空気調和・衛生工学会 平成 25 年度技術講演会「建築設備における BIM

空気調和・衛生工学会
平成 25 年度技術講演会「建築設備における BIM・ICT 活用の最前線」
プログラム
時 間/講演題目/講 師
9:40- 9: 45
9:45-10:30
教育普及事業理事 挨拶
黒本 英智(電力中央研究所)
1.BIM の動向と可能性 ―BIM 関連標準規格・ガイドライン・BIM ソフトウェア―
足達 嘉信(セコム)
3 次元建物情報モデルを中核とする BIM は、企画、設計、施工そして維持管理など様々な分野において精力的に研究開発や実プロジェクト
への活用が進められており、わが国においても実務への適用が着々と進められています。BIM の現在を把握するために、BIM データ連携に関
連する標準規格、BIM 活用のバロメーターとなる BIM ガイドラインの動向、BIM ソフトウェアの技術動向、BIM 展開への課題などを紹介し、BIM
の可能性を展望します。
10:35-11:20 2. 国土交通省での BIM 活用状況
神鳥 博俊(国土交通省)
国土交通省大臣官房官庁営繕部では、BIM を用いた設計の試行を行うことを平成22年3月に報道発表した。
設計・施工段階等で BIM を活用することにより、施設整備・保全に係る行政コストの削減、官庁施設の品質確保及び官庁施設における顧客満
足度の向上が期待される。
本講演では、試行結果を紹介するととともに、今後の官庁営繕部での BIM 導入の試行の予定等について紹介する。
11:25-12:10 3.企画・設計での BIM・ICT 活用
小林 弘造(日建設計)
BIM を用いた建築設備の設計は、その作業量やデータの取り扱いの煩雑さから、まだあまり一般化されていない。設備設計に BIM を効果的
に導入するアプローチとして、設計用部品や標準的納まりモデルのライブラリ化などの取り組み、また、設計計算との連動機能追加の方向性な
どについて紹介する。また、建物の資材データや運用データをクラウドサーバーに保管し、施設運営や、修繕・更新計画等の基礎データとする
ICT 活用についても紹介する。
12:10-13:10 休憩
13:10-13:55 4.建築・設備の工事へつなぐ BIM・ICT 活用
綱川 隆司(前田建設工業)
BIM に本来期待されることは建設業全体での情報技術活用による効率化であり、得られる 3 次元形状データと属性情報から生まれる付加価
値を最大化することが鍵となる。意匠・構造・設備を統合した「フル BIM」と「IFC」が利用されはじめた今日では、データを複数の企業間で共有す
る意識も強くなってきている。ここでは生産性を向上する為に設計から施工の段階において BIM がどの様に役立つのか筆者の得た知見を基に
述べたいと思う。
14:00-14:45 5.不動産・施設管理におけるBIM・ICT活用
板谷 敏正(プロパティデータバンク)
クラウドコンピューティングとは、インターネット上でアプリケーションソフトなどのサービスを提供することを言うが、不動産業界においてもこの
クラウドの利用が進展している。背景には、不動産業は施設や不動産が分散していることや、関係業務が複数企業・法人に渡ることが多く、企業
間の取引や受発注管理、あるいは業務ワークフローの構築など、当該分野特有のニーズへの対応があると考えられる。また、不動産業界の新
しい動きである不動産証券化や CRE 戦略の進展などもクラウドに代表される ICT ツールの活用を促進している。本講演ではクラウド活用の最新
事例を紹介するとともに、BIM との融合の可能性を含め不動産マネジメントにおけるICT活用の今後の可能性について紹介する。
14:50-15:35 6.空調機器運用時におけるICT活用
小妻 英寛(ダイキン工業)
当社の空調 ICT 活用は、1993年の空調機の遠隔オンライン診断サービスから始まり、以降も世の中の省エネ・CO2削減の流れから、BEMS
によるエネルギーの見える化、空調機の使用実態や季節変動に自動で追従した省エネ制御、ピーク電力を抑制する制御などを提供している。
本講演では、空調機器運用時における当社独自の ICT を活用した取組みについて紹介する。
15:40-16:25 7.リニューアル等設備工事でのBIM・ICT活用
谷内 秀敬(新菱冷熱工業)
設備施工会社は施工現場で3次元モデルのポテンシャルを発揮できる。設備施工の生産性を向上させるポイントは、設計情報を施工情報と
して完成させるプロセスに BIM・ICT の運用を「如何に取り組むか」である。高度経済成長期に全国に建設された施設が、経年劣化により更新の
タイミングを迎えている。エネルギー事情により省エネシステムの採用が多く、通常のリプレイスとは大きく異なる。制約された空間・時間・コストの
中で施工情報を構築・確定するための手法を BIM・ICT で取り組むことで適切な施工が実現できるであろう。空間コンポジットとして施工したリニ
ューアル工事・工場事例で設備 BIM の力を紹介したい。
※質疑応答は講演時間に含みます。また、プログラム・講師は今後変更になる場合がございます。