(参考)パイプラインに用いられる主な管種と特徴

(参考)パイプラインに用いられる主な管種と特徴
○ 農業用パイプラインに用いられる管種は多岐にわたり、管種ごとに変状とその要因は異なる。
農業用パイプラインに用いられる管種は多岐にわたり 管種ごとに変状とその要因は異なる
○農業用パイプラインに用いられる主な管種とその特徴
名
称
主な用途・特徴
欠点
主な変状
備 考
ダクタイル鋳鉄管
DCIP
引張強度、延性に富み、耐久性に優れる。内外圧大きい管
路や軟弱地盤に適す。口径:75∼2600mm
重量大きい
継手部のゆるみ、C/Sマクロセル腐
食、ミクロセル腐食、ピンホール漏水
塩化ビニル管
PVC
耐久性、耐食性、耐電食性に優れる。軽量で取り扱い容易
であり、軟弱地盤に適す。口径:13∼800mm
衝撃に弱い
継手部の抜け落ち、亀裂・管体
破損
強化プラスチック複合管
強化フ
ラスチック複合管
FRPM
耐久性、耐食性、耐電食性 優れる。軽量 運搬施
耐久性、耐食性、耐電食性に優れる。軽量で運搬施工は容
容
易。口径:200∼3000mm
最大試験水圧
∼2.6MPa
不同沈下、継手部 ゆるみ、変
不同沈下、継手部のゆるみ、変
形・たわみ、亀裂・管体破損
プレストレストコンクリート管
PC
プレストレスを導入したコンクリート管路で耐荷重性に優れる。
重量大きい。口径:500∼3000mm
重量大きい
監視が難しい
不同沈下、継手部劣化・ゆるみ、
カバーコート・PC鋼線の腐食
鋼 管
SP
引張強度、靭性、延性に富む。内外圧大きい管路や軟弱地
盤に適す。口径:15∼3000mm
電食に弱い
C/Sマクロセル腐食、ミクロセル腐食、電
食、ピンホール漏水
遠心力鉄筋コンクリート管
RC
耐久性に優れる。低圧パイプラインに適す。口径150∼
3000mm
重量大きい
ひび割れ、不同沈下、継手部の
ゆるみ、変形・たわみ
ポリエチレン管
PE
軽量で、耐衝撃性、耐食性、耐電食性に優れる。管路は一
体となった可撓性を有す。口径:13∼300mm
高価
融着不良による漏水
○鋼管の主要な性能低下メカニズム
ズ
腐食性の水
内面マクロセル
内面塗膜損傷
外面塗膜損傷
近年は採用減り、
受注生産状態
集排事業(真空・
圧力式)で適用
○コンクリート管の主要な性能低下メカニズム
ズ
土壌・地下水
の腐食性
マクロセル・電食・
異種金属接触
施工不良
(溶接継手)
過剰水圧
過載荷重
施工不良
地盤の緩み
地盤の空洞化
不同沈下 ・ 支持力条件の劣化
内面腐食
外面腐食
ひび割れ
赤 水
断面閉塞
ゴム輪の初期圧縮率の減少
継手のゆるみ
接合部の劣化
管厚の減少・貫通孔
継手部漏水
通水性低下
漏水
耐荷性の低下・管体の破損
用水供給の低下
耐荷性の低下・管体の破損
〔凡例〕
用水水質の低下
用水供給の低下
変状・劣化原因
変状・劣化の現象・状態
性能の低下
12
3−4.パイプラインの機能保全に関する基本的考え方(2)
z パイプラインの考慮すべき視点
○ パイプラインは、管材の劣化や外部条件等の変化が一定の値を超えると、水撃圧等を契機に急速に性能
低下が進展し、管体破損等が発生し水利システム全体が停止するリスクがある。
○ このため、パイプラインの性能管理には、施設の直接調査から構造性能を評価するのみならず、①漏水
量、通水量などの水利用機能や水理機能に関する性能指標を考慮するとともに、②漏水事故等のリスク
を考慮して、施設の重要度と事故発生の可能性の評価を行い、これを一定範囲にコントロールする手法
を取り入れる必要がある。
を取り入れる必要がある
○ 構造機能と水利用機能の関係(PC管の場合)
○ 外部条件変化に伴う性能低下(FRPM管の場合)
カバーコート剥離
PC鋼線腐食開始
腐食進展
供 期間
供用期間
外部環境
︵
上載荷重︶
中性化等による
PC鋼線の劣化
盛土造成
供用期間
部材の性能低下
︵
変形・
たわみ︶
部材の性能低下
︵
プレストレスト力︶
PC鋼線破断
変形・たわみ限界
長期クリープ
耐力の限界
供用期間
供用期間
水利用機能の
性能水準
水利用機能の
性能水準
漏水・破損事故
漏水・破損事故
供用期間
13
3−5.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断調査①)
○ パイプラインの機能診断調査は、効率的に施設を把握する観点から、①事前調査、②現地踏査、③現
イプラインの機能診断調査は、効率的に施設を把握する観点から、①事前調査、②現地踏査、③現
地調査の3段階を基本とする。
○ パイプラインの調査手法は技術的、経済的に制約が多いため、調査結果と費用とのバランスを十分に
勘案し、施設の重要度及び事故履歴や使用環境と性能低下要因の関連を考慮のうえ、調査項目、調査
地点の選定を行う。
地点の選定を行う
機能診断調査プロセス
1.事前調査
○パイプラインの一般的な調査例
漏水量調査
施設 重 度評価
施設の重要度評価
◇ 既存資料の
収集整理
◇ 管理者への
聞き取り調査
◇ 事故が発生した場合の
a) 農業面への影響
b) 周辺環境への影響
漏水確認
流量測定
試掘調査
分水工
流量測定
流量・圧力
測定
減圧水槽
2.現地踏査(概査)
◇ 現地の目視踏査
◇ バルブ類などの
外観検査
制水弁
◇ 事故履歴の傾向分析
◇ 使用環境条件と
事故要因の関連性
現地調査の範囲・内容・密度等の検討
空気弁
土壌調査
性能低下要因の推定
水質調査
損傷箇所
制水弁
管内調査
○漏水量調査
○管内調査
○試掘調査
3.現地調査(定点調査)
◇ 間接的定量調査(地上からの調査)
◇ 直接的定量調査(管内からの調査)
◇ 詳細調査(試掘などの調査)
機能診断評価
多点相関式
継手部抜出量
管体クラック
継手部止水劣化
埋設された圧力管路システムであるため、施設の直接調査は制約が多い
施設の重要度や管種ごとの性能低下要因を踏まえ、合理的な調査を実施
14
3−5.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断調査②)
○ 事前調査では、現地踏査・現地調査の実施方法を検討するために必要な基本情報を収集を行う。
事前調査では、現地踏査 現地調査の実施方法を検討するために必要な基本情報を収集を行う。
○ 現地踏査(概査)では、地上部で確認できる変状の確認と現地調査の実施方法を検討するために巡回
目視による踏査を行う。
機能診断調査プロセス
事前調査
施設の重要度評価
現地踏査(概査)
【事前調査】
機能診断調査にかかる基本情報の収集
◇ 既存資料の収集・整理
・設計・施工内容
・事故履歴・補修履歴
・地域特性
地域特性
施設管理者への問診票(点検票)の例
性能低下要因の推定
項
目
管路の通水性
現地調査の範囲・内容・密度等の検討
現地調査(定点調査)
末端給水(用水量)
機能診断評価
【現地踏査(概査)】
◇ 施設管理者への問診
・既知の変状
・水管理・操作の実態 等
異常の有無、内容
1.異常有り
①流量が相当不足し、所定の機能が発揮されていない。
②流量が不足し、通水性の低下傾向が顕著になっている。
③流量がやや不足し 通水性が年々低下傾向にある
③流量がやや不足し、通水性が年々低下傾向にある。
④その他の異常が見られる。(
)
2.異常無し
【特記】
1.異常有り
①用水量が相当不足している。
②用水量が不足し、用水量の低下傾向が顕著になっている。
③用水量がやや不足し、用水量が年々低下傾向にある。
③用
足 、用
年 低 傾
あ 。
④その他の異常が見られる。(
)
2.異常無し
【特記】
異常箇所
第7路線
第10路線
第7路線
第10路線
現地調査の方法・範囲の検討に向けた現地確認
バルブ類の調査項目 調査内容の例
バルブ類の調査項目・調査内容の例
◇ 地上部で確認できる変状の確認
調査箇所
・地盤の陥没、漏水痕跡の有無
・バルブ類の外観検査及び作動状況
・土地利用などの荷重条件
バルブ全体
弁座部
◇ 現地調査の実施場所の確認
・計測器等の設置可能場所の確認
・管内進入箇所の確認
開度計
現地踏査(バルブ操作確認)
調査項目
調査内容
外面塗装
錆・剥離の有無
開閉状態
弁棒の作動状態
接続部・周辺部
接続部
周辺部
陥没、偏芯の有無、状況
漏水
漏水の有無、状況
よごれ
開度計の読み取り可
開度計の指示
弁体作動と開度計の指示の整合
15
3−5.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断調査③)
○ 事前調査・現地調査の結果から、漏水・破損事故の発生による農業面と農業面以外の施設周辺に与え
事前調査 現地調査の結果から、漏水 破損事故の発生による農業面と農業面以外の施設周辺に与え
る影響をもとに、施設の重要度を評価する。
○ 施設の重要度評価に応じた効率的な調査・診断や対策方法の検討を実施する。
機能診断調査プロセス
事前調査
【パイプライン施設の重要度評価の例】
重要度区分の評価基準の例
施設の重要度評価
区分
性能低下要因の推定
現地調査の範囲・内容・密度等の検討
<農業以外の面>
受益面積A (ha)
社会被害(立地条件)
受益面積
︵立地条件︶
社会被害
現地踏査(概査)
重要度の総合評価判定の例
<農業面>
社会被害の可能性大
Ⅰ
A≧1,000
Ⅱ
1,000>A≧100
非農業部門への影響あり
Ⅲ
100>A
非農業部門への影響なし
(非農業部門への相当程度の影響)
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅰ
A
A
B
Ⅱ
A
B
B
Ⅲ
B
B
C
(重要度区分)
現地調査(定点調査)
受益面積と立地条件から施設の重要度区分を設定
機能診断評価
重要度区分
B
Ⅰ
受益面積
による区分
【施設の重要度評価】
事故発生による被害額等で示される損失(経済性)を評価
立地条件
による区分
Ⅲ
想定される事故に
よる影響
AA
人的被害が想定される
A
経済的被害が大きい
被害額>予防保全対策費用
B
経済的被害が小さい
被害額≒予防保全対策費用
C
事後保全でも許容できる
被害額<予防保全対策費用
B
A
Ⅱ
Ⅰ
施設の重要度の評価区分の例
評価
区分
B AA
A
Ⅱ
Ⅰ
Ⅱ
C
Ⅲ
Ⅰ
Ⅱ
工
分 水
評価指標の例
道
路
鉄
道
住宅地
* 鉄道横断部は、鉄道管理者との協議により
人的被害が想定されるため、AA評価とした
16
3−5.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断調査④)
○ 事前調査・現地調査の結果から、使用・環境条件と事故要因の関連性を整理し、漏水・破損事故が発
事前調査 現地調査の結果から、使用 環境条件と事故要因の関連性を整理し、漏水 破損事故が発
生する可能性と主たる要因を推定する。
○ 事故が発生する可能性と推定した性能低下要因から、調査計画や対策方法の検討を実施する。
機能診断調査プロセス
【事故発生の可能性評価】
事故履歴や使用環境条件などから事故が発生する確からしさ(信頼性・安全性)を評価
事前調査
施設の重要度評価
事故発生確率の評価区分の例
現地踏査(概査)
性能低下要因の推定
評価区分
事故が発生する確率
対応の例
EX
事故率:かなり高い
(変状:重大/事故歴:頻繁)
施設の重要度が高い場合、別途必要
な対策を早急に検討
H
事故率:高い
(変状:大/事故歴:あり)
一定期間中に何らかの対策を行う必
要がある。
現地調査(定点調査)
M
事故率:低い
(変状:小/事故歴:ほぼなし)
予防保全対策や監視計画を検討す
る。重要度が高い場合、何らかの対
策を行う。
機能診断評価
L
事故率:ほとんど無い
(変状/事故歴:なし)
経過観察を行う。
現地調査の範囲・内容・密度等の検討
◆鉄鋼系管路
【性能低下要因の推定による調査項目の検討】
使用環境条件
現地調査における調査項目の設定や調査地点の選定を効率的に行う
観点から、着目する性能低下要因を推定し、調査計画の検討に反映
性能低下要因を推定する視点
【埋設環境】
【使用環境】
【事故履歴】
・上部土地利用
・土質条件
・土壌の腐食性
・地盤の硬軟
・使用水圧
・水質
・配管条件
(異種金属等)
・事故破損履歴
・補修履歴
管体漏水歴
供用年数
コンクリート構造物
埋設環境
あり
30年
接触有り
地下水位が管体
付近まである
C/Sマクロセル腐食の可能性
「管体地電位測定調査」を検討
◆コンクリート系管路・樹脂系管路
使用環境条件
管種ごとに
使用環境と
事故要因の
関係を整理
継手漏水歴
供用年数
使用水圧
埋設環境
あり
30年
高い
地盤沈下あり
継手部漏水の可能性
「位置絞込:管内調査」を検討
17
3−5.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断調査⑤)
○ 事前調査・現地調査の結果と施設の重要度等を勘案して、現地調査の範囲・調査内容のレベル・手法
を設定する。
○ 調査手法については、管種の特徴に合わせた調査方法を選択するとともに類似地区の事故事例や使用
環境条件も参考にする。
機能診断調査プロセス
【現地調査区間の選定イメージ】
現地調査地点・調査レベルの検討例(PC管)
事前調査
施設の重要度評価
現地踏査(概査)
事前調査・現地
踏査で得られた
既知の情報
性能低下要因の推定
・事故履歴:あり
現地調査の範囲・内容・密度等の検討
・事故履歴:なし
・変 状 :なし
機能診断評価
重要度区分
調査区間・密度
重要度区分
【パイプラインの現地調査】
既知の情報と施設の重要度を踏まえ、適切な調
査範囲において定量的な調査を実施
AA
A
B
◎:性能低下要因に応じた重点的
な詳細調査(定点調査)
○:詳細調査
(定点調査)
C
○:詳細調査
(定点調査) △:ユニット単位調査
・漏水量調査
・漏水量調査
・管内調査
(継手間隔)
・漏水量調査
・管内調査(継手間隔・継目試験)
・地下水水質調査
・変 状 :あり
現地調査(定点調査)
施設の重要度
△:ユニット単位調査
・漏水量調査
・管内調査
(継手間隔)
−:現地調査
対象外
・漏水量調査
B
A
①
○
②
○
弁
空気
③
◎
B AA
④
△
B
⑤
○
⑥
○
A
⑦
△
⑧
△
C
⑨
◎
⑩
−
弁
制水
工
分水
現地調査の項目・内容
◇間接的定量調査
・漏水両調査
・粗度調査(流量・圧力)
道
路
◇直接的定量調査
・管体部の変状調査
・継手部の変状調査
◇詳細調査(試掘等調査)
・詳細な性能評価試験
・劣化要因の分析試験
【重要度高・変状あり】
・現地調査:
漏水量調査・管内調査
事故発生履歴
鉄
道
住宅地
【重要度低・変状なし】
・現地調査:対象外
条件
荷重
更
変
劣化の可能性がある箇所(事故発生点の類似箇所・地盤
変化点・曲管部、荷重変化点等)
18
3−6.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断評価①)
○ パイプラインの機能診断評価は
パイプラインの機能診断評価は、調査結果から施設の性能低下について、その状態と要因を把握する
調査結果から施設の性能低下について その状態と要因を把握する
とともに、施設の状態から総合的にどの程度の健全性を有するかについて評価を行う。
○ 必要に応じて、施設の重要度評価と事故発生の可能性評価を用いたリスク評価を行い、効率的な機能
保全の実施方針を検討する。
機能診断評価プロセス
緊急検討
リスク評価
危険度極めて大
評価プロセスの選定
重要度:大 ・事故可能性:大
重要度:小 ・事故可能性:小
機能診断調査
【施設の総合評価(健全度評価)】
健全度
ランク
施設の状態
S−5
変状がほとんど認められない
状態。
① 新設時点とほぼ同等の状態
S−4
軽微な変状が認められる状態。
① 漏水や内面等に軽微な変状が認
められるが当面の使用には支障
がない
S 3
S−3
① 漏水や内面腐食等の深刻でない
変状が顕著に認められる状態。
変状が顕著に見られる状態
変状
顕著 見られる状態
劣化の進行を遅らせる補修工
② 今後、変状の進展が急速に増加
事などが適用可能な状態
すると思われる状況
補 修
(補 強)
S−2
施設の構造的安定性に影響を ① PC鋼線の部分的な腐食・破断
及ぼす変状が認められる状態。 ② 鋼管の小規模な貫通孔
補強を伴う工事により対策が ③ 漏水による周囲への影響が顕在
可能な状態。
化した状態
補 強
(補 修)
S−1
施設の構造的安定性に重大な
影響を及ぼす変状が複数認め
① S−2に評価される変状が更に
られる状態。近い将来に施設
進行した状態
機能が失われる、または著し
② 補強で対応するよりも、改築し
く低下するリスクが高い状態。
た方が経済的に有利な状態
補強では経済的な対応が困難
で、施設の改築が必要な状態。
改 築
個別の性能評価・健全度評価(健全度ランク)
性能低下予測
機能保全計画の策定
対策実施シナリオ策定
・対策検討 ・継続監視
パイプラインにおける現象の例
【リスク評価による機能保全の実施方針の検討】
リスク評価による保全方針の検討区分の例
効率的な機能保全の取り組みとなるよう、施設の重要度評価と事
故発生の可能性評価を用いた「リスク評価」による保全方針を検討
故発生の可能性評価を用いた
リスク評価」による保全方針を検討
AA
要観察
施設の重要度
事故発生の
確率
○ 危険度(極めて大) : 「緊急検討」早急に対応を図る
○ 重要度(大)・事故の可能性(大):「当面の対策を検討」
○ 重要度(小)・事故の可能性(小):「継続監視」
対応する
対策の目安
対策
不要
A
B
C
EX
緊急検討
緊急検討
当面の対策検討
シナリオ比較
H
当面の対策検討
シナリオ比較
シナリオ比較
経過観察
M
シナリオ比較
シナリオ比較
シナリオ比較
経過観察
L
シナリオ比較
経過観察
経過観察
経過観察
19
3−6.パイプラインの機能保全の流れ(機能診断評価②)
○ 施設の健全度は
施設の健全度は、管種や継手構造のほか、埋設条件等を踏まえて、性能低下要因とその評価区分を設
管種や継手構造のほか 埋設条件等を踏まえて 性能低下要因とその評価区分を設
定した「施設状態評価表」を用いて評価を行う。
機能診断評価プロセス
【施設の総合評価(健全度評価)】
緊急検討
重要度:大 ・事故可能性:大
重要度:小 ・事故可能性:小
機能診断調査
リスク評価
危険度極めて大
評価プロセスの選定
個別の性能評価・健全度評価(健全度ランク)
パイプラインの施設状態評価表(案)
評価項目
健全度ランク
事
故
履
歴
・
漏
水
量
漏
水
事
故
率
評価区分
評価の流れ→
S-5
S-4
S-3
S-2
SP、DCIP、PVC
a=0
(件/年・km)
0<a<1.4
(件/年・km)
a≧1.4
(件/年・km)
−
ACP、PC、RC、FRPM
a=0
0
(件/年・km)
0<a<0.4
0<
<0 4
(件/年・km)
a≧0.4
≧0 4
(件/年・km)
−
増加傾向
有りの場合は1ランクダウン
(L/日・cm・km) (L/日・cm・km) (L/日・cm・km)
SP、PVC
−
25未満
25以上∼50未満
50以上
(L/日・cm・km) (L/日・cm・km) (L/日・cm・km)
漏
水
量
DCIP、FRPM
−
100未満
(L/日・cm・km)
(L/日
k )
100以上∼200未満
(L/日
k )
(L/日・cm・km)
200以上
(L/日
k )
(L/日・cm・km)
PC、RC、ACP
−
150未満
緊急性
性能低下予測
機能保全計画の策定
対策実施シナリオ策定
・対策検討 ・継続監視
管
内
面
調
査
【評価プロセスの選定】
管
路
の
変
状
漏水量・たわみ量など計測や検討可能な
指標や支配的な指標を選定
水利用・水理
機能に関する
機能
関する
性能指標
構造機能
関する
に関する
性能指標
事故等のリスク
関する
に関する
性能指標
・漏水量
・通水量
・たわみ量
・発錆量
・漏水事故率
試
掘
調
査
150以上∼300未満
300以上
有りの場合1ランクダウン(漏水の影響が周辺に及んでいる等)
ひび割れ(RC、PC、ACP、FRPM)
なし
−
あり
−
内面塗装の劣化状況(SP、DCIP)
10%未満
−
10%以上
−
発錆状況(SP、DCIP)
0.3%未満
5.0%未満
5.0%以上
−
たわみ量(SP、DCIP、PVC、FRPM)
3%未満
5%未満
5%以上
−
蛇行・沈下(φ700mm未満)
無
管口径の1/2未満
管口径の1/2以上
−
蛇行・沈下(φ700mm以上)
無
管口径の1/4未満
管口径の1/4以上
−
継手曲げ角度(RC、PC、ACP、FRPM)
許容曲げ角度の
1/2以内
許容曲げ角度以内
許容角度超や
芯ズレ等で
漏水の懸念あり
−
継手間隔(溶接又は接着継手は除く)
施工管理基準
規格値内
規格値外だが
止水機能問題なし
大幅・全面的に
規格値外等で
漏水の懸念あり
−
テストバンド(φ900mm以上ソケットタイプ)
(静水圧で5分間放置後の水圧)
80%より上
80%∼50%
50%未満
−
進行性
管
外
面
調
査
変状別 要因別 総合評価
有りの場合1ランクダウン(経年変化がみられるもの)
PC管外観調査(中性化残り)
中性化残り
10mm以上
−
中性化残り又は
カバーコート厚
10mm未満
PC鋼線腐食・
破断
鉄鋼系管路外観調査
変状なし
表面積の5.0%未満
に変状あり
すり鉢状減肉又は
表面積の5.0%以上
に変状あり
貫通孔あり
20
3−7.パイプラインの機能保全の流れ(性能低下予測∼機能保全計画)
○ 機能保全計画の策定は
機能保全計画の策定は、着目する性能管理指標が必要な範囲にとどまるよう、その性能低下予測から
着目する性能管理指標が必要な範囲にとどまるよう その性能低下予測から
技術的、経済的に実施可能と考えられる対応方策を複数仮定し、これらに必要な機能保全コストを比
較することで行う。
性能低下予測∼機能保全計画プロセス
性能低下予測は、漏水量、たわみ量、漏水事故の発生頻度などの指標か
ら、計測や検討可能なもの、かつ支配的なものを選択し、可能な限り定
量的な予測を実施
リスク評価
対象施設のグルーピング
性能低下予測
管理水準の選定
重要度:大 ・事故可能性:大
重要度:小 ・事故可能性:小
性能低下予 測
性能管理指標の選定
140
120
漏水量( L/日・c
cm・km)
機能診断調査・評価
【性能低下予測】
管理水準
100
管理水準の設定の例
機能診断
80
利水上の観点から、用水計画水
量の許容ロス率から設定
60
利水上の観点から
許容で きる期間
40
20
初期計測
0
0
10
20
40 42
30
50
供用経過年数(年)
機能保全コストの算定・比較
機能診断
管 水準 設定 例
管理水準の設定の例
関係機関との合意形成
事故発生頻度
機能保全計画の策定
漏水量による性能管理の例
対策実施シナリオの作成
経 済性・信頼性の観点で
許 容できる期間
機能保全計画の作成
0
機能保全対策の実施
事故発生による損害(被害額・復
旧額等)の積が全面的な対策費
用と同等なる頻度から設定
管理水準
10
20
30
40
48
50
60
70
供用経過年数(年)
事故発生確率による性能管理の例
21