられる。
4.魚道は、頭首工において魚類等が河川を遡上できるように設けられる。
〔問 20〕頭首工の計画、設計に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.流量が急激に変化して河床変動の激しい山間渓流に設ける頭首工では、沈砂池は土砂礫が
流入しないので設置する必要はない。
2.護床ブロックの重量は、設置地点の河川流量に左右されるので断面平均流速で検討する。
3.可動堰は、ゲート操作によって、取水時における取水に必要な水位を確保でき、流水の作
用に対し安全な構造とする。
4.取水口の位置は自然取入れの場合は土砂が取入れ口に流入しないように、みお筋に関係な
く、水深が浅く流れの安定している所を選ぶ。
〔問 21〕農道整備事業の効果に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.土地生産性向上による単位収量増加
2.営農に係る走行経費の節減
3.時間短縮による一般交通の経費節減
4.走行中の荷傷み防止による品質向上
〔問 22〕農道の設計に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.計画交通量により車道幅員を定める場合、計画大型車交通量により幅員を定める。
2.設計速度は、農道の種類、機能に応じて 60、50、40km/h のいずれかの値で適切に決定す
る。ただし、やむを得ない場合には 30km/h とする。
3.車道には路面の排水に必要な横断勾配を設けるが、車道に接続する路肩、歩道、自転車道
には横断勾配を設けなくてよい。
4.畑・樹園地地域の幹線農道の縦断勾配は、原則として 12%を限度とする。
−6−
〔問 23〕暗渠排水に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.暗渠排水を行うと、用排水のコントロールがよくなり、農作物の品質は高まるが、肥料・
農薬の使用量が増大し、収量は落ちるのが一般的である。
2.水田の暗渠の埋設深は、1.2m 以上が適当であり、これより浅くすると暗渠の効果が小さ
くなる。
3.暗渠排水の機能低下の主要な要因は、耕盤の形成、疎水材の不足、パイプの目詰まりとパ
イプ内の泥土の堆積、パイプの変形・不陸などである。
4.暗渠排水は、水田のみを対象としており、畑地では必要ない。
〔問 24〕ほ場整備の換地に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.換地処分は土地の区画形質を全面的に変更する事業に限って、土地の権利関係を一挙に確
定する手段として特別に認められたものである。
2.ほ場整備事業の換地では、農業生産に関係ない非農用地は生み出すことはできない。
3.換地の「照応の原則」とは、工事前の土地と工事後の土地が、自然条件や利用条件を総合
的に勘案して同等でなければならないということである。
4.ほ場整備で新設する農道、水路などの土地改良施設用地は、無償の共同減歩で生み出すこ
とができる。
〔問 25〕農地の水食、風食に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.水食の形態として、地表流出水が細かく分かれた水みちを流れ、地表に細かく浅い溝をつ
くる現象をガリ侵食という。
2.粘質土壌や有機質を含み団粒性の高い土壌は、土粒子間の凝集力が弱いため、いったん表
面流出が生じると激しく水食を受ける。
3.水食防止では、間作・混作、マルチングなど営農面での保全対策と、排水路、沈砂池など
土木面での保全対策を適切に組み合わせることが重要である。
4.地表面にかんがいを行って土壌水分を高めることは、風食に対してほとんど効果が得られ
ない。
〔問 26〕放射性物質で汚染された農地の除染技術として開発された工法のうち、「食
と農業の再生に貢献する農業農村対策」で整理されたものとして、不適当な
ものはどれか。
1.表土を削り取って除去する。
2.水により土壌を撹拌し、濁水と一緒に排除する。
3.プラウにより反転耕起し、下層土と入れ替える。
4.化学薬品により中和する。
−7−
〔問 27〕下図は汚水処理方式を説明したものであるが、(A)∼(D)に当てはまる
用語の組み合わせとして、適当なものはどれか。
汚水処理方式
(A)方式
沈殿、ろ過、希釈など
(B)方式
凝集、中和、酸化など
(C)方式
好気性処理
(D)
(A)
(B)
(C)
(D)
1.
物理的処理
化学的処理
生物的処理
嫌気性処理
2.
物理的処理
化学的処理
生物的処理
高度処理
3.
化学的処理
物理的処理
三次処理
嫌気性処理
4.
化学的処理
物理的処理
三次処理
高度処理
〔問 28〕水質の指標に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.生物化学的酸素要求量(BOD)は、水中の微生物が有機物を栄養分として取り入れて増
殖したり呼吸したりするために消費する酸素の量であり、水質汚濁が進むとこの値が小さ
くなる。
2.溶存酸素量(DO)は、水中に溶解している酸素の量であり、水質汚濁が進むとこの値が
大きくなる。
3.化学的酸素要求量(COD)は、化学的に有機物・無機物を酸化させ、消費した酸化剤の
量を酸素量に換算したものであり、水質汚濁が進むとこの値が大きくなる。
4.浮遊物質(SS)は、2mmのフルイを通過し、孔径 1μmのろ過材(ガラス繊維ろ紙)
に残る物質の量であり、水質汚濁が進むとこの値が小さくなる。
〔問 29〕ゲートに関する説明で、(A)∼(C)に当てはまる用語の組み合わせとし
て、適当なものはどれか。
(A)ゲートは、頭首工可動堰ゲートの代表的な形式で、水圧荷重はスキンプレート、補
助桁を介して(B)主桁に伝えられ、扉体両端に配置された端縦桁から(C)を経て戸当
たりに伝達される。小型ゲートから長径間ゲートに至るまで広範囲に採用されている。
(A)
(B)
(C)
1.
ローラ
水平
ローラ
2.
ローラ
垂直
ローラ
3.
スライド
水平
レール
4.
スライド
垂直
レール
−8−
〔問 30〕機場に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.ポンプの揚程は実揚程と全揚程に区分され、実揚程は全揚程に諸損失水頭を加えたもので
ある。
2.長い送水路(吐出し管)を有するポンプの場合、主ポンプの始動、停止などにより水撃圧
が発生し、機器の破損などを引き起こすことがある。
3.吐出し管の管内流速は、計画最大吐出し量でおおむね 10m/s 以下とする。
4.吸水槽の設計では、沈砂池などで塵介が捕捉されるので、特別な場合を除いて、吸水槽の
入口にスクリーンを設置する必要はない。
〔問 31〕地下水取水に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.平野では、過剰な地下水取水による地下水位の異常低下や地盤沈下等に十分留意する必要
がある。
2.扇状地では、地下水位は扇頂部で浅く扇端部に向かって深くなり、扇端部近くでは被圧地
下水を形成することが多い。
3.火山山麓では、上流部では一般に地下水位は深く、山麓末端部に近づくにつれて水位は次
第に浅くなる。
4.島しょでは、流域が小さく地下水涵養量が少ないため、海岸部での塩水浸入の懸念がある。
〔問 32〕農業水利施設を活用した小水力発電に関する記述のうち、適当なものはどれ
か。
1.自家用電気工作物を設置する場合、電気主任技術者の免状交付を受けた者がいなくても水
力発電設備の設置が可能である。
2.かんがいの水利権が取得されていれば、その範囲内で従属的に行われる小水力発電につい
ては新たに水利権を得る必要はない。
3.農業用水を利用した小水力発電の場合、余剰電力が発生しても電力会社へ売電することは
できない。
4.施設の計画に当たっては、農業水利施設での有効利用を前提とするので、経済性の検討は
必要ない。
〔問 33〕用水路を利用した小水力発電で、流量=0.4m3/s(一定)、落差=20m、
効率=0.7(一定)
、稼働率50%としたとき、おおむねの年間発電量とし
て、適当なものはどれか。但し、発電電力、年間発電量は次の式による。
発電電力=9.8×流量(m3/s)×落差(m)×効率
年間発電量=発電電力×24時間×365日×稼働率
1.
24万 kW
2.
55kWh
3.
55kW
4.
24万 kWh
−9−
〔問 34〕水資源の利用と保全に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.水田での水利用は、環境保全や地下水かん養にも寄与し、多くの外部経済的効果を発揮し
ている。
2.開発された水資源の有効利用の方法には、貯水池の浸透抑制、送水損失の抑制などがある。
3.我が国においても世界的に見ても、年間水使用量のうちで農牧畜用水として使用されてい
る割合は 1/3 程度である。
4.農業用水システムは、その機能と役割について、公共財的な一面を持つ社会的共通資本と
して位置づけられる。
〔問 35〕農地の利用・管理に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.耕作放棄地とは、過去1年間以上作物を栽培せず、かつこの数年の間に再び耕作するとい
うはっきりした予定のない土地のことである。
2.株式会社は、農地に関して使用貸借権または賃借権の設定を行うことができない。
3.水田を、畑作利用した後、水稲栽培に戻すとその必要用水量は大幅に減少する。
4.農業振興地域の整備に関する法律(農振法)では、都市計画区域内に農用地区域を設定す
ることができる。
〔問 36〕農村の環境に関係する制度的枠組みに関する記述のうち、不適当なものは
どれか。
1.環境影響評価法は、一定規模を超える開発事業を行う場合、環境を保全するための適切な
処置を執るための手続きを定めている。
2.食料・農業・農村基本法は、食料の安定供給の確保と農業農村が有する多面的機能の発揮
を目的とし、その達成には農業の持続的発展と農村の振興が必要であるとしている。
3.土地改良法は、土地改良事業の手続き法であり、特に事業実施にあたって環境との調和に
配慮することを規定していない。
4.環境基本法は、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築や国際的協調による
地球環境保全の推進など、環境の保全に関する国の基本理念を定めている。
〔問 37〕農業用コンクリート水路の機能保全対策工法には補修工法と補強工法があ
るが、全てが補修工法に該当するものとして、適当なものはどれか。
1.断面修復工法、
ひび割れ補修工法、
表面被覆工法、
目地補修工法
2.断面修復工法、
部分打換え工法、
接着工法、
目地補修工法
3.コンクリート増厚工法、 部分打換え工法、 表面被覆工法、
目地補修工法
4.コンクリート増厚工法、 ひび割れ補修工法、接着工法、
部分打換え工法
−10−
〔問 38〕ストックマネジメントにおける農業水利施設の機能と性能に関する記述で
(A)∼(D)に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
農業水利施設の有する様々な機能は、水利用機能、
(A)、
(B)等に分類され、これら
は重層的に構成されている。また、機能の発揮能力が性能であり、操作性、通水性、耐摩
耗性といった個別の(C)や総合的な(D)で表すことができる。
(A)
(B)
(C)
(D)
1.
保全機能
多面的機能
性能指標
健全度指標
2.
水理機能
構造機能
性能指標
健全度指標
3.
水理機能
構造機能
健全度指標
性能指標
4.
保全機能
多面的機能
健全度指標
性能指標
〔問 39〕ストックマネジメントに関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.予防保全とは、当該施設に求められる性能が管理水準以下に低下した後に、経済的に耐用
年数の延伸を図る目的で実施する対策である。
2.補修とは、主に施設の耐久性を、補強とは、主に施設の構造的耐力を回復又は向上させる
ことである。
3.ライフサイクルコストとは、施設の建設に要する経費のみならず、維持保全や廃棄等にか
かるすべての経費の総額である。
4.ストックマネジメントとは、既存施設の有効利用や長寿命化を図り、ライフサイクルコス
トを低減するための技術体系及び管理手法の総称である。
〔問 40〕下図は、ある工事のネットワーク工程表である。この工事に必要な日数とし
て、適当なものはどれか。
5日
1
7日
2
10日
12日
3
4
9日
8日
5
6
11日
9日
凡例
4
2. 35日
3.
36日
4.
37日
−11−
1 : 工事開始
7 : 工事終了
1
1. 33日
7
N日
2 : 作業日数7日
3 : ダミー
〔問 41〕農業農村整備事業における工事の品質管理に関する記述のうち、不適当なも
のはどれか。
1.品質管理は、発注者が求める品質に合致したものを納めるための PDCA サイクルを企業体
質の向上に結びつけることを目的とした管理技術である。
2.品質管理を科学的に遂行し、与えられた品質規格を満たすため、品質のバラツキや技術水
準を考慮して目標品質基準を決めることが求められる。
3.直接測定による出来形管理は、管理基準値に対するバラツキの具合を管理するものではな
く、管理基準値を超えない管理を求めるものである。
4.撮影記録による出来形管理は、とくに地中埋設物など施工終了後に確認できない箇所の出
来形、数量などを写真により確認するものである。
〔問42〕下図は請負工事費の基本構成を説明したものであるが、
(A)∼(D)に当
てはまる用語の組み合わせとして、適当なものはどれか。
直接工事費
純工事費
工事原価
(A)
請負工事費
(C)
間接工事費
(D)
(B)
消費税相当額
(A)
(B)
(C)
(D)
1. 工事価格
一般管理費等
共通仮設費
現場管理費
2. 一般管理費等
工事価格
共通仮設費
機械経費
3. 一般管理費等
工事価格
材料費
機械経費
4. 工事価格
一般管理費等
材料費
現場管理費
〔問 43〕180m3 の出来形で盛土造成する工事に必要な地山の土量Vと、それを掘
り緩めたときの土量VLの組合せとして、適当なものはどれか。
ただし、土は砂質土とし、掘り緩めた土の土量換算係数L=1.20、締め固めた土
の土量換算係数C=0.90とする。
1.V=210m3
VL=250m3
2.V=210m3
VL=240m3
3.V=200m3
VL=250m3
4.V=200m3
VL=240m3
−12−
〔問 44〕流域面積30km2 の地点で、洪水到達時間内の平均降雨強度30mm/h の集
中豪雨があった。ピーク流出率0.40として、合理式(ラショナル式)に
より求めた洪水のピーク流量で、適当なものはどれか。
ただし、合理式は Q=
1. 1000 m3/s
1
frA
3.6
2. 500 m3/s
3. 100 m3/s
4. 10 m3/s
〔問 45〕水文に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.水文量がある値Aを超えない確率をAの超過確率という。
2.流出解析で流量の時間変化を示す図をハイドログラフという。
3.流出解析のピーク流出率は、市街地と放牧地では放牧地の方が大きい。
4.通常、降雨の継続時間が長くなるほどその間の平均降雨強度は大きくなる。
〔問 46〕水理に関する説明で、
(A)∼(D)に当てはまる用語の組み合わせとして、
適当なものはどれか。
流れの各点で流速・圧力などが時間的に変化しない流れを(A)
、変化する流れを(B)
といい、
(A)で流速、通水断面が場所的に変化しない流れを(C)
、変化する流れを(D)
という。
(A)
(B)
(C)
(D)
1.
常流
射流
等流
不等流
2.
定常流
非定常流
層流
乱流
3.
定常流
非定常流
等流
不等流
4.
常流
射流
層流
乱流
〔問 47 〕水路の水理に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.水路の代表的な平均流速公式としてマニング(Manning)式があり、V=(1/n)R2/3I1/2 で表
わされる。
2.水理学的有利断面とは、流積 A が与えられたとき流量 Q を最大にする断面、あるいは Q
が与えられたとき A を最小とする断面をいう。
3.管水路において流れの運動エネルギーと水の圧縮および管の弾性変形のエネルギーとの間
で、エネルギーの相互変換がおこなわれたため発生する圧力を水撃圧という。
4.管水路で連結された複数の水槽で、弁などの操作により流れを変更したり遮断したりする
と、水槽の水面が揺動する。この現象をキャビテーションという。
−13−
〔問 48〕特殊土に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.マサ土は、わずかな水分を含んだだけで流動化しやすく、降雨による崩壊、土砂流亡が激
しいため、フィルダムの築堤材料には使用できない。
2.多孔質で高含水比の泥炭は、圧縮性が非常に大きく、排水によって圧縮(圧密)し間隙が
大きく減少する。
3.シラスは、土質材料としては火山灰質砂に相当し、強度的には見かけの粘着力が大きいが、
水食に対してはきわめて弱い。
4.火山灰質粘性土は、練返しにより著しく強度低下を起こす場合があるので、設計施工には
十分な注意が必要である。
〔問 49〕土質に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.ヒービングは、浸透水の浸透力により土粒子を移動させて地盤内に水孔を作る現象である。
2.クイックサンドは、飽和砂に上向きの浸透力が急に作用し砂の水中単位体積重量より大き
な力となり、粒子間の有効応力がゼロとなって砂粒子が上昇水流中に浮遊する現象である。
3.パイピングは、飽和砂に上向きの大きな力が作用し砂粒子が沸騰状態になり、激しく撹乱
されて噴出する現象である。
4.ボイリングは、軟弱地盤などでの根切り工事で、土被り圧の減少や下層土のせん断破壊に
よる回り込みなどによって根切り底面の土が膨れ上がる現象である。
〔問 50〕コンクリート材料に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.セメントは、フレッシュなものほど大きい強度を発現する。
2.適当量のエントレインドエアは、コンクリートのワーカビリティの改善に寄与する。
3.水セメント比はできるだけ大きい方が、水みちが少なくなり、強度が大きくなる。
4.同一強度のコンクリート配合の場合、最大骨材寸法が大きいほど単位セメント量が少なく
なり、経済的なコンクリートが得られる。
〔問 51〕鉄筋コンクリートの劣化に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.塩害は、コンクリート中に塩化物イオンが侵入し、鋼材の腐食により生じる現象である。
2.アルカリ骨材反応は、セメント水和物の成分が溶脱により生じる現象である。
3.中性化は、コンクリートが空気中の二酸化炭素の作用によりアルカリ性を失う現象である。
4.凍害は、コンクリート内部の水が凍結・融解を繰り返すことにより生じる現象である。
−14−
〔問 52〕高分子材料に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.ポリ塩化ビニルは、加熱することで成型が容易であり、高温環境下での利用も適している。
2.エポキシ樹脂系は、多くの物質への接着性も優れており、多くの建設分野で広く使用され
ている。
3.合成ゴムは、外力に対する緩衝性があり、免震材、制振材として利用されている。
4.FRP(繊維強化プラスチック)は、軽量であり、引張強度が大きく、耐食性に優れてい
る。
〔問 53〕ポルトランドセメントの種類と用途の組み合わせを示した下表において(A)
∼(C)に当てはまる用語の組み合わせとして、適当なものはどれか。
種
類
用
途
(A)ポルトランドセメント
コンクリート二次製品用、冬季工事用
(B)
〃
マスコンクリート用、道路舗装用
(C)
〃
一般の現場打ちコンクリート工事用
(A)
(B)
(C)
1.
普
通
中庸熱
早 強
2.
早 強
普 通
中庸熱
3.
早
強
中庸熱
普 通
4.
中庸熱
早 強
普 通
〔問 54〕下図の梁のうち、静定梁として不適当なものはどれか。
1.
2.
3.
4.
−15−
〔問 55〕地震に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.土地改良事業計画設計基準では、均一な堤体の地震係数の目安値として、強震帯では
0.15、弱震帯では0.12としている。
2.液状化は、水で飽和した砂が地震動によってより密に詰まろうとするため間隙水圧が上昇
し、有効応力が低下することによって起こる。
3.擁壁や矢板壁などの土留め構造物に作用する地震時の土圧を求める方法として、クーロン
系やランキン系、及び曲面すべり線法、塑性論に基づく地震時土圧がある。
4.地震波には P 波と S 波があるが、P 波が最大加速度を与える。
〔問 56〕地理情報システム(GIS)に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.
高速インターネットの普及に伴い、
Web 技術を活用した GIS アプリケーションとして WebGIS
が急速に普及している。
2.地理情報システムは、対象空間の事象をコンピュータ処理可能なデジタルデータで表現す
ることにより、空間を科学する総合的な解析手法である。
3.地理情報システムは、位置情報と属性情報を一元的に処理し、
“空間的”検索と“空間的”
解析を行えることに技術的特徴がある。
4.地理情報システムは、地球を周回する人工衛星の電波を利用して地上の絶対位置や相対位
置を測定するシステムである。
〔問 57〕測量の使用機器に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.プラニメータは、地図上の曲線に沿った長さを測定する機器である。
2.レベルは、地表面の標高または高低差を求める水準測量を行うための機器である。
3.トータルステーションとは、レーザー光を用い測距を行い、内臓コンピュータで直接3次
元座標を求める機器のことである。
4.トランシットは、水平角及び鉛直角を測定する機器である。
〔問 58〕初項a、公比rの等比数列で初項から第n項までの和(Sn)は、次式とな
る。
Sn=a+ar+ar2+ar3+・・・+arn―1
a=1、r=0.6、n=∞(無限大)の時、Snの値として、適当なものはどれ
か。
1.
7.5
2.
5
3.
2.5
4.
1
−16−
〔問 59〕機能診断対象水路が5路線あるうちから2路線を選定する場合、路線の組合
せ数として、適当なものはどれか。
1.
5通り
2. 10通り
3. 20通り
4. 30通り
〔問 60〕農業農村工学会が定めている「農業農村工学に係わる技術者の倫理規程」に
おいて、農業土木技術者が履行すべき基礎的な義務として、不適当なものは
どれか。
1.利潤の確保
2.安全、健康、福祉への貢献
3.環境、多面的機能への配慮
4.情報の公開
〔問 61〕農業農村工学会技術者継続教育機構におけるCPD単位の取得できる活動のう
ち、不適当なものはどれか。
1.各種資格試験の受験のための勉強や業務上必要な技術に関する自己学習
2.技術的な内容を検討する委員会の委員としての参加、学会誌報文等の査読
3.認定のない研修会、講習会、研究会、シンポジウムへの参加
4.プロポーザル方式における新技術の提案
〔問 62〕農業土木技術管理士に関する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.農業土木技術管理士は、農林水産省より発注される設計業務の管理技術者にはなれるが、
照査技術者になることはできない。
2.農業土木技術管理士は、常に技術知識及び水準を向上させ、その資質向上に努めなければなら
ない。
3.農業土木技術管理士は、住所、氏名、所属機関の名称、所在地等の変更の届出を怠った場合は、
登録が取り消されることがある。
4.農業土木技術管理士は、農林水産省より発注される設計業務では、総合評価方式の管理技術者
評価において加点される。
−17−
〔問 63〕農林水産省が定める建設工事に係る業務請負契約書式に関する記述のうち、
不適当なものはどれか。
1.発注者及び受注者は、契約書に基づき、設計図書に従い、日本国の法令を遵守し、契約を
履行しなければならない。
2.受注者は、契約業務を契約履行期間内に完了し、契約の目的物を発注者に引き渡すものと
し、発注者はその請負代金を支払うものとする。
3.発注者は、その意図する成果物を完成させるため、業務に関する指示を、受注者または受
注者の照査技術者に対して行うことができる。
4.契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いられる計量単位は、設計図書に特別の定
めがある場合を除き、計量法によるものとする。
〔問 64〕農林水産省が定める建設工事に係る業務請負契約書の「監督職員」に関する
記述のうち、適当なものはどれか。
1.発注者は、監督職員を置いたときは、その氏名を受注者に通知する。また、監督職員を変
更した場合は、必要に応じて受注者に通知する。
2.発注者は、2名以上の監督職員を置き、権限を分担させたときにはそれぞれの監督職員の
有する権限の内容を、受注者に通知しなければならない。
3.監督職員は、受注者からの契約書及び設計図書の記載内容に関する確認の申出又は質問を
受けることはできるが、承諾又は回答はできない。
4.契約書に定める書面の提出は、設計図書に定めるものを除き監督職員を経由して行なうも
のとし、受注者が発送した日をもって発注者に到達したものとみなす。
〔問 65〕農林水産省が定める建設工事に係る業務請負契約書に関する記述のうち、不
適当なものはどれか。
1.発注者は、成果物に瑕疵があるとき瑕疵の修補又は損害賠償の請求は、成果物の引渡しを
受けた日から3年以内に行われなければならない。
2.受注者は、あらかじめ発注者の承諾を得た場合を除き、契約により生じる権利又は義務を
第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。
3.受注者が調査のために第三者が所有する土地に立ち入るため、土地の所有者等の承諾が必
要な場合は、発注者がその承諾を得るものとする。
4.発注者は、理由の如何にかかわらず、履行期間の短縮変更を受注者に請求することはでき
ない。
−18−
〔問 66〕農林水産省が定める建設工事に係る業務請負契約書の「契約の解除権」に関
する記述のうち、不適当なものはどれか。
1.発注者は、受注者が正当な理由なく、業務に着手すべき期日を過ぎても業務に着手しない
ときは契約を解除することができる。
2.受注者は、発注者が契約に違反し、その違反によって契約の履行が不可能となったときは
契約を解除することができる。
3.発注者は、受注者が契約に違反し、その違反により契約の目的を達成することができない
と認められるときは、契約を解除することができる。
4.発注者は、受注者が正当な理由なく照査技術者を配置しないときは、契約を解除すること
ができる。
〔問 67〕農林水産省が定める設計業務共通仕様書に関する記述のうち、不適当なも
のはどれか。
1.設計図書は、契約書と相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている
事項は、契約の履行を拘束する。
2.設計業務等は、新たに設ける各種施設物を対象とするが、供用後における改築又は修繕に
も準用される。
3.設計業務共通仕様書は、現場技術業務、測量作業及び地質・土質調査に関する業務にも適
用される。
4.発注者は、受注者から要求があり、監督職員が必要と認めた場合、図面の原図、若しくは
電子データを貸与する。
〔問 68〕農林水産省が定める設計業務共通仕様書の「用語」に関する説明のうち、不
適当なものはどれか。
1.設計図書とは、仕様書、図面及び現場説明書であり、現場説明に対する質問回答書は含ま
れない。
2.特別仕様書とは、共通仕様書を補足し、当該設計業務等の実施に関する明細又は特別な事
項を定める図書をいう。
3.図面とは、入札等に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面
及び図面のもとになる計算書等をいう。
4.指示とは、監督職員が受注者に対し、設計業務等の遂行上必要な事項について書面をもっ
て示し、実施させることをいう。
−19−
〔問 69〕農林水産省が定める設計業務共通仕様書の「再委任」に関する記述のうち、
適当なものはどれか。
1.受注者は、設計業務等における総合的企画、業務遂行管理を発注者の承諾を得て再委任す
ることができる。
2.受注者は、解析業務における手法の決定及び技術的判断は、設計業務の主たる部分に該当
することから再委任することができない。
3.受注者は、コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理等の簡易な業務を発注者の書面によ
る承諾を得て再委任することができる。
4.受注者は、協力者が、農林水産省地方農政局の測量・建設コンサルタント等契約競争参加
資格者である場合には、指名停止期間中でも再委任することができる。
〔問 70〕農林水産省が定める設計業務共通仕様書の「地元関係者等との交渉」に関
する記述のうち、適当なものはどれか。
1.地元関係者への説明、交渉等は、発注者が行うものなので、受注者が交渉等に参加するこ
とはない。
2.受注者は、地元関係者から質問及び疑義に関する説明等を求められた場合は、監督職員の
承諾を得てから説明等を行う。
3.受注者は、設計図書の定めにより地元関係者への説明、交渉等を行う場合には、その内容
を口頭により監督職員に報告すればよい。
4.地元協議により、既に作成した成果の内容を変更する必要が生じた場合、この変更に要す
る期間及び経費は、発注者が受注者との協議によらないで独自に定める。
〔問 71〕VE契約に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.VEは、設計業務や工事について民間技術力の活用を拡大するための契約方式であり、業
務では設計VE、工事では入札時VEのみが実施されている。
2.設計VEは、設計段階で目的物の機能を低下させずにコスト縮減可能な改善策を発注者と
民間の技術者がチームを組んで検討する契約方式である。
3.入札時VEは、原設計に対して入札者が改善案の検討を行い、その内容を盛り込んだ金額
で応札する方法で、改善策の内容により契約変更を行う契約方式である。
4.VE方式別のコスト縮減効果は、一般的に設計VEより入札時VEの方が大きい。
〔問 72〕農林水産省の調査・設計等業務発注における「プロボーザル方式」に関する
記述のうち、不適当なものはどれか。
1.技術提案書特定基準に基づき技術提案書の提出者が選定される。
2.実施方針、実施手順・体制、特定テーマが重点的に評価される。
3.価格競争のみの場合より品質の優れた業務成果が期待される。
4.高い知識又は構想力・応用力が必要な業務に適用される。
−20−
〔問 73〕農林水産省の調査・設計等業務発注における「総合評価落札方式」に関する
記述のうち、適当なものはどれか。
1.技術提案において提案した内容について、その履行状況を問われるのは、「履行確実性」
を加えて技術評価を行う業務に限られる。
2.この方式を適用する業務は、技術的工夫の少ない又は単純な作業である業務である。
3.入札価格及び技術提案に対する総合評価の得点配分の割合は、1:2の割合と決められて
いる。
4.この方式では、入札者の入札価格に対する得点と入札者の技術提案に対する得点を加えて
得た総合評価点で最も高い者を落札者とする。
〔問 74〕業務成果の電子納品に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.電子納品の対象範囲は、地図情報データだけが対象である。
2.電子納品は、発注者にはメリットがあるが、受注者にはコストがかかるためメリットがな
い。
3.電子納品は、今後ストックマネジメントを進める上で重要な手法である。
4.電子納品は、一般に品質の向上は図れるが、コストの縮減を図ることはできない。
〔問 75〕電子納品作成支援ソフトに関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.農林水産省の電子納品要領(案)等に準拠していれば、どのソフトで作成してもよい。
2.電子納品作成支援ソフトで作成すれば、電子納品チェックシステムによるエラーチェックは必
要ない。
3.電子納品作成支援ソフトで作成すれば、ウイルスチェックをしなくてもよい。
4.電子納品において、どのソフトを用いるかは受注者が決めることなので、発注者に協議す
る必要はない。
〔問 76〕
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」
(品確法)の基本理念に関する記
述のうち、不適当なものはどれか。
1.公共工事の品質は、公共工事が社会資本を整備するものとして、社会経済上重要な意義を
有することにかんがみ、現在及び将来の国民のために確保されなければならない。
2.公共工事の品質は、受注者の技術的能力に負うところが大きいことから契約に当たっては、
常に価格よりも技術力が優先されなければならない。
3.公共工事の品質は、これを確保するうえで工事の効率性、安全性、環境への影響等が重要
な意義を有することにかんがみ、より適切な技術又は工夫により確保されなければならな
い。
4.公共工事の品質確保に当たっては、請負契約の当事者が各々の対等な立場における合意に
基づいて公正な契約を締結しなければならない。
−21−
〔問 77〕
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」
(品確法)における関係者のそれ
ぞれの責務に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.国は、公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的に策定するが、実施に関する責務
は負わない。
2.地方公共団体は、地域の実情を踏まえ、国と連携することなく、公共工事の品質確保の促
進に関する独自の施策を策定する。
3.発注者は、発注関係事務を適切に実施することを求められているが、実施体制の整備まで
は求められていない。
4.受注者は、契約された公共工事を適正に実施するとともに、そのために必要な技術的能力
の向上に努めなければならない。
〔問 78〕
「公共工事の品質確保の促進に関する法律」
(品確法)の技術提案に関する記
述のうち、不適当なものはどれか。
1.発注者は、技術提案がされたときは、これを適切に審査し、評価しなければならない。こ
のため、提案者からの審査及び評価に対する苦情は一切受け付けないものとする。
2. 発注者は、発注工事の内容に照らし、必要がないと認めるときを除き、技術提案を求める
ように努めなければならない。
3.発注者は、競争に付された公共工事を技術提案の内容に従って確実に実施することができ
ないと認めるときは、技術提案を採用しないことができる。
4.発注者は、技術提案をした者に対し、その審査において、技術提案についての改善を求め、
又は改善を提案する機会を与えることができる。
〔問 79〕「農業農村整備事業等コスト構造改善プログラム」に関する記述のうち、不
適当なものはどれか。
1.事業評価の実施、工期の管理、事後評価などにより、事業の重点化・集中化を図る。
2.バイオマス等の循環利用、建設副産物の再資源化などの資源対策を推進する。
3.民間等が開発した新技術の活用、官民連携による技術開発の推進を図る。
4.新たな水源開発や農地造成などの基盤整備の重点的な推進を図る。
〔問 80〕ISOに関する記述のうち、適当なものはどれか。
1.土木技術に関する規格を標準化する国連の下部機関である。
2.電気分野を除く工業分野の規格を標準化する国際機構である。
3.農産物の貿易自由化を進めるための国際機関である。
4.食料欠乏国へ食料援助を行う国際機関である。
−22−
「平成 24 年度 農業土木技術管理士資格試験問題」
問
題
3
【注意事項】
①
問題 3 はこの用紙の裏側にあります。
②
答案用紙の全てに受験番号と答案用紙番号を記入してください。
問題 3
農業農村整備事業に関する調査、計画、設計、積算、施工、管理等の業務を遂行
するために必要な管理技術について、発注者または受注者の立場から次の(A)∼
(D)の中から 1 つを選び、1)及び2)の設問に沿って 1,200 字以内で記述しな
さい。
(A)工程管理、品質管理など円滑な業務遂行を図る上での発注者と受注者の協力に関して、
1)及び2)に沿ってあなたの考え方を述べなさい。
1)発注者と受注者の協力の意義と課題について
2)円滑な業務遂行を図る上での協力体制について
(B)品質向上を図る上での業務成果の照査に関して、1)及び2)に沿ってあなたの考え方
を述べなさい。
1)ミスの発生防止のために留意すべき点について
2)チェック体制と照査の役割について
(C)業務を決められた期間内に完成するための工程管理に関して、1)及び2)に沿ってあ
なたの考え方を述べなさい。
1)工程管理表を作成するに当たり留意すべき点について
2)組織的な工程管理を行うために留意すべき点について
(D)所属する組織における技術力の向上のための方策に関して、1)及び2)に沿ってあな
たの考え方を述べなさい。
1)あなたの組織における現状と課題について
2)技術力の向上に向けて必要な事項と方策について