第4回 名古屋市交通事業経営委員会 議事録 - 名古屋市交通局

第4回 名古屋市交通事業経営委員会 議事録
日
時:平成19年11月12日(月)
場
所:名古屋市役所
第18会議室
15:00~17:00
(西庁舎12階)
出席者
委
員:青木真美副委員長、市原裕也委員、加藤博和委員、加藤義人委員
事務局:吉井交通局長、山田交通局次長、杉原技術本部長、那須総務部長、
山内総合企画部長、三輪経営企画課長、その他事務局職員
傍聴者:なし
議
題:①平成18年度決算の概要、②平成19年度上半期の状況、③平成19年
度の取り組み
議
事
1
開
会
2
議
事
3
(1)
資料説明
(2)
意見交換
閉
以下のとおり
会
【A委員】
地下鉄50周年を迎えられたとのこと、市民の立場から、長くこれまで苦労いただい
たことに感謝申し上げたいと思います。
今日、ご報告いただいた、いくつかの決算の数値や上半期の状況を拝見いたします
と、名古屋市民の交通行動は、大きな転換とは言えないまでも、転換の端緒に向 け
て、歯車が着実に動き始めているのではないだろうか、という感想を先ず第一に感じ
ました。これは実証できるデータがあるわけではないのですが、交通局にお示しいただ
いたデータを見ると、期待を含めて、そのように思いたくなるような状況がいくつかある
と感じましたわけです。
一つは、バスにおいて、乗車人員の減少に歯止めをかけておられて、横ばいである
という状況です。当初の計画上では、もっと、どんぶりの底のように乗車人員が下降し
た後に歯止めをかけたいと見ておられたわけですから、仮に、バス利用の減少が止ま
ったとするならば、注目点だと思います。地下鉄の方も、収入は減少したかもしれませ
んが、乗車人員が過去最高になりました。これは万博が終わっても、さらにそれを上
回ったということですが、これも、名古屋市の公共交通を利用する外部の人口が、格
段に増えているわけではないと仮定すれば、交通行動が変わっているかもしれないと、
期待かもしれませんが、そのように思いました。
市長さんが自動車と公共交通の利用分担率を、7対3から6対4にもっていきたいと
-1-
宣言をされている中で、公共交通の利用促進には、経営改革と一体となって努めて
おられますが、これから先の資金不足や累積欠損金の解消という大きな問題は現実
にあるわけです。それを着実にクリアしていくことは、市民の交通行動がより大きく、着
実に変わっていく方向に導いていかないと、簡単には実現できないと思います。
あらかじめ、以前の委員会の資料に示されていた平成13年度くらいからの経営状
況を見て来たのですが、地下鉄については、経常赤字の額などは桁違いに縮減され
ており、その結果、黒字が早期に見えてきたということは大変喜ばしいことです。これ
は一つひとつの施策をトップスピードでやってこられた成果だと思いますが、これから
先の需要の開拓やコストの削減は、やれることが段々無くなってくるという状況に入っ
てきていると思いますので、ますます市民の交通行動の変化によるところの影響が大
きくなってくるだろうと考えました。
交通機関の利用分担率が変わっていることは、パーソントリップ調査で把握する必
要がありますが、これを待っていては間があいてしまうなど適時性を失いますから、手
持ちの統計で何とか言うことができないものかと考えたいわけです。難しいことだとは
思いますが、もし、そういう傾向が示せるのであれば、「今、名古屋市交通局の利用
が高まっていますよ。今後も交通行動を変えていきましょう!」と言いたいという気持
ちになります。利用分担率の変化を正確に知るためには、次の中京圏パーソントリップ
調査まで待たないといけないかもしれませんが、傍証的に何か言えないかと思います。
例えば、栄へ土・日に来られる方で市バスと地下鉄を利用される割合が高まったと
すると、久屋大通のエンゼルパーク駐車場の利用が減っているとなれば、傍証的に
言えるタマとなります。必ずしも期待どおりの数値は出ないかもしれませんが、「これは
傍証的な分析をしてみる必要があるな」と、本日の資料を見て感じたわけです。利用
分担率のようなものは、ピンポイントでは得られないわけですが、交通局や名古屋市
役所にあるデータの中から傍証的に何か言えないか、と思います。
それから、市民の皆様に、交通行動をもっと変えてくださいと言っていくことと同時に、
交通局は、利用を開拓していけるような、利用促進策を打つ必要があると思います。
ドニチエコきっぷは、スーパーヒット商品と言いますか、ものすごくヒットしているわけ
です。そうすると、このドニチエコきっぷがヒットしている状況をもっとマーケット・データ
で確認できると思います。前回お示しいただいた、ドニチエコきっぷの利用者アンケー
ト調査を拝見しますと、女性の方が中心となって利用されているのではないか、という
傾向が見てとれた、と記憶しています。そこで、ドニチエコきっぷは、男性客をどのくら
い取り込めているのでしょうか。
通常、私もそうですが、通勤定期券を持っている人は、栄に行こうと思ったら、土・
日も定期を使います。このような定期を持っている人は、ドニチエコきっぷが直接、効
力を発揮しにくいマーケットだと思いますが、そこにどうやって切り込んでいくのか、切り
込めているのかどうか、ということも知りたくなります。
そうすると、これから交通局を経営するにあたっては、利用者、市場をどうやって分
-2-
析し、それを地道に開拓し、ニーズに応えていくかに尽きると思いますので、マーケッ
トを戦略的に分析するようなツールを持つことが、重要になるのではないかと思います。
資料3を見ると、色々なアンケート調査がされていることが分かります。バスや地下
鉄の定期券を買われる方へのアンケート、特得60バス定期券を買われる方へのアン
ケートや、ドニチエコきっぷを買われる方へのアンケート、これらは定点観測になりうる
アンケートだと思いますので、そこに、先ほど申し上げたような仮説をもって分析できる
ような設問を織り込んでいくと、仮説の検証とともにマーケット開拓の道筋が見えてくる
可能性があるわけです。これは労力も時間もかかる作業になるかもしれませんが、宝
が見つかる山が、そこにあるのではないかと思います。
ここまで経営改善できている名古屋市交通局には、交通事業者として全国トップレ
ベルのプロ意識があると自負されているでしょうから、その自負を今後は利用者のマ
ーケット分析に向けて頂く必要があると思います。ネットモニターアンケートでは、定点
観測の調査と、その時々の特別なテーマの調査を組み合わるなど、マーケットの分析
のための計画的なデータ解析をご検討いただくと良いと思います。
【事務局】
たいへん貴重なご意見をいただきました。私も同じような感想を持っています。政策
を戦略的に立てていこうとすると、色々な基礎データが必要です。できるだけ取るよう
にやっておりますし、アンケートも分析しています。これから、だんだんと攻めていくの
が難しくなり、データをどう分析し、戦略を立てていくかはますます大切になりますので、
そのあたりの切り口は、お知恵を拝借できればと思っています。
ドニチエコきっぷのヒットの理由は、我々もずっと考えておりまして、前にも申し上げた、
アンケート調査では、「もしドニチエコきっぷがなければ、どうしていましたか?」という設
問に対して、「車を使っていた」人と「外に出なかった」という人が約5%あったという結
果が出ております。
ドニチエコきっぷが、女性に非常に好評なのは紛れもない話でして、このあたりで73
万部発行されている産経のリビング新聞が毎年やっております、女性が、これは助か
ったという商品を選ぶ「助かりました大賞」において、圧倒的な大差で金賞を取ってお
ります。このことからも、女性にとって非常に便利な生活ツールだと位置づけられてい
るのは、はっきりしていると思います。女性の方の利用は、非常に高いと思っておりま
す。男性の利用率は、後でお答えいたします。
エンゼルパーク駐車場の利用率というお話は、面白いと思いましたので、ぜひ一度
調べて見てみたいと思います。市民の交通行動が変わってきているのではないかとい
うことについては、市長が言っております7対3から6対4へという目標も、良い施策が
出ていないので、交通局が具体的に自動車から公共交通へ転換した場合の受け皿
になるという意識でやっており、交通局が担うという自負も持っています。
色々なデータを分析しながら検討をして、次回の経営委員会でご報告できればと思
-3-
います。
経営改革をトップスピードでやってきまして、委員ご指摘のとおり、経費の縮減も限
界にきていると思います。トップスピードなので、5か年計画のいろんな施策は全部前
倒ししていますから、政策的にもそろそろ行き詰まってくるかもしれないと思います。計
画の最後の2、3年は、利用促進に力を入れ、市バスや地下鉄にもう一回乗ってもら
おうという、「ワン・モア・ライド」の運動を、システマチックに構築していこうと考えており
ます。商品というのは、例えば、路線、ダイヤ、バス停、バス車両であり、それから運
転士などの接客サービスも商品だという考えで、ISO9001を取得するわけですが、来
年度は利用促進に力を入れて、色々なメニューのいい商品を開発していこうと考えて
おります。
例えば、バス停では、広告付き上屋などは、いい商品だと思います。乗車券制度で
も、いい商品を色々と組み合わせできると思います。例えば、民間であればパッケー
ジで売り出すなど、色々やっています。ドニチエコきっぷも、外国人向けに売ることも
考えられますし、ホテル業界とタイアップして、3時間コースでこのように乗って、施設
の割引を含めば、通常これだけかかるのが、これだけ安く行けます、というような売り
方をするとか、色々なことを考えています。こういうものを来年度の予算で出しながら、
後半の利用促進を図っていきたいと考えています。
【事務局】
ドニチエコきっぷについては、利用者の属性はつかみきれていませんが、アンケート
回答者の属性としては、前回お示ししましたとおり、女性が67%、男性が33%となっ
ています。
それから、定点調査につきましては、重要だと思っておりまして、平成18年度実施し
た、バス通勤定期券の全線化に関するアンケート、ドニチエコきっぷのアンケートにつ
いては、今年度も定点的に調査を実施して、それを踏まえて、どういう展開をしていく
か考えています。
【B委員】
交通機関の利用分担率のモニタリングは、名古屋市交通問題調査会でも問題とな
っ て い るこ と でし て 、 名 古 屋 市 内 に入 っ て く るよ う な 交 通 の 断 面 交 通 量 をと る と か 、
色々な間接的な方法はありますが、把握するのは非常に難しいと思います。利用分
担率よりは、むしろ、交通局の利用状況のほうが適切な指標ではないかと思います。
これをまず見て、これによって、公共交通の利用分担率が下げ止まりにあるのではな
いか、と考えるほうが良いように思います。
【副委員長】
交通機関の利用分担率の変化を見る間接的な手段としては、名古屋市内の道路
交通の改善、つまり渋滞状況があると思います。渋滞は警察で調査していると思うの
で、外側の傍証にはなりますが、名古屋市全体の環境改善や道路交通の改善に資
-4-
することをしているという点でアピールできると思います。
さらに、利用者について、ドニチエコきっぷなどを中心に、基礎的なデータ分析を続
けていただきたいと思います。
【事務局】
18年度の全国的な状況を見ますと、鉄道のお客様は、関東が伸びており、関西の
ほうは落ちています。そして、名古屋は増えているという状況です。関東は、生産年
齢人口、従業者数が増えており、関西のほうは落ちています。名古屋については、国
勢調査が17年度にありまして、12年度と比較しますと、昼間人口は増えていますが、
高齢者は増えていて、生産年齢人口は減っています。その部分では、通勤・通学の
お客様は減っています。ですから関東とも状況が違っています。そういう乗車人員の
状況で、アンケートをとっています。
前回のドニチエコきっぷの調査では、ドニチエコきっぷが無ければ、市バス・地下鉄
を使わなかった、出かけなかったと約5%の人が回答されましたが、今度の調査では、
新規に利用された方、利用回数が増えた方がどのようになっているのかを楽しみにし
ています。その部分に、車からの転換、それと、先ほども委員がおっしゃいましたよう
に、ライフスタイルの変化がある程度出てくるのではないかと考えております。
【B委員】
資料2で、19年度上半期の状況が出ていますが、おおむね好調ということで、これ
は良いことなのですが、敬老が悪いと思いました。なぜ敬老が悪いのかということと、
どうしたらよいかについてのお考えを教えていただきたいです。
定期については、いろんな定期の付加価値を高める施策を行いました。定期外につ
いてはドニチエコきっぷが出ました。それに対して、敬老については何も無いように思
われます。その結果、下がっているとすれば、やはり全体としては、利用者は何もしな
ければ下がるという傾向があると思います。18年度は運賃政策によって需要を喚起
できましたが、その効果は3年程度 で一段 落すると思います。このままいけば、20、
21年度ぐらいに横ばいになる可能性が高いのではないかと思います。
過去を振り返って見ますと、地下鉄名城線の環状化が16年10月なので、17、18、
19年度はその効果も生じていたと思います。通学は非常に量が多いですが、高校生
は3年間在籍しますので、通学先が変更されるという効果は3年間かけて順に出てき
て、19年度以降は何も変化しないという可能性があります。
合理化に関する効果も、先ほどご意見がありましたように、17、18年度は大きな効
果が出ていたが、19、20年度あたりになるとなかなか出なくなるだろうと思います。ド
ニチエコきっぷは、すぐに効果が出るタイプだと思います。ファミリーの土・日における
外出の喚起は、ファミリーの単価は安いですが、人の数が多いので、全体の数は大き
くなります。これも、買い物やレジャーが対象ですから、2、3年経つと、その効果がか
なり安定してきてしまいます。
-5-
サービス向上は、ここでいうまでもなく、見違えるように変わったと思いますが、これ
は上げる効果はあまりなくて、下げない効果が大きいと思います。つまりサービス向上
は、今使っている人しか感じないので、使っていない人に、サービス向上といっても、
ほとんど関係がないので、使っている人を使わないようにはしない、それからドニチエ
コきっぷなどで新しく使うようになった人をつなぎとめる、ということに非常に効果があり
ます。資料3で紹介しているような取り組みは、19年度になりますと、「引き続き、・・」
というものが増えてくるので、19年度以降は横ばいに転じるのではないか、と感じてい
ます。その典型が敬老ではないかと思います。つまり、敬老は何もしていないところで
すので、ある段階で、敬老の流れと、他の部分も同じ流れに転じてくるのではないかと、
懸念しています。
そういう状況に対して、20、21年度は、どういうことを考えているかが、ある程度見
通せなければいけないのではないか、と思います。これは今までうまくいっていたから
こそ、言えることでありますが、より高い目標にするための第2ステージに入ったと思い
ます。とはいえ、逆に最初、調子がいいと、中だるみするということもありますし、特に
サービス関係のことは、どこの交通事業者でも1、2年はかなりやれるのですが、その
後反動が出たりもします。給与水準を下げた中での施策でもあり、増収とか増客の効
果がかなり出てこないと、後が怖いということもあると思います。19年度の下半期から
20年度の間で、どんな新しいことをやっていくかが出てこないと、横ばいになるのでは
ないか、と思っています。
【事務局】
敬老パスは、実績精算方式をとっているため、資料の数字と実際の数字が異なりま
す。後で、説明いたします。実際には、敬老はそれほど落ちていません。この方式で
は、過去の実績によって予算とし、そのまま決算としますので、増減が0になります。
全体についておっしゃっていることは、全くその通りだと思います。
今は、勢いでやっていて、給与を下げた、とにかく頑張らないと公営が維持できない、
という気合と気持ちで頑張って、職員のベクトルがあっているような状態です。この状
態が続いて上がっていくものではないと認識しておりまして、次の手をどう打っていくか
が非常に重要だと思っております。
来年は、利用促進でまだ打てる手はあるのではないかと考えており、まずはそれを
きっちりやろうと思っていますが、問題はその先だと思います。来年に、その次、その
次の次を見通せるものが出せるかどうかにかかっているという状況です。19年度以降
も、勢いだけではうまくいかないと思っておりまして、何か良い知恵があったら、ぜひお
借りしたいと思います。
【事務局】
敬老パスの仕組みについてご説明します。まず、健康福祉局から発行されるパスを、
手数料(千円、三千円、五千円)を負担して取得していただき、それをお持ちいただ
-6-
いて市バス・地下鉄をご利用いただきます。基本的には、ご乗車いただいた分の料金
相当分を、健康福祉局からいただいております。そのために、交通局では市バスでも
地下鉄でも、ご乗車いただいた方全てを、毎日、全数カウントいたしております。一般
会計との予算のやりとりの関係で、まずは予算額通りいただいて、実績によって、翌々
年度精算するという仕組みです。したがって、例えば、18年度については、16年度下
期と17年度上期の乗車人員の実績に基づいて積算したものを予算額としていったん
収入し、実際に1年間ご乗車いただいた分を計算して、20年度に精算するという仕組
みで、半年間のずれがあります。資料2の1ページで示すように、バスの敬老乗車人
員は、18年度上期で約83千人、19年度上期で約82千人となっており、減少傾向は
ありますが、若干落ち着いてきたと見ております。地下鉄の敬老乗車人員は、資料1
の11ページに示しますように、17年度が約83千人で、18年度が約88千人、資料2
の5ページに示しますように、18年度上半期が約88千人、19年度上半期が約88千
人と、これまで微増傾向にあったものが、若干落ち着いています。バスについては、
16年度以前に再編がありましたので、その影響だと考えています。そして、バスと地
下鉄を合わせた敬老のご利用は、ほぼ横ばいとなっています。したがって、このまま
何もしないでいきますと、横ばいが精一杯ということになりますので、敬老パスの方にも、
動いていただけるような施策が必要だと考えています。
【B委員】
これからは少子・高齢化ですので、他の自治体においても、高齢者の方にたくさん
外出していただいて、生きがいを持っていただき、暮らしやすい街とするのが交通政
策の柱となっています。そうした中、名古屋において敬老利用者数が減あるいは横ば
いであるというのは、これまで充実していたということかもしれませんが、やはり問題とし
て認識する必要があります。特に地域巡回バスとの関係についてはよく考えるべきで
す。ここは、敬老パスの方を対象として、こんなところへ行ってみてはどうですかという
企画を行うなど、高齢者をターゲットとした施策をやっていくことも必要だと思います。
こういうことを言ったのは、どこが弱点かが、この資料からでは分からないからです。
17年度と18年度の市バスの系統別の営業収支、営業係数を比較しますと、全体だ
と5%ぐらい営業係数が改善し、全系統で改善しているのですが、あまり改善していな
い系統を見ますと、基幹2、幹栄1、幹本郷1など、幹線系統は軒並み悪いです。栄と
か、金山も今一つ、全体的に東山線関係は改善が見られないとか、そういう傾向 が
はっきり現れています。神宮も悪いです。こういう比較をすれば、どの系統の取り組み
がうまくいっていないかが、はっきり出てきます。
それぞれのところで増客しているのか、していないのか、ということが大きな要因だと
いうことであれば、栄より名駅の方が最近にぎやかになってきているので、栄に行く人
が減ったのか、という話が出てきます。ところが名駅もそれほど上がっておらず、結構
悪いところはあるのです。系統に非常にいいところと悪いところの差があります。しかし、
-7-
幹線は軒並み悪いです。この理由を精査して、弱点をつぶしていかないと、なかなか
全体を上げることはできません。逆に地域巡回バスは改善状況が非常によく、16年
にできて以降、段々浸透してきて効果が出てきましたが、これもある段階では伸び悩
みが起こります。地域巡回の中でも東、熱田、志段味といった非常に伸びているとこ
ろがあります。それに対して、悪いのは中川、中村、これらは改善していません。こうい
うところから何が言えるかをきちんと分析していかないと、全体として底上げするのが
非常に難しい。商品のうち、売れ筋、死に筋は何かということをきちんと見ていく必要
がある。駅でもまったく同じで、駅の乗車人員を経年で見たときに、どこか弱い駅は無
いでしょうか。きっとあるはずです。そういうところはなぜ伸びないのか。逆に伸びてい
る駅というのは、どういうことをやっているのか。
前回も申し上げましたが、マクロとしては、資料にあるような取り組みがありますが、
それぞれの駅であるとか、系統であるとか、営業所であるとか、区であるとか、そういう
ところでそれぞれの状況に応じてどのような取り組みができるのか、そのアウトカムとし
ての利用者数や営業係数がどのように影響するのかということをきちんと分析してい
かないと、これからの20、21、22年度における改善が手詰まりになってくるのではな
いかと考えます。
名古屋市内にはいっぱい人が歩いているところがあります。例えば、名駅から笹島
方面へは、朝や夕方に人がいっぱい歩いていますが、何とか市バスに乗せることはで
きないか、と考えます。そういうところにバスの市場があると思います。ただし、今の笹
島町は市バスが走っていますが、名古屋駅から笹島町でバスに乗る人はほとんどい
ないでしょう。金山から高辻や円上、福江の方にもかなり人が歩いています。市バス
はあるのですが、人は乗らない。なぜ乗らないかといえば、非常に近いので、200円だ
と高すぎて乗らない、という理由があります。他にも、潜在的な需要があるのに、市バ
ス・地下鉄ですくいとれていない需要があるかもしれません。そういうものをどのように
汲み取っていくかも考えなければいけません。
ドニチエコきっぷをやったり、定期券の付加価値を高めたりしても、時期が一巡すれ
ば、それ以上伸びなくなりますから、そういう勢いがあるうちに、そういったツールを更
に使って、お客さんがいるところはどこなのか、逃しているのはどこなのか、ということを
探していくことに少しずつ転換していくことが必要です。そして、22年度にICカード乗車
券が導入されて、結実するという話になっていかないといけないと思います。
関連して話をしますと、資料3の23ページに「市の交通政策との連携」がありますが、
ここはもっと内容が書かれていると良いと思っています。例えば、駅そばルネッサンス
というものが、なごや交通戦略にあります。これは、駅の近くをにぎやかにして、公共交
通の利用促進を図ろうということなので、まさに駅の乗降人員をどう増やしていくかと
いうことですが、駅に愛着を持っていただくかということと関連していることだと思います。
地下鉄50周年記念事業として、線区ごとのイベントをやっていました。このような取
り組みをやっていくべきだと私は思います。例えば、バリアフリーも色々な駅でできてい
-8-
ます。そういうときに、「誰にもやさしい駅ができました キャンペーン」というように、き
ちんとPRして、また地域の方に、駅がよくなりましたので使ってください、とPRしていくと
か、施策に取り組んだ後に、キャンペーン的なものをきちんとやっていくようにした方が
良いと思います。あるいは、新しくなった停留所も、「停留所リニューアル・キャンペー
ン」といったPRを行い、新しくなりましたよ、是非使ってください、ときちんとアピールす
るということをやった方が良いと思います。あなたの街の停留所がこんなにきれいにな
りましたよ、といったアピールを、幹線系統の悪いところで集中的にやるとか、そういう
ことをきちんとやっていくことがPDCAだと思います。このような取り組みがこれから必
要になってくる。マクロなところは本当にできていると思いますので、これからは路線、
現場、地域単位でのPDCAをつくっていかないといけない時期にきています。それが
第2ステージだと、私は思っています。
【副委員長】
全体としては納得のいく成果が出ているとは思いますが、細かくブレイクダウンしてい
くとまだまだ問題があるので、これからはそのような細かい部分での問題のあるところ
に力を入れていかなくてはいけないということだと思います。
18年度の敬老の一日当たり人員について、予算・決算ではなく、実績の数を教えて
ください。
【事務局】
敬老乗車人員の18年度実績は、バス83,765人、地下鉄89,743人です。敬老乗
車人員の18年度決算値は、バスは83,271人で、実績は若干上回っており、地下鉄
は88,431人で、こちらも上回っていることになります。
【C委員】
質問も含めて、三つお話したいと思います。
一つ目は利用者の話ですが、例えば、飲酒運転の取り締まりが厳しくなった、ガソリ
ンが高い、最近ではタクシーの利用料金が変更されたであるとか、基本的に市バス・
地下鉄などの公共交通について、一面ではフォローの風が吹いていると感じます。
特にタクシーの利用料金については、名古屋の初乗りが500円と値下がりしました。
ところが仕掛けがうまく、ある程度の距離を乗ると、結果、1割くらい高くなることもあり
ます。私は飲酒をして帰宅することもありますので、タクシーに乗ることもあります。従
来は11時以降が深夜割増でしたが、今回の料金の変更で10時以降が深夜割増と
なりました。先日、タクシーを利用したのですが、いつもよりも2割くらい高くなってしま
いました。間違いではないかと思って聞いたのですが、そこで10時以降が深夜割増だ
と知ったのです。
ある意味で、市バス・地下鉄と競合するタクシーが利用しにくくなっています。私と同
様な感覚をお持ちの方も少なくはないと思います。そこで、この際、タクシーの深夜割
増が11時から10時になったのであれば、例えば10時以降の市バス・地下鉄の本数
-9-
を増やして、従来タクシーを利用していた人たちを市バス・地下鉄に取り込もうと考え
てはどうですか。もちろん費用もかかりますし、コスト・パフォーマンスがなければいけな
いのですが、民間企業では、競合他社の動きを見ながら、自社の戦略を考えます。
交通局ではどのようにお考えなのでしょうか。民間企業であれば、ここは攻めの策を講
じる場面ではないかと思いますが、交通局は、データを見ると車両数も運行距離も増
えていないようですが、何か手立てを考えているのでしょうか。
【事務局】
外部的な要因が色々ある中で、違法駐車と飲酒運転の取締りが厳しくなったことに
ついては、フォローの風が吹いていると考えています。バスの走行環境は、若干では
ありますが改善しています。この2つのフォローの風をうまく利用してどのような施策を
打つのかについては、色々検討しています。
ただ、燃料代が高いという問題になりますと、市バスにとっても燃料として軽油を使
用していますので直接打撃を受けます。現在、年間にして約1億円を超えるほどの打
撃を受けています。これは非常に大きなダメージです。
タクシー利用料金 の 変更につきましては 、10時以降 に本数 を増やすことも含めて
色々検討していますが、現時点ではコストパフォーマンスがよくないです。運行本数を
増やすには、かなりコストがかかります。車両を増やすことにもなると、さらにかなりの
費用がかかります。近々、東山線で新車両を導入するので、先日の地下鉄50周年
記念イベント会場で新車両のお披露目を行ないました。車両導入には、1両に約1億
円かかりますので、1編成では約6億円かかります。運行本数の増加には、さらに人員
も必要となってきますので、なかなか難しいです。
確かに金曜の最終運転は非常に混雑し、最終運転の1本前も混雑しているというデ
ータもあります。新たに1本運行を増やすにはコストパフォーマンスはよくないので難し
いですが、現行のダイヤを少し変えてうまく対応できないかなど、色々考えてはいると
ころです。
収益が上がり、お客様にも乗っていただけるとなれば実施してみようかと、色々な面
から検討はしていますが、なかなか良い検討結果が出てこないという状況です。
【C委員】
確かに、10時以降に運行を増やしたら儲かるかどうかということは分かりません。
私も毎日地下鉄を利用させていただいている1人で、定期券を利用しているのです
が、定期券の購入の際には、住所、氏名、年齢、性別などを申請し、定期券面にも
氏名、年齢、性別が表記されています。しかし、これらのデータを蓄積して、分類、分
析していないということを以前にお聞きしました。これは、民間企業では全く考えられ
ないことです。現在は、小売業界では、どこへ行ってもポイントカードを導入していて、
どういった属性の方がどのような商品を購入しているかなどを、自社で分析することが
でき、さらに小売の重要なデータとしてメーカーへ売っているということもあります。今
- 10 -
や情報戦争という時代の中で、なぜせっかくの貴重なデータを活用しないのか、大変
疑問です。
例えば、私は鶴舞線を利用しているのですが、10時以降の利用者は圧倒的にサラ
リーマンが多いと感じます。地下鉄ではなくタクシーを利用したいと思うのは、夜になる
と運行間隔がかなり空いているからです。特に、赤池方面については、確か3本に1本
しか豊田方面に行く地下鉄がないので、乗り損ねると20分以上待たなくてはならない
という状況があります。
これはひとつの事例で、当然検討されていることとは思いますが、せっかくのデータ
をきちんと分析できるようにすることはできないのでしょうか。通常、民間企業では、情
報システム部門が情報システム戦略を立てます。こうすることで、会社の方針、組織
運営において、どのような情報が戦略的に必要なのか、取れていないデータがあれば
なぜ取れてないのか、あるいは必要なデータを取るためにはどの程度の投資が必要
であり、コストパフォーマンスがいくらあるのかということを検討し、情報化武装されてい
くのだと思います。
これは、乗車券のICカード化について検討していく中でも同じと考えていいと思いま
す。ぜひ、データを活用することで、お客様の顔が見えて、お客様の望むような、いい
サービスをピンポイントで提供できるように検討していただけるとよいと思います。
二つ目ですが、キャッシュ・フローについてお話しさせていただきます。
バスについてみますと、営業活動によるキャッシュ・フローが△2億円となっています。
これは民間企業ではきわめてつらい状況です。当期純損益が163億円出ております
が、固定資産の売却が△154億円ありますし、他の項目を調整していきますと、結果
として営業活動によるキャッシュ・フローが△2億円になっています。
それに対して、必要なものは必要ですので購入等しなくてはいけないことは致し方な
いこととは思いますが、建設改良費が△36億円あります。もちろん、長い目で見て事
業を続けていくために必要な投資を必要なときに計画立てて行なっている結果とは思
いますが、営業活動によるキャッシュ・フローが△2億円もある中で、36億円の投資
が果たしてよいものかどうか。アイドリングストップシステムバスを140両購入しなくては
ならなかったため、32億円必要であったことは決算参考資料に記載してあります。し
かし、短期的な運営だけではなく、実際、資金的に非常に厳しい状況の中で、投資を
どう押さえ、なおかつその中で最低限のことを行なっていかなくてはならないという視
点が必要なのではないかと思います。
地下鉄についても同様なことがいえます。営業活動によるキャッシュ・フローが179
億円出ており、これは経営努力の賜物だと思います。その内容は、当期純損益がマ
イナスなので減価償却費で資金がたまっているということですが、それに対し、建設費
が△118億円となっています。野並から徳重までの延伸もあるでしょうし、それ以外の
投資も必要なのでしょうが、通常の民間企業で言えば、年度ごとではプラスが出たり
マイナスが出たりと、でこぼこした結果となっていても、例えば3年程度の推移で見れ
- 11 -
ば、営業活動のキャッシュ・フローの中で投資を行なっているというように、何らかの
歯止め、基準があると思います。このあたりについては、どのようにお考えでしょうか。
【事務局】
民間と決定的に違うのは、法律によって行なうことが色々義務付けられているという
ことではないでしょうか。法律でやらなければならないこと、制約条件が非常に多い。
建設費の中で非常に影響があったのは、例えば地下鉄では韓国のテロ火災の後、
国で新火災対策基準ができたことです。旧基準で対応できていたものが、新基準で
はあっちもこっちも不適合となる。法に適合するよう整備しなければなりません。国か
ら補助金は出ますが、全体の3分の1の額です。さらに、この整備には目標年度が設
けられ、そこまでに完了しなければなりません。
火災対策だけではなく、社会の中で何かが起こると、基準等はどんどん細かくなると
いう実状があります。
このように、経営者といいましても、国の色々な制約の中で、ある意味コントロールさ
れていまして、非常につらいところです。この点が民間と違うところだと思います。
バスでは営業活動によるキャッシュ・フローは△2億円である中で、36億円もの投資
があるのは何故かとなりますが、NOx・PM法による規制が、平成14年度からこの地域
にも適用されているため、12年間という決められた期間の中でNOx・PM法に適合した
車両にバスを買い換えなければならなくなりました。12年経った時点で適合していな
い車両は使用できなくなります。トラック業界やその他関係するところでは、買い替え
ができなくて倒産してしまう会社も出てきていると聞いています。われわれは無理をし
て買い換えています。この車両更新により、18年度は建設改良費が36億円になって
おります。
定期券のデータにつきましては、実際に取れておりません。基礎的なデータがきち
んと取れていないことは、当局の弱いところであり、戦略を立てるためにも、これからの
大きな課題のひとつであると考えています。ICカード乗車券を導入した際には、顧客
データをきちんと取ることができるようになりますが、本来は、ご指摘のように、定期券
のデータのようなものは、民間で言えばマーケット・リサーチをする中で取るデータであ
り、ダイレクトメールでお知らせするなど、次の戦略につながります。顧客データについ
ては、これから少しずつでもきちんと取れるようにしていきたいと考えております。
【C委員】
キャッシュ・フローに関しましては、職員の方の給料がカットされているにもかかわら
ず、投資額が度を越えて莫大にあり、建設費として投資するということは、当然、減価
償却として将来的にじわじわと効いてくることになり、そういう意味で公共事業の難しさ
というものがあることを改めて実感します。ただ、職員の方に苦労を強いているのに、
あまりにも投資額が多いのはどうか、という思いもあるので話をしました。
3つ目はお願いなのですが、経営コンサルをする場合でも、あるいは地元のトヨタさ
- 12 -
んからも、現地現物主義とかTQCといった総論的な話がよく聞こえてくるのですが、ぜ
ひ一度チャンスがあれば、現場の方の声も聞かせていただけないかと思います。どこ
か現場視察をさせていただいて、そこで働いておられる職員の方々がどんな気持ちで
働いておられるのか、どんな改善効果を出そうと思って頑張っておられるのかとか、あ
るいは、利用のお客様からのお褒めの言葉やお叱りが伝わるような仕組みになってい
ます、ということを事前に教えていただいているのですが、実際に現場の人たちがそれ
をどのように受け止めておられるのかということをまた勉強させていただく機会があれ
ば、というお願いでございます。
【事務局】
大変前向きなご意見をいただきましてありがとうございます。ぜひ私たちもお願いし
たいと思っております。むしろ私たちのほうで遠慮がありまして、皆さん大変お忙しい方
なので、時間を工面していただけるだろうかと思っていましたが、いま積極的なご意見
をいただきましたので、日程を調整させていただきたいと思います。ぜひよろしくお願
いしたいと思います。
【B委員】
いま投資の話が出ましたが、バリアフリーとかNOx・PM法などに対応するために、実
施しなければならない取組みが沢山あるという話がありました。民営のバス会社やコミ
ュニティバスなどでは、新しいバスを導入すると、出発式や、導入しましたという宣伝
をすることが多く見受けられます。そうやって、投資した分をどうやって増客につなげる
かという発想をすると思います。交通局の場合は、営業所に新しいバスが入ってくる
ので、どこの系統で新しいバスを導入という話にはならないかもしれませんが、そうで
あっても営業所で宣伝してアピールすることはできるでしょう。国としては、公共交通
の全体的な利便性の向上や安全性の向上等に資するからという目的でやっているわ
けなので、やらされたと思うのではなく、それをうまくプラスに変えるような発想にして
いった方が良いと思いました。
取り組みで、新しいエレベーターができたとか、新しい車両が何両入ったとかが、資
料に書いてあります。例えばAEDの設置というのがありますが、これは経営改善の取り
組みなのかと考えたときに、単純に考えるとそうではありません。これによって乗客が
増えるとは考えられません。しかし、これが入ったことを何かPRのきっかけにできると
思うのです。そのような、やらされる発想から、やるのであれば積極的にそれをうまくプ
ラスに変える発想にしていくことにも、民間のバス会社ではやっていることなので、ぜひ
取り組んでほしいです。
【事務局】
その点については、逆に、交通局はものすごく宣伝してします。
例えば、出発式のことをおっしゃいましたが、昨日は50周年記念イベントで、まずは
新車両に乗っていただく企画をしましたが、それとは別に、出発式もやります。その仕
- 13 -
掛けはもう十分してあります。
申し訳ないですが、今の民間よりも、私たちのパブリシティのほうが優れていると思っ
ています。例えばAEDのことを言うと、この説明資料では理解してもらえない部分があ
りますが、AEDは実は広告付きAEDで、交通局は費用を負担しておらず、収入を得て
います。このように、収益が上がって、市民にとって良いということしかやっていません。
AEDについては、新聞にもだいぶ載りましたし、テレビでも宣伝しています。
また、テレビで放映されたものは、全てビデオに撮ってそれを全職員に見てもらって
います。家族で見るために貸し出す、ということもやっています。この辺についてはパブ
リシティの資料もありますので、一度見ていただいてご理解をたまわりたいと思います。
【C委員】
話はよく分かるのですが、私は、恥ずかしながら、毎日地下鉄を使っているのに、実
はAEDが、地下鉄のどこかに設置されているということを知らないのです。しかし、これ
も片面の真理だとご理解いただきたいと思います。やはりPRというのは、送り手の問題
ではなく、受け手がどこまできちんと認識するかということが最大のポイントなので、も
っといいPRの仕方というのをぜひ追求していただきたいと思います。申し訳ないですが、
今日の資料を見ても私は知らないことがたくさんあります。この辺りをどうにかする、う
まい方法があればと思います。
【B委員】
そのための方法が、ミクロ的な宣伝であり取り組みだと思います。交通局ニュースの
ようなものは、内容が広く薄いと思います。今回は地下鉄50周年に関することで、イン
パクトが強いですが、もっと小さい取り組みはどうしても薄まってしまいます。その一方
で、どのバス路線はいい、悪いという情報があるのでもどかしさを感じます。弱いところ
や、ここだったらもう少し改善できるというところに、取り組みをうまくリンクさせることで、
効果的にPRすることはできると思います。
【事務局】
AEDについては、まだ全駅にはないので、目立たないということはあります。
全体のパブリシティとミクロレベルのPRでは、差があるのは事実です。例えば、今、
避難路や非常口のことが気になっています。もし火災があったとき、地下鉄の非常口
はどこにあるのかは、なかなか分かりにくいです。これは、いまミクロレベルで取り組み
かけていまして、入って2、3年の若い職員で、とくにまだ市内をよく知らないような人
たちの目線で、誘導表示のどこに問題があるのかを調査し、表示や色の使い方を検
討するなど、色々やりかけています。
エレベーター内の空間がもったいないと思っており、あの部分に、ホテルのエレベー
ターで見られるディナーショーの宣伝のように、エレベーターをよく使う高齢者向けに、
地域巡回バスの宣伝チラシを貼るということを間もなくやります。色んなことを今やりか
けていまして、それらを全体としてまとめた形でどのように出すかは、来年度の予算に
- 14 -
なると思います。
バスでは営業所ごとで色んな試みをやっていますし、ISO9001に取り組む中でも、
賞詞があればそれぞれの職場で掲出したりしていますので、そういうところをぜひ見て
いただきたいと思います。
地下鉄では、避難誘導表示が非常に分かりにくいので、ここに案内があるということ
が分かるよう赤で囲むとか、「SOS」が小さいのでもっと大きくするとか、緊急電話の使
い方とか、かなり細かくやっています。非常口も、開け方や誰が開けるのかが、なかな
か分からない。このように、まだやることがいっぱいありますので、なんとかやっていき
たいと思っております。
ちょっと自慢にはなりますが、今、名古屋市の交通局は、公営の中で一番良いと思
います。よく職員にも言っているのですが、もっと自分の仕事に自信と誇りを持ってき
ちんとやれば、展望が開けてくるものだと思っています。やれることは全部盗もうと思っ
ておりますので、ぜひ色々ご意見を賜りたいと思います。
- 15 -