施設園芸 [PDFファイル/1.23MB]

野-1
イチゴ・トマト・ナス等の施設ハウスの気密性向上
【技術内容】
ハウスの構造部材同士や被覆資材の隙間及び被覆資材の破れ等からハウス内へ外気
(寒気)が入り、保温効率が低下します。ハウスの気密性を高めることによって、燃
油の消費を削減します。
① ハウスバンドの締め直しや被覆資材留具の緩みを点検します。
② ハウス出入り口やカーテンの隙間、サイドの換気部と谷の換気部の隙間を無くし
ます。
③ 内張りカーテンの裾を押さえて地面との隙間を無くし、また被覆フィルムの破損
ヶ所の補修を行います。
【期待される効果】
① 気密性の向上により約3~5%の燃油削減効果があります。
【留意事項】
①
被覆フィルム展張時や保温の開始時、台風の通過後などには、隙間・破れの点検
を行います。(写真:農水省資料)
気密性の向上(隙間のでき易い部分)
ハウスサイドの
巻上げ部分
谷換気の巻
上げ部分
谷樋部分
裾地際部分
出入り口部分
裾地際部分
ハウスの隙間のでき易い部分
妻面の隙間
サイド部の破れ
サイド部の隙間
気密性の向上
出 入 り 口 の 内 張 りの 合
わ せ 部 の 隙 間 を な くす
カーテン合せ部の隙間
カーテンサイド部の破れ
- 13 -
野-2
施設栽培における多層化
【技術内容】
①
内張りカーテンを展張することで保温力を向上させることができます。
②
サイド部のカーテンだけでも高い保温効果が期待できます。
【期待される効果】
①
1層被覆を2層被覆にすることにより約20~30%の燃油削減が可能です。
また、その保温効果は1層追加するごとに、約2℃向上します。
②
サイドカーテンを追加するだけで、約8~10%の燃油の削減が期待できます。
③
サイドカーテンに空気層を保持する空気層緩衝シート(通称プチプチシート等)
を利用すると保温効果が期待できます。
【留意事項】
①
多層被覆することで多湿、寡日照になることが予想されます。
日中の換気、採光、病害虫対策に注意が必要です。
ハウスA(内張なし)
ハウスB(内張あり)
内張りカーテンの追加
サイドカーテンの追加
外張りのみに比べ
約20~30%削減
更にサイド追加で
約8%削減
内張カーテン
サイドカーテン
ポリフィルム等
ポリフィルム等
(千円/10a )
燃油の節減効果と費用
ハウスのタイプ
対
策
ハウスA(内張なし) 内 張 カ ー テ ン
ハウスB(内張あり)
節減効果
費
用
20~30%
480~600
サイドカーテン
8~10%
20~30
内張2層カーテン(注)
20~30%
480~600
(注)内張りハウスBに、更に内張りを展張する場合(3層被覆)です。
費用は、地域及び施設条件、材質によって異なりますので目安として参考にして下さい。
サイドカーテンはフィルムのみの費用です。
- 14 -
野-3
多層被覆化による多湿、寡日照下での病害対策
【技術内容】
①
ハウス周囲の排水溝の施工やハウス内での弾丸暗渠等の排水対策を行います。
②
循環扇によりハウス内の空気の温度ムラ、湿度ムラをなくします。
③
暖房機の送風運転で、空気を循環させます。
④
ハウス内をマルチフィルムで全面被覆したり、うね間(通路)やうね上に敷きわ
ら等を施します。
⑤
整枝、誘引、摘葉等をこまめに行い、採光を良くします。
⑥
内張(天井)に微細孔フィルムを使用します。(結露防止)
⑦
厳寒期(低温、寡日照期)は少量・多回数かん水に心がけます。(根傷み防止)
⑧
液肥や葉面散布を利用した施肥管理を行います。(草勢維持)
⑨
トマトの葉かび病抵抗性品種など、耐病性品種を導入します。
【期待される効果】
①
灰色かび病等による病害の抑制や草勢の維持ができ、生産が安定します。
【留意事項】
①
最低夜温の確保等、温度管理に注意しながら換気を行います。
②
多湿、寡日照の条件では病害が発生しやすく、収量・品質の低下につながります。
病害の早期発見と適期(予防)農薬散布を心がけます。
③
病害葉及び病害果等は早期に除去し、ハウス外に持ち出して適正に処分します。
- 15 -
多段サーモ利用による変温管理
野-4
【技術内容】
①
一日を午前、午後、前夜半、後夜半の4段階に分けて管理します。また、早朝加
温は、省エネを優先する場合は行いません。
②
午前は日の出から正午、午後は正午から日の入り、前夜半は、日の入りより4~
6時間、後夜半はそれ以後~日の出までを変温管理します。
変温管理の温度目安(℃)
品 目 促 成 トマ ト
促 成 イチ ゴ
促 成 ナ ス
秋 冬 メロン
① 育 苗 期
② 交 配 期
③ ネ ット発 生 期
④ 仕 上 げ 期
⑤ 収 穫 前
促 成 キ ュウ リ
午 前
午 後
前 夜 半
後 夜 半
25~ 28
25~ 28
28~ 30
23~ 25
22~ 25
25~ 28
1 3 ~ 15
8~ 12
13~ 15
10~ 12
6~ 8
11~ 12
3
3
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1
1
18
20
22
18
16
11~ 12
0
0
2
8
8
8
~
~
~
~
~
~
3
3
3
3
3
3
2
2
3
0
0
0
6
6
6
6
5
3
~
~
~
~
~
~
2
2
2
2
2
2
8
8
8
7
6
6
0
2
4
0
8
3
~
~
~
~
~
~
2
2
2
2
2
1
2
3
5
2
0
5
【期待される効果】
①
変温管理することで、燃油消費を約10~14%削減することができます。
【留意事項】
①
温度は、設定温度ではなくハウス内実際温度(最高・最低温度計等で確認)を確
保します。省エネ対策を優先する場合は前夜半、後夜半とも低い温度域で管理しま
すが、草勢に応じて温度を調整してください。
②
曇雨天日には、前夜半の管理温度を約1~2℃下げます。
③
生育ステージや草勢の状態に合わせて設定温度を調整します。特に秋冬メロンは
生育後期の果実肥大、ネット形成に適温管理は重要です。
④
イチゴ高設栽培では、後夜半の温度は最低8℃を維持します。
⑤
天敵資材やマルハナバチ等を利用する場合は、これらの活動温度にも考慮して管
理温度を決定します。
- 16 -
野-5
暖房機の清掃、点検、交換による燃焼効率の向上
【技術内容】
暖房機の燃焼効率は、使用前より使用後(栽培終了時)に約8~10%低下してい
ます。これをできるだけ元の状態に回復させることが結果的に省エネにつながります。
①
燃料噴霧ノズルの交換
燃料噴射ノズルは使用するうちに摩耗します。摩耗したノズルでは燃油量が増え、
燃焼効率が低下したり、缶体を傷めたりするのでシーズン毎のノズル交換を行います。
②
缶体の掃除
燃焼した灰等のカスが多く溜まると、暖房機の熱効率が低下したり、不完全燃焼
を起こしたりと、トラブルの原因になるので、缶体の掃除は毎シーズン、暖房終了
後、直ちに行います。
ノズル交換で約2%燃焼効率回復
缶体掃除で約3%燃焼効率回復
暖房機メーカーより聞き取り
【期待される効果】
①
暖房機メーカーによると、燃料噴霧ノズルの交換を行うことで、燃焼効率は2%
程度回復するとしています。同様に、缶体の掃除を行うことで、燃焼効率は3%程
度回復するとしています。
②
缶体の掃除は、暖房シーズン終了直後に行うことで燃焼カスが固まらず、腐食防
止につながります。なおシーズン途中でも掃除が必要な場合は、掃除を行います。
【留意事項】
①
温度センサーは、生育ステージに合わせて生育初期は、生長点付近、着果期以降
は果実付近に設置します。
- 17 -
野-6
栽培管理上で、工夫できる省エネ対策
【技術内容】
①
ハウス北側の妻面やサイド部は、断熱性の高い資材やアルミ蒸着フィルム等防寒
資材で被覆します。
②
防寒・防風対策として西側や北側を中心にハウス周囲に防風網を設置します。
③
整枝、誘引、摘葉等適期管理を行い、採光を図ることにより品質向上に努め、併
せて地温の上昇による夜間の保温力を確保します。
ア.1畝2条植えの場合、条間が広くても混み合って光は中に入りにくいため、条間
をやや狭く通路を広くした方が植物体に光が当り、地温は上昇します。
イ.葉が混み合うと内部まで光線が届かず、果実肥大や着色不良等の原因になります
ので計画的に摘葉を行います。
ウ.厳寒期の寡日照時には、極端な斜め誘引は避け、できるだけ光線が当たるように
します。
エ.夕方は温度があまり下降しないうちに、早めにハウスを閉めて保温します。
→
ナス
摘葉前
ナス
摘葉後
【期待される効果】
①
断熱性の高い資材やハウス周囲に防風網の設置と併せて、栽培管理の工夫を行う
ことで、保温効果が期待でき、省エネ対策につながります。
【留意事項】
①
早めのハウス閉め込みで、多湿傾向になり易く、病害の発生が懸念されます。
換気の徹底や予防のための農薬散布等を行います。
- 18 -
野-7
循環扇の利用と効果
【技術内容】
①
ハウス内に10a当たり循環扇を6台程度設置します。内張りカーテンを展張して
あるハウスでは、その下に設置します。(設置状況の写真参照)
②
循環扇を利用してハウス内に微風を起こして空気を循環させ、温度ムラや湿度ム
ラをできるだけ少なくし、過剰暖房を防ぐことができます。
【期待される効果】
①
温度ムラを抑制することで、11~12%の削減効果が見込めるとの報告(他県事例)
があります。ただし、ハウスの設置状況や使い方によっては、削減効果が低くなる
ことがあります。
②
ハウス内空気を循環させることで温度だけでなく、湿度ムラも少なくして植物体
表面の結露を約70%程度軽減できます。そのため灰色かび病を抑制することができ
ます。
【留意事項】
①
投資コストは、10a当たり循環扇約6台と制御盤を設置して、約22万円(工事費
別)かかります。
②
循環扇の種類、能力により風力は異なるので、設置間隔(約20m~30m程度を目
安、風力を考慮)や連棟ハウスでは、各棟毎に風向きを考慮して設置します。
③
循環扇を効果的に利用するため、ハウスの気密性向上に努めてください。
設置状況
循環扇の設置と風の流れ(約15aの場合)
- 19 -
野-8
排熱回収機の利用と効果
【技術内容】
①
重油暖房機のボイラーと煙突の間に排熱回収機を取り付けて、煙突から逃げてい
た排熱を回収してハウス内に温風として利用するシステムです。
②
燃油の経費削減額は、年間使用量により下表のようになります。
【期待される効果】
①
排熱を回収することで約10~14%程度の燃油削減効果が見込まれます。
【留意事項】
①
排熱回収機の導入コストが1台45万円程度かかります。
②
硫黄成分の少ないローサルファーA重油を利用しなければならないため、その確
保が必要になります。
排熱回収機(模式図は現代農業より引用)
排熱回収機
重 油 削 減 率 10% の 場 合
価 格 45万 円 の 時 の 投 資 回 収 ライン
重 油 消 費 量 単 価 128円 の 場 合
キ ロリットル
削減額
2年 目
3年 目
4年 目
5年 目
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
1 2 ,8 0 0
2 5 ,6 0 0
3 8 ,4 0 0
5 1 ,2 0 0
6 4 ,0 0 0
7 6 ,8 0 0
8 9 ,6 0 0
1 0 2 ,4 0 0
1 1 5 ,2 0 0
1 2 8 ,0 0 0
1 4 0 ,8 0 0
1 5 3 ,6 0 0
1 6 6 ,4 0 0
1 7 9 ,2 0 0
1 9 2 ,0 0 0
2 0 4 ,8 0 0
2 1 7 ,6 0 0
2 3 0 ,4 0 0
2 4 3 ,2 0 0
2 5 6 ,0 0 0
2 6 8 ,8 0 0
2 8 1 ,6 0 0
2 9 4 ,4 0 0
3 0 7 ,2 0 0
3 2 0 ,0 0 0
2 5 ,6 0 0
5 1 ,2 0 0
7 6 ,8 0 0
1 0 2 ,4 0 0
1 2 8 ,0 0 0
1 5 3 ,6 0 0
1 7 9 ,2 0 0
2 0 4 ,8 0 0
2 3 0 ,4 0 0
2 5 6 ,0 0 0
2 8 1 ,6 0 0
3 0 7 ,2 0 0
3 3 2 ,8 0 0
3 5 8 ,4 0 0
3 8 4 ,0 0 0
4 0 9 ,6 0 0
4 3 5 ,2 0 0
4 6 0 ,8 0 0
4 8 6 ,4 0 0
5 1 2 ,0 0 0
5 3 7 ,6 0 0
5 6 3 ,2 0 0
5 8 8 ,8 0 0
6 1 4 ,4 0 0
6 4 0 ,0 0 0
3 8 ,4 0 0
7 6 ,8 0 0
1 1 5 ,2 0 0
1 5 3 ,6 0 0
1 9 2 ,0 0 0
2 3 0 ,4 0 0
2 6 8 ,8 0 0
3 0 7 ,2 0 0
3 4 5 ,6 0 0
3 8 4 ,0 0 0
4 2 2 ,4 0 0
4 6 0 ,8 0 0
4 9 9 ,2 0 0
5 3 7 ,6 0 0
5 7 6 ,0 0 0
6 1 4 ,4 0 0
6 5 2 ,8 0 0
6 9 1 ,2 0 0
7 2 9 ,6 0 0
7 6 8 ,0 0 0
8 0 6 ,4 0 0
8 4 4 ,8 0 0
8 8 3 ,2 0 0
9 2 1 ,6 0 0
9 6 0 ,0 0 0
5 1 ,2 0 0
1 0 2 ,4 0 0
1 5 3 ,6 0 0
2 0 4 ,8 0 0
2 5 6 ,0 0 0
3 0 7 ,2 0 0
3 5 8 ,4 0 0
4 0 9 ,6 0 0
4 6 0 ,8 0 0
5 1 2 ,0 0 0
5 6 3 ,2 0 0
6 1 4 ,4 0 0
6 6 5 ,6 0 0
7 1 6 ,8 0 0
7 6 8 ,0 0 0
8 1 9 ,2 0 0
8 7 0 ,4 0 0
9 2 1 ,6 0 0
9 7 2 ,8 0 0
1 ,0 2 4 ,0 0 0
1 ,0 7 5 ,2 0 0
1 ,1 2 6 ,4 0 0
1 ,1 7 7 ,6 0 0
1 ,2 2 8 ,8 0 0
1 ,2 8 0 ,0 0 0
6 4 ,0 0 0
1 2 8 ,0 0 0
1 9 2 ,0 0 0
2 5 6 ,0 0 0
3 2 0 ,0 0 0
3 8 4 ,0 0 0
4 4 8 ,0 0 0
5 1 2 ,0 0 0
5 7 6 ,0 0 0
6 4 0 ,0 0 0
7 0 4 ,0 0 0
7 6 8 ,0 0 0
8 3 2 ,0 0 0
8 9 6 ,0 0 0
9 6 0 ,0 0 0
1 ,0 2 4 ,0 0 0
1 ,0 8 8 ,0 0 0
1 ,1 5 2 ,0 0 0
1 ,2 1 6 ,0 0 0
1 ,2 8 0 ,0 0 0
1 ,3 4 4 ,0 0 0
1 ,4 0 8 ,0 0 0
1 ,4 7 2 ,0 0 0
1 ,5 3 6 ,0 0 0
1 ,6 0 0 ,0 0 0
6年 目
7 6 ,8 0 0
1 5 3 ,6 0 0
2 3 0 ,4 0 0
3 0 7 ,2 0 0
3 8 4 ,0 0 0
4 6 0 ,8 0 0
5 3 7 ,6 0 0
6 1 4 ,4 0 0
6 9 1 ,2 0 0
7 6 8 ,0 0 0
8 4 4 ,8 0 0
9 2 1 ,6 0 0
9 9 8 ,4 0 0
1 ,0 7 5 ,2 0 0
1 ,1 5 2 ,0 0 0
1 ,2 2 8 ,8 0 0
1 ,3 0 5 ,6 0 0
1 ,3 8 2 ,4 0 0
1 ,4 5 9 ,2 0 0
1 ,5 3 6 ,0 0 0
1 ,6 1 2 ,8 0 0
1 ,6 8 9 ,6 0 0
1 ,7 6 6 ,4 0 0
1 ,8 4 3 ,2 0 0
1 ,9 2 0 ,0 0 0
7年 目
8 9 ,6 0 0
1 7 9 ,2 0 0
2 6 8 ,8 0 0
3 5 8 ,4 0 0
4 4 8 ,0 0 0
5 3 7 ,6 0 0
6 2 7 ,2 0 0
7 1 6 ,8 0 0
8 0 6 ,4 0 0
8 9 6 ,0 0 0
9 8 5 ,6 0 0
1 ,0 7 5 ,2 0 0
1 ,1 6 4 ,8 0 0
1 ,2 5 4 ,4 0 0
1 ,3 4 4 ,0 0 0
1 ,4 3 3 ,6 0 0
1 ,5 2 3 ,2 0 0
1 ,6 1 2 ,8 0 0
1 ,7 0 2 ,4 0 0
1 ,7 9 2 ,0 0 0
1 ,8 8 1 ,6 0 0
1 ,9 7 1 ,2 0 0
2 ,0 6 0 ,8 0 0
2 ,1 5 0 ,4 0 0
2 ,2 4 0 ,0 0 0
※年間重油消費量10a当たり18kLならば2年目、12kLなら3年目で投資額の回収が見込まれます。
A重油とローサルファーA重油の単価を同程度として算定しています。
- 20 -
促成イチゴ栽培の省エネ対策
野-9
【技術内容】
①
ハウスの気密を向上させ、暖房機の清掃、ノズル交換を行います。
②
天井フィルムのみのハウスでは、内張りカーテンを一層追加します。
サイドカーテン(空気層緩衝シート等)を設置するだけでも削減効果が期待できま
す。
③
多段サーモでの変温管理を行い、循環扇を設置して省エネと併せてハウス内の温
度、湿度の均一化を図ります
※気密性の向上・暖房機の清掃点検と併せて次の対策を実施
変温管理
内張りカーテンの設置
+
循環扇
+
変温管理の温度目安(℃)
ハ ウ ス 内 の 実 温 度
品 目 午 前
午 後
前 夜 半
後 夜 半
促 成 イ チ ゴ
25~ 28
22~ 25
8~ 12
6~ 8
※ 前 夜 半 は 日 の 入 りよ り4~ 6時 間 、後 夜 半 は そ れ 以 後 日 の 出 ま で
省 エ ネ 管 理 で は 、前 夜 半 、後 夜 半 とも 低 い 温 度 域 で 管 理 す る
生 育 時 期 及 び 生 育 ス テ ー ジ 毎 に 、草 勢 に 応 じて 管 理 温 度 を 調 整 す る
高 設 栽 培 で は 、後 夜 半 温 度 は 8℃ を 確 保 す る 。
【期待される効果】
①
燃油削減効果は、これらの組み合わせで天井フィルムのみの時と比べて約39~52
%の削減効果が期待できます。サイドカーテンだけでも約8~10%削減が期待でき
ます。
イ チ ゴ 一 作 の 省 エ ネ 対 策 試 算 (重 油 使 用 量 2500L/10a、 重 油 1 2 8 円 / Lで 想 定 )
重 油 削 減 率 (% )
経 費 (千 円 )
重油削減量
最小
最大
10a当 た り
10a当 た り
39% 削 減 の 場 合
気密性向上
3
5
5
975L
暖 房 機 清 掃 、交 換 等
2
5
15
一層カーテン
20
30
480
重油削減経費
多 段 サーモで 変 温 管 理
10
14
55
10a当 た り
39% 削 減 の 場 合
循環扇
11
12
220
124千 円
合 計
39
52
775
※重油削減率の合計は、各対策の削減率を掛け合わせた推定値です。
【留意事項】
① 投資コストは、合計で78万円程度かかる見込みです。さらに循環扇の電気代、工
事代が必要になります。
② 多層被覆することで多湿、寡日照傾向になることが予想され、灰色かび病等病害
対策に注意が必要です。
③ 燃油削減率は、地域の気象条件や施設・圃場条件等により異なり、価格も施設・
圃場条件により異なりますので、目安として参考にして下さい。
- 21 -
促成トマト栽培の省エネ対策
野-10
【技術内容】
①
ハウスの気密を向上させ、暖房機の清掃、ノズル交換を行います。
②
内張り一層カーテンのあるハウスでは、内張りカーテンを追加して二層にします。
サイドカーテン(空気層緩衝シート等)を設置するだけでも削減効果が期待できま
す。
③
多段サーモでの変温管理を行い、循環扇を設置して省エネと併せてハウス内の温
度、湿度の均一化を図ります。
※気密性の向上・暖房機の清掃点検と併せて次の対策を実施
変温管理
内張り2層カーテンの設置
循環扇
+
+
カーテン同士の空間
を1cm以上開ける
変温管理の温度目安(℃)
ハ ウ ス 内 の 実 温 度
品 目 午 前
午 後
前夜半
後夜半
促 成 トマ ト
25~ 28
23~ 25
1 3 ~ 15
10~ 12
※ 前 夜 半 は 日 の 入 りよ り4~ 6時 間 、後 夜 半 は そ れ 以 後 日 の 出 ま で
省 エネ 管 理 で は 、前 夜 半 、後 夜 半 とも低 い 温 度 域 で 管 理 す る
生 育 時 期 及 び 生 育 ス テ ー ジ 毎 に 、草 勢 に 応 じて 管 理 温 度 を 調 整 す る
【期待される効果】
①
燃油削減効果は、これらの組み合わせで内張り一層カーテンのみの時と比べて約
39~52%の削減効果が期待できます。サイドカーテンだけでも約8~10%削減が期
待できます。
ト マ ト 一 作 の 省 エ ネ 対 策 試 算 (重 油 使 用 量 5 , 2 00L /10a 、 重 油 1 2 8 円 / L で 想 定 )
重 油 削 減 率 (% )
経 費 (千 円 )
重油削減量
最小
最大
10a当 た り
10a当 た り
39% 削 減 の 場 合
気密性向上
3
5
5
2028L
暖 房 機 清 掃 、交 換 等
2
5
15
一 層 カ ー テ ン (連 棟 ハ ウ ス )
20
30
480
重油削減経費
多 段 サーモで 変 温 管 理
10
14
55
10a当 た り
39% 削 減 の 場 合
循環扇
11
12
220
259千 円
合 計
39
52
775
※重油削減率の合計は、各対策の削減率を掛け合わせた推定値です。
【留意事項】
①
投資コストは、合計で78万円程度かかる見込みです。さらに循環扇の電気代、工
事代が必要になります。
②
多層被覆することで多湿、寡日照傾向になることが予想され、灰色かび病、葉か
び病等病害対策に注意が必要です。
③
燃油削減率は、地域の気象条件や施設・圃場条件等により異なり、価格も施設・
圃場条件により異なりますので、目安として参考にして下さい。
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野-11
促成ナス栽培の省エネ対策
【技術内容】
①
ハウスの気密を向上させ、暖房機の清掃、ノズル交換を行います。
②
内張り一層カーテンのあるハウスでは、内張りカーテンを追加して二層にします。
サイドカーテン(空気層緩衝シート等)を設置するだけでも削減効果が期待できま
す。
③
多段サーモでの変温管理を行い、循環扇を設置して省エネと併せてハウス内の温
度、湿度の均一化を図ります。
※気密性の向上・暖房機の清掃点検と併せて次の対策を実施
変温管理
内張り2層カーテンの設置
循環扇
+
+
カーテン同士の空間
を1cm以上開ける
変温管理の温度目安(℃)
ハ ウ ス 内 の 実 温 度
品 目 午 前
午 後
前夜半
後夜半
促成ナス
28~ 30
25~ 28
13~ 15
11~ 12
※ 前 夜 半 は 日 の 入 りよ り4~ 6時 間 、後 夜 半 は そ れ 以 後 日 の 出 ま で
省 エ ネ 管 理 で は 、前 夜 半 、後 夜 半 とも低 い 温 度 域 で 管 理 す る
生 育 時 期 及 び 生 育 ス テ ー ジ 毎 に 、草 勢 に 応 じて 管 理 温 度 を調 整 す る
【期待される効果】
①
燃油削減効果は、これらの組み合わせで内張り一層カーテンのみの時と比べて約
39~52%の削減効果が期待できます。サイドカーテンだけでも約8~10%削減が期
待できます。
ナス一作の省エネ対策試算(重油使用量8,000L/10a、重油128円/Lで想定)
重油削減率(%)
経費(千円)
重油削減量
最小
最大
10a当たり
10a当たり
気密性向上
3
5
5 39%削減の場合
3120L
暖房機清掃、交換等
2
5
15
一層カーテン(連棟ハウス)
20
30
480 重油削減経費
多段サーモで変温管理
10
14
55
10a当たり
循環扇
11
12
220 39%削減の場合
399千円
合 計
39
52
775
※重油削減率の合計は、各対策の削減率を掛け合わせた推定値です。
【留意事項】
①
投資コストは、合計で78万円程度かかる見込みです。さらに循環扇の電気代、工事
代が必要になります。
②
多層被覆することで多湿、寡日照傾向になることが予想され、灰色かび病、すすか
び病等病害対策に注意が必要です。
③
燃油削減率は、地域の気象条件や施設・圃場条件等により異なり、価格も施設・圃
場条件により異なりますので、目安として参考にして下さい。
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