【エクアドル内政・外交:2009年7月】 1.概 要 2.内 政

【エクアドル内政
エクアドル内政・
内政・外交:
外交:2009年
2009年7月】
1. 概 要
7月 1日 総選挙公式結果発表
コレア大統領、国際投資紛争解決センター(ICSID)協定の破棄に関する大
2日
統領令第 1823 号(Decreto No.1823)に署名
3日 大統領府報道局の再設置
13日 電力・代替エネルギー大臣の交替大統領府情報長官の任命
15日 農牧畜水産漁業大臣の交替
コレア大統領、ボリビア訪問
南米諸国連合(UNASUR)憲章批准文書の署名・寄託式
ファルコニ外相、エジプト訪問
17日 アンデス共同体(CAN)=欧州連合(EU)間協議から逸脱
31日 国会(Asamblea Nacional)開設
2. 内 政
(1)総選挙公式結果発表
1 日、国家選挙審議会(CNE)は、去る 4 月 26 日及び 6 月 14 日に実施された総選挙選出ポ
スト計 5,964(大統領・副大統領:各 1 名、アンデス議会議員:5 名、国会議員:124 名(全国区:15
名、海外区:6 名、各県区:103 名、県知事・副県知事:各 23 名、市長:221 名、市議会議員:1,581
名、町議会議員:3,985 名)のうち大統領・副大統領選挙、国会議員選挙及びアンデス議会議
員選挙に関する公式結果を発表した。
(a)大統領
(a)大統領・
大統領・副大統領選挙
コレア大統領・モレノ副大統領(有効票に占める得票率:51.99%)
(b)国会議員選挙
(b)国会議員選挙(
国会議員選挙(総議席数 124)
124)
政党・政治運動組織名
与党・国家同盟(Alianza PAIS)
Alianza PAIS/民主集合運動(MED)
Alianza PAIS/左翼民主党(ID)/拡大戦線社会党(PSFA)
民主大衆運動党(MPD)
MPD/変革統合運動(MUC)/社会統合国家運動(MNCS)
エクアドルロルドス党(PRE)
ID/PSFA/アスアイ県専門職運動(MOPA)/エクアドル独立平等運
動(MII)
アマウタヤユイ独立運動(MIAY)
国家統合市運動(MMIN)
MMIN/ID/MPD/ナポ県力運動(MFN)
MMIN/生きる運動(MV)
MMIN/ガラパゴス自治運動(MGA)
MMIN/マナビ県第一運動(MMP)
パチャクティ党(MUPP-NP)
MUPP-NP/MPD
左翼民主党(ID)
愛国協会党(PSP)
獲得議席数 政治的立場
54議席
与党
3議席
連立与党
2議席
連立与党
4議席
政権寄り
1議席
政権寄り
3議席
政権寄り
1議席
政権寄り
1議席
1議席
1議席
1議席
1議席
1議席
3議席
1議席
2議席
18議席
政権寄り
中立
中立
中立
中立
中立
中立
中立
中立
野党
PSP/ムシュクインティ運動(MUSHK INTI)
キリスト教社会党(PSC)
PSC/木戦士運動(MG)
国家行動機構改進党(PRIAN)
PRIAN/エクアドル友愛運動(MHE)
民主国家統合運動(MCND)
社会保守運動(MSC)
公平地方行動運動(ARE)/ラ米大衆同盟運動(APLA)
愛事業独立運動(MIOSA)
市民良心運動(CC)
地方自治運動(MAR)
パスタサ県統合独立運動(MIUP)
(c)アンデス
(c)アンデス議会議員選挙
アンデス議会議員選挙(
議会議員選挙(総議席数 5)
政党・政治運動組織名
与党・国家同盟(Alianza PAIS)
愛国協会党(PSP)
キリスト教社会党(PSC)
1議席
4議席
7議席
6議席
1議席
1議席
1議席
1議席
1議席
1議席
1議席
1議席
獲得議席数
3議席
1議席
1議席
野党
野党
野党
野党
野党
野党
野党
野党
不明
不明
不明
不明
政治的立場
与党
野党
野党
(2)国会の
国会の開設
31 日、国会(Asamblea Nacional)が開設され、議長1名、副議長2名が以下のとおり選出され
た。
(a)議長:Fernando Cordero Cueva(国家同盟(Alianza Pais)所属):賛成 74 票を以て選出
(b)第一副議長:Irina Cabezas(国家同盟(Alianza Pais)所属):賛成 68 票を以て選出
(c)第二副議長:Rolando Panchano(国家同盟(Alianza Pais)所属):賛成 68 票を以て選出
(3)生活補助金
生活補助金(BDH)の
(BDH)の引上げ
引上げ
21 日、コレア大統領は大統領令第 1838 号を以て、生活補助金(BDH:Bono de Desarrollo
Humano)を(現行 30 ドルから)35 ドルに引き上げる旨発表した。本措置は財務省により実施さ
れ、国家予算として計上される。(65 歳以上の)高齢者、身体障害者、(及び 18 歳以下の子供
を有する単身母親)が右生活補助金の受給資格を有する。本措置は 8 月から実施される。
(4)大統領府報道局の
大統領府報道局の再設置
3 日、コレア大統領は、客年 1 月 3 日付大統領令第 848 号【当館注:大統領府官房局と大統
領府報道局を合併し、大統領府官房・報道局を設置するというもの】を無効とした。
6 日、コレア大統領は、大統領府報道長官としてフェルナンド・アルバラード(Fernando
Alvarado)大統領私設秘書を任命した。
(5)人事異動
(a)農牧畜水産漁業大臣
(a)農牧畜水産漁業大臣の
農牧畜水産漁業大臣の交替
15 日、コレア大統領は、辞任したポベダ(Walter Poveda)農牧畜水産漁業大臣の後任として、
エスピネル(Ramon Espinel)外務省貿易・統合担当筆頭次官を任命した。
(b)電力
(b)電力・
電力・代替エネルギー
代替エネルギー大臣
エネルギー大臣の
大臣の交替
13 日、コレア大統領は、辞任したモスケラ電力・代替エネルギー大臣の後任として、アルボ
ルノス(Esteban Albornoz)エクアドル電力公社(CELEC)総裁を任命した。同大統領は、モスケ
ラ前大臣の功績に謝意を表明し、同前大臣は、電力分野の研究機関において政府に協力し
続けることになるであろう旨言及した。
(c)大統領府情報長官
(c)大統領府情報長官の
大統領府情報長官の任命
13 日、コレア大統領は、先月8日に新設された大統領府情報局の長官としてヒホン
(Francisco Jijon)国内外安全調整省戦略研究顧問を任命した。
(6)Telesur 局の当国10
当国10都市
10都市での
都市での放映開始
での放映開始
15 日、ベネズエラ政府とエクアドル政府間の既存の枠組協定により、同日以降、エクアドル
の 10 都市において、ベネズエラに本部を置く国際テレビ局 Telesur の無料チャンネルでの放
映が開始した。
3. 外 交
(1)対ボリビア関係
ボリビア関係
(a)15 日、コレア大統領は、革命 200 周年記念式典出席のためボリビアを訪問した。ピント
(Germanico Pinto)鉱山石油大臣及びオルベ(Jorge Orbe)外相代行が同行した。
16 日、コレア大統領は、モラレス・ボリビア大統領主催朝食会に出席した後、革命 200 周年
記念式典に参列した。朝食会及び同式典にはパラグアイ大統領、ベネズエラ大統領、キュー
バ副大統領、及びブラジル、ホンジュラス、アルゼンチン、チリ各外相等が出席した。
(b)30 日、ファルコニ外相は当国訪問中のチョケワンカ・ボリビア外相と会合した。「チョ」外相
は「ファ」外相に、ボリビア政府がアンデス共同体事務局に提出した、エクアドルの輸入規制を
支持する内容の昨日付文書写を手交した。
右文書では「ボリビア政府はエクアドル政府の適用する輸入規制は正当であり支持する。ま
た、アンデス共同体に対し、エクアドルが適用している輸入規制は国内産業を保護することを
目的とし、正当性を有しているので尊重するよう求める」と明記されている。
(2)アンデス共同体
アンデス共同体(CAN)
共同体(CAN)
(a)17 日、当国はアンデス共同体(CAN)と欧州連合(EU)との間の協議から逸脱する旨発表し
た。ファルコニ外相は「国内の雇用及び製造業を保護するため、当国の満足のいく回答が得
られるまで、エクアドルは欧州連合との協議を停止する」旨述べた。右発表はコレア大統領及
び欧州連合協議に携わる事務関係者との評価会合の後に行われた。
18 日、コレア大統領は「バナナ関税に関しエクアドル側を支持する世界貿易機関(WTO)の
裁決を欧州連合が遵守するまで、欧州連合と協議は行わない。当国はアンデス共同体(CAN)
を通じ欧州連合と協議を重ねてきたが、我慢の糸が切れた。ペルー及びコロンビアは米国と
既に自由貿易協定を締結しており、欧州連合との右協定締結に於いて影響を被るものが少
ししかない。過ちの一つとして、欧州連合が地域間協議を好まず、二国間協議を望んでいた
ことが挙げられる。また他の過ちとして、政策・経済協力・通商分野を三本柱とする協議が行
われず、通商分野だけに固執したことが挙げられる。更に、世界貿易機関の枠組みに沿った
自由貿易協定を策定したところにある。右に関し、我々は決して容認しない。我々は妥協しな
い。我々は決して屈しない」と述べた。
(b)22 日、アンデス共同体外相会合に於いて、ペルーはアンデス諸国統合に向け強化を図る
ためアンデス共同体暫定議長(Presidente Pro Tempore)の任についた。
同会合はファルコニ外相、ベラウンデ(Jose Antonio Garcia Belaunde)ペルー外相、ベルム
デス(Jaime Bermudez)コロンビア外相、グスマン(Pablo Guzman)ボリビア外務副大臣、エレル
ス(Freddy Ehlers)アンデス共同体事務局長、及びトレス(Ramon Torres)エクアドル大統領代表
の出席のもと執り行われ、トレス代表より各国大統領代表の活動報告、並びにアンデス諸国
の新戦略展望と戦略課題に関するエクアドル側提案が提出された。
(3)対ホンジュラス関係
ホンジュラス関係
(a)4 日、コレア大統領は、セラヤ大統領からの要請に応じ、ホンジュラスの危機を前に民主的
解決策を模索しようとしている地域的努力を支持するため、米国・ワシントンを訪問した。なお、
同日ワシントンで開催の米州機構(OAS)臨時総会には、ファルコニ外相が出席。
(b)8 日、コレア大統領は、大統領府において、ムリージョ(Rafael Murillo Selva)在エクアドル・ホ
ンジュラス大使と会談した。同会談には、パティーニョ政策調整大臣、ファルコニ外相等が同
席した。
ムリージョ大使は、今般のセラヤ・ホンジュラス大統領追放により生じた重大な政治的危機
に際し、コレア大統領がホンジュラス国民に連帯と支持を示したことにつき謝意を表明した。
ファルコニ外相は、「ホンジュラスに対する我が国の支持は、エクアドルが多国間フォーラム
に参加していることを確認するものであり、また、エクアドルがラ米諸国における民主主義体
制の維持を希求していることを示すものである。我々の任務は、国際外交の中で積極的な役
割を果たすことであり、全てのクーデターを拒絶することである。」と述べた。
(4)南米諸国連合(UNASUR)
南米諸国連合(UNASUR)
15 日、コレア大統領は、南米諸国連合(UNASUR)憲章批准文書の署名・寄託式を実施し、ラ
テンアメリカ統合プロセスを推進するエクアドルの姿勢が再確認された。同式典には、モレノ
副大統領、コルデロ立法・査察委員会委員長、オルベ外相代行他、多数の閣僚が出席した。
同大統領は、「南米諸国連合は、政治的対話及び社会、保健衛生、エネルギー、インフラ、
環境の各政策が優先される場である。その目的は、我々自身の関心に呼応するメカニズム
の下、地域外からの干渉なしに、国民の人間的発展を促進・強化することである。南米諸国
連合は、世界的金融危機に立ち向かうためにも、新たな地域金融構造を構築することに焦点
を当てるべきである。」と述べた。現在、チリが南米諸国連合議長国を務めているが、来る 8
月 10 日、議長国に就任する。
(5)対米国関係
(a)1 日、当国外務省は米国政府が当国に対するアンデス貿易促進・麻薬根絶法(ATPDEA)の
適用期限を本年末まで延長する旨発表した。6 月 30 日、オバマ米大統領は米国議会に本法
適用期限延長を要請した。同法は米国よりアンデス諸国へ一方的に適用される特例法であり、
約 5,500 品目につき米国側特恵関税が認められている。
(b)8 日、ファルコニ外相は、二国間対話メカニズムの今後につき協議するため Heather
Hodges 在エクアドル米国大使と会談した。同会談には、カルバハル国内対外安全調整大臣
及びサンチェス内務・警察副大臣が同席した。同会談は、先月 12 日に実施されたファルコニ
外相とクリントン米国務長官との会談のフォローアップとして行われたものである。
来る 10 月、ワシントンにおいて、貿易・投資、開発のための協力、人の移動・安全に関する
各分科会が設置される予定。
(c)14 日、ファルコニ外相は、米国政府との合意に基づき、マンタ米軍基地におけるFOL
(Forward Operating Locations)オペレーションは来る 9 月 18 日を以て終了する。また麻薬撲
滅のための最終便は今月 17 日を以て運行終了すると公表した。
(6)対カナダ関係
カナダ関係
8 日、ファルコニ外相は、コレア大統領代理として、カナダ大使及び投資家と会合を実施した。
カナダは、エクアドルの特に鉱山、石油、インフラ建設分野への投資を行っている。上記会合
後、ファルコニ外相は、投資に関する法的枠組みに関し、「エクアドル憲法が企業活動を保障
しているため、同活動は権利として法的に認められている。従って、自然人であれ法人であれ、
その権利を行使するために行政部門や司法部門に訴えることができる。投資は、法律を完全
に遵守して行われるべきであり、また、国家開発政策に適したものであるべきである。」と述
べた。
(7)第15回非同盟運動
15回非同盟運動(NAM)
回非同盟運動(NAM)首脳会合出席
(NAM)首脳会合出席
15 日及び 16 日、ファルコニ外相は、第15回非同盟運動首脳会合にエクアドル代表団長と
して出席するためエジプトを訪問した。
16 日、ファルコニ外相は同会合において、「非同盟運動は、より公平で連帯的な新たな世界
秩序の構築のために重要な役目を担っている。コレア大統領が国連ハイレベル会合で演説
(往電第 773 号参照)した提案のように、世界金融構造の抜本的改革が必要である。世界金融
の悲惨な状況は、投機的・金融的経済を優遇してきた資本主義システムの危機の単なる予
兆に過ぎない。ブレトン・ウッズ体制に基づく諸機関の改革により今次危機を乗り越えようとす
ることは、馬鹿げているとともに無責任極まりないことである。今次危機の直接的責任者は、
正に投機的市場だからである。」旨述べた。
(8)対韓国関係
6 日、コレア大統領は、大統領府において、当国を訪問した韓国代表団と会談した。韓国代
表団は約 40 名程から成り、今次会談では、外交通商部の Lee Chun Seun 団長、Doo Jung
Soo ラ米・カリブ局長及び Ken Ho Jang 在エクアドル大使が発言した。エクアドル側同席者は、
ボルハ経済政策調整大臣、ピント鉱山石油大臣、モスケラ電力・代替エネルギー大臣、カサ
ル運輸公共事業大臣、グラス連帯基金総裁、ハラミージョ・エクアドル石油公社総裁及びパス
トール・ペトロアマソナス社長。
コレア大統領は、韓国によるエクアドル戦略部門への投資を歓迎する旨述べるとともに、(エ
クアドルには)収益性のあるプロジェクト、経済政策、明白なルールに加え、まじめな投資家で
あれば誰もが望む誠実な政権が存在していると述べた。
(9)国際投資紛争解決センター
国際投資紛争解決センター脱退
センター脱退
2 日、コレア大統領は世界銀行が関与する国際投資紛争解決センター(ICSID:International
Center for Settlement of Investment Disputes)協定の破棄に関する大統領令第 1823 号
(Decreto No.1823)に署名した。右大統領令は官報掲載を以て発効となる(第 3 条)。
1986 年 1 月 15 日、コルデロ政権はワシントンに於いて同協定に署名し(第 1 条)、2001 年 4
月 6 日、ノボア政権は大統領令第 1417 号-B(Decreto Ejectivo No.1417-B)を以て同協定を
発効させた(第 2 条)が、今般、大統領令第 1823 号を以て同協定は破棄された。
右大統領令は、当国憲法 422 条に「エクアドルの主権が侵されるような国際機関及び協定
は批准しない」と明記されていることを根拠としている。また、同協定第 71 条には「同協定を
批准する全ての国家政府は最高指導者(元首)の文書を以て協定破棄を行うことが出来る。
協定破棄は右文書発効六ヶ月後に効力を有する」と明記されている。
※以上は
以上は、当地新聞情報をとりまとめたものです
当地新聞情報をとりまとめたものです。
をとりまとめたものです。