血管の走行に関する細かい知識を問う問題。 眼球への循環は内頚動脈

2002 年眼科学卒業試験
(1) 前眼部の栄養は四直筋内を経由する前毛様動脈に負うところが大きい。
□□□
四直筋内を通る前毛様動脈の数の正しいものを選択しなさい。
a 四直筋とも一本づつ,4 本
b 四直筋 2 本,他の三筋一本づつ,計5本
c 内直筋・外直筋 2 本づつ,上直筋・下直筋1本づつ,計6本
d 外直筋 1 本,他の三直筋 2 本づつ,計 7 本
e 四直筋とも 2 本づつ,計 8 本
出題ポイント
血管の走行に関する細かい知識を問う問題。
眼球への循環は内頚動脈・眼動脈系によって供給されている。眼動脈は内頚
動脈が頭蓋内に入って最初の主分枝であり,その後眼窩内で網膜中心動脈,
短後毛様体動脈,長後毛様体動脈,前毛様(体)動脈に分かれる。前毛様体動
脈は眼動脈から分枝した後,外直筋に 1 本,他の三直筋に 2 本づつ四直筋に
沿って走行し、これに分布してから毛様体小枝となって前眼部を栄養する。
d
正解
選択肢考察
×a
×b
×c
○d その通り。
×e
□□□
(2) 屈折異常について,次の中で正しい組み合わせを選択しなさい。
1.近視は近くが良く見えるが、遠くは見えにくい。
2.遠視は遠くが良く見えるが,近くは見えにくい。
3.乱視は均一な焦点が得られないので遠くも近くも見えにくい。
4.乱視は近視性乱視,混合乱視(雑性乱視),遠視性乱視に分類される。
5.近視は早くから眼鏡を適応するとどが進む。
a) 1, 2, 3
出題ポイント
正解
選択肢考察
b)1, 3, 4
c) 2, 3, 4
d) 2, 4, 5 e) 3, 4, 5
屈折異常に関する知識を問う問題。
b
○1.近視は調節休止のとき(調節麻痺薬を点眼したとき,または遠くを見
ているとき)に,眼に入った平行光線が網膜の前で結像する屈折異常で自覚
症状としては遠方が見にくく、近くはよく見える。
×2.遠視は調節休止のときに,眼に入った平行光線が網膜の後方で結像す
る屈折異常で自覚症状としては眼精疲労や肩こりといった不定愁訴が中心。
○3.乱視は調節休止のとき眼に入った平行光線が方向により屈折度が違う
ため、場所によって収束の程度が異なってしまい、一箇所に結像しない屈折
2002 年眼科学卒業試験
異常で遠くも近くも見えにくいといった視力障害、眼精疲労、単眼性複視(片
方の眼で見ていて、物が二重に見える状態)といった症状を呈する。
○4.乱視は近視性乱視,混合乱視(雑性乱視)
,遠視性乱視に分類される。
×5.
(3) 未熟児網膜症(ROP)について次ぎの中で正しい組み合わせを選択
□□□
しなさい。
1.出生体重が少ない症例ほど ROP の発症率は高い。
2.酸素を投与すると必ず ROP が発症する。
3.現在の ROP の治療は光凝固術と冷凍凝固術が主体である。
4.ROP のほとんどは自然治癒し治療が必要なのは一部重症 ROP だけ
である。
5.保育技術の進歩により現在では ROP による失明者はいなくなった。
a) 1, 2, 3
出題ポイント
b)1, 3, 4
c) 2, 3, 4
d) 2, 4, 5
e) 3, 4, 5
未熟児網膜症に関する基本的な知識を問う問題。未熟児網膜症は未熟児(出生
体重 2500g 未満の児)として,出生し,発育途上の網膜血管の未熟性が基盤と
なり,高濃度酸素投与などによって網膜動脈が痙縮し,その末梢網膜血管が
閉塞し血管新生を続発する眼内増殖性疾患である。自然治癒傾向もある疾患
で,増殖性病変が増悪する場合に治療が必要となる。治療開始の判断は活動
期の病期分類にしたがって行う。治療は網膜光凝固術が主体で、冷凍凝固術
は網膜光凝固術施行が困難な例や無効な例(劇症型など)に用いられること
が多い。
b
正解
選択肢考察
○1.出生体重が 2500g 未満の低出生体重児に多い。
×2.必ず発症するわけではない。
○3.その通り。
○4.その通り。
×5.未熟児保育の進歩とともに極小未熟児,超未熟児の生存率は伸び,ROP
の発症率は低下しておらず未だ失明となる例も存在する。
□□□
(4) 斜視について次ぎの中で正しい組み合わせを選択しなさい。
1.乳児期の内斜視はほっておけば自然に治る。
2.外斜視はほとんどが間欠性外斜視である。
3.斜視の治療は手術で外見的なものを治すだけである。
4.乳幼児期に発症した斜視は斜視眼に抑制がかかりほとんど複視を訴
える。
5.調節性内斜視は遠視が原因であり眼鏡により眼位を矯正する。
a) 1, 2, 3
b)1, 3, 4
c) 2, 3, 4
d) 2, 4, 5
e) 3, 4, 5
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出題ポイント
斜視に関する標準的な知識を問う問題。
d
正解
選択肢考察
×1.生後 6 ヶ月以内に発症した内斜視を乳児内斜視または本態性乳児内斜
視といい
○2.正しい。間歇性外斜視は外斜視のときと正位のときとがある斜視で,
最も多く見られる斜視である。
×3.斜視とは眼位の異常+両眼視機能障害であり,斜視の治療には屈折の
矯正,眼位のずれを正す手術,両眼でしっかりとものがみられるようにする
両眼視機能訓練などがある。
○4.正しい。
○5.正しい。眼鏡装用によって斜視角が減少する。
□□□
(5) 48 歳女性。1週前より感冒症状あり,頭痛と耳鳴りを自覚。同時期
より両眼痛,
充血,視力低下が生じ,眼科を受診。視力は右 0.3(0.6x+5.0D),
左 0.2(矯正不能)。両眼とも前眼部に軽度炎症あり,両眼底には後極中心
に滲出性網膜剥離がみられ,視神経乳頭は発赤していた。
Ⅰ.この症例に対し,行うべき検査で正しい組み合わせを選択しなさい。
1. 暗順応検査
2. 蛍光眼底造影
3. 視野検査
4. 腰椎穿刺
5. 立体視検査
a) 1, 2, 5
□□□
b) 2, 3, 4
c) 1, 3, 5
d) 2, 3, 5
e) 1, 4, 5
Ⅱ.この症例に対する正しい治療の組み合わせを選択しなさい。
1.ステロイドパルス療法
2.シクロスポリン内服
3.散瞳剤点眼
4.抗生剤点滴
5.ステロイド点眼
a) 1, 2, 5
出題ポイント
b) 2, 3, 4
c) 1, 3, 5
d) 2, 3, 5
e) 1, 4, 5
感冒症状が先行し,頭痛、耳鳴、両眼痛,充血,視力障害をきたすブドウ膜炎の
原因疾患を診断させ,その検査,治療についての知識を問う問題。
キーワード
① 48 歳女性→中年女性に多い更年期障害,膠原病や自己免疫疾患か・・
② 一週間前より感冒症状あり,頭痛と耳鳴あり→原田病?。
2002 年眼科学卒業試験
③ 両眼痛,充血→三叉神経刺激による充血,疼痛,流涙はブドウ膜炎でみられ
る自覚症状。
④ 右 0.3(0.6x+5.0D),左(矯正不能)・・・視力低下→多くの眼科疾患で
認める所見だが,ブドウ膜炎が進行し網膜剥離をきたすことで視力低下を
きたしたものと考えることができる。
(読み方は 0.3(←裸眼で)
(0.6x+5.0D)
(5.0D の遠視レンズで矯正して
0.6 の視力)
)
⑤ 両眼低には後極中心に滲出性網膜剥離→炎症による網膜剥離が両側に起
こっている→原田病を疑う。
⑥ 視神経乳頭は発赤→原田病でよく認められる。
感冒症状が先行する両側性の急性に起こったブドウ膜炎で,視神経乳頭の発
診断
赤も認められることから原田病と診断できる。鑑別診断としてはサルコイド
ーシス,ベーチェット病などが挙げられる。
選択肢考察
Ⅰ
×1.暗順応反応は網膜色素変性症などで使われる検査。
○2.蛍光眼底造影検査は血管からの造影剤の漏出をみることで病変の広が
りを評価することができる。
○3.乳頭発赤が認められることから視野障害を精査する必要がある。
○4.原田病では髄液検査でリンパ球を主体とした細胞増多がみられ,確定診
断のためには必須の検査である。細胞増多は眼症状発症とほぼ同時であり,
髄膜刺激症状の有無に関わらずぶどう膜炎発症後 3 ヶ月以内の陽性率は 80%
程度である。
×5.
Ⅱ
○1.急性期にステロイドパルス療法を行う。
×2.使わない。
○3.散瞳剤を使って虹彩を安定させる。縮瞳剤は禁忌。
×4.感染症ではない。
○5.正しい。
□□□
(6) 球後視神経炎できたしやすい所見症状の組み合わせを選択しなさ
い。
1.視野にて,中心暗点
2.眼球運動痛
3.閃輝暗点
4.マーカスガム瞳孔(RAPD)陰性
5.中心フリッカー値低下
a) 1, 2, 3
b) 2, 3, 4
c) 3, 4, 5
d) 1, 4, 5
e) 1, 2, 5
視神経とは視神経乳頭部に始まり視交叉まで部分を指し,この部分の炎症,
出題ポイント
すなわち脱髄あるいは感染などが生じたものが視神経炎である。視神経乳頭
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に腫脹があるものを前部視神経炎(乳頭炎),乳頭に異常所見を認めないもの
を球後視神経炎という。球後視神経炎の典型的な症状には,急激な視力低下
(片眼または両眼),視力低下に先立つ眼窩周囲痛,眼球運動痛などがあり,
その他自覚症状としては色覚異常,視野異常などがあげられる。視野変化は
中心暗点や Mariotte 盲点の拡大を伴うラケット状暗点を呈することが多い
が,重症例では半盲様などさまざまな視野異常を呈する。瞳孔反応は
swinging flash light test にて相対的入力瞳孔反射異常 relative afferent
papillary defect(RAPD)が観察される。中心フリッカー融合頻度(ちらつき
光のちらつき頻度を上げて,どの頻度までちらつきを確認できるかを調べる
ことによって,錐体や視神経の機能を知ることができる検査。)は低下する。
近年,MRI による炎症部位の細かい描写が可能となった。
正解
e
選択肢考察
○1.正しい。
○2.正しい。
×3.閃輝暗点を認める代表的な疾患は片頭痛である。
×4.陽性である。
○5.正しい。
□□□
(7) 網膜中心動脈閉塞症いつき正しい組み合わせを選択しなさい。
1.網膜の乳白色混濁
2.急激な視力低下
3.片目が多い
4.視力予後は不良
a) 1, 2, 3
出題ポイント
b) 2, 3, 4
c) 1, 2, 4
d) すべて
網膜中心動脈閉塞症は網膜中心動脈が視神経乳頭内を通る部分(篩板)で,
血栓や壁の硬化性変化で内腔が途絶し,片側性の急激な高度の視力低下や視
野異常を呈する。壮・老年の男性の片眼に多い。眼底検査では網膜全体が白
濁し,網膜血管は細く,走行は不明瞭であり,cherry red spot を認める。
治療は網膜の神経要素が 40 分以上の虚血で不可逆と言われているため迅速
に眼球マッサージ,亜硝酸アミル(血管拡張薬)を行う。
正解
選択肢考察
d
○1.眼底検査では網膜全体が白濁する。
○2.急激な片眼の視力低下をきたす。
○3.正しい。
○4.40 分以上の虚血で不可逆であり,予後不良である。
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□□□
(8) 眼内に新生血管のできる疾患の組み合わせを選択しなさい。
1.未熟児網膜症
2.白内障
3.糖尿病性網膜症
4.加齢黄斑変性
a) 1, 2, 3
b) 1, 3, 4
c) 2, 3, 4
d) すべて
眼内に新生血管を生じる代表的疾患には糖尿病性網膜症,加齢黄斑変性(老
出題ポイント
人性円盤状黄斑変性症)
,未熟児網膜症がある。その他,多くの疾患で新生血
管をきたすことが知られており,以下の表を参照されたい。
選択肢考察
○1.×2.白内障で新生血管はみられない。○3.○4.
(9)以下の分で誤ったものの組み合わせを選択しなさい。
□□□
1.緑内障治療によく用いられるβ遮断薬の点眼は房水の産生を抑制し
て眼圧を下げる。
2.閉塞隅角緑内障の治療はまず眼圧下降剤の点眼を用いる。
3.ぶどう膜炎に続発した緑内障にはピロカルピンを用いてはならな
い。
4.開放隅角緑内障の手術は繊維柱帯切除術が多く選択されている。
5.正常眼圧緑内障では眼圧は高くないので,眼圧下降剤の点眼は用い
ない。
a)
出題ポイント
正解
選択肢考察
2, 3
b) 1, 3, 5
c) 2, 4
d) 2, 5 e) 3, 4, 5
緑内障に関する複合問題。
d
○1.βブロッカー点眼薬は長期使用が可能な薬で房水産生の抑制して眼圧
を下げる。
×2.閉塞隅角緑内障は隅角が狭窄、閉塞し、高眼圧の持続により視力低下,
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視野狭窄,視神経萎縮をきたす疾患で,ピロカルピンの頻回点眼(瞳孔括約
筋の収縮(縮瞳)させ隅角を開き防水流出を促進),高浸透圧薬(マンニトー
ル)点滴静脈注射(血液浸透圧を急上昇させ,血液から房水への水分移行を
阻害),そして炭酸脱水素酵素阻害薬のアセタゾラミド(房水産生抑制)の内
服で治療する。
○3.縮瞳により虹彩の癒着,また炎症を悪化させるため,虹彩毛様体炎(前
部ぶどう膜炎)には禁忌。
○4.正しい。別の流出路(瘻孔)作成によって房水の別の流出路をつくり,
房水の排泄効率を向上させる。
×5.正常眼圧緑内障は視神経乳頭の異常,視野異常を呈するにもかかわら
ず眼圧は正常な疾患で緑内障の中で最も高頻度である。治療は眼圧降下療法。
□□□
(10) 原田病に関して適当なものの組み合わせを選択しなさい。
1.続発緑内障をおこすことがある。
2.併発緑内障をおこすことがある。
3.夕焼け状眼底の存在は急性期の診断に必須である。
4.髄液細胞増多はまれである。
5.炎症の再発例は前眼部の炎症が主である。
a) 1, 3
b) 1, 4
c) 2, 3, 4 d) 1, 2, 5
e)
a-d のいずれでもない
原田病は網膜色素細胞に対する自己免疫に基づく急性びまん性ぶどう膜炎で
ある。感冒症状や髄膜炎症状の数日~1か月後に突然,耳鳴り,感音性難聴,
両眼同時に発症する急激な視力障害を訴え,1~2ヶ月後には毛髪の白変,皮
膚白斑を認める。眼底所見としては回復期に認められる夕焼け眼底が重要。
d
○1.虹彩炎が長期間持続すると緑内障などの合併症を起こしやすくなるの
で,ステロイド薬と散瞳薬の点眼を中心とした局所療法を行う必要がある。
○2.併発する白内障で視力低下をきたすようであれば手術を行う。
×3.回復期の所見である。
×4.髄液検査ではリンパ球を主体とした細胞増多がみられ,確定診断のた
めには必須の検査である。細胞増多は眼症状発症とほぼ同時であり,髄膜刺
激症状の有無にかかわらずぶどう膜炎発症後3ヶ月以内の陽性率は 80%程度
である。
○5.本病は治療によく反応するが,20%程度の症例で炎症の遷延や再燃がみ
られる。遷延例の眼所見は主に前眼部の炎症であり,角膜後面沈着物,前房
細胞,虹彩結節などがみられる。
2002 年眼科学卒業試験
(11) 涙液の流路の順番で正しいものを選択しなさい。
□□□
a. 涙腺―涙小管―眼球表面―涙点―涙嚢―鼻涙管
b. 涙腺―眼球表面―涙点―涙嚢―涙小管―鼻涙管
c. 涙腺―涙嚢―眼球表面―涙点―涙小管―鼻涙管
診断
d. 涙腺―涙嚢―涙小管―眼球表面―涙点―鼻涙管
e. 涙腺―眼球表面―涙点―涙小管―涙嚢―鼻涙管
出題ポイント
涙液(涙)の流れは,涙腺―眼球表面―涙点―涙小管―涙嚢―鼻涙管―下鼻道
(涙吸収)である。
e
正解
(12) 次の文の中で誤っているものの組み合わせを選択しなさい。
□□□
1.色覚に関与するのは網膜の錐体細胞である。
2.夜盲症は暗順応が障害されたものである。
3.暗順応には錐体細胞が働いている。
4.一般には先天性色覚異常は進行性である。
5.アノマロスコープは色覚検査法である。
a) 1, 2
出題ポイント
b) 2, 3
c) 3, 4 d) 4,5
e) 1, 5
色覚に関する問題。
c
正解
○1.網膜の錐体細胞は黄斑部に多く,役割は色の識別。
○2.いわゆる鳥目のことで,網膜桿体細胞(中心かから 20 度~30 度に多い。)
の暗順応が障害されたもの。
×3.暗順応には桿体細胞が働いている。
×4.非進行性である。
出題ポイント
○5.アノマロスコープは単色の黄色と,赤色・緑色の混色の黄色を対比す
ることによって,色覚の異常,種類,程度が決定できる検査で,色覚検査法
のひとつである。
□□□
(13)特発性黄斑円孔について正しい組み合わせを選択しなさい。
1.網膜に対する垂直方向の牽引が原因である。
2.60 歳以降に多い。
3.手術治療が奏功する。
4.両眼性が多い。
5.飛蚊症を訴えうることが多い。
a) 1, 2, 5
b) 1, 3, 4
c) 3, 4, 5
d) 2, 3, 4
e) 3, 4, 5
2002 年眼科学卒業試験
出題ポイント
特発性黄斑円孔に関する問題。国家試験用の参考書,問題集には記載されてい
ないものの裂孔原性網膜剥離の原因となる重要な病態である。
d
正解
選択肢考察
×1.網膜に対する前後方向の牽引が原因。
○2.高齢者に多い。
○3.牽引を解除する手術を行う。
○4.正しい。
×5.網膜剥離,眼底出血,硝子体混濁などで訴える。
(14) 裂孔原性網膜剥離について正しい組み合わせを選択しなさい。
□□□
1.網膜下液は神経網膜と網膜色素上皮の間にある。
2.外傷性網膜剥離は男性に多い。
3.網膜剥離を起こす原因の 1 位は網膜格子状変性である。
4.黄斑円孔網膜剥離は女性に多い。
a) 1, 3, 4
出題ポイント
b) 1, 2
c) 2, 3 d) 4
e)すべて
裂孔原性網膜剥離に関する問題。
e
正解
選択肢考察
○1.その通り。
○2.外傷性は男性に多い。ボクシングによる網膜剥離は有名。
○3.その通り。
○4.正しい。
(15) 糖尿病網膜症について正しい組み合わせを選択しなさい。
□□□
1.糖尿病のコントロールと網膜症の発症進行は関係がない。
2.単純型糖尿病網膜症はレーザー光凝固の絶対適応である。
3.前増殖期はレーザー光凝固が禁忌である。
4.糖尿病黄斑症は視力の低下をきたしやすい。
a) 1, 3, 4
出題ポイント
正解
選択肢考察
b) 1, 2
c) 2, 3 d) 4
e)すべて
糖尿病網膜症の治療に関する標準的な問題。
d
×1.糖尿病のコントロ-ルで網膜症の発症を抑えることが可能。
×2.First choice は血糖コントロール。
×3.前増殖期はレーザー光凝固の適応。増殖期では硝子体手術が行われる。
○4.糖尿病網膜症による失明の原因としては黄斑症,牽引性剥離,血管新生,
緑内障,視神経症などがある。
2002 年眼科学卒業試験
□□□
(16) 白内障の原因となりうる正しい組み合わせを選択しなさい。
1.先天性風疹症候群
2.ステロイド全身投与
3.糖尿病
4.眼部外傷
5.加齢
a) 1, 2, 3
出題ポイント
b) 1, 2, 5
c) 3, 4, 5
d) 2, 3, 4
e) すべて
白内障をきたす疾患の知識を問う問題。なかでも糖尿病,アトピー性皮膚炎,
先天性風疹症候群,老人性白内障は重要である。
e
正解
選択肢考察
○1.先天性白内障の原因には遺伝,先天性風疹症候群がある。
○2.薬剤性白内障の原因にはステロイド薬,クロルプロマジン,ナフタリ
ン(防虫剤)
,放射線,赤外線の照射などがある。
○3.白内障をきたす全身疾患には糖尿病,膠原病,アトピー性皮膚炎,Werner
症候群,副甲状腺機能低下症,Lowe 症候群,Down 症候群,ガラクトース
血症,筋強直性ジストロフィー,Wilson 病などがある。
○4.外傷性白内障は鈍的,鋭的どちらでもおこる。
○5.加齢による老人性白内障は重要。
(17)角膜実質が透明に保つのにもっとも重要な因子を選択しなさい。
□□□
a. 眼圧
b. 角膜上皮細胞
c. 角膜内皮細胞
d. 虹彩
e. 水晶体
出題ポイント
正解
選択肢考察
角膜実質を透明に保つ因子を問う問題。
c
×a.
×b.
○c.実質は角膜全層の約 90%をしめておりコラーゲンと実質細胞と基質から,
なっており,このコラーゲンが規則正しく配列しているため角膜が透明に透
明に保たれる。角膜内皮細胞は角膜実質側の水分調節をするポンプの役割を
果たし内皮が異常をきたすと角膜が膨張して白くかすんでしまう。
×e.水晶体が混濁するのは白内障。白濁するのは角膜実質ではない。
2002 年眼科学卒業試験
□□□
(18) ぶどう膜を構成している部分について正しい組み合わせを選択し
なさい。
1.視神経
2.脈絡膜
3.毛様体
4.網膜
5.虹彩
a) 1, 2, 5
出題ポイント
正解
b) 2, 3, 4
c) 1, 3, 5
d) 2, 3, 5
e) 1, 4, 5
ぶどう膜は虹彩,毛様体,脈絡膜から構成され,眼の栄養,保温に関与する。
d
(19) わが国の三大ぶどう膜炎の正しい組み合わせを選択しなさい。
□□□
1.トキソプラズマ症
2.ベーチェット病
3.Vogt-小柳-原田病
4.桐沢型ぶどう膜炎
5.サルコイドーシス
a) 1, 2, 5
出題ポイント
正解
b) 2, 3, 4
c) 1, 3, 5
d) 2, 3, 5
e) 1, 4, 5
わが国の三大ぶどう膜炎はベーチェット病,サルコイドーシス,Vogt- 小柳原田病である。
d
×1.Toxoplasma gondii によって引き起こされる原虫性疾患。網脈絡膜炎な
どを起こす。
○2.20~30 歳代に好発する慢性の全身性炎症性疾患である。再発性口腔内
アフタ,外陰部潰瘍,前房蓄膿製ぶどう膜炎を三主徴とする。
○3.全身の色素細胞を系統的におかす原因不明の疾患である。感冒症状・
髄膜炎症状・耳鳴・感音性難聴・両眼の視力障害などをきたす。
×4.急逝網膜壊死ともいわれ,ヘルペスウイルス感染症が原因であるといわ
れている。眼底周辺部の広い範囲が白色化し,網膜血管に沿ってわずかな出血
を認める。急逝網膜壊死の特徴として急性にブドウ膜炎が進行し,さらに網膜
壊死から網膜剥離へと進行する。
○5.多臓器にわたる肉芽腫性疾患で,原因不明である。眼症状も多くみられ,
両眼性のブドウ膜炎が最も多い。
平成 15 年度眼科学卒業試験
(1) 眼の屈折とその検査法について正しいものを選択しなさい。
1. 散瞳薬で調節麻痺がおこると遠くが見えにくくなる。
2. 遠見では毛様体筋の緊張によって焦点を合わせている。
3. 矯正レンズの過不足検査には二色テストを用いるが、近視眼では赤が、遠視眼では緑が
はっきり見えると過矯正である。
4. 調節力は小児では大きく、年齢とともに小さくなっていく。
5. 乱視の矯正には円柱レンズを用いるが、円柱レンズは軸と垂直の方向に屈折力がある。
a)1,2
b) 2,3
c) 3,4
d) 4,5
e) 1,5
(2) 小児における斜視治療の目的は斜視による弱視の治療と両眼視機能の獲得である。斜視
について次のうち正しい組み合わせを選択しなさい。
1. 乳児期の内斜視は自然に治るので放置してよい。
2. 上斜視は斜頚の原因となりうる。
3. 両眼視機能獲得のためには下方視の眼位が重要である。
4. 乳児内斜視は両眼視機能獲得は無理である。
5. 外斜視は殆どが間歇性なので、内斜視より両眼視機能は良好である。
a)1,2,3
b) 1,3,5
c) 2,3,4
d) 2,3,5 e) 3,4,5
(3) 網膜芽細胞腫は白色瞳孔として発見されることが多い。鑑別診断として、白色瞳孔を呈
する可能性のある疾患はどれか。正しい組み合わせを選択しなさい。
1. 先天性白内障
2. 未熟児網膜症
3. 先天性緑内障
4. 一次硝子体過形成遺残
5. 先天性角膜混濁
a) 1,2,3
b) 1,2,4
c) 1,3,4
d) 2,3,4 e) 2,4,5
(4) 未熟児網膜症(ROP)について、次の中から正しい組み合わせを選択しなさい。
1. ROP 発症の根本は、網膜血管の未熟性から始まる。
2. 重症 ROP は治療によって治っても、強度近視を呈することが多い。
3. ROP は発症したら全症例治療の対象になる。
4. ROP 発症例は、ROP が寛解しても将来網膜剥離の可能性がある。
5. ROP 発症例は、全症例に視力障害を少なからず残す。
a) 1,2,3
b) 1,2,4
c) 1,3,5
d) 2,3,4 e) 2,4,5
(5) 真菌性眼内炎に関して正しい組み合わせを選択しなさい。
1. 真菌性眼内炎患者の多くは経静脈高カロリー栄養装着の経験がある患者である。
2. フルコナゾールはアスペルギルス属よりカンジダ属によく効く。
3. イトラコナゾールはカンジダ属よりアスペルギルス属によく効く。
4. フルコナゾールの抗真菌作用は静菌的な作用である。
5. アンフォテリシン B の抗真菌作用は殺菌的な作用である。
a) 1,2,3,4
b)1,2,3,5
c)1,3,4,5
d) 2,3,4,5
e)すべて
(6) 次の病原体のうち、主に網膜炎を引き起こす正しい組み合わせを選択しなさい。
1. アカントアメーバ
2. サイトメガロウイルス
3. トキソプラズマ
4. クラミジア
5. アデノウイルス
a) 2,4
b) 2,3,4
c) 1,2,3,4
d) 2,3,5 e)2,3
(7) 円錐角膜に関して間違っているものを選択しなさい。
a. アトピー性疾患に伴うことが多い。
b. デスメ膜の破裂により角膜の浮腫を生じることがある。
c. 25 歳以上になると進行が止まることが多い。
d. 視力改善が出来ない場合全層角膜移植の適応になることがある。
e. 最近、普及している近視矯正手術(LASIK)の手術適応がある。
(8) 網膜剥離を引き起こす原因となりうるものを以下の組み合わせを選択しなさい。
1. 鈍的外傷
2. 高血圧
3. 強度近視
4. 糖尿病
5. 網膜格子状変性
a) 1,2 以外
b) 2 以外
c) 3,4 以外
d) 4 以外
e)すべて
(9) 裂孔原性網膜剥離について誤っているものを選択しなさい。
a. 網膜剥離の症状として、飛蚊症や光視症などがある。
b. 黄斑部まで網膜剥離が及ぶと著しい視力低下を来たす。
c. 網膜剥離を生ずると眼圧が上昇することが多い。
d. 原因裂孔は上耳側に存在することが多い。
e. 治療は手術による裂孔閉鎖が第一選択である。
(10)ヒトの硝子体について正しいものを選択しなさい。
a. 体積は成人で約 5ml で、その成分の 95%は水である。
b. 塩化ナトリウム、アスコルビン酸などの低分子成分を含む。
c. 硝子体基底部において加齢によりきわめて強い癒着を生ずる。
d. 格子状変性の中では後部硝子体剥離が生じやすい。
e. 硝子体の液化は、血液中の銅イオンにより加速する。
(11)桜実紅斑(Cherry-red Spot)の見られる疾患を選択しなさい。
1. 中心静脈閉塞症
2. 中心動脈閉塞症
3. 糖尿病網膜症
4. Tay-Sachs 病
5. 網膜剥離
a) 1,2
b) 1,4
c) 2,4 d) 3,4
e) 3,5
(12)網膜血管で正しいのを選択しなさい。
1. 終末血管である。
2. 血管壁には窓形成がある。
3. 網膜外層には毛細血管がある。
4. 血液網膜関門がある。
5. 動脈と静脈は交叉しない。
a) 1,3
b) 1,4
c) 2,3 d) 2,4
e) 4,5
(13)白内障に関する文章で、誤りを選択しなさい。
a. 白内障手術は、現在、超音波水晶体乳化吸引術が主に行われている。
b. 水晶体の構成成分は、水が約 2/3、たんぱく質が約 1/3 を占める。
c. 先天性風疹症候群は、妊娠後期の母体感染で起こる。
d. 水晶体の直径は約 10mm で、重量は 60 歳台で、約 250mg である。
e. 水晶体には、血管・神経は存在しない。
(14)緑内障の視野欠損について正しいものの組み合わせを選択しなさい。
1. 同名半盲
2. ザイデル暗点
3. ブエルム暗点
4. 鼻側視野の階段状欠損
5. うずまき状視野
a) 1,2,3
b) 2,3,4
c) 1,4,5
d) 3,4,5 e) すべて
(15)以下の文章で、正しいものを選択しなさい。
1. 眼圧が上昇しない正常眼圧緑内障は、眼圧が上昇するタイプよりも頻度が低い。
2. 続発緑内障の原因疾患として糖尿病網膜症やぶどう膜炎があるが、外傷でも起こること
がある。
3. 緑内障では、視神経乳頭の陥凹がみられるため眼底検査を行うことを忘れてはならない。
4. 隅角鏡検査は緑内障診断の際は必要ないが、経過観察に重要である。
5. 視野検査で異常が見られなければ緑内障とは判断できないので、治療の必要はない。
a) 1,2
b) 2,3
c) 2,4 d) 2,5
e) 3,5
(16)以下の文章で誤ったものを選択しなさい。
1. 緑内障治療によく用いられるプロスタグランディンの点眼は房水の産生を抑制して眼
圧を下げる薬剤である。
2. 閉塞隅角緑内障の治療にはすみやかに線維柱帯切除術を行う必要がある。
3. ぶどう膜炎に続発した緑内障にはピロカルピンを用いてはならない。
4. 糖尿病に合併した緑内障は、血糖のコントロールによって改善するので予後は良好であ
る。
5. 正常眼圧緑内障では眼圧は高くないので、眼圧下降剤の点眼は無効である。
a) 2,3
b) 1,3,5
c) 2,4 d) 2,5
e) 3,4,5
f) 1,2,4,5
(17)ベーチェット病の検査項目で特異的なものを選択しなさい。
a. HLA-B27
b. HLA-DR4
c. HLA-DR53
d. HLA-B51
e. HLA-A26
(18)主に前部ぶどう膜炎の疾患を2つ選び、下記 a-e のなかからその組み合わせを選択しな
さい。
1. 原田病
2. ヘルペスウイルスによる虹彩毛様体炎
3. ベーチェット病
4. 急性網膜壊死
5. HLA-B27 関連虹彩毛様体炎
a) 1,2
b) 1,3
c) 2,5 d) 2,6
e) 3,4
(19)37 歳男性、ハンマーでの解体作業中に急に発生した眼の痛みと視力低下を主訴に受診
した。眼圧は低下、視力手動弁、前房出血にて前房、眼底は詳細不明であった。適切な検
査処置の組み合わせを選択しなさい。
1. 異物検出のため MRI
2. 感染性眼内炎予防のため抗生物質予防投与
3. 超音波 B モードにて眼底状況の把握
4. 緊急手術にて創口縫合、異物があれば摘出
5. 網膜電図(ERG)で網膜機能の把握
a) 1,2,3
b) 2,3,4
c) 3,4,5
d) 1,4,5 e)すべて
(20)コンタクトレンズについて次のうちで正しいものの組み合わせを選択しなさい。
1. ハードレンズは毎日煮沸する必要がある。
2. 巨大乳頭結膜炎はソフトコンタクトレンズ装用者に発症しやすいが、頻回交換タイプや
使い捨てタイプではその頻度が減少する。
3. 円錐角膜患者へのハードコンタクトレンズの処方では屈折矯正効果が期待できるが、角
膜形状の改善も可能である。
4. 瞳孔径の大きい症例ではハードコンタクトレンズで夜間の羞明間がでやすい。
5. スポーツではソフトコンタクトは適さないことが多い。
a) 1,4,5
b) 1,2,3
c) 2,4,5
d) 2,3,4 e) 2,3 f)1,2,5
2003 年
眼科学
(1) d
(2) d
(11) c
(12) b
(3) b
卒業試験
(4) b
(13) c
解答
(5) e
(14) b
(6) e (7) e
(15) b
(16) f
(8) b,e* (9) c (10) b
(17) d
(18) d
(19) b
(20) d
*: (8)は一般論からは b だが、高血圧でも可能性ないとは言えないので b,e 共に正解としま
した。
2003 年
眼科学
卒業試験
解説
(1)眼の屈折とその検査法について
×1.散瞳薬として抗コリン剤が用いられるが、毛様体筋の麻痺による調節麻痺がおこる。よ
って、遠方視力は良いが、近方視力が低下する。
×2.遠見時は、毛様体筋が弛緩することにより、チン小体が引っ張られ、レンズを薄くする
ことによって焦点を合わせる。
×3.二色テストは赤がハッキリ見えたら近視、緑がハッキリ見えたら遠視である。よって、
矯正後に近視眼の人が緑がハッキリ見えたら過矯正、遠視眼の人が赤がハッキリ見えたら
過矯正である。
○4.文章のとおり
○5. 円柱レンズとは、前後を2つの円柱面または円柱面と平面で囲まれた透明体で、その
物体内を通る光束のうち、ある特定の方向の光束を収束(凸レンズ)または拡散(凹レン
ズ)させる働きをもつ。したがって、円柱レンズはある一定方向の屈折を矯正したい場合、
つまり乱視の矯正の場合に用いられる。
円柱レンズの、円柱軸と平行な方向をそのレンズの軸(Axis)という。軸に平行な方向に
は度が付いてなく、軸に直角な方向に最も強い度が付いている。したがって、軸方向に入
った光束は屈折せず、それ以外の方向に入った場合に屈折し、軸と直角の方向に入った光
束が最も強く屈折する。
(2)
×1.生後 6 ヶ月までに発症した斜視は先天性内斜視または乳児内斜視と呼ばれる。非調節性
内斜視であるためメガネ使用で眼位は正常化しない。早期発見・早期治療が必要。
○2.一側眼で固視しようとするともう一方の眼球が上方を向くのが上斜視。正視しようとし
て斜頚になってしまう。
○3.文章のとおり。斜筋を積極的に使用する。
×4.そんなことはない。乳児内斜視は手術の適応。
○5.遠くを見たり、ぼんやりしたときに現れる(間欠性)が多い。文章のとおり。
(3)白色瞳孔の鑑別疾患
白色瞳孔の鑑別疾患としては、網膜芽細胞腫、Coats 病、第一次硝子体過形成遺残、未熟児
網膜症、さらには白内障などがある。(他には寄生虫肉芽腫、転移性眼内炎、硝子体出血な
ど。) ただし、白内瞳孔をきたす疾患として、白内障は含まないことがコンセンサスとなっ
ている。でも答えとしては 1,2,4。これは覚えておこう!
(4)
○1.未熟児においては、高酸素状態により血管収縮だけでなく、網膜血管の閉塞や退行につ
ながることがあり、とくに眼底周辺で顕著に起こることによる一連の反応が本症である。
○2.治療には光凝固を用いるが、瘢痕期の病変が強くなるほど近視が強くなる。
×3.活動期において、typeⅠは自然治癒傾向が強いため、治療対象にはならない。
○4.瘢痕期 1 度(眼底に著変はないが周辺部に軽度の瘢痕性変化がみられるもの。視力は正
常)で治癒した眼にも 6 歳以降で晩発性網膜剥離などの重篤な合併症が起こりうる。
×5.そんなことはない!
(5)外傷や手術により、創部から真菌感染をおこす眼内炎は外因性真菌性眼内炎である。一
方、内因性真菌性眼内炎の原因として悪性腫瘍、抗生物質、免疫抑制剤、高カロリー輸液
(IVH)などにより真菌が眼球に移行し感染するものがある。特に IVH は多いので重要!起
因菌はカンジダが最も多く、次いでアスペルギルス、クリプトコッカスなど。カンジダが
最も多いので、治療薬の first choice はジフルカン(フルコナゾール)。ジフルカンが無効な
場合、アスペルギルスに対してイトラコナゾールを用いる。静菌作用とは微生物の分裂・
増殖を抑制(高濃度では殺菌的)し、殺菌作用とは微生物の細胞質膜・細胞壁の合成や機
能を障害(低濃度では静菌的)する。アムホテリシン B はポエリン系で殺菌作用を持つ。
副作用として悪寒戦慄・発熱は必発。腎障害もある。フルコナゾールはイミダゾールで静
菌作用。副作用は比較的少ない。
(6)サイトメガロウイルス網膜炎は有名。他にもトキソプラズマ網膜炎もあるらしい。その
他の病原体に網膜炎を引き起こすものはないと思われる。
(7)円錐角膜について
○a.原因不明(ホルモン異常?)であるが、約 10%にアトピー性皮膚炎を伴っている。
○b.進行が著しいとき、デスメ膜破裂により、急激に角膜の浮腫を伴うことが多い。
○c.思春期に発病し、徐々に進行するが、25 歳くらいになると自然に進行が止まることが
多い。
○d.初期ではハードコンタクトレンズを用いて矯正することが多いが、進行に伴い角膜混濁
が生じると矯正不可能になり、全層角膜移植の適応となる。
×e.円錐角膜に LASIK は禁忌である。
(8)(9)網膜剥離とは…
・裂孔原性網膜剥離:網膜に生じた裂孔から、液化した硝子体が網膜下(網膜色素上皮と神
経網膜の間)に侵入・貯留する病態。裂孔形成時に光視症や飛蚊症などの自覚症状を訴える
こともある((9)a○)。加齢により硝子体が融解・液化し、収縮・虚脱し(後部硝子体剥離)、
網膜と硝子体が癒着している部分が引っ張られて裂孔ができたり、近視により眼球全体が
引き伸ばされ、網膜が伸展され菲薄化することによって網膜周辺部の萎縮像(格子状変性
巣)に自然に孔が開き(網膜円孔)
、これらの孔から、液化した硝子体が網膜内に入る(網
膜下液)と網膜剥離になる。高度の近視では、眼球後極部の伸展が強くなり、後部ぶどう
腫と呼ばれるような状態になると黄斑部に円孔を伴った剥離を生じることがある。((9)b○)
・非裂孔原性網膜剥離:糖尿病性網膜症や穿孔性眼外傷、未熟児網膜症などのように、網
膜に癒着した硝子体の組織が牽引されることにより起きる牽引性網膜剥離、他の疾患(網膜
芽細胞腫、悪性黒色腫、原田病など)に伴い生じる滲出性網膜剥離がある。[(8)は、解答の訂
正で高血圧(選択肢 2)でも可能性がないとは言えないため、e)も正解としている。]
診断として、散瞳薬を用いて眼底検査により網膜裂孔の数・剥離範囲を観察することが
重要である。
また、網膜剥離は自然治癒は稀であるため、失明を避けるためにも治療が必要。裂孔原
性剥離では、レーザーを用いた光凝固・冷凍凝固による裂孔閉鎖、および網膜下液の除去、
硝子体切除術、網膜内陥術(部分締結術・輪状締結術)などがある。((9)e○)
ちなみに、眼圧はおもに眼房水の増減により変動する。網膜剥離がおこっても眼圧を上昇
させる機序には関わらない。((9)c×)
(10)ヒトの硝子体について
×a.体積は成人で約 4ml で、その成分の 99%は水である。
○b.成分は 99%が水で、ヒアルロン酸によって水を抱えたゲルである。他に N、P、Vit.C(ア
スコルビン酸)、ブドウ糖を含む。
×c.硝子体は、網膜前方の鋸状縁の硝子体基底部と呼ばれる場所で、網膜と強固に癒着して
いるが、加齢により硝子体の液化を生じ、収縮・虚脱が起きるため癒着は弱くなり、後部
硝子体剥離の原因となる。
×d.上の通り、後部硝子体剥離はおもに 50-60 代の加齢によるものが多い。網膜周辺部に生
じる網膜の格子状変性は 20-30 代の若者に多く、変性部位は硝子体との癒着が強いため網
膜円孔を生じる。
×e.銅イオンでなく、鉄イオン。だから硝子体出血では液化を生ずる。他に炎症(活性酸素
による)により硝子体液化が生じる。
(11)桜実紅斑(Cherry-red spot)の見られる疾患について
Cherry-red spot とは、眼底の中心窩が周囲の網膜に比べ、小円形でサクランボのように赤
く見える状態を言う。
おもに網膜中心動脈閉塞症、Tay-Sachs 病で代表される lipidoses やムコ多糖沈着症でこの
赤色斑が現れる。これは、中心窩では神経節細胞など内層組織を欠き、また脈絡膜循環に
その栄養を依存しているという解剖学的特殊事情を反映している。
(12)網膜血管について
網膜の視細胞を栄養するのは脈絡膜循環であり、輸入血管と輸出血管がからまっている。
解剖学的に、脈絡毛細管板は有窓血管であるのに対し、網膜毛細血管には窓形成がなく、
tight junction があり、内血液網膜関門 inner blood-retinal barrier を形成している。眼動
脈は視神経とともに視神経管を通って眼窩内に入り、網膜中心動脈と毛様動脈に分かれる。
網膜中心動脈は枝分かれして網膜に分布。網膜血管は終末動脈 end artery で吻合を持たな
い。網膜の流出路は網膜中心静脈である。
(13)白内障について
白内障とは、水晶体の混濁のことで、おもな原因として糖尿病・アトピー性皮膚炎・Down
症・放射線(紫外線)、筋緊張性ジストロフィー、先天性風疹症候群、眼外傷、加齢、薬剤(ス
テロイド、クロルプロマジンなど)がある。
術前検査は、角膜内皮検査・眼軸長検査・角膜屈折力測定(ケラトメータ)が重要。
治療としては、現在最も多く用いられている術式は超音波水晶体乳化吸引術(PEA)や嚢内摘
出術(ICCE)、嚢外摘出術(ECCE)[成人・老人の白内障に対する術式]と、眼内レンズ(後房レ
ンズ。前房レンズは用いない!)挿入術。
○a.前述のとおり。PEA は超音波により核を乳化破砕しながら核および皮質を吸引。後嚢
は残る。嚢外摘出に比べ角膜切開創も約 3mm と小さいので術後の乱視の発生が少ない。
○b.水晶体を構成する蛋白はおもに可溶性蛋白であるγ,β,α-クリスタリンで、約 1/3 を占
める。その他は主に水、糖質、脂質、無機イオン、アスコルビン酸など。
×c.Greg 症候群とも言う。白内障の原因として重要であるが、妊娠初期(特に妊娠 2~3 ヶ
月)に母体が風疹に罹患することにより経胎盤的に胎児に感染。
○d.水晶体の赤道径は、9.0~9.5mm(約 10mm)で、屈折力は約 20D(眼の総屈折率は約 60D)
である。重量は問題文の通り。構造として重要なのは、表皮外胚葉由来で、嚢・皮質・核
からなる。上皮細胞は前嚢下に 1 層のみみられ、後嚢下には存在しない。また、水晶体線
維は六角状であることも重要。
○e.水晶体には血管・神経は分布してません!
(14)緑内障の視野欠損について
原発開放隅角緑内障(POAG)の視野変化として、ザイデル(Seidel)暗点、ブエルム(Bjerrum)
暗点、レンネ(Rönne)鼻側階段、鼻側視野欠損、求心性視野狭窄、などがあり、さらに進行
すると失明にいたる。眼圧は通常 22mmHg 以上(原発閉塞隅角緑内障では 50-60mmHg)。
ちなみに、同名半盲は一側の視放線または視神経の障害(脳腫瘍など)によって起こり、また
うずまき状視野はヒステリーや心因反応において認められる。
その他重要な視野異常として、下垂体腫瘍による両耳側半盲、視神経炎による盲中心暗点(ラ
ケット暗点)などが重要。
※ちなみに、正常眼圧は 10-21mmHg であることを確認しておこう。
(15)
×1.正常眼圧緑内障は全緑内障の 50%強を占めており、もっとも頻度の高い緑内障病型で
ある。ちなみに、正常眼圧緑内障は約 20%に乳頭出血がみられる。また、血流障害の可能
性が示唆されている。
○2.続発緑内障の原因として、糖尿病性網膜症・ぶどう膜炎・網膜中心静脈閉塞症・網膜剥
離・眼外傷などさまざまな眼病変で眼圧上昇をきたすものがある。
○3.正常でも視神経乳頭の陥凹は存在する。緑内障が進行すると神経の障害、萎縮により陥
凹が進む。眼底検査は必須!
×4.緑内障の診断には、隅角検査・視野検査は必須である。他に眼底の視神経検査、時間・
時期を変えての眼圧検査も診断の補助になる。※ちなみに、眼圧計には圧入眼圧計と、圧
平眼圧計があり、前者の代表は Schiötz(シェッツ)眼圧計、後者の代表は Goldmann(ゴール
ドマン)眼圧計があり、国際的にはこっちが一般的に使用されている。で、もちろん正常眼
圧緑内障にもちゃんと眼圧検査は行う!眼底検査のほうが大事ではあるが。
×5.視野検査で異常を認めなくても緑内障を否定してはいけない。
ちなみに、重要ではない検査は角膜内皮検査である。
(16)緑内障の治療について
原発開放隅角緑内障には薬物が第一選択(β-blocker が first choice)
眼圧下降薬としては、β-blocker(房水産生の抑制)、塩酸ピロカルピン(縮瞳によって房水流
出促進)、交感神経作動薬、アセタゾラミド、マンニトールなど。
手術としては、トラベクレクトミー(線維柱帯切除術)をおこない、線維柱帯と Schlemm 管
もろとも取り去って、房水を結膜に流す。
※ 原発緑内障にはアトロピンは絶対禁忌。また、当然β-blocker は喘息の患者に禁忌。
また、緑内障薬剤治療における例外は、ぶどう膜炎などの続発緑内障であり、この場合は
アトロピンが第一選択で塩酸ピロカルピンは禁忌。
原発閉塞隅角緑内障では手術が第一選択。まず薬物で眼圧を下げてから、速やかに周辺虹
彩切除術またはレーザー虹彩切開術を行う。
×1.房水の産生を抑制して眼圧を下げるのはβ遮断薬の点眼である。
×2.線維柱帯切除を行うのは開放隅角緑内障。閉塞隅角緑内障ではレーザー虹彩切開術など。
○3.上述(※)の通り。
×4.糖尿病性網膜症の合併症として、血管新生緑内障が重要。原疾患の治療と緑内障の治療
両方必要であり、一般に予後不良。
×5.正常眼圧緑内障(開放隅角緑内障のひとつ)にも、眼圧下降薬を投与することがある。
(17)ベーチェット病の検査項目
原因:HLA-B51 との相関が知られる。
ちなみに HLA-DR4 との相関がみられるのは原田病。
症状は、口腔内アフタ(97%にみられる)皮膚症状(結節性紅斑、血栓性静脈炎)眼症状は虹彩
炎(無菌性前房蓄膿)である。再発性の視力障害(繰り返す視力障害→ベーチェット病、MS を
疑う!)。好発は 20-40 歳代の男性に多い。治療はステロイド全身投与は禁忌!
(18)前部ぶどう膜炎の疾患
前部ぶどう膜炎=虹彩毛様体炎、角膜ぶどう膜炎、強膜ぶどう膜炎
*他に中間部ぶどう膜炎・後部ぶどう膜炎・汎ぶどう膜炎がある。
前部ぶどう膜炎…HLA-B27 関連虹彩毛様体炎、ヘルペスウィルスによる虹彩毛様体炎
(虹彩毛様体炎=前部ぶどう膜炎であることを知っていれば解答できる)他にベーチェット
病、結核など。*サルコイドーシスは、前部・後部ともに見られる。ここでは解答の組合せ
上 2,6 とした。
*汎ぶどう膜炎として Vogt-小柳-原田病、ベーチェット病、急性網膜壊死などが重要。
*ちなみに、日本人における 3 大ぶどう膜炎原因疾患①ベーチェット病②サルコイドーシ
ス③原田病
である。
(19)
ハンマーでの解体作業中に発症した眼の痛み、視力低下、眼圧低下→眼外傷(穿孔性外傷?)
視力手動弁→手の動きが目の前で手を振ればやっとわかる程度の視力
ハンマーで解体作業中に急激に眼痛、視力低下、眼圧低下が生じたことから、解体中に石
材などの破片が角膜を穿孔、前房に到達したためにこのような症状(房水流出により眼圧低
下)が起きたのではないか?と考える。
→感染を予防するための抗生物質、US にて眼底状況把握、穿孔のため手術にて縫合。異物
があれば摘出することが適切と考えられる。(2,3,4→○)
(20)コンタクトレンズについて
×1.ハードコンタクトレンズ使ってる人はわかるはず。ソフトも前は煮沸が必要だったが今
は必要ないものも多い。
○2.巨大乳頭結膜炎の最大の原因はレンズに付着した汚れで、蛋白質などの汚れによるアレ
ルギー性結膜炎が起こる。眼の痒み、レンズのズレや違和感を感じる。こすり洗いをした
り、1day や 2week の使い捨てコンタクトレンズにすることにより頻度は減少する。
○3.文章の通り。但しある程度円錐角膜が進行してしまうとコンタクトレンズがはずれやす
くなるために手術が必要。
○4.文章の通り。
×5.むしろスポーツのときはソフトコンタクト。ハードだと砂や埃が入ると激痛。これも使
っている人ならわかるはず。
*コンタクトレンズの適応
①高度の近視
②不同視
③円錐角膜
④乱視
など。老視は一般的に眼鏡で矯正。コンタクトレンズを装用しても視力の改善は認めない。
平成16年度
眼科学卒業試験問題
解答はひとつとは限らない。全てを選べ。
【1】次の文のうち正しいものはどれか
①網膜色素上皮は Bruch 膜と接している
②ミュラー細胞の核は外顆粒層に存在する
③視交叉では網膜の鼻側半分からきた線維は同側へ、耳側半分からきた線維は反対側へ行
く半交叉をする
④眼窩の下壁は上顎骨、頬骨、口蓋骨からなる
⑤眼動脈は内頚動脈の分枝である
a.1,2,3
b.1,2,5
c.2,3
d.1,4,5
e1~5 のすべて
正解 d
○①硝子膜。脈絡膜の最内層で、網膜色素上皮に接している。脈絡膜から網膜外層へ栄養
を送る通路。この二つは血液網膜関門 blood-retinal barrier として重要。
×②内顆粒層に存在する。網膜の各細胞間を埋めているグリア系細胞で、その細胞突起は
内方は内境界膜、外方は外境界膜までのびていて、網膜の構造を保持。網膜代謝の栄養源
で、神経伝達の絶縁、網膜損傷の組織修復機能などを持っている。
×③鼻側からの線維は反対側、耳側の線維は同側へ行く交叉。
○④主として上顎骨からなるが、前外側部には頬骨、後端部に口蓋骨が加わる。
○⑤内頚動脈の枝で頭蓋腔から視神経管を通って眼窩に入る。
【2】次のうち水分を最も多く含む組織はどれか
a 角膜
b 水晶体
c 硝子体
d 網膜
e 脈絡膜
正解 c
硝子体は、体積は成人で約 4ml で、その成分の 99%は水。ヒアルロン酸によって水を抱え
たゲルである。他に N、P、Vit.C(アスコルビン酸)、ブドウ糖を含む。
【3】次の文のうち正しいものはどれか
① 赤緑色覚異常の遺伝形式は常染色体優性遺伝が多い
② 眼圧の正常値は 10~21mmHg である
③ 視野検査では生理的に見えない暗点をマリオット盲点という
④ 視交叉部の病変では両鼻側半盲になることが多い
⑤ 緑内障初期の視野異常は耳側に出現することが多い
a.1,2,3
b.1,2,5
c.2,3
d.1,4,5
e1~5 のすべて
正解 c
×①伴性劣性遺伝なので男性に多い。
○②文章通り。
○③視神経乳頭部に相当する。
×④下垂体腫瘍などでは両耳側半盲となる。
×⑤鼻側の視野欠損と Seidel 暗点→Bjerrum 暗点→Roenne の鼻側階段と進行して行き、
末期には中心視野のみ残る。
【4】次の文のうち正しいものはどれか
①近視では網膜の後方で結像する
②遠視の補正は凸レンズでおこなう
③近方視では水晶体の厚さは厚くなる
④老視では近方よりも遠方の視力が低下する
⑤遠方視力は 7m の距離で測定する
a.1,2,3
b.1,2,5
c.2,3
d.1,4,5
e1~5 のすべて
正解 c
×①網膜の前で結像。矯正は凹レンズ(-のレンズ)。遠視はこの逆。
○②上述
○③文章通り
×④毛様体の筋力の減衰、水晶体の弾性の低下により水晶体がふくらまず、近点が遠くな
る。
×⑤5m の距離で測定する。
【5】切れ目が 1.5mm の Landolt 環を 5m の距離でかろうじて判別できる視力はどれか
a
1.5
b 1.0
c
0.5 d
0.15 e
0.1
正解 b
視力とは 2 点を識別する眼の能力をいう。眼がかろうじて判別できる 2 点が眼に対してな
す角度を最小視角といい、最小視角(分)の逆数で視力を表す。検査距離 5m で切れ目の視
角が 1 分となるランドルト環は外径 7.5mm、太さと切れ目の幅がそれぞれ 1.5mm となり、
これは視力 1.0 に相当する。
【6】-2diopter の近視の人の遠点を選べ
a
100cm b
50cm c
33.3cm d
25cm e
20cm
正解
【7】次の文の中で正しいものの組み合わせを選びなさい
①年配者の眼瞼に再発する麦粒腫は脂腺癌の可能性があるため病理診断が必要である
②基底細胞癌は悪性黒色腫に比べ転移することは少ない
③脂漏性角化症は 10~20 代に多くみられる
④老人性角化症はしばしば扁平上皮癌へ移行することがある
a
1,2,3
b 2,3,4 c
1,2,4
d 1,3,4
e
すべて
正解 c?
○?①いわゆるものもらい。ツァイス腺に感染するものを外麦粒腫、マイボーム腺に感染
して眼瞼結膜面に現れるものを内麦粒腫という。原因菌は黄色ブドウ球菌が多い。日常的
に鑑別すべきものに霰粒腫(マイボーム腺の慢性肉芽腫性炎症)がある。まれに鑑別すべ
きものに老人のマイボーム腺癌がある。
○②血行転移なし。下眼瞼の内側にできやすい。
×③20 代から発症するが、中高年に多い。60 代では 80%、80 歳以上で約 100%の人にみ
られる。
○④表皮角化細胞が中波長紫外線によって核 DNA を損傷されることが病因とされる。放置
されると真皮内へ侵入し、扁平上皮癌となることがある。一年以内に進展する危険率は
1/1000 程度とされる。
【8】次の文の中で網膜芽細胞腫についてあてはまる正しい組み合わせを選びなさい
①白色瞳孔を認めることがある
②両眼性は常染色体劣性遺伝が多い
③片眼性の場合、眼球摘出を行うことが多い
④転移する
a
1,2,3
b 2,3,4 c
1,2,4
d 1,3,4 e すべて
正解 d
○①眼が光ることで来院する。黒内障性猫眼ともいう。
×②両眼性は常染色体優性遺伝で全体の 10~30%。片眼は非遺伝性で突然変異のものが多
い。
○③片眼なら眼球摘出。両眼なら重症眼を摘出、他側は放射線療法。
○④骨転移を生じる。
【9】次の文の中で正しいものの組み合わせを選びなさい
①角膜内皮は再生しづらい
②角膜は神経のない組織である
③角膜の屈折力は水晶体よりかなり小さい
④角膜ジストロフィーには家族性のものが多い
⑤角膜移植は拒絶反応が起こりにくい
a
1,2,3
b 2,3,4 c
1,2,5
d 1,4,5 e すべて
正解 d
○①内皮細胞は生後細胞分裂をしない。損傷され 500/mm2(正常 3500/mm2)以下になると房
水は角膜実質内に侵入し、浮腫状となる。(水疱性角膜症)
×②角膜の知覚は三叉神経第1枝による。角膜実質層から上皮層に多数分布している。
×③角膜の屈折率 1.37、水晶体の屈折率 1.43。
○④家族性遺伝性に角膜混濁をきたす非炎症の疾患。①遺伝性②両眼性③進行性に角膜に
物質の沈着する④系統的全身疾患を認めない、などの特徴を認める。角膜の角層に発症す
る。
○⑤角膜移植は他の臓器移植と違って拒絶反応を起こす確率が少なく成功率が高い。移植
片の上皮細胞はすべて脱落してレシピエントの上皮細胞におきかわる。移植片の内皮細胞
はそのまま生き続けていく。角膜感染症や角膜ジストロフィーなどにより角膜が混濁し、
視力低下が著しい場合行われる。
【10】次の文の中で誤っているものの組み合わせを選びなさい
①緑内障-β遮断薬
②角膜ヘルペス-アシクロビル眼軟膏
③テンシロンテスト-硫酸アトロピン
④視神経炎-止血剤
⑤アレルギー性結膜炎-抗ヒスタミン点眼薬
a
1,2
b 2,3
c
3,4 d
4,5 e 1,5
正解 c
○①房水産生を抑制する。
○②ヘルペスにはアシクロビル。
×③エドロホニウムクロリド。速効性、短時間持続の抗 ChE 薬。アトロピンは抗コリン薬。
×④急性期には副腎皮質ステロイド。同時に視神経組織を賦活する目的でビタミン B1、B12
投与や視神経の血行促進薬などの併用も行う。
○⑤Ⅰ型アレルギー。
【11】角膜感染症の起炎性のないものを選びなさい。
(1) 単純ヘルペスウイルス
(2) HTLV-1
(3) イヌ回虫
(4) MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
(5) アデノウイルス
a.1,2
<答え>
b.2,3
c.3,4
d.4,5
e.1,5
b
(1) 単純ヘルペス角膜炎を引き起こす。
(2) 成人 T 細胞白血病を引き起こす、レトロウイルスである。角膜感染症の起炎性はない。
(3) 第 3 期幼虫がまれに眼球内に侵入するが、角膜感染症の起炎性はない。
(4) 細菌性角膜潰瘍を起こす。起炎菌は他に、肺炎球菌・連鎖球菌・緑膿菌がある。
(5) アデノウイルス 8 型(時に 4 型、19 型、37 型)の感染により流行性角結膜炎を起こす。
【12】ウイルス性結膜炎について正しいものはどれか。
1.
急性出血性結膜炎の潜伏期は 12~24 時間である。
2.
急性出血性結膜炎の原因のひとつであるエンテロウイルスは、DNA ウイルスである。
3.
流行性角結膜炎の原因であるアデノウイルスは、乾燥させれば簡単に不活化する。
4.
ウイルス性結膜炎の眼脂塗抹標本をギムザ染色すると好酸球が多くみられる。
5.
乳幼児の場合、濾胞形成は少なく、偽膜を形成しやすい。
a)1.2
<答え>
b)2.3
c)3.4
d)4.5
e)1.5
e
1.
エンテロウイルス 70 の感染による結膜炎で、潜伏期は短く約 1 日である。
2.
エンテロウイルスは RNA ウイルスである。
3.
乾燥しても不活化しない。
4.
眼脂塗抹標本に好酸球がみられるのは、アレルギー結膜炎である。
5.
乳幼児では発熱・感冒様症状・下痢などの全身症状をみることが多く、瞼結膜に偽膜
を形成することが多い。
【13】水晶体について正しいのはどれか。
1.
外胚葉由来である。
2.
年齢に伴い胎生核の周りに成人核が生じる。
3.
水晶体は近紫外線を吸収する。
4.
水晶体上皮細胞の増殖能は加齢と共に増加する。
5.
水晶体嚢の厚さは 0.1mm 程度である。
a)1,2,3
b)1,2,5
<答え>
b
c)1,4,5
d)2,3,4
e)3,4,5
1.
水晶体は体表から眼胚の中に誘導され、発生学的には外胚葉起源である。
2.
加齢とともに、核を構成する中心および周辺胎生核が減少するが、成人核は逆に相対
的に増加する。
3.
光線は波長が短いほど眼球の表面で吸収され、波長が長ければ眼球内部に到達する傾
向がある。このため、紫外線は角膜に障害を起こし、赤外線は水晶体に障害を起こす。
4.
水晶体上皮細胞の増殖能は加齢とともに減少する。
5.
選択肢的にこれが正解になると思われます。僕が調べた範囲では見つけられませんで
した。ごめんなさい。(水晶体嚢の厚さは 0.1mm?)
【14】白内障手術の際に挿入する人工レンズのパワー決定に重要なものは?
1.
角膜形状
2.
眼軸長
3.
角膜内皮細胞数
4.
僚眼の屈折度数
5.
水晶体核の硬度
a)1,2,3
b)1,2,4
<答え>
b
c)1,4,5
d)2,3,4
e)3,4,5
白内障手術の前に、角膜のカーブ(角膜形状)と、眼球の奥行き(眼軸長)を超音波で計測し、
これにより挿入する眼内レンズの強さを決めるようにする。術後の屈折を正視ではなく、
近視気味にするのがポイントである。
【15】白内障術後起こりうる合併症はどれか?
1.
水疱性角膜症
2.
術後感染症
3.
後発白内障
4.
乱視の増加
5.
嚢胞様黄斑浮腫
a)1,2,3
b)1,2,4
<答え>
a
c)1,4,5
d)2,3,4
e)全て
1.
白内障手術などの眼内手術で角膜内皮に障害を起こした場合に発症する。
2.
術後感染の可能性のない手術はない。
3.
水晶体嚢外摘出術後に生じる混濁で、残存した水晶体上皮細胞の後嚢上への増殖によ
って生じる。
4.
眼内レンズを挿入するため、乱視は回復する。
5.
糖尿病性網膜症の網膜所見である。
【16】68 歳男性。約 20 年前から糖尿病があり、最近の HbA1c は 7.1 である。2 ヶ月前に
胃癌のため胃切除術を行われ、術後中心静脈栄養を受けている。最近両眼が見えにくいと
の主訴で今回眼科に紹介された。眼底検査では両眼の網膜に黄白色滲出斑と雪玉状の硝子
体混濁が見られたが出血はなかった。前房、硝子体に炎症があった。最も考えられるのは
どれか?
a.
糖尿病性網膜症
b.
真菌性眼内炎
c.
胃癌転移
d.
網膜中心静脈閉塞症
e.
虚血性視神経症
<答え>
b
真菌性眼内炎は、カンジダ・アルビカンスなどの真菌が血行性に眼内に進入して引き起
こされる眼内炎症である。腹部臓器の手術後に行う中心静脈栄養に続発するものが多い。
起炎菌は血行性に脈絡膜に到達し、網膜、硝子体、そして眼内全体へと感染が波及して
いく。糖尿病性網膜症でも網膜の硬性白斑と硝子体混濁はみられるが、前房と硝子体の
炎症の説明がつかない。
【17】ペンライトを注視させると×のところに角膜反射がみられた。
斜視の診断はどれか。
a)
上斜視
b)
下斜視
c)
内斜視
d)
外斜視
e)
下斜筋過動
<答え>
d)
斜視の有る無しを知る最も簡単な検査法は、ペンライトなどを注視させ、その角膜上の
反射が角膜の中央にあるかどうかを見ることである。反射が 1mm ずれていれば 7゜変位
している計算になる。この方法を角膜反射法(Hirschberg 法)という。
本問題では、左角膜の角膜反射が内側にずれているため、左眼の外斜視である。
【18】動眼神経麻痺につき正しいものを選べ。(複数可)
1.
糖尿病によるものでは、運動障害は出ないことが多い。
2.
瞳孔不同は暗所で明白になる。
3.
瞳孔線維は圧迫により障害されすい。
4.
上斜筋麻痺をおこす。
5.
Weber 症候群で出現する。
<答え>
3,5
1.
糖尿病による動眼神経麻痺でも運動障害は出る。
2.
瞳孔不同は明所にて明白になる。患側の瞳孔は縮瞳できない。
3.
E-W 核の障害で散瞳をきたすのは松果体腫瘍が多い。
4.
眼筋麻痺では動眼神経支配の内直筋・上直筋・下斜筋・下直筋と眼瞼挙筋が麻痺する。
5.
Weber 症候群では、患側の動眼神経麻痺に反対側の片麻痺が併発。大脳脚と通る錐
体路障害が原因。
【19】糖尿病性網膜症に影響を及ぼす因子を選んで組み合わせを答えなさい。
1.
血糖コントロール
2.
後部硝子体剥離
3.
血清脂質
4.
罹患期間
5.
血圧
a: 1.2
b: 1.3.4.5
<答え>
c: 1.4.5
d: 4.5
e: 全て
e
【20】網膜中心動脈閉塞症の初期に特徴的な眼底所見はどれか。
(1)
網膜浮腫
(2)
網膜出血
(3)
軟性白斑
(4)
視神経萎縮
(5)
桜実紅斑(cherry-red spot)
a (1),(2)
b (1),(5)
<答え>
c (2),(3)
d (3),(4)
e (4),(5)
e
(1)~(3)は網膜中心性静脈閉塞症の眼底所見である。
(4)網膜の神経組織は網膜循環停止が 40 分以上にわたる時、機能が回復せず、萎縮・
変性する。
(5)網膜中心性動脈閉塞症に特徴的な眼底所見。中心窩を除く周囲の網膜が白濁している
ために、とり残された中心腋窩が相対的に赤く見える。
【21】手の振戦のある人に適した視覚補助具を選べ
1眼鏡
正解
2手持ち拡大鏡
3テレマイクロスコープ
4単眼鏡
5拡大読書器
1、5
手持ち拡大鏡、テレマイクロスコープ、単眼鏡は手に持って対象を拡大するが、拡大読
書器は拡大されたものをテレビに映し、それを見る。
【22】網膜における主な動脈硬化性変化を選べ
1網膜細動脈の口径不同
4視神経乳頭浮腫
正解
2動静脈交叉現象
3動脈血柱反射の亢進
5網膜表層の線状出血
2、3
高血圧性眼底および動脈硬化性変化の分類に、Scheie 分類がある。
第1度
高血圧性所見
細動脈硬化性所見
細動脈の狭細
細動脈壁反射の軽度亢進と
軽微な動静脈交叉現象
第2度
細動脈の狭細が著明となり
上記の所見が著明になる
口径不同が現れる
第3度
細動脈の狭細と口径不同が
銅線動脈とさらに高度な交
さらに著明となり、網膜の出
叉現象
血、滲出を伴う
第4度
3度の変化に乳頭浮腫が加
わる
1,4,5
高血圧性変化である。
銀線動脈
2
動脈硬化性変化である。
3
動脈硬化によって動脈壁が肥厚すると網膜動脈の反射が増強され、銅線動脈や銀線
動脈を呈する。
【23】ベーチェット病で完全型と診断されるために必要な症状はどれか正しい組み合わせ
を選べ。
1口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
2結節性紅斑
3虹彩毛様体炎
4関節炎
5外陰部潰瘍
a.12 b.24
正解
c.145
d.234
e.1235
e
ベーチェット病の完全型は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、眼症状、皮膚症状
の4つの主症状がそろったものをさす。
4膝・肩・肘などの大・中関節に関節炎が出現することがあるが、これは副症状である。
【24】原田病によく見られる臨床症状はどれか正しい組み合わせを選べ。
1隅角結節
a.134
正解
2難聴
b.124
3牽引性網膜剥離
c.145
d.14
4皮膚白斑
5先行する眼外傷
e.24
b
○1 原田病では pigment beads という色素結節を隅角に認める。
○2 原田病では内耳症状(感音性難聴、耳鳴)を認める。
×3
糖尿病網膜症などで、網膜上の増殖膜を介して網膜が牽引され、網膜剥離が発生
する。
○4
原田病はメラノサイト特有的自己疾患のため白髪・皮膚白斑を認める。
×5
自己免疫疾患であり、認められない。
【25】次に挙げた疾患と視野障害の組み合わせの正しいものはどれか(複数可)
a.両耳側半盲―下垂体腫瘍
b.水平半盲―虚血性視神経症
d.黄斑回避のある同名半盲―後頭葉脳梗塞
正解
a,b,c,d
○a. 腫瘍が下方から視交叉を圧迫する。
○b.
○c. 炎症により乳頭黄斑束が障害されるため。
○d. 視覚中枢に近いほど黄斑回避がある。
c.中心暗点―視神経炎
【26】網膜色素上皮の機能として正しいものはどれか。
1)視細胞の外節を貪食する。2)視細胞外節と強い結合をしている。3)網膜内の水
分を吸収する。4)分裂能力が盛んである。
正解
1)
網膜色素上皮は、直下の杆状体錐状体層の杆状体外節からの脱落片をとりこんで処理す
る。
【27】加齢黄斑変性症で正しいものはどれか。
1)50歳以上に発症する。2)光線力学療法が有効である。3)急性の大量黄斑下出
血になることが多い。4)患者数は、増加傾向にある。
正解
1,2,3,4
○1)50歳以上、特に高齢者で発症する。
○2)レーザーで新生血管を凝固させる。
○3)重症だと脈絡膜新生血管から眼内に大量出血を起こして、全く見えなくなること
もある。
○4)欧米と同様日本でも増加傾向にある。
【28】次の疾患のうち初発症状が中心視野障害でないものはどれか。
a.黄斑円孔
b.加齢黄斑変性症
c.黄斑上膜
d.黄斑剥離を含む網膜剥離
e.偽黄斑円孔
正解 a,b,e
×a. 軽度の視力低下で発症する。
×b. 視力低下で発症する。
○c. 硝子体が変性して増殖膜を形成し、網膜を牽引することにより網膜を障害する。黄
斑部に出来やすい為、黄斑上膜という。初期から中心視野障害があらわれる。
?d.
×e. 中心窩周囲に網膜上膜がある場合、その部分の収縮で網膜内層から上膜が引き上げ
られ、円孔のような腔ができる。網膜には異常がないので視力障害はきたさない。
【29】次のなかで鈍的外傷の際に認められることが多い前眼部所見を選びなさい。
1前房出血
a. 123
2虹彩炎続発
b.125
3緑内障
c.234
4瞳孔強直(散瞳・縮瞳) 5白内障
d.145
e.すべて
正解
e
○1
前房は角膜の後ろにある組織で外傷により出血しやすい。
○2
虹彩や隣接組織の障害による血液房水関門の破錠によりおきる。
○3
赤血球や炎症産物による房水流出低下による。
○4
瞳孔括約筋が麻痺することによりおきる。
○5
水晶体が混濁するため。ちょうど眼窩に入る大きさの外傷に多い。
【30】眼外傷における処置のうち正しいものの組み合わせを選びなさい。
1)眼内異物はできるだけ早期に摘出することが望ましい。
2)開放創は確実に縫合する。
3)感染予防のため抗生物質は初期から投与する必要がある。
4)酸やアルカリなどの角膜化学熱傷の治療ではまず早期に長時間の洗眼をおこなう。
a.123
正解
b.124
c.234
d.134
e.すべて
e
○1
○2
角膜裂傷部からの虹彩の脱出や眼炎を予防するため確実に縫合する。
○3
○4
緊急に洗眼する(20分間)
眼科卒業試験問題 2005 年
【1】 主に両眼性の疾患はどれか(ひとつとは限らない)
1
交感性眼炎
2
サルコイドーシス
3
ベーチェット病
4
原田病
5
眼トキソカラ症
解答
124
解説
1
ぶどう膜組織が外界に露出した際にウィルス感染し、それが trigger になって前身のメ
ラニン組織が抗原を獲得した自己免疫性疾患。両眼に急速に激しいぶどう膜炎が発症す
る。
2
30-40%に併発するぶどう膜炎は両眼性で、同時に発病し、同じ症状と所見、経過を示
すのが特徴。
3
片眼に発病し、最後に両眼を侵す。発作を繰り返し、高度の視力低下に至る場合がある。
4
両眼に急性びまん性ぶどう膜炎をおこし両眼の霧視、視力低下をきたす。脈絡膜のメラ
ニン細胞の崩壊により、夕焼け状眼底を呈する。
5
イヌ回虫およびネコ回虫の幼虫が体内を移行してさまざまな症状を起こす。眼内へ移行
して強い眼内炎を生じる。
【2】 急性網膜壊死の原因ウィルスはどれか(ひとつとは限らない)
1
単純ヘルペスウィルス 1 型
2
単純ヘルペスウィルス 2 型
3
水痘帯状疱疹ウィルス
4
サイトメガロウィルス
5
Epstein-Barr ウィルス
解答
13
解説
急性に発病し、特異な経過を示す激しいぶどう膜炎。片眼に突然の眼痛と視力低下
をきたす。単純ヘルペスウィルス(眼部を侵すのは通常は 1 型)、帯状疱疹ウィルス感
染が原因。
【3】 ERG(網膜電図)に異常が出ない疾患を選べ
1
網膜中心動脈閉塞症
2
頭蓋内圧亢進
3
網膜色素変性症
4
Kearns-Sayre 症候群
5
重度硝子体出血
解答
4
解説
1
支配領域の脈絡膜が壊死を起こす
2
増強型を示す
3
消失型を示す
4
慢性進行性外眼筋麻痺の一型
【4】 右滑車神経麻痺について正しいものを選べ(ひとつとは限らない)
1
動脈瘤で傷害されることが多い
2
海綿静脈洞を通過するので CCF(内頚動脈海綿静脈洞ろうに合併する)
3
患者は右眼が上転位をとるのであごを引くことが多い(chin down)
4
患者は複視を減らすための代償頭位として右に首を傾ける(head tilt)
5
複視で右眼の像は下方に出現する
解答
23
解説
1
眼窩縁への鈍性外傷で滑車が障害を受けることにより起こりやすい
2
海綿静脈洞の上・外壁の境をとおる
3,4 患者は内下方の方向に眼を使う動作をこわがり、上斜筋をあまり使わない。あごをひい
て、患眼側を前に出し、上目遣いをして外上方に眼を向ける頭位(患側と反対側に頭を傾け
る)をとる。
【5】 次の視神経の記載のうち正しい組み合わせはどれか
1
視神経は眼窩内を後内方に貫いて、視神経管を通り、視交叉から視索を通って外側膝体
に達する
2
眼球内では網膜中心動脈からの栄養をうけるが、眼球外では眼動脈の他の血管からの栄
養もうけるようになる
3
視神経線維の数は 70-125 万本である
4
視神経は正常眼圧では障害されない
a 1,2,3
解答
b 2,3,4
c 1,2,4 d 1,3,4 e すべて
d
解説
3
くも膜下腔にあって視神経をとりまく動静脈から視神経内に血管枝が入り密な血管網
を形成する。し状板前方の視神経乳頭部は深層では脈絡膜由来の動脈と毛細血管により
栄養され、最表層は網膜内層の血管網の続きにより栄養される。どちらも網膜中心静脈
へと流れる。網膜中心動脈は眼球壁から 8-12mm 後方で視神経に直角に入り、その中心
部を前進、乳頭で眼内へ入る。視神経の栄養にはほとんど関与しないと考えられている。
【6】 次のうち閉塞隅角緑内障(PASindex50%以上)の治療として行なわれるものはどれ
か
1
白内障手術
2
レーザー虹彩切開術
3
隅角癒着解離術
4
線維柱帯切開術
a 1,2,3
解答
b 2,3,4
c 1,2,4 d 1,3,4 e すべて
b
【7】 水晶体について正しいのはどれか組み合わせを選べ
1
外胚葉由来である
2
年齢に伴い胎生核の周りに成人核が生じる
3
水晶体は紫外線を吸収する
4
水晶体上皮細胞の増殖能は加齢とともに増加する
5
人の水晶体の形状は球状である
a 1,2,3
b 1,2,5
c 1,4,5 d 2,3,4 e 3,4,5
解答
a?
解説
水晶体は外肺葉由来のほぼ無色透明な両凸レンズである。血管、神経はない。水晶
体中心部の線維は 25 歳を過ぎるころから硬くなり、水晶体核を形成する。この核はそのご
加齢とともに増大し、硬化していく。
【8】 次のうち正しくないもの 1 つを選べ
a 検査距離 5m のときの 1.0 ランドルト環の大きさは外径 7.5mm である
b 視力とは最小視角の逆数で表す
c
正乱視は円柱レンズで矯正する
d 網膜面より前方に結像するものを遠視という
e 屈折検査には自覚的屈折検査と多覚手的屈折検査がある
解答
d
解説
網膜面より前方に結像するものを近視、後方に結像するものを遠視という。
【9】 次のうち正しいものを 1 つえらべ
a 網膜の局所の乏血によって硬性白斑を生じる
b 網膜動脈硬化症がおきると動脈の狭細や口径不同が生じる
c
網膜中心動脈閉塞症では cherry-red-spot がみられる
d 網膜の循環を調べるために超音波断層検査(B モード)を行なう
e
Roth 斑は糖尿病網膜症で多く見られる
解答
b
解説
a 硬性白斑;網膜内での脂質の沈着により生じる
軟性白斑;局所性の網膜虚血により生じる
b 文章の通り
c
網膜中心静脈閉塞症では乳頭を中心とした放射状あるいは噴水状の広範囲の出血と白斑
を見る。Cherry-red-spot がみられるのは網膜中心動脈閉塞症。
d 超音波検査は角膜や水晶体の混濁によって眼底が透見できないときの眼内腫瘍、網膜剥
離、硝子体出血、眼内異物などの診断に、また、眼窩内の腫瘍や異物の存在を知るため
に用いられる。網膜の循環を調べる検査に眼底血圧測定法がある。
e 眼底出血の中央に、白血球細胞の浸潤による白斑が見られることがある。この所見をロ
ート斑という。急性、慢性、骨髄性、リンパ球性白血病のいずれの場合でも眼底の変化
は見られるが、急性骨髄性白血病の場合に多い。
【10】 ヘルペスウィルスについて正しいものはどれか
1
ヘルペスウィルスの遺伝子は RNA である
2
角膜知覚計での角膜知覚測定は診断に有用である
3
単純ヘルペスに対する血中抗体価の測定は確定診断に重要である
4
実質型ヘルペスに対しステロイドの投薬は禁忌である
5
樹枝状角膜炎では病変の辺縁部でウィルスが増殖している
a 1,2
b 3,4 c 3,5
解答
d
d 2,5
e 1,4
解説
1
DNA ウィルス
2
角膜知覚低下は単純ヘルペス角膜炎の特徴
3
急性期と回復期における血中中和抗体価上昇による診断は初感染例においてのみ有用
4 角膜の表層を侵す樹脂状角膜炎には副腎皮質ステロイド薬点眼は禁忌
角膜の深層を侵す実質型の円板状角膜炎には副腎皮質ステロイドの点眼薬、内服を併用
する
【11】 角膜感染症について正しいものはどれか
1
ソフトコンタクトレンズ装用、外傷、ステロイド薬の長期投与は誘引となる
2
アカントアメーバ角膜炎では角膜ヘルペスとの鑑別に、角膜知覚低下がないことが挙げ
られる
3
カンジダは結膜嚢内の状在菌のひとつである
4
ブドウ球菌による感染症は進行が速くふく行性角膜潰瘍といわれる
5
麦粒腫の主たる起因菌はグラム陰性桿菌が多い
a 1,2
b 1,3 c 3,4
解答
a
d 4,5
e 2,5
解説
2
問題 11 参照
5 ブドウ球菌(グラム陽性)が起因菌となる
【12】43 歳男性。作業中、カナヅチの破片が眼球内に飛入した。異物による眼球損傷の程
度を把握するために必要な検査はなんですか
解答
眼内異物が疑われる場合は、細隙灯顕微鏡などにより前房内、虹彩、水晶体の観察
を行い、さらに眼底検査により異物を探す。出血や白内障で直接眼内を透見できない場合
は X 線撮影、超音波診断や CT などにより、異物の有無および部位を調べる。
【13】誤っている組み合わせはどれか。
(1) 急性出血性結膜炎――――――
真菌
(2)
流行性角結膜炎―――――――
アデノウイルス
(3)
春季カタル―――――――――
黄色ブドウ球菌
(4)
新生児膿漏眼――――――――
緑膿菌
a (1),(3),(4)のみ
b (1),(2)のみ
c (2),(3)のみ
d(4)のみ
e (1)~(4)全て
解答: a
解説:
(1)急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス70の感染による結膜炎で、球結膜下出血が
特徴的な所見である。(標準眼科学9版(以後同じ資料)P.156)→×
(2)流行性角結膜炎は、アデノウイルス8型(ときに4型,19型,37型)の感染により伝染しや
すい。いわゆる「はやり目」である。(P.155)→○
(3)春季カタルは、アレルギー性結膜疾患の一種で、春から夏にかけて増悪し、冬には
寛解することを繰り返す。原因の同定は困難だが、花粉、粉塵、ダニなどによるⅠ
型及びⅣ型アレルギーが関与。アトピー素因があることが多い。(P.158)→×
(4)新生児膿漏眼は、産道感染により新生児に起こった淋菌性結膜炎のことである。淋
菌性結膜炎は、急激に発症し進行する結膜炎で、眼瞼と結膜の腫脹・充血が強く膿
性分泌が多量にあり、膿漏眼と呼ばれる状態となる。(P.158)→×
【14】副腎皮質ステロイド点眼薬の副作用はどれか。
(1) 糖尿病
(2) 眼圧上昇
(3) 感染誘発
(4) 眼球突出
(5) 満月様顔貌
a (1),(2)
解答: c
b (1),(5)
c (2),(3)
d (3),(4)
e (4), (5)
解説:点眼薬で全身的な疾患になることは考えにくい。
ステロイド薬の副作用として、眼科疾患では以下のものがあげられる。
・白内障(後嚢下):ステロイド薬の全身投与に伴うことが多く、アトピー性皮膚炎や膠
原病に生じやすい。
・緑内障(眼圧上昇)
:どちらかというと点眼の長期投与に伴うことが多い。発症するの
は本来緑内障の素因のあるもの(ステロイド反応者)と考えられている。
・角膜ヘルペス:単純ヘルペスウイルスⅠ型による片眼性の角膜炎で、再発性の高い疾
患であり、その誘因として発熱・外傷・ストレス・日光などがあげられる。
(標準P.33)
・角膜真菌症:植物による角膜外傷を誘因としたり、ステロイド薬の点眼の副作用や菌
交代現象として、近年感染が増加してきている。(標準P.32)
・緑膿菌感染
・眼球突出
【14】黄斑部の機能を調べることのできる臨床検査法を選べ。
1. ERG
2.EOG
3.色覚検査
4.OCT
解答:3
解説:
(1)ERG(electroretinogram網膜電図):光刺激による網膜の変化を記録したもののこと
で、コンタクトレンズ型電極を用い、角膜表面から誘導する。ERGは、網膜全体の
機能を総合的に反映するので、加齢黄斑変性のように病変が黄斑部のみに限局して
いる場合には、視力が極度に低下していても通常のERGではほぼ正常な波形を示す。
(標準P.24)→×
(2)EOG(electro-oculogram眼球電図):網膜常存電位の記録のことで、内外両眼角部の皮
膚に電極を置いたとき、眼球が正面視していれば両電極間に電位差はないが、眼球
が側方視すれば角膜が近づいた側の電極は陽性を帯び、両極電極間に電位差を生じ
る。EOC時間曲線や、電位の大きさ、暗極小値と明極小値の比や差などを判定基準と
して、網膜の機能や病変の程度を知ることができる。各種の網膜・脈絡膜疾患では、
病変の程度に応じて平坦化し、電位の発生源の病変を反映する。(標準P.22)→×
(3)色覚検査: 先天色覚異常のほかに、黄斑部や視神経の疾患では色覚異常を呈する
ので、疾患の診断や経過の観察にも有用である。(標準P.21)→○
(4)OCT(optical coherent tomography):光干渉断層法とのいうべき新しい検査法で、
近赤外レーザー光を網膜面上で走査させ、入射光と反射光が組織密度の異なる蕪茯
で生じる干渉波を画像としてみるものである。検眼鏡では無理であった透明な感覚
網膜の構造変化の観察が可能となった。黄斑円孔など黄斑病変の診断に威力を発揮
すると期待されている。(標準P.107)構造評価には有用だが、機能を調べるもので
はない。→×
【15】黄斑部の組織で存在しないものはどれか。
1.色素上皮細胞
2.Muller細胞
3.Muller-cone細胞
4.内顆粒細胞
解答:4
解説:黄斑は、視神経乳頭縁の耳側3.4mm、水平線やりやや下方(0.5mm)の位置にあり、
直径約2.0mmの大きさである。中心部は、無血管であり、中心窩と呼ばれる。黄斑に
はキサントフィルがあるため黄色調を呈する。
(標準P.98)
1)黄斑部では色素上皮細胞は厚く立方形をしている。
2)Muller細胞は、網膜にあるグリア組織であり、網膜内層より視細胞層内側まで伸び、
視細胞を固定しているが、その細胞間接着装置の配列が光学顕微鏡レベルで膜様に
観察されるものが外境界膜・内境界膜である。
3)錐体細胞cone cellは色覚、視力に密接に関係し暗所で働く。黄斑に多く存在し、中
心窩は4000個の錐体細胞のみからなっている。
4)内顆粒層は、双極細胞の核を中心に外側に水平細胞の核があり、内側にアマクリン
細胞の核があり、Muller細胞の核とともに構成されている。しかし、内顆粒細胞と
いう細胞は存在しない。
【16】兎眼の原因となるのはどれか。
(1)顔面神経麻痺
(2)動眼神経麻痺
(3)交感神経麻痺
(4)眼瞼瘢痕
(5)眼球突出
a (1),(2),(3)
b (1),(2),(5)
c (1),(4),(5)
d (2),(3),(4)
e (3),(4),(5)
解答:c
解説:兎眼 lagophthalmos は、閉鎖不全の状態のことで、昔ウサギは夜間眼を開いた
まま眠ると信じられていたことに由来する。1)顔面神経麻痺の結果として眼輪筋麻
痺があるとき、また4)眼瞼の瘢痕や5)眼球突出によっても起こる。兎眼があると
角膜が露出乾燥するため、角膜のびらんや潰瘍、また血管侵入などをきたし、これを
兎眼性角膜炎 exposure keratitis という。
【17】光を当てると×のところに瞳孔反射がみられた。正しいものを選べ。
a)上斜視
b)下斜視
c)内斜視
d)外斜視
e)下斜筋過動
解答:c
解説:
斜視とは、左右眼の視線(視軸)が同じ固視点に向かない眼位の異常である。眼位
異常は、眼筋麻痺でも起こる(麻痺性斜視)が、普通は眼球運動はほぼ正常な共同性
斜視をいう。原因は、乳児期から小児期における発育途上で両眼視機能障害であり、
この発育阻害因子として①感覚系の異常②中枢の統合系の異常③眼球運動系の異常な
どがある。
斜視の有無を知る最も簡単な検査は、ペンライトを注視させ、その角膜上の反射が
角膜の中央にあるかどうかをみる角膜反射法(Hirschberg test)である。この場合、
左眼の角膜反射が中央より外側よりに起こっており、左内斜視であることがわかる。
(標準 p.258)
【18】-3.0 diopter の近視の人の遠点を選べ。
a) 100cm
b) 50cm
c) 33.3cm
d) 25cm
e) 20cm
解答:c
解説:
ジオプトリー[D]は、焦点距離(メートルで表す)の逆数で、レンズの屈折力を表す
単位である。よって、-3.0 diopter の焦点距離は、0.333m=33.3cm。また、遠点とは、調
節によってピントが合う最も遠方位置のことで、調節が麻痺した状態では遠点にピントが
あう。近視では、遠点も近点も眼前有限の距離である。眼光学では眼球後方を+、前方を
-で表すが、近視・遠視の度数は遠点の逆数であるといえる。→-3.0 diopter の近視の人の
遠点は、33.3cm である。(標準 p.274,280)
【眼科
2006】
1から20は各4点
H18.1.15
前ばらし問題参照のこと
答えは一つとは限らない。
【1】 角膜の表層からの順序で正しいものを選べ。
1.
上皮
デスメ膜
実質
2.
内皮
ボーマン膜
実質
デスメ膜
上皮
3.
上皮
ボーマン膜
実質
デスメ膜
内皮
4.
内皮
デスメ膜
ボーマン膜
上皮
実質
ボーマン膜
内皮
【2】 感染性結膜炎について誤っているものを選べ。
a.
ヘルペス結膜炎は単純ヘルペス2型では起こらない。
b.
急性出血性結膜炎(AHC)の原因はエンテロウイルス70やコクサッキーウイルス A24
である。
c.
咽頭結膜熱(PCF)の原因はアデノウイルス3型や4型である。
d.
流行性角結膜炎(EKC)の原因はアデノウイルス 8 型や37型である。
1. a
2. a and b
3. b and c
4. c and d
5. d
【3】 涙液の流路の順番で正しいものを選べ。
1.
涙腺-涙小管-眼球表面-涙点-涙嚢-鼻涙管
2.
涙腺-眼球表面-涙点-涙嚢-涙小管-鼻涙管
3.
涙腺-涙嚢-眼球表面-涙点-涙小管-鼻涙管
4.
涙腺-涙嚢-涙小管-眼球表面-涙点-鼻涙管
5.
涙腺-眼球表面-涙点-涙小管-涙嚢-鼻涙管
【4】 正常人の黄斑小かの網嚢厚を下記の中から選べ。
1.
5μm
2.
50μm
3.
150μm
4.
250μm
5.
300μm
【5】 硝子体の網膜牽引が関与している疾患を二つ選べ。
1.
黄斑円孔
2.
黄斑上膜
3.
加齢黄斑変性
4.
黄斑下出血
5.
未熟児網膜症
【6】 乳児の視力検査として適しているものを選べ。
1.
点視力検査
2.
絵視力検査
3.
Greating acuity cards
4.
Preferential looking (PL)
5.
Landolt 環字ひとつ視力検査
a)1,2
b)1,5
c)2,3 d)3,4 e)4,5
【7】 ペンライトをあてると左右眼それぞれで×のところに光源の反射が見られた。正し
いものをえらべ。
1.
上斜視
2.
下斜視
3.
内斜視
4.
外斜視
5.
下斜筋過動
【8】 -2diopter の近視で調節力2diopter の人の遠点と近点の組み合わせを選べ。
1.
200cm
-
50cm
2.
100cm
-
50cm
3.
100cm
-
25cm
4.
50cm
-
25cm
5.
40cm
-
25cm
6.
無限遠
-
50cm
【9】 副腎皮質ステロイド点眼薬の副作用を選べ。
1.
感染誘発
2.
眼圧上昇
3.
眼球突出
4.
斜視
5.
満月様顔貌
a 1,2
b 1,5 c 2,3
d 3,4
e 4,5
【10】 緑内障に対してβ受容体遮断薬の点眼を行う場合、注意すべき疾患を選べ。
1.
気管支喘息
2.
急性ウイルス肝炎
3.
サルコイドーシス
4.
糖尿病網膜症
5.
尿路結石
【11】 57歳女性。時々老眼鏡を使うが普段は眼鏡をかけていない。本日午前、人間ド
ックで眼底検査を受けた。帰宅後、右眼の疼痛と悪心、嘔吐および右前頭部痛を
生じ、増悪するので夜半に来院した。この患者の右眼にみられる所見を選べ。
a.
球結膜充血
b.
角膜浮腫
c. 浅前眼房
d.
散瞳
1.a.c.d
2.a.b
3.b.c
4.d
5.a.b.c.d
【12】 誤っているものを選べ。
1.
樹枝状角膜炎
-
単純ヘルペスウイルス
2.
流行性角膜炎
-
アデノウイルス8型
3.
乾性角結膜炎
-
原田病
4.
角膜パンヌス
-
トラコーマ
【13】 正しいものの組み合わせを選べ。
a.
急性出血性結膜炎
b.
春季カタル
c.
新生児膿漏炎
d.
水痘帯状ヘルペス
e.
人免疫不全ウイルス(HIV)
1, a.b.c
-
-
真菌
黄色ブドウ球菌
-
2, a.d.e
淋菌
-
円板状角膜潰瘍
3, a.b.e
-
サイトメガロ網膜症
4, b.c.d
5, c.d.e
【14】 以下のうち、正しい組み合わせを選べ。
1.
網膜中心動脈閉塞症
-
軟性白斑
2.
網膜中心静脈閉塞症
-
cherry-red spot
3.
網膜静脈閉塞症
-
支配領域の火炎状出血
4.
高血圧性網膜症
-
乳頭を中心とした放射状出血
5.
糖尿病網膜症
-
動静脈交叉現象
【15】 眼科的には経過観察可能な疾患を選べ。
1.
裂孔原性網膜剥離
2.
高血圧性網膜症
3.
血管新生緑内障
4.
増殖型糖尿病網膜症
5.
網膜中心動脈閉塞症
初期
【16】 視神経乳頭の直径と神経線維の数の組み合わせで正しいものを選べ。
1.
100μm
1万本
2.
100μm
10万本
3.
500μm
30万本
4.
500μm
500万本
5.
1500μm
100万本
6.
1500μm
1000万本
【17】 網膜色素上皮症を選べ。
1.
中心性網膜症
2.
MMPE
3.
網膜剥離
4.
色素上皮裂孔
【18】 色素上皮症の治療として正しいものを選べ。
1.
光凝固
2.
手術
3.
光線力学的療法
4.
ステロイド内服
【19】 兎眼の原因になる疾患を選べ。
1.
顔面神経麻痺
2.
動眼神経麻痺
3.
交感神経麻痺
4.
眼瞼瘢痕
5.
眼球突出
【20】 白内障手術で人工水晶体の度数を決定するために必要なデータを 2 つ選べ。
1.
角膜内皮細胞数
2.
角膜曲率半径
3.
核の硬化度
4.
術前の屈折値
5.
眼軸長
【21】
房水の産生部位から排出までの経路を、眼球のシェーマを描いてわかりやすく説明せよ。
【22】
糖尿病網膜症の治療方針につき簡潔に述べよ。