597 334 自動赤血球沈降速度測定装置 Roller 20 PN の基礎的検討 自動赤血球沈降速度測定装置Roller 20PNの基礎的検討 ○楠瀬 慶二,小松 豊,西田 愛恵,公家 逸,小倉 克巳 ○楠瀬 慶二,小松 豊(高知大学医学部附属病院 検査部) ,西田 愛恵,公家 逸,小倉 克巳(高知大学医学部附属病院 検査部) 【はじめに】 【結果】 赤血球沈降速度(赤沈)は、貧血、炎症性疾患、血漿蛋白 1)相関性:従来法(y)との相関は、回帰式y=1.082x- 異常などの病態を反映するスクリーニング検査として古く 1.802、相関係数r=0.880と概ね良好な相関性を認めた。 から用いられてきた。今回われわれは、EDTA加血を用い 2)保存安定性:4℃では24時間まで安定であったが、室温 て、約35秒で赤沈1時間値の測定が可能な全自動赤血球沈 では8時間後より顕著な測定値の遅延を認めた。 降速度測定装置Roller20 PN(フィンガルリンク㈱)を検討 3)EDTA濃度の影響:EDTA濃度の上昇に伴い測定値の遅延傾 し、その有用性を評価したので報告する。 向を認め、4倍量では約22∼50%低値となった。 【対象及び方法】 4)キャリーオーバの検討:洗浄後および健常人血でのプラ 1)相関性の検討:当院患者検体122件を用いて、従来法と イム実施後は、3∼4回目の測定値と比較して1∼2回目の測 の相関性を検討した。対照装置にはWESTERGREN変法を測定 定値が約23%低値となる傾向を認めた。 原理としたMonitor20(㈱常光)を用いた。 【まとめ】 2)検体の安定性:室温及び4℃の保存条件で2∼48時間保存 検討の結果、相関性や検体の安定性については良好な結果 した検体を用いて、測定値の変動を検討した。 を認めた。しかし、EDTA濃度による影響や、外部ニードル 3)EDTA濃度の影響:EDTA濃度が理論値で2∼12倍量となる 使用時のキャリーオーバが認められたため、運用には注意 よう調整した試料を用いて、測定値の変動を検討した。 が必要である。Roller20 PNは、EDTA加血を測定試料とする 4)キャリーオーバの検討:外部ニードルを使用して、洗浄 ため、血算検体での測定が可能であり、さらに約35秒と短 後および健常人血でのプライム実施後に、9種類の試料を5 時間での測定が可能なことから、赤沈検査の迅速性、効率 回連続測定し、キャリーオーバの影響を検討した。 性が期待できる装置であると考えられた。(088-880-2693)
© Copyright 2024 ExpyDoc