平成25年度 事業計画(PDF) - 石川県トラック協会

平成25年度事業計画
1 策定基調
昨年のわが国経済は、円高や欧州金融危機問題、更には中国経済の減速に加えて、
領土問題による韓国、中国との摩擦により貿易も落ち込み、夏以降低迷を余儀なく
された。また、輸送需要も低迷を続け、運賃が低下する一方で燃料価格の高止まり
や軽油引取税等の加重な負担がのし掛かり、多くの事業者が事業存廃の岐路にたた
された。
このような厳しい状況の下、我が国の国民生活、産業活動のライフラインを担う
トラック運送業界は、規制緩和、コストに見合った適正運賃確保や公正取引の実現
などに引き続き取り組むことをはじめとして、事故防止、環境対策、法令遵守、少
子化時代の労働力確保など、われわれに課せられた公共的使命の達成と今後のトラ
ック事業の発展を期して活動を展開していかなければならない。
また、石川県トラック協会は平成25年4月1日から一般社団法人として新たな
スタートをきりました。今後も一般社団法人としての社会的使命を果たすべく、安
定的な輸送力の確保と安全・安心で質の高い輸送の提供に努め、積極的に事業を展
開していくこととする。
このため、平成25年度においては、国の政治の安定と経済、景気の本格的回復
を実現させるため力強い政策運営を強く要望するとともに、今後の健全な事業基盤
の整備を目指して、全ト協をはじめ各都道府県トラック協会との一層緊密な連携の
もとに、業界の総力を結集して、山積する諸課題に取り組み、トラック運送業界の
社会的地位の向上を図り、魅力あるトラック運送業界にしなければならない。
2 重点施策
平成25年度は、次の11項目を重点施策に位置づけ、関係機関と連携を強化し
て事業計画に基づく諸対策を積極的に推進していく。
(1) 規制緩和の見直しの促進
(2) 原価管理の徹底及び適正運賃収受並びに荷主との公正取引の実現
(3) 軽油引取税の当分の間税率(旧暫定税率)の廃止及び軽油高騰対策の推進並び
に燃料サーチャージ制の導入促進
(4) 地球温暖化対策税の還付制度の創設及び自動車関係諸税の簡素化・軽減の実現
(5) 高速道路通行料金の引き下げ及び割引制度の充実
(6) 運輸事業振興事業費補助金の活用による各種対策の充実
(7) 交通・労災事故撲滅運動及び環境・省エネ対策の積極的な推進
(8) 貨物自動車運送適正化事業の推進による法令遵守の徹底と輸送秩序の確立
(9) 事業後継者の育成と少子高齢化に対応した労働力の確保対策の推進
(10) 大規模災害発生時における緊急輸送体制の確立
(11) 荷主・消費者等対外広報活動の強化
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3 事業計画
(1) 規制緩和の見直しの推進
(ア)規制緩和の見直しの実現と対応
〇輸送秩序を混乱させるおそれのあるトラック事業に関する規制緩和について
は反対する。
(イ)普通免許で運転できる車両総重量の拡大(中型免許問題への対応)
〇若年労働者の確保に多大な影響を及ぼす中型免許制度について、普通免許
で運転可能な車両総重量の上限範囲を6.5トンまで拡大するよう要望活動を
展開する。
(ウ)海上コンテナの安全確保に関する法律の早期実現
〇「国際海陸一貫輸送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」の早
期成立に向けた、関係各位への説明や陳情活動を全ト協と連携し実施する。
(エ)重量品等特殊車両通行許可等手続き簡素化の推進
〇許可申請に要する期間等について運送事業者の現状の理解に努め、全ト協
及び行政との連携を密にし、その短縮化を要望する。
(2) 原価管理の徹底及び適正運賃収受並びに荷主との公正取引の実現
(ア)原価・コスト管理の徹底による経営基盤強化対策の実施
〇運送事業者の原価意識の向上、原価管理の徹底等による経営体質の改善、
平成26年度からの消費税増税等に対応するため、事業者の業務形態や
レベルに応じたセミナー等諸施策を講じる。
(イ)再生産可能な適正運賃収受に向けた荷主への理解促進と実施方策の検討
〇再生産可能な適正運賃収受に向けた理解促進を図る。
(ウ)独占禁止法特殊指定の積極的な活用を促進する。
(エ)下請・荷主適正取引推進ガイドラインの積極的活用等荷主とトラック運
送事業者とのパートナーシップの確立のための諸対策
(オ)荷主の優越的地位の濫用防止対策の推進
〇「優越的地位の濫用に関する独占禁止法の考え方」について会員事業者
に周知するとともに、荷主の優越的な地位の濫用防止対策を図るため全
ト協と連携し、関係行政機関等に適切な対応を要請する。
(カ)荷待ち時間の短縮及び燃料サーチャージ、荷待ち時間、荷役作業、有料
道路料金の別建収受等運送契約に係る書面化の推進
〇全ト協と連携し、荷主と運送事業者の作業区分や責任の所在を明らかに
するため、書面による契約書の締結等望ましい取引形態確立の実現等を
図る。
〇『トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン』の改
訂版を普及し、運送契約の書面化推進等に対応する。
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(3) 軽油引取税の当分の間税率(旧暫定税率)の廃止及び軽油高騰対策の推進並び
に燃料サーチャージ制の導入促進
(ア)軽油引取税の当分の間税率(旧暫定税率)の廃止
〇一般財源化により課税根拠を失った当分の間税率(旧暫定税率)の廃止に
向けて、全ト協及び自動車関係団体と連携を図り、要望・陳情活動を展
開する。
(イ)軽油燃料価格高騰等における、ライフラインとしての営業用車両への優
先供給、政府備蓄の取崩による価格安定策等各種施策を関係団体等へ要
望
〇軽油価格高騰抑制、安定供給確保(価格安定策、優先供給)のための環
境整備について全ト協等と連携し、要望する。
(ウ)軽油価格高騰に伴うトラック運送業界への影響を把握
〇軽油価格改定の動向について調査・情報収集し、会員事業者に対する情
報提供に努める。
(エ)燃料サーチャージガイドラインの積極的な活用
〇トラック輸送業における燃料サーチャージガイドライン、下請・荷主適
正取引推進ガイドラインについて積極的な活用の推進を図る。
(4) 地球温暖化対策税の還付制度の創設及び自動車関係諸税の簡素化・軽減の実現
(ア)地球温暖化対策税の還付措置
〇平成24年度から導入された「地球温暖化対策のための税」について、
内航運送用船舶・鉄道事業等と同様にトラック運送事業が使用する軽油
についても還付措置の適用について、全ト協と連携し要望する。
(イ)自動車関係諸税の軽減、簡素化
〇自動車関係諸税の負担軽減及び簡素化、消費税のタックスオンタックス
の解消に向けて、全ト協及び自動車団体と連携を図り、要望活動を行う。
(5) 高速道路通行料金の引き下げ及び割引制度の充実
(ア)高速道路等の円滑な運行及び道路ネットワーク等インフラ整備促進を確
保しつつ、営業トラックの通行料金の引下げ及び各種割引制度等の拡充
を関係方面に要望
〇平成26年度以降の料金割引の見直しについて、営業用トラックが最大
限活用できる、終日、基本料金の半額化・営業車特別割引制度の創設も
しくは大口多頻度割引の拡充等、高速道路等通行料金の実質的に大幅な
事業者負担軽減図るため全ト協と連携し要望する。
(6) 運輸事業振興事業費補助金の活用による各種対策の充実
(ア)石川県の運輸事業振興事業費補助金交付要綱に基づく事業の推進
〇事業の効果的・効率的な活用を推進し、透明性の確保を図る。
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(イ)近代化基金融資の推進及び利子補給助成事業、信用保証協会保証料助成
事業等の実施
〇経営の安定に資するため、金融機関からのセーフティネット関連保証融
資に対する緊急金融支援利子補給助成を行う。
〇物流効率化に資するための施設の整備をはじめ、事業の近代化・合理化
のための設備投資に対し、中央近代化基金事業と連携して地方近代化基
金による融資の斡旋及び利子補給を行う。
(ウ)一般社団法人移行後の適切な対応
〇事業の効果的・効率的な活用と透明性の確保を図る。
(エ)事務局組織の活性化と委員会・部会組織等の効率的運用
〇職員の適正配置による事務局組織の活性化を図る。
〇各委員会において業界の諸課題等について迅速かつ的確な対応を図る。
(7) 交通・労災事故撲滅運動及び環境・省エネ対策の積極的な推進
(ア)交通事故ゼロを目指すために「トラック事業における事業用自動車総合
プラン2009」の周知徹底に努める。
(イ)飲酒運転撲滅対策を協力に推進するため点呼時におけるアルコール検知
器の使用徹底等「飲酒運転防止対策マニュアル」に基づく措置を徹底す
る。
(ウ)追突事故防止対策及び高速道路における事故防止対策の推進
〇事故防止対策の事例集等を活用し、啓発活動を推進する。
(エ)「運輸安全マネジメント」の普及啓発
〇運輸安全マネジメントについて、一層の定着と取組みの深度化、高度化
を図るため、官民一体で取組む普及・啓発活動を推進する。
(オ)映像記録型ドライブレコーダの普及促進並びにASV(先進安全自動車)
関連機器の導入を促進する。
〇ドライブレコーダを一層普及させるためその導入に対する助成及び後方
視野確認支援装置の助成を行う。
(カ)安全意識の高揚、運転技能の向上を図るため、ドライバーコンテスト、
SDラリーコンテストを実施する。
(キ)運行管理者及びドライバー等の安全教育訓練実施への助成の充実を図る。
(ク)労働災害防止、荷主対策の推進
〇労働災害の7割は荷役作業で発生しているため、安全ガイドラインの周
知を図り、荷主団体等に対し労災事故防止に関する協力を求める。
〇陸上災害防止協会と連携した労災事故防止対策を推進する。
(ケ)睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策及び新型インフルエンザ対策の推進
〇ドライバーの睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリ-ニング検査に対する
助成を行う。
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(コ)改善基準告示の遵守、過労防止対策の推進
〇トラックドライバーの拘束時間、運転時間、運行、作業実態を把握し、
安全運行、労働条件の改善や若年労働者の確保に向けた方策を検討する。
(サ)トラック運送業界における環境・省エネ対策を積極的、かつ継続的に推
進することにより社会との共生を図る。
(シ)環境と安全に配慮したエコドライブを推進するため、年間を通じて「エ
コドライブ推進運動」を展開する。
〇安全意識と省エネ運転技能向上を図るため実践的な省エネ走行研修を実
施する。
(ス)エコドライブの徹底に向けたEMS機器等の導入及びアイドリングスト
ップ支援装置の普及促進
〇燃料消費量の削減効果が高いEMS機器等の導入に対する助成を行う。
〇アイドリングストップ支援機器導入助成事業を促進する。
(セ)CNG車等低公害車の普及促進
〇CNG及びハイブリッド自動車等低公害車導入助成事業を促進する。
〇NOx・PM等の排出ガスを削減するため、ポスト新長期規制適合車へ
の代替に対して、近代化基金融資による融資の利子補給を行う。
(ソ)エコタイヤ・再生タイヤの導入促進を図るため助成を行う。
(タ)「グリーン経営認証制度」の普及促進を図る。
(8) 貨物自動車運送適正化事業の推進による法令遵守の徹底と輸送秩序の確立
(ア)適正化事業実施機関の事業活動を効果的に推進するため指導体制の強化
及び地方評議委員会の適切な運営
〇適正化事業指導員の専任化、巡回率向上を図るための指導体制の強化を
図り、また、地方評議委員会の適切な運営に努める。
〇運輸局・運輸支局との連携の強化を図る。
(イ)事故防止・安全対策等の指導内容の充実強化及び事業者・運行管理者等
に対する積極的な広報啓発活動の推進
〇巡回指導については、新規事業者、小規模事業者など優先度に応じた指
導内容及び巡回頻度とし、効果的・効率的に推進する。
〇巡回指導指針に基づき、重点指導項目について適切に指導を実施する。
〇事業者・運行管理者等にコンプライアンスの周知徹底を図る。
(ウ)社会保険等の未加入事業者に対する指導、社会保険制度等に関する法的
義務の周知徹底、啓発活動の推進
〇巡回指導等を通じ社会保険制度等の加入について、周知及び法的義務の
履行の徹底を図る。
(エ)適正化事業指導員に係る研修事業の充実並びに資質の向上
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〇全国研修、小規模グループ研修等の受講により専門的知識の習得や指導
能力の向上を図る。
〇運輸局・運輸支局との連携強化を目的とした官民合同の地方ブロック研
修等に参加し、ブロック内における指導内容の均一化を図る。
(オ)安全性評価事業(Gマーク制度)の積極的な推進及び内外に対する広報啓
発活動の展開
〇「貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)」について、引き
続き関係行政機関や全ト協と連携し円滑な推進を図る。
〇更なる知名度アップを図るため、荷主企業や国民一般等の内外に対し広
報啓発活動を積極的に展開する。
(9) 事業後継者の育成と少子高齢化に対応した労働力の確保対策の推進
(ア)経営の合理化・輸送サービス改善に対する人材育成のための各種研修等
の推進
〇経営の合理化・輸送サービス改善に対する人材育成のための各種研修等
の助成を行う。
(イ)若年労働者の採用等少子高齢化に対応した労働力の確保対策の推進
〇若年労働者の採用等労働力の確保対策のため、トラックドライバー等従
業員の雇用面の現状、課題の把握に努める。
(ウ)労働関係法令の見直しへの対応
〇労働法令の改正動向を注視し、全ト協と連携し、適宜関係機関に要望等
を行う。
(10) 大規模災害発生時における緊急輸送体制の確立
(ア)緊急・救援輸送業務実施要綱の見直し
(イ)大規模災害発生時における緊急輸送体制の確立
〇大規模災害時における営業用トラックによるライフライン機能維持を確
実に果たすため、全ト協と連携し、実施要綱の必要な見直し、「緊急輸
対送応マニュアル」の制作等を行う。
〇緊急救援物資輸送体制の整備促進を図る。
〇緊急時の道路通行、燃料供給等について必要な情報提供に努める。
〇緊急救援物資を的確に輸送できるよう、石川県等が主催する防災訓練に
参加する。
(11) 荷主・消費者等対外広報活動の強化
(ア)標準引越運送約款や消費者保護関連法令(消費者約款法、特定商取引法)
等に関する啓発活動の推進
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〇全ト協と連携し、引越に関する啓発用パンフレット及びポスターを配布
する。
(イ)引越管理者講習の充実、引越事業者優良認定制度創設への準備等消費者
サービスの品質向上の推進
〇引越基本講習(旧引越講習)と引越管理者講習を全ト協と連携し、開催
する。
(ウ)引越、宅配便等に関する輸送相談の充実強化及び苦情処理への適正・迅
速な対応
(エ)機関誌「トラックのひろば」及びホームページ等による会員向け情報提
供と拡充施策の推進
〇業界及び関係行政機関の活動や事業経営に役立つ情報を提供するため、
機関誌「トラックのひろば」を発行し、会員をはじめ、関係行政機関等
に配布する。
〇情報発信の基盤的役割を担うホームページを運営し、常に鮮度の高い情
報発信に努める。
(オ)10月9日「トラックの日」を活用した全国統一キャンペーンによる業
界PR対策の推進
〇10月9日「トラックの日」を中心に一般紙、ラジオ特別放送等各種メ
ディアを活用し広報活動を展開する。
(カ)トラック運送業への一層の理解促進に向けた各種広報媒体を活用した積
極的なPR対策の推進
〇重要な課題・取組み等について、機関誌、ホームページをはじめとして、
各種メディアを活用し、積極的に業界の意見公表と周知対策を行う。
〇荷主等に対し適正運賃収受をはじめとした適正取引推進及び安全性評価
事業(Gマーク制度)の普及促進に向けて、広告記載等によるPR活動
を展開し、理解と協力を求める。
〇新聞、テレビ等の報道機関による取材に積極的に対応し、業界の現状理
解と広報活動に対する協力を求める。
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