中退共の意外な使い方 - ザイムパートナーズ

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税理士法人ザイムパートナーズ
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2010/No.11
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残業代削減の
新提案!必見です。
中退共の意外な使い方
が増加しています。退職金の積立に廻す原資
原資があれば、現時
退職金制度を廃止する企業が
点の給与に充当した方が、従業員満足度
従業員満足度・採用時の訴求力に有利である
である、と考える企業が
増加したためです。今回は、
、その趨勢に逆行しますが、中小企業退職金共済制度
中小企業退職金共済制度(以下
「中退共」)を利用した企業のコストダウン
のコストダウンの仕組みを、ご紹介したいと
したいと思います。
◆
中退共の概要(国の制度なので
なので、原則安全です)
具体的な仕組みのご紹介の前
前に、中退共の概要を、ご説明いたします
いたします。ポイントは、以
下の3点になります。
,000円 ∼ 30,000円(全額企業負担
全額企業負担)
① 掛金月額は 5,
② 掛金は全額経費になります
になります
③ 退職時には、退職者
退職者の銀行口座に直接退職金が振り込まれます
まれます
この制度の最大の問題は「③
③」です。たとえ懲戒解雇に該当するような
するような事例でも、退職
金の減額は不可能です。退職後
退職後は、本人が中退共に退職金を請求し、受給する仕組みのた
めです。この点を懸念して、制度導入
制度導入を見送る経営者様もいらっしゃいます
もいらっしゃいます。
なお、以下の助成が国から受
受けられます。(①②の併用受給も可能です
です)
① 新規加入助成
4ヶ月目より12ヶ月、従業員さんごとに、
、掛金の
新規制度加入後4ヶ
2分の1(上限5,
,000円)の助成
② 月額変更助成
18,000円以下
円以下の掛金月額を、増額変更する場合、増加額
増加額の
3分の1を12ヶ月
月助成
例えば、新規に掛金月額10
10,000円で加入した場合、総額で60
で60,000円の助成
(5,000円×12ヶ月)が
が受給できるという、非常にお得な内容です
です。
◆
給与の一部を、中退共の
の積立にしてみませんか?
ご存じのこととは思いますが
いますが、給与額によって残業代の基礎単価・
・労働保険料・社会保
険料・所得税が決まります。
。逆に言えば、給与水準を下げないと、これらを
これらを減額すること
は不可能です。とはいえ、単
単に給与水準を下げれば良い、という問題
問題でもありません。従
業員のモチベーションが下がっては
がっては、意味がありません。待遇を下げずに
げずに、これらを減額
するという、一見相反する課題
課題を解決するためには・・・
月給の満額を給与として支給するのではなく
するのではなく、一部を中退共
ここで中退共の出番です。月給
の積立に廻すことによって、労使共
労使共にメリットのある仕組みを考えてみました
えてみました。どのよう
な金銭的メリットがあるのか、
、実際にシミュレーションしてみましょう
にシミュレーションしてみましょう。
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月給
一部を中退共に
月給
22万
25万
残業基礎単価・労働保険料
社会保険料・所得税は
月給によって算定されます
企業のメリット
①未払残業代のリスク軽減
②労働・社会保険料の減額
③国の助成が受けられる場合がある
中退共
3万
従業員のメリット
①雇用・社会保険料の減額
②所得税の減額
シミュレーションの内容
①月給25万円をそのまま給与として支給する
②月給を22万円とし、3万円を中退共の掛金とする
場合の年間のコスト比較。賞与・扶養家族無し。各種料率は、現行のものを使用。
中退共の利回りは、考慮しない。所定労働時間は173時間として算定。
(単位:円)
①25万円
全額給与支給
②月給22万円
+中退共3万円
月給
雇用保険
健康保険
厚生年金
所得税
250,000
-1,500
-12,129
-20,875
-5,230
220,000
-1,320
-10,263
-17,664
-4,320
月給の手取り ①
中退共 ②
最終的に従業員さんの
手元に渡る額(①+②)
210,266
0
186,433
30,000
210,266
216,433
1,806
1,590
残業基礎単価
削減効果
180
1,866
3,211
910
削減効果×12
(年換算)
2,160
22,392
38,532
10,920
216
残業基礎単価が下がり、労働・社会保険、所得税も減額でき、従業員さん
の手元に渡る額も増えるという、一石五鳥です。
同じ25万円の支出でも、企業的には、労働・社会保険料が削減でき、従業員的には、
手元に渡る額が増加するのが分かります。この効果を、数十人単位で考えると、ちょっと
無視できないようなメリットに繋がります。
最大のメリットは、残業基礎単価の減額効果です。未払残業代の申告調査(いわゆる
「労働基準監督署へのタレコミ」による調査)があると、ほぼ確実に2年遡っての是正勧
告が出されます。その際の計算単価が数百円下がるのは、かなり大きいメリットだと思い
ますので、是非ご検討いただければ幸甚です。
文 渡辺 雅人
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