身体拘束廃止に向けた取組について 資料7

資料7
身体拘束廃止に向けた取組について
1 介護保険指定基準における規定
○ 介護保険指定基準の身体拘束禁止規定
「サービスの提供にあたっては、当該入所者(利用者)又は他の入所者(利
用者)等の生命又は身体を保護するための緊急やむを得ない場合」には身体
拘束が認められているが、これは、「切迫性」「非代替性」「一時性」の3
つの要件を満たし、かつ、それらの要件の確認等の手続きが極めて慎重に実
施されているケースに限られる。
・切 迫 性 … 利用者本人又は他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可
能性が著しく高いこと。
・非代替性 … 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこ
と。
・一 時 性 … 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。
*3つの要件をすべて満たす状態であることを「身体拘束廃止委員会」等のチー
ムで検討、確認し記録しておく。
○ 記録の義務づけ(2年間保存)
介護保険指定基準に関する通知では、「緊急やむを得ず身体拘束等を行う
場合には、その態様及び時間、その入所者(利用者)の心身の状況、並びに
緊急やむを得ない理由を記録しなければならない」とされている。
日々の心身の状態等の観察、拘束の必要性や方法に関わる再検討を行うご
とに逐次その記録を加えるとともに、それについて情報を開示し、ケアスタ
ッフ間、施設・事業所全体、家族等関係者の間で直近の情報を共有する。
2 介護保険指定基準において禁止の対象となる具体的な行為
(身体拘束ゼロへの手引きより)
介護保険指定基準において禁止の対象となっている行為は、「身体的拘束
その他入所者(利用者)の行動を制限する行為」である。具体的には次のよう
な行為が挙げられる。
① 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
② 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
③ 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
④ 点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
⑤ 点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしら
ないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
⑥ 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y 字型抑
制帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。
⑦ 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。
⑧ 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
⑨ 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛
る。
⑩ 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
⑪ 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。
平成25
平成25年度「身体拘束ゼロ」に向けた取組等に関する実態調査結果
特定施設入居者生活介護事業所あてに身体拘束ゼロに向けた取組等に関する実態調
査を行った。(基準日:平成25年7月1日時点)
調査結果として、拘束率(入所者に対する身体拘束された実人数の割合)は1.8%
と、介護老人福祉施設とほぼ同じ割合であった。
拘束内容としてはベッド柵が突出して多く、また拘束された方の全員が認知症であっ
た。
身体拘束ゼロに向けての具体的取組は、介護保険3施設(介護老人福祉施設、介護老
人保健施設、介護療養型医療施設)と比べ、やや遅れている。
1 調査対象施設
46施設
2 回答のあった施設
45施設【回答率98%】
3 身体拘束され
身体拘束された実人数
された実人数、拘束率
た実人数、拘束率
単位:人及び%
特定施設入居者
生活介護
入所者数
身体拘束された実人数
拘束率(※)
2,211
41
1.8
※拘束率=拘束された実人数/入所者数
(参考)介護保険3施設推移
単位:人及び%
H25調査
人数
拘束率
介護老
人福祉
施設
介護老
人保健
施設
介護療
養型医
療施設
H24調査
人数
拘束率
H23調査
人数
拘束率
H22調査
人数
拘束率
93
1.5
131
2.1
131
2.2
161
2.7
106
2.4
93
2.2
89
2.2
107
2.5
314
17.7
361
17.5 358
14.0 311
11.9
4 平成25年度調査基準日時点で実施した事例の拘束の態様別人数
単位:人及び%
拘束の態様
①徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに
体幹や四肢をひも等で縛る
②転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひ
も等で縛る。
③自分で降りられないように、ベッドを柵(サ
イドレール)で囲む。
④点滴・経管栄養等のチューブを抜かないよう
に、四肢をひもで縛る。
⑤点滴・経管栄養等のチューブを抜かないよう
に、または皮膚をかきむしらないように、手指
の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
⑥車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がっ
たりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、
車いすテーブルをつける。
⑦立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨
げるようないすを使用する。
⑧脱衣やおむつ外しを制限するために、介護衣
(つなぎ服)を着せる。
⑨他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなど
に体幹や四肢をひも等で縛る。
⑩行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰
に服用させる。
⑪自分の意思であけることのできない居室等
に隔離する。
合計
※
人数
割合(対全拘束者数)
0
0
0
0
35
85.4
0
0
4
9.8
2
4.9
0
0
4
9.8
0
0
0
0
1
2.4
46
一人が複数の方法で拘束されている場合は、すべて計上
5 認知症の割合
単位:人及び%
特定施設入居者
生活介護
拘束された実人数
(A)
(A)のうち認知症の人数
(B)
割合(B)/
(A)
41
41
100
6 身体拘束ゼロに向けての具体的取組状況
単位:箇所及び%
取組内容
実施施設数
全施設に対する割合
身体拘束廃止委員会設置
28
62.2
身体拘束防止マニュアル作成
38
84.4
施設内研修実施
34
75.6
(参考)介護保険3施設の推移
(参考)介護保険3施設の推移
単位:箇所及び%
H25調査
取組内
容
身体拘
束廃止
委員会
設置
身体拘
束防止
マニュ
アル作
成
施設内
研修実
施
H24調査
H23調査
実施施設
数
全施設に
対する割合
実施施設
数
全施設に
対する割合
実施施設
数
全施設に
対する割合
178
95.2
178
94.7
181
94.3
182
97.3
183
97.3
186
96.9
174
93.0
166
88.3
141
73.4