3xFLAG発現システムの特徴 - Sigma-Aldrich

FLAG®テクニカルマニュアル 1. FLAG概要
3XFLAG発現システムの特徴
3xFLAGシステムは3つのタンデムFLAGエピ
トープ、22個のアミノ酸を融合したオリジナル
システムです(図3)。 3xFLAGを含む融合タン
パク質の検出は他のシステムに比べ約10~
200倍にまで増幅されます。オリジナルFLAG
タグ同様、 3xFLAGは親水性でエントロキナー
ゼ切断サイトを有し、比較的小さいタグです。
そのため、タンパク質の機能を変化させてし
まったり、他のエピトープを阻害してしまった
り、可溶性を減少させるような危険性を最小限
にします。低レベル発現のような場合、
3xFLAGは理想的です。CMVベクターで、
一過性発現、安定発現のどちらにも3xFLAG
融合タンパク質が用いられます。
図1. FLAGタグ(マーカーペプチド)と3xFLAGタグのアミノ酸配列
N末端FLAGタグ(アミノ酸8個)と3xFLAGタグ(アミノ酸22個)は、タグのC末端に
あるAsp-Asp-Asp-Asp-Lys配列の下流でエンテロキナーゼにより切断されます。
高感度検出
■ 超高感度:他のどんなタグシステムに比べ20-200倍の感度
■ 検出感度:≦10
fmol (≦100 fmol, FLAG)
■ 哺乳動物細胞の低発現レベル遺伝子に最適
■ FLAGの配列を3 回タンデムリピート
■ 免疫沈降、ウェスタンブロット、免疫細胞化学での検出を増強
図2. FLAGと3xFLAGのウェスタンブロット
ニトロセルロースメンブレンに転写した3xFLAG-BAP* およびFLAG-BAP*の
ウェスタンブロット。1 次抗体にAnti-FLAG M2モノクローナル抗体、2次抗体
にHRP標識Anti-Mouse IgGを使用。ECL™化学発光基質で検出した。
*BAP:Bacterial Alkaline Phosphatase
図3. 3xFLAG の感度比較
各タグをGST のC末端にクローニング。精製した融合タンパク質を1µg から0.01ng まで希釈して分析。ウェスタンブロットでの各タグの検
出限界を、それぞれの1 次抗体(推奨濃度に希釈)、2 次抗体としてHRP 標識Anti-Mouse IgG 、ECL 化学発光基質を用いて検出。
特異性の高い抗体
■ FLAG
タグと3xFLAG タグの配列には、認識性と結合性がそれぞれに異なる高特異性のANTI-FLAG モノクローナル抗体
(M1、M2、M5)、ポリクローナル抗体、複合体の結合部位が含まれています
■ ANTI-FLAG 抗体は、ほとんどの哺乳動物細胞および細菌細胞のライセートで交差反応をほとんど、またはまったく示しません
図4. FLAG 融合タンパク質のAnti-FLAG M2 抗体による検出
Lane1: FLAG-BAP* コントロールタンパク質
Lane2: COS-7 細胞抽出液(ネガティブコントロール)
Lane3: pFLAG-CMV-2-BAP* をトランスフェクションしたCOS-7細胞抽出液
ワンステップ精製
■ ワンステップのクロマトグラフィーでシングルバンドまで精製
■ 非変性条件下での精製
■ FLAG、3xFLAG 合成ペプチドによる単純で拮抗的な溶出
■ アフィニティゲルと96
ウェルプレートでの精製が可能
図5. Anti-FLAG M2アフィニティゲル精製による
SDS-PAGEの結果
Anti-FLAG M2 アフィニティゲルで精製しpFLAGATS™ -BAPをトランスフェクトした大腸菌ライセート
の SDS-PAGE。(クマシーブリリアントブルーで染色
した)
Lane1: 大腸菌ライセート(精製前)
Lane2: 大腸菌ライセート(精製後)