株式会社セガ・エンタープライゼス/Unicenter TNG導入事例

株式会社 セガ・エンタープライゼス
®
Realizing Enterprise Business Value With Unicenter TNG
セガ・エンタープライゼスでは、東京ジョイポリスなど、
全国で展開しているアミューズメント施設の戦略的な運
営を行うため、本社と各店舗間にクライアント/サーバ
システムを展開した。同社では売上やゲーム機に対する
最新ニーズをリアルタイムに捕捉するため、システムの
24時間稼動が求められている。これにともなって派生す
る運用管理コストの削減という課題を解決するために選
ばれたのが、Unicenterだった。そして現在、同社シス
株式会社セガ・エンタープライゼス
管理本部情報システム部
部長
テムの拡張とともにUnicenter TNGの活躍の場がさらに
間仁田 昇 氏
広がりをみせている。
移り気な若者のニーズ変化に即応するため
ゲームセンター運営の専用システムを構築
ゲームセンターなどのアミューズメント(AM)施設を運営
していくためには、若者の意識や流行の変化を敏感にキャッチ
し、設置するゲーム機を選択していくなど、柔軟な営業姿勢が
要求される。
大手ゲーム機メーカーのセガ・エンタープライゼスでも、
1995年より「東京ジョイポリス」などの自社直営ゲームセ
ンターの運営をサポートする専用の業務系システムを構築し、
ニーズの変化に素早く反応する体制を整備してきた。同社管
理本部情報システム部の間仁田昇部長は、「ニーズへの柔軟な
対応を実現するために、AM店舗運営専用の統合情報システム
株式会社セガ・エンタープライゼス
管理本部情報システム部システムサービスチーム
室井 史行 氏
の構築が急務だった」と述べている。
この全国約800ヶ所にのぼるAM施設・店舗統合管理システ
ムの特徴の1つは、当初からクライアント/サーバシステムを
全面採用したことだ。開発の第1フェーズでは、日常の店舗運
営に関する業務支援のための業務系システム部分が構築され、
第2フェーズ(98年4月から)では、各店舗の売上データの分
析など、情報系・イントラネット系などのシステム部分を構築
した(図1)。
図1
:AM施設・店舗統合管理システム構築の流れ
第38期
(’
95/4∼’
96/3)
第39期
(’
96/4∼’
97/3)
第40期
(’
97/4∼’
98/3)
第41期
(’
98/4∼’
99/3)
第42期
第43期
現在
店舗管理システムの構築
統合管理システムの構築
業務系システムの確立
情報系システムの構築
● 業務アプリケーションの開発&導入
● インフラ構築
店舗へのPC導入
店舗とのネットワーク化
● データウェアハウス(DWH)の構築
●イントラネットの構築
TM
H11.9.7
G No.9928
CAセガ事例集
東京ジョイポリス内観
2つめの特徴は、同システム
AM施設・店舗管理システムは、業務系サーバとしてSun
の運用を効率化する姿勢が徹
UE4000(フェールオーバによるホット/スタンバイ構成)を
底して貫かれた点である。同
採用し、DBMS「Sybase Adaptive Server Enterprise
社では、第1フェーズの開発を
(ASE)」を利用、情報系サーバには同UE450、Webサーバに
スタートした段階で運用管理
は同SS1000Eを使用している。これらのサーバには、本部お
ツールの選択に取り掛かった。
よび各店舗のクライアント(Windows PC)がつながっている。
クライアント/サーバシステ
その他にメールサーバ、ウィルス除去用サーバ、DNSサーバ、
ムに対応していること、
ゲートウェイサーバが整備されていった。また、AS/400に
AS/400上で稼動している基
より構築されている同社基幹システムとも接続され、さまざま
幹システムとの連携がサポー
なデータ連携が行われている(図2参照)。
トできることなど、当時としては先進的な要件を掲げ、これを
業務系サーバは、全国約800ヶ所のAM店舗のうち、売上の
難なく満たしていたUnicenter の導入を即決した。同システ
85%を占める主要店舗約500ヶ所と接続している。このシス
ムの運用管理を担当する同社管理本部情報システム部システム
テムによって、約9万台のゲーム機の売上トランザクションが
サービスチームの室井史行氏は「管理対象がどんどん増えてい
全て集められるほか、クレーンゲームのぬいぐるみ等の景品に
くなかにあっても、システム運用管理者の数は限られているの
関する情報や、アルバイト・スタッフ約7500名の勤怠情報な
で、一貫して人手のかからない運用体制の整備を目指してきた」
どが集約される。
と述べている。
休日営業が当たり前のゲームセンターの運営では、実質的に
24時間稼動を余儀なくされるため、当初から人手による運用
を極力排除し、昼夜を問わずサーバを監視してくれる専用ツー
AM 施設を運営する業務系システムだから
高可用性を追求して無停止運用を実現
ルの導入が至上命令であった。95年当時、間仁田部長らはク
ライアント/サーバ型で使える運用管理ツールの調査を開始。
図2:AM施設・店鋪統合管理システム
DNS
サーバ
DNS
サーバ
<NT Server>
ワーク
ステーション
<NT Server>
ウィルス対策
サーバ
イントラメール
サーバ
イントラWWW
サーバ
イントラ
DBサーバ
イントラ
IQサーバ
Business Objects
サーバ
TNG
TNG
TNG
TNG
TNG
TNG
<NT Server>
<Ultra2>
<SS1000E>
<SS1000E>
<UE450>
<NT Server>
業務DB
サーバ
業務DB
サーバ
TNG
TNG
<UE4000>
<UE4000>
ゲートウェイ
サーバ
TNGコンソール
G- MAX
WWWサーバ
PCサーバ
TNG
<NT Server>
<NT Server>
<NT Server>
<NT Server>
<Solaris>
基幹システム
クライアントPC
地区サーバ
TNG
11
<AS/400>
TNG
Unicenter TNG
Unicenter TNG System Agent
<NT Server>
11
9
7
<NT Workstation>
5141190
CAセガ事例集
すでにマルチプラットフォーム環境でも統合管理を可能にして
いたUnicenterを知り、すぐに導入を決めたという。
こうした情報系アプリケーションの追加により、同システム
の規模は当初より一回りも二回りも大きく成長している。当然
現在、これらの業務系システムの情報の収集や報告に関係す
のことながら利用者も増え、ダウンした時の影響も深刻さを増
る日次のバッチジョブスケジューリングやSybase ASE関連の
した。このような状況に直面するなかでシステムダウンによる
データベースメンテナンスをUnicenter TNGが支えている。
利益機会の喪失を未然に防止するインフラの整備が、企業利益
ジョブスケジューリングに関しては、夜間にAS/400との間
の点からも必須であるという前向きな姿勢から、これらのシス
で行われるデータの転送や抽出およびSybase ASE側へのロー
テムにもUnicenter TNGを導入し状態監視をしている。さら
ディングといった処理がUnicenter TNGで自動的に起動され、
に今後は、「拠点のサーバやクライアントもUnicenter TNG
処理開始から終了までを監視してくれる。そのため、新たな管
の管理下に入れて体制強化を図りたい」と室井氏は語っている。
理体制を組む必要がなく、余分なコストも不要だった。一方の
データベースメンテナンスでは、ASEを利用した処理における
様々なタイミングでのデータベースダンプの取得およびテープ
へのバックアップが自動化されている。
最新データで顧客ニーズを把握するため
情報系システムの機能を追加統合
Unicenter TNGのビッグバン活用が始まる
ベンダであるCAとインテグレータのCSKが共に行なって
きたUnicenterからUnicenter TNGへの移行。ジョブスケ
ジューリングは、稼働状況の把握精度、実行精度の高さなど
を追求し作りこみを行った。タイムリーな情報収集の強化を
目的として追加された情報系サーバをUnicenter TNGの監
情報系システムのサーバ(UE450)上には、データマート機
視対象にする作業は、TNGのエージェントをサーバへインス
能を提供するDBMS「SybaseIQ」を、クライアントにはデー
トールするだけという容易なものだった。そして、今回の
タ検索ツール「Business Objects」を導入。業務系サーバ
Unicenter TNGの導入に関しての最大のメリットは、管理
E4000のASEから抽出したゲーム機別や店舗別の売上データ
コンソール上での一元管理を可能にしたことだ。
を利用し、
「あるゲーム機がエリア別にどのような売上を上げて
システム全体を統括する間仁田部長も、「業務系から情報系
いるのか」、「あるエリアの中でどの店が一番売上げを上げてい
に発展させるなかで、管理体制を新たに作る必要がないところ
るのか」といった現状分析を行い、店舗運営での戦略立案に活
が助かる。一つの管理体系のなかに、業務系、情報系、イント
用している。
ラ系といった複数の処理システムが混在しているため、これら
間仁田部長は、情報系システムの構築によりゲーム機はもち
が1つのツールで一元的に管理されることは、運用の負荷軽減
ろん、ゲームセンター自身の新陳代謝がより活発になるとみて
などで非常に大きなメリットがある。それが可能なUnicenter
いる。「営業所のスタッフは情報系システムを駆使し、自分が担
TNGを選択したことは正解だった」と高い評価を与えている。
当する約15店舗の顧客状況をつぶさに把握して売上向上のため
こうした手離れの良さを背景に、室井氏は「Unicenter導入
の対策を練ることが使命。約800店舗といってもその内情はか
当初は、24時間稼働やAS/400連携などの条件をクリアする
なり流動的であり、常に開店と閉店を行って新陣代謝している。
ことが目的だったが、使っていくなかで逆に、もっといろんな
またゲーム機のみならず、景品によっても客足は変わってくる
使い方が容易に可能になるこ
ので、客離れを察知して新しい物の企画立案をタイムリーに実
とを知った」と述べ、今後も
践できるようにするためにも、情報系システムにはどんどん磨
Unicenter TNGの積極的な
きをかけていく」と述べている。
活用を明言する。従来ネット
また、情報系システム構築の一環でイントラネットを整備し、
ワーク管理やパフォーマン
社内向けWebサイトも立ち上げている。こちらは関係者が、ク
ス・チューニング、アプリケー
ライアントのブラウザを利用してゲーム機の新製品や新規開店
ション配信などで利用してい
情報など、AM施設運営に関係するさまざまな情報を提供する
たオリジナルのツールを
一方で、必要な時に自由にアクセスすることができる。電子会
Unicenter TNGの機能に置
議や掲示板、メール機能なども整備し、気軽に情報交換の場と
き換え、運用の統合化と自動
して活用されている。
化を一層進めていく計画だ。
東京ジョイポリスハーフパイプキャニオン
H11.9.7
G No.9928
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以下は、室井氏が Unicenter TNGで実践していきたいと
考えている運用作業のさわりだ。
①パフォーマンス管理
現在、Unicenter TNGで行っているメモリやCPUの使用状
況、障害個所の特定などのパフォーマンス管理に加えて、
Unicenter TNGの オ プ シ ョ ン で あ る Performance
Neugents という機能モジュールの導入を検討している。
Performance Neugentsでは、メモリやファイル、データ
ベース領域の状況や、ハードウェアの適合性など、Unicenter
TNGが収集したパフォーマンス関連情報を分析し、性能劣化
のパターンを割り出して学習する。そして、運用状況がそのパ
ターンに近づくと、その後の状況変化を予測管理機能によって
推測することにより、前もって危険が迫っていることを知らせ
てくれる。いわゆる“障害の予知”が可能になることから、一
歩進んだトラブル防止策として期待されている。
TM
②ネットワーク管理
ネットワーク管理に関しては、Unicenter TNGが提供する
ネットワーク管理機能を利用して、本部と大半の店舗を結んで
いる公衆回線「INSネット64」を利用したネットワーク部分
と、主要拠点内に張られたLANの管理を行っていく予定だ。
④ユーザインタフェースの改善
拠点サーバやクライアントPCなど、管理下に入るリソース
が増えると、一元管理といえども管理者にはもっと作業のし易
い環境を提供することが必要になると室井氏は見ている。そこ
で管理コンソールには、Unicenter TNGが提供する最先端の
管理者向け3-Dユーザインタフェースである「リアルワールド
インタフェース」を活用することによって、管理者の負荷軽減
を図っていく予定だ。
⑤コンピュータ資産管理
多大な時間を要するコンピュータ資産の管理や、
Unicenter TNGがリソースの問題検知した際の対応をよりス
ムーズにするために、自動的にリソースの情報を記録する
Asset Management Optionを導入し、Unicenter TNG
で統合管理したいと考えている。
TM
すでに一部には、実現一歩手前まできているものもあるよ
うだ。室井氏は「将来の夢は、ヘルプデスク作業をも
Unicenter TNGに任せてしまうことだ」と語っているが、夢
が叶うのもそんなに遠いことではないようだ。
③拠点サーバ管理とクライアント管理
ネットワーク管理機能が整備されれば、拠点も含めたすべて
のサーバやクライアントPCを管理することも可能になる。現
在、クライアントに対するアプリケーション配信には、同社が
独自開発したツールを利用しているが、このツールには機能的
に限界が見えているので、Unicenter TNGのSoftware
Delivery Optionを利用する体制への移行を検討している。
TM
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