全国農村振興技術連盟の活動 冊子を活用いただくために この冊子は、全国農村振興技術連盟が果たすべき役割やこれ から進めようとしている活動内容を会員の皆様にお伝えする ために作成しました。 会員各位には、それぞれの関心に沿って目を通していただき、 様々な活動をご自身のために役立てて下さい。また、他の会員 に知らせたいことを情報発信するツールとして活用下さい。 わからない点やもっと詳しく知りたいことがあれば、ホーム ページをご覧いただくか、お気軽に全国連盟事務局にお問い合 わせください。 平成 26 年 5 月 全国農村振興技術連盟 平成26年5月 1 委員長 林田直樹 全国農村振興技術連盟とは 目 次 ページ 全国農村振興技術連盟とは 3 農村振興技術者であること 6 連盟の活動内容の紹介(1)連盟会誌 (2)ホームページ (3)研修会 (4)表彰 (5)その他の活動 地方連盟と全国連盟の連携について 8 9 10 12 14 16 会員であることのメリット 17 全国農村振興技術連盟は平成 14 年に全国農業土木技術連盟 から名称変更して、今日に至っています。 その目的は、「農村振興施策の確立を図るとともに、農村振 興に関する関係者の総合的な技術力の向上を図り、もって農村 の振興に寄与すること」と規約に定められています。 (1)連盟の経緯 ①第二次世界大戦での敗戦により、荒廃した国土を復興し、 国民への食料供給を緊急に進めるため、開墾、農業水利事業が 行われました。この緊急食糧増産対策事業を担う農業土木技術 者が結集して、「農業土木事業の発展と農業土木組織の社会的 地位の確立」をめざす組織として、昭和 22 年に「全国農業土 木技術連盟」が設立されました。その後、ほ場整備や農村整備 を含め、農業農村整備事業を担う技術者集団として、技術力の 向上や会員の交流を進めてきています。 ②「農村振興局」は、平成 13 年の省庁再編によって、農林水 産省が国土庁地方振興局の業務のうち、農村の振興に関する業 務を引き継いで誕生しました。これで、農林水産省は、農林水 産「業」の官庁としてばかりでなく、名実ともに農村「地域」 を担う官庁になりました。農業農村整備事業を推進する際には、 それまでも、農業の振興のみでなく農村の振興も視野に捉えて いたことから、このタイミングをとらえ、平成 14 年に名称を 改めて「全国農村振興技術連盟」が生まれました。 全国農村振興技術連盟は会員の皆様による組織であり、諸活動は基本的に会員の主体的な参 画によって進められています。事務局は組織を運営し、様々な活動を企画・実行する役割を担 っています。 2 3 (2)会員の構成 (3)連盟の運営 会員は、国、都道府県や市町村の職員、都道府県土地連や土 地改良区の役職員、機構、民間企業の技術者、大学・研究者な ど、農村振興に携わる幅広い関係者で構成されています。技術 系ばかりでなく、事務系の皆さんにも会員となっていただき、 会員数は現在、1 万 5 千名を超えます。各地方農政局や各都道 府県をはじめとして、全国で 70 の地方連盟組織があり、農政 1.会員 連盟は次の会員によって構成されます。 普通会員:本連盟の主旨に賛同する個人 賛助会員:本連盟に主旨に賛同する団体等 名誉会員:本連盟の発展に寄与し総会が承認した個人 終身会員:本連盟の主旨に賛同し登録した個人 局ごとには地方協議会が設けられています。 会員の所属別内訳 そ の 他 5% 民間会社 23% 直接扱い 5% 国 20% 2.意思決定 毎年5月に各地方連盟の代表者が出席する通常総会におい て、連盟の運営方針を審議し、決定します。 特別の審議事項が生じた場合は臨時総会を開きます。 3.会計 機構 2% 土地連等 10% 市 町 村 2% 都道府県 33% 会員の皆様からの会費を基本にして運営されています。 平成 26 年度の普通会費は年額 4,000 円です。 一部は連絡調整費用として地方連盟に還付しています。 (平成5年度に改訂してから据え置きとなっています。) (農村振興技術連盟の構成) 全国農村振興技術連盟 ○○地方協議会 □□県農村振興技術連盟 (全国 47 都道府県ほか) (各農政局等ブロック) ○○地方農村振興技術連盟 (全国 8 ブロック) 関係団体農村振興技術連盟 4.事務局 総務部、企画部のスタッフ併せて6名で運営しています。 住所:〒105-0004 東京都港区新橋5-34-4 農業土木会館内(5F) 電話: 03-3434-5407 FAX: 03-3578-7176 E-mail: [email protected] ○○農政局農村振興技術連盟 4 5 農村振興技術者であること 農業土木技術者は、農地開発や農業水利、さらには、ほ場整 備や農村整備を通してその技術を社会に役立ててきました。 ここで皆様になじみの薄い「農村振興技術者」を用いている のは、農業土木技術者が農業土木という「手段」に拠って立つ のに対し、今後は農村振興という「目的」を共有する意識を強 く持ちたいからです。その能力については、文化のように、世 代が変わっても組織の中に引き継がれていると考えられます。 工事を進めるには、測量学、水理学、土質工学、構造力学な どの工学技術が必要となります。しかし、その前に、担い手や 営農のことを含めて農業農村の将来を話し合い、農地や水の条 件を考え、計画・設計を行うことが不可欠です。関東大震災の 復興に際し、ほ場整備で農地の換地技術が首都の区画整理に応 用されたことも特筆すべきことです。このように、農業土木技 術者は一般の土木技術者と異なり、元来、ハードばかりでなく、 独自のソフト技術も駆使できる、ユニークな能力をもった技術 例えば、40 年以上前に制度ができた広域農道は、導入作物とそれに見合う農地 の条件を考え、資材や農産物の物流に応じた集出荷施設の手当ても含む「広域 営農団地整備計画」により、農村地域全体を振興するという先進的なものでし た。 農村整備事業から見た農村振興技術者の能力 者だといえます。 「農村振興技術者」はどんな能力を持っている? ○未経験のことも恐れないチャレンジ精神 -異動のたびに新たな業務に従事 -個性ある様々な現場で多くの経験 ○実現までの道のりを俯瞰できる構想力 -机上プランでなく実行可能性を重視 -さまざまな事態をあらかじめ想定 ○構想を具体化していく実行力 -人々の気持ちを理解 -複雑な利害を粘り強く調整 7 6 連盟の活動内容の紹介(1)連盟会誌 連盟の活動内容の紹介(2)ホームページ 会誌は、農村の振興をとりまく最新の情報を広く提供し、会 員の資質の向上と会員の情報交換・親睦の場となるよう、中堅 会員で構成された編集委員会が企画・編集しています。 技術力のみでなく農村振興を円滑に進めうる能力が向上す ることをめざし、会員からの投稿を基本に毎月発行しています。 皆様の得難い経験や貴重なご意見をとりまとめ、是非、連盟に お寄せ下さい。 (連盟ホームページ http://www.n-renmei.jp) 連盟からのお知らせ、活動状況、研修の開催、表彰などの情 報発信や会員限定で過去の記事検索も可能です。会誌の記事検 索は、目次だけでしたが、平成 21 年度以降の記事がキーワー ドから検索できるようになりました。また、会誌とホームペー ジに、会員相互の技術情報交換の場として、「NN 技術情報プ ラザ」を開設しました。 ●会誌の記事構成 ホームページを活用した 技術者教育 ○巻頭言、論考、提言・・・会員の認識を共有 ○研修会の案内、講演要旨・・・連盟の活動状況など ○各県報告、農地・水シリーズ・・・事業関係情報 会員の技術力向上を目的に、ホ ○技術ノート、NN 技術情報プラザ・・・技術情報等 ームページを活用して、一般講座、 ○海外レポート・・・海外情報 ○会員だより・・・会員間の親睦を図る 集中講座を開設しています。特に など 集中講座(年間3回実施予定)で は、連盟会員の成績優秀者には、 読者として会誌を活用されるには、二つの方法があります。 技術者継続教育機構からCPD単 ○若手の会員の皆様には、会誌を通してご覧いただくと、広く 情報が得られ、すぐに役に立つ情報ばかりでなく、将来に向 位が与えられます。 けて農村振興技術者としての基礎知識が身につきます。 ○忙しいが特定の分野の情報を得たいとお考えの方は、それぞ れの関心に応じて記事を拾い読みいただき、さらに詳しく知 りたい場合は連盟を介して執筆者に問い合わせができます。 NN 技術情報プラザには、問い合わせ先も記載しています。 8 東日本大震災への対応では、農業農村整備事業にかかる東日本大震災復 興支援ホームページを開設、現場で役立つ情報の提供に努めるとともに、 会員の活動の様子を情報発信しています。 9 連盟の活動内容の紹介(3)研修会 ① 中央研修(全国連盟主催) 東京で行う中央研修会は、全国的に知名度の高い講師による 講演として、年2回開催しています。 〇サマーセミナー(7 月開催)-(公社)農業農村工学会の後援 H25 年度テーマ「日本の農業農村の近未来に備える」 の支援組織の担当者を対象に、地域主体の活動が円滑に進め られるよう続けていきます。平成 26 年度からは、新たな「多 面的機能支払交付金制度」に対応した研修として開催します。 これまでのところ、この研修には会員以外の参加が多い状況 にあります。会員の皆様にはリーダーの方々と同席して集落の 一員となって活動を進める流れを体験することができますの で、是非ご参加ください。 〇東京フォーラム(2 月開催)-(公社)農業農村工学会と共催 H25 年度テーマ「美しく活力ある農業農村の実現に向けて」 地方主催の研修会への全国連盟からの支援 ② 地方セミナー(地方連盟等と全国連盟の共催) 東京以外の全国数か所で、会員の参加しやすさに配慮し、 時の話題をとらえたテーマ選定、開催場所や参加費につい て、地方協議会と調整しつつ開催します。平成 25 年度には、 熊本市と名古屋市で開催しました。 地方協議会や地方連盟の主催で研修会を行われる場合は、 全国連盟として企画や講師紹介の面で積極的に支援します。 事務局までお気軽にご相談ください。 また、地方連盟主催の研修会について、継続教育機構の CPD 認定プログラムへの申請をする場合は、全国連盟にご 相談ください。 ③ 農村振興リーダー研修(全国連盟主催) 農地・水・環境保全向上対策のスタートに合わせて平成 19 年に始めました。協議会のリーダーと行政や土地改良区など 10 11 [広報大賞] 連盟の活動内容の紹介(4)表彰 全国連盟では下表のとおり、農村振興を進める上で貢献があ った会員や団体等を、毎年表彰しています。 表彰名 全国農村振興 創 設 S63 技術連盟大賞* 梶木賞 H21 表彰対象 受賞資格 永年に亘る農村振興 会員または への貢献 事業関係者 農村振興の将来への 若手会員 抱負・提言論文 広報大賞 H 3 農村振興の広報活動 として優れたもの 団体 表彰内容 15件以内 最優秀賞1編 優秀賞 2編 大賞 2件 農村振興の広報で優れた活動を行い、活動が全国に発信され、 その取り組みが各地に広まるような団体等を表彰します。受賞 団体のご努力を顕彰するとともに、活動における様々な工夫が 他の団体等の広報活動に活かされることを期待しています。各 地方連盟からは、12 月中旬までに候補団体を推薦いただいて います。 各賞 14 件程度 *各賞の選定基準は、連盟ホームページを参照してください。 「技術連盟大賞」は毎夏に行うサマーセミナーの場で、「梶 木賞」と「広報大賞」は毎年2月ころに開催する東京フォーラ ムの場で表彰式を行います。 [全国農村振興技術連盟大賞] 各地で農業農村整備事業の推進や農村の振興に格別のご尽 力をいただいた会員および関係者の方々を表彰します。配偶者 にも前夜祭と表彰式にご出席いただき、連盟会員の総意として 感謝の気持ちを表す貴重な機会となっています。各地方連盟か ら3月末までに表彰候補者を推薦いただいています。 12 [梶木賞] 農村振興の今後に向けて若手会員 のフレッシュな意見が述べられた 論文を表彰します。受賞会員の感性 と今後の努力を後押しするとともに、若手会員の 皆様の参考となることを期待して います。 若手会員個人からの応募によって 選考を進めますので、ふるってご参加ください。全国連盟のホ ームページで募集テーマをご確認いただき、10 月末までに応 募してください。 13 報 連盟の活動内容の紹介(5-1)広報 連盟の活動内容の紹介(5-2)図書の発行・海外交流 [広報活動への支援] 会員の所属する支部連盟で行われる広報活動に要する費用 の一部を支援しています。農政局が事務局を務める地方協議会 を経由して募集を行っていますので、ご活用ください。 「会員名簿・技術者名簿の発行」 毎年、全国農村振興技術者名簿を6月頃、連盟会員名簿を 11 月末頃発行しています。 [優秀な広報活動の顕彰・事例の紹介] [技術図書・広報図書の発行] 他の模範となるよう、毎年、優れた広報を行った団体に広 報大賞を授与するとともに、会誌に広報の優良事例を紹介 しています。受賞地区の活動 がマスコミに取り上げられ、 更に広く広報される場合も多く あります。 [広報ひとくちメモ] - こうしたアイデア集の発刊を企画中です 農村振興技術者の役割を知っていただく工夫 私達は、整備した水路や農地の大切さを様々に工夫して国民に伝え ようと努力していますが、それらを守り育んでいる私達自身のことを どれだけ情報発信しているでしょうか? そこで、私達が働いている姿をで きるだけ目にしていただくための取 り組みを連盟として提案したいと思 います。つまり、整備された施設や 農地の写真を撮るときには施設診断 や管理操作、現地確認を行っている 私達の姿を写し込み、パンフレット などの広報資料の随所に散りばめる 運動です。私達の仕事が国民の皆さ んに理解される一助になるのではな いでしょうか。 14 農村振興に関する下記技術図書を発行しています。 ・土木工事等共通仕様書・施設機械工事等共通仕様書(H25) ・土地改良工事積算基準(土木工事)(H25) ・工事監督必携(H20) ・災害復旧事業の解説(H23) ・災害復旧事業の復旧工法(H17) ・新しい農業農村整備のあらまし(H17) ・ 「東日本大震災からの復興 平成 23 年度農業土木技術者の派遣記録」 [海外交流] アジア水田農業地域の技術交流 の一環として中華民国(台湾)と 平成 6 年度より日華農業水利技術 検討会を台湾又は日本で実施して おり、平成 25 年度で 21 回を数え ます。このほか、全国連盟を窓口 として、毎年数回、台湾農田水利 會(土地改良区連合に相当)役員等が訪日し、土地改良施設や 土地改良区などの調査と意見交換を実施しています。 15 地方連盟のと全国連盟の連携 [地方協議会と連携した意見交換会の開催] 地方協議会、地方連盟等と連携し て、最近の農業農村整備をとりまく 状況、今後の農村振興の展開方向と 農村振興技術者の役割をテーマに、 会員であることのメリット ○様々な機会を通じて、政策の動きや各地の取り組み、最新の 技術情報を得ることができます。 ~会誌購読・ホームページ閲覧・研修会参加など~ 意見交換会を実施しています。 ○自らの考えや経験を会員に広く伝えることができます。 ~会誌への投稿・梶木賞への応募など~ 「今後の地方連盟と全国連盟の連携」 ○会員間の情報交流のきっかけがつかめます。 地方連盟からの意見によれば、地方連盟と全国連盟とは、会 誌や研修会では直接のつながりがありますが、その他の活動に ついては十分な連携がありません。各地方連盟が主体的に各種 の活動に取り組まれる際に、今後全国連盟としてより一層の連 携が図れるよう、次のような提案をさせていただきます。 1.地方連盟で発行される会誌を通じた連携 全国連盟委員長からのメッセージを掲載いただき、地方 連盟会員とのコミュニケーションを深める。 2.地方連盟の主催による研修会での連携 -企画や講演者の紹介の面での協力 3.各種記念行事における連携 -全国連盟委員長による来賓挨拶・記念講演など Y県K氏の談話 以前、会誌のある記事を読んでわからないところがあった。そこで執筆者 に、 「私も連盟会員です。会誌であなたの記事に関心を持ったが、この点を 詳しく教えていただけないか。 」と直接電話したところ、親切に教えていた だいた。仲間だという連帯感は有難いことだ。 ○パソコンを使って自宅で自己研鑽ができます。(再掲) ~ホームページを通じた技術者教育(集中講座)~ 効率的な CPD 取得 連盟会員が複数所属する B 社では、年3回の集中講座に全会員を参加させ、年 会費 4 千円のみで会員一人当たり年間 16CPD(会誌購読 10CPD、集中講座最大 6CPD)を取得しています。 ○会員同士の連帯感が得られます ~多様な会員が参加した意見交換会など~ 4.その他 16 17 ○個人・団体の実績が評価され意識向上につながります。 ~連盟大賞・広報大賞・梶木賞~ ○農業農村工学技術者教育機構のCPD単位が得られます。 18
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