第8章 共同溝附帯設備

第8章
共同溝附帯設備
第8章
第1節
共同溝附帯設備
附帯設備
1.照明設備
照明設備は、共同溝本体を照明することを目的とし、次により設計するもの
〔 1〕
出典:共同溝設計
とする。
(1) 電 気 方 式
(2) 平 均 照 度
受 電 、 単 相 3 線 式 100/ 200V ( 50H Z、 60H Z)
指 針( 昭 和 61 年 3
配 電 、 単 相 2 線 式 100/ 200V ( 50H Z、 60H Z)
月)
15
P 145
x
(3) 天 井 及 び 壁 の 反 射 率 は 、 電 力 , 電 話 及 び ガ ス 洞 内 共 に コ ン ク リ ー ト は 、
25% を 標 準 と す る 。
(4) コ ン セ ン ト は 、 100m 間 隔 で 各 洞 道 内 に 設 置 す る こ と を 原 則 と し 、 特 殊 部
近くにも設置してよい。
電 圧 降 下 計 算 に つ い て は 、 1 箇 所 当 り 容 量 を 150V A と す る 。
(解
説)
(1) 平 均 照 度 は 、 15
x の値を標準とする。
器 具 間 隔 計 算 時 に お い て 1 m 以 下 の 端 数 が で た 場 合 は 、原 則 と し て 単 位
止めとし小数以下は四捨五入する。
〔( 2 )〕
(2) 特 殊 部 の 照 度
1 )照 明 分 電 盤 、換 気 フ ァ ン 制 御 盤 、ポ ン プ 制 御 盤 等 の 作 業 面 照 度 は 、3 0 0
x 以上とすることを標準とする。
規
2 )換 気 フ ァ ン 等 の 機 器 上 部 に は 照 明 器 具 を 取 り 付 け 、作 業 面 の 照 度 を 1 5 0
x 以上とすることを標準とする。
3 ) 立 坑 、 階 段 部 等 の 照 度 は 、 30
x 以上とすることを標準とする。
(3) 照 明 の 点 滅 の 操 作 電 圧 は 、 100V 又 は 24V と す る 。
(4)照 明 器 具 の 取 付 方 向 は 、 原 則 と し て 洞 道 内 の 高 さ が 2.1m 未 満 の 場 合 は 、
図8-1-1に示すように管理道路の中心を外して洞道縦断方向に平行
と し 、そ の 他 は 、図 8 - 1 - 2 に 示 す よ う に 直 角 に 取 り 付 け る こ と を 標 準
とする。
w0
w0
W
W
図8-1-1
図8-1-2
洞 道 内 の 高 さ が 2.1m 未 満 の 場 合
洞 道 内 の 高 さ が 2.1m 以 上 の 場 合
( 5 ) 照 度 計 算 に お け る 被 照 明 床 面 積 は 、全 床 面 積 W o と す る 。な お 、洞 道 に は
施設物がないものとして照度計算を行うものとする。
全床面積は、ケーブル支持材の背面までとする。
8-1
出典:近畿地整内
(6) 照 明 率 計 算
1)照明率の計算は、次式により行うものとする。
(道路照明施設設置基準より抜すい)
出典:電気通信施
設設計要領・同解
W
U = U 4+
〔 (6)〕
[{ A 1×U 1+ A 2( U 2+ U 3) + A 4×U 4} - U 4]
説・電気編(平成
W0
20 年 度 版 )
ここに、
P 6-35・ 36
U
:照明率
U1 :天井面に対する直接照明率
U2 :灯具に近い壁面に対する直接照明率
U3 :灯具に遠い壁面に対する直接照明率
U4 :全幅員に対する直接照明率
A1 :照明率を求めるための天井面に対する係数
A2 :照明率を求めるための壁面に対する係数
A4 :照明率を求めるための床面に対する係数
W0 :全床幅員(m)
W
: 通 路 幅 ( m )( 電 話 洞 道 : 1 m , そ の 他 0 . 7 5 m )
被照明床幅員は、全床幅員W0 とする。なお、洞道には施設物がないも
のとして照度計算を行うものとする。
なお、照明器具の照明率曲線を図8-1-3、図8-1-4に示す。
〔 図 8-1-3〕
出典:共同溝設計
指 針( 昭 和 61 年 3
月)
P 170
図8-1-3
KDF-2照明率曲線
8-2
〔 図 8-1-4〕
出典:共同溝設計
指 針( 昭 和 61 年 3
月)
P 171
図8-1-4
KSF-2照明率曲線
〔 図 8-1-5〕
出典:電気通信施
設設計要領・同解
説・電気編(平成
20 年 度 版 )
p.6-36
器具中心軸
図8-1-5
照明率を求めるための角度の求め方
2)U1 ~U4 の算出
〔 図 8-1-5〕
照明率曲線より次のとおり算出する。
設設計要領・同解
U1 =Uβ1 +Uβ6
= U 180°- U ( β 2 + β 3 ) +U 180°- U ( β 4 + β 5 )
説・電気編(平成
U 2 = U β 2= U ( β 2 + β 3 ) - U β 3
20 年 度 版 )
U 3 = U β 5= U ( β 4 + β 5 ) - U β 4
p.6-36
U4 =Uβ3 +Uβ4
一部加筆
ここに、
β1 ~β6 :第8-1-5図に示す各角度である。
U
出典:電気通信施
:照明率
注)照明率の読み取りは、器具中心軸と各点までの角度により読み取るも
のとする。
8-3
3)A1 ~A4 の算出
相互反射による割増定数は、次のとおり算出する。
A1 ~A4 は、表8-1-1の相互反射による割増し定数表により
W o/ H o の 面 か ら 定 数 算 出 す る 。
表8-1-1
W o/ H o
A1
相互反射による割増定数表
(天井面)
A2
(壁
面) A4
(床
面)
〔 表 8-1-1〕
0.5
0.072
0.061
1.016
0.6
0.083
0.070
1.018
0.7
0.094
0.077
1.021
出典:電気通信施
設設計要領・同解
説・電気編(平成
0.8
0.103
0.083
1.022
0.9
0.112
0.089
1.024
1.0
0.119
0.093
1.026
1.1
0.127
0.098
1.028
1.2
0.134
0.102
1.029
1.3
0.140
0.106
1.030
1.4
0.145
0.108
1.031
1.5
0.156
0.112
1.033
注
20 年 度 版 ) P 6-37
上表は下記条件による
反射率
天井
25%
壁
25%
床
25%
4)灯具間隔の計算
F・U・M
S=
E・Wo
ここに、
E
: 平 均 照 度 15(
x)
F
: 光 源 光 束 ( F L R 20S ) 1,160(
U
:照明率
M
: 保 守 率 0.9
m)
〔 4〕
WO
:被照明対象全幅員(m)
出典:共同溝設計
指 針( 昭 和 61 年 3
注)
Wは、反射による照明率の低減のみに使用する。
月)
P 147
一部加筆
8-4
2.配管・配線
配管・配線は次によることを標準とする。
〔 2〕
(1) 取 付 位 置
出典:共同溝設計
配 管 は 、露 出 式 と し 取 付 位 置 は 、原 則 と し て 洞 道 内 天 井 面 と
指 針( 昭 和 61 年 3
する。
(2) 電 線 の 種 類
原 則 と し て よ り 線 と し 、照 明 、コ ン セ ン ト 、動 力 及 び 操 作 線
P 147
は 、 2.0sq 以 上 と す る 。
(3) 材
料
使用する主な材料は、原則として表8-1-2による。
表8-1-2
名
称
電
月)
規
主要材料表
格
摘
要
600V 架 橋 P E 絶 縁 ビ ニ ル シ ー ス
ケーブル
(JIS
C
3605)
CV
引込盤~配電盤間引込用
洞道内用
600V ビ ニ ル 絶 縁 電 線
(JIS
C
3307)
洞道内用
IV
配管用炭素鋼鋼管
(JIS
G
3452)
白
厚鋼電線管
(JIS
C
白
線
鋼
管
電
線
管
車道部の場合
引込盤~第1ボックス間
ガス洞道内用
8305)
電
線
管
硬質ビニル電線管
(JIS
C
8430)
一般洞道用
引
込
盤
屋外用自立形前面片開扉
屋外形
配 電 盤 等
屋外用壁掛形前面片開扉
防滴形
電
高圧架橋PE絶縁ビニルシースケ
ーブル
(JIS
C
3606)
CV
引込盤~配電盤間引込用
ケーブルラック
( 溶 融 亜 鉛 メ ッ キ HDZ35 以 上 )
(アルミ合金押出形材)
一般洞道用
線
ケ ー ブ ル
ラ ッ ク
(解
説)
(1) 配 管 ・ 配 線
1)配線の位置は、照明、動力用及び制御線用等天井部に露出式としたが
〔 (1)〕
特殊断面箇所では保守、点検及び施工等が容易にできるところ、又は洞
出典:共同溝設計
道内に収容される企業者の敷設物件によっては、側面に露出配線とする
指 針( 昭 和 61 年 3
ことができる。
月)
引込盤は、特殊な事情がない限り自然換気口付近に設置するものとす
P 148
る。
2 )電 線管 の 太さ は 、工 事 の施 工 性と 故 障時に お ける 他 の回 路 への波 及 等
を 考 慮 す れ ば 54 ㎜ 以 下 に 選 定 す る こ と が 望 ま し い 。
3)配線は、露出配線、管路配線、ケーブルラック配線とするが、洞道内
施設状況、経済性を考慮する。
4)ケーブルラック配線工事や、露出配線を行う場合は、不燃性又は、自
消性のある難燃性の被覆を有する電線を使用すること。
8-5
5)ガス洞道内の配管、配線は防爆対策をおこなうこと。
〔 5)〕
(2) 電 圧 降 下
電 線 の 太 さ を 選 定 す る 場 合 は 、一 般 的 に 簡 易 法 と し て 次 の 式 が 用 い ら れ 出 典 : 共 同 溝 設 計
指 針( 昭 和 61 年 3
ている。
月)
1)単相3線式の場合
P 148
17.8L ・ I
e′=
1000A
2)単相2線式の場合
35.6L ・ I
e
=
1000A
均等負荷の場合
35.6L ′ ・ I
e
=
n(n+1)
・
1000A
2
3)三相3線式の場合
30.8L ・ I
e
=
1000A
ここに、
e
:各線間の電圧降下
(V)
e′:中性線との間の電圧降下
(V)
A
:電線の断面積
( mm2)
L
:電線1本の長さ
(m)
L′:器具間の電線1本の長さ
(m)
I
:負荷電流
(A)
n
:器具灯数
(個)
(3) パ イ プ ハ ン ガ ー 等 の 材 料 で 鋼 製 の も の は 、 溶 融 亜 鉛 メ ッ キ 処 理 し て 使 用
する。
3.受配電設備
( 1 ) 引 込 盤 は 、鋼 板 製 屋 外 自 立 閉 鎖 盤 で 耐 久 性 が あ り 、 か つ 、 保 守 点 検 が 容 易 な
〔 3〕
ものとする。なお、引込・盤は漏電しゃ断器を取付けるものとする。
出典:共同溝設計
( 2 ) 照 明 分 電 盤 、 換 気 フ ァ ン 、ポ ン プ 制 御 盤 及 び 各 洞 道 の 計 器 盤 は 、 鋼 板 製 屋 内
指 針( 昭 和 61 年 3
壁掛閉鎖盤で耐久性があり、かつ、点検が容易なものとする。
月)
なお、各分岐回路には漏電しゃ断器を設けること。
P 149
(解
説)
(1) 引 込 盤
(a) 引 込 盤 は 原 則 と し て 、 自 然 換 気 口 付 近 に 設 置 す る も の と す る 。
(b) 動 力 及 び 照 明 用 の 電 源 を 同 一 に 引 込 め る も の と し て 、 上 段 に 電 力 計 を
収容できるスペースを設け、下段に引込用開閉器を収容する。また、側
面 若 し く は 裏 面( 道 路 側 )に ポ ン プ の 満 水 表 示 及 び 障 害 表 示 灯 を 設 け る 。
(2) 分 電 盤 等
分電盤等の構成は、次による。
照明分電盤
(自然換気口内設置)
8-6
動力分電盤
(自然換気口内設置)
換気ファン制御盤 (自然換気口内設置)手元開閉器
排水ポンプ制御盤 (自然換気口内設置)手元開閉器
(3) 引 込 盤 及 び 分 電 盤 は 、 メ タ リ コ ン 等 の 防 錆 処 理 を 施 し た 上 、 エ ポ キ シ 系
樹脂塗装で仕上げるものとする。
4.防災安全設備
防災安全設備には下記のものがあり、共同溝に収容される公益物件の種類
〔 4〕
や沿道条件等を勘案し、設置目的、設置時期及び管理運用方法を明確にした
出典:共同溝設計
上で計画的に設置するものとする。
指 針( 昭 和 61 年 3
(1) 警 報 設 備
自 動 火災 報 知設 備 、可燃 性 ガス 検 知設 備 、異常
月)
浸水警報設備、侵入監視設備
P 150
(2) 消 火 設 備
消化器、自動消火設備
(3) 連 絡 、 通 報 設 備
連絡用溝内通報設備、非常警報設備
(4) 避 難 誘 導 設 備
誘導表示板、避難誘導灯
(5)そ の 他 の 設 備
防災隔壁、防水扉装置、酸欠検知監視、水噴霧
設備
(解
説)
防 災 安 全 設 備 は 、共 同 溝 本 体 及 び 収 容 さ れ る 公 益 物 件 を 火 災 や そ の 他 の 災
害から守るとともに、溝内の保守点検者や作業員等の安全を守るための設備
である。
特に、共同溝は、路面下の制約の多い条件下にあるため、これらの設備の
計画に当たっては、公益物件の種類や沿道条件等を十分認識し、設置目的、
時期及び将来の管理運用方法を明確にした上で計画しなければならない。
8-7