研 修 ノ ー ト - 公益社団法人 全国公立文化施設協会

研 修 ノ ー ト
お 知 ら せ
会場が変更になるプログラムもございますので、
必ず総合受付で確認してください
<交流会に参加予定の受講者の方>
2月14日(木)18:00~19:30
[会場]カルチャー棟2階 レストランとき レストラン内の会場入口にある受付で会費(3,000円)をお支払い下さい。
*受付は17:30~です。
<緊急時避難場所について>
地震等緊急の場合は、中央広場に避難してください。
目
次
全国劇場・音楽堂等アートマネジメント研修会 2013
■基調公演
アートが奏でる地域再生〜アートの交差点〜
… 2
■ 1-1
“身体詩レッスン”の変幻する愉しみ
… 4
■ 1-2
地域再生にクラシック音楽と日本の伝統文化が共に生きる企画を!!
〜神奈川フィルハーモニーと神奈川県文化財活性化プランの新しい試み〜 … 6
■ 1-3
見て、動いて、バレエ・ダンスの魅力と知識
…10
■ 2-1
指定管理者制度の行方
…12
■ 2-2
自治体を元気にするホール運営
…14
■ 2-3
こどもたちにオペラを~こどもたちがオペラを
…16
■ 2-4
劇場法と劇場・音楽堂
…18
■ 3-1
地域文化施設職員・入門編!〜お客様をお迎えするワークショップ〜
…22
■ 3-2
リスクマネジメントⅡ〜リスクマネジメントを超えて〜
…24
■ 4-1
ホール事業の企画立案のプロセスと成功へのポイント
〜実践的コンサートホールのマネジメントについて〜
…26
■ 4-2
助成金の考え方とそのポイント〜足腰を強くする劇場経営とは〜
…28
■ 4-3
文化事業・広報宣伝から助成金対策まで
…30
■ 特別プログラム 口語訳による日本音楽の新しいエンターテインメント
邦楽オラトリオ「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)古事記より」
■ ファイナル
…32
白熱!「あらためて公立文化施設のあり方を考える」 …34
1
日時: 2 月 13 日(水)
基調講演
13:15〜14:00
会場: カルチャー棟 大ホール
アートが奏でる地域再生
〜アートの交差点〜
講師: 宮田 亮平(金工作家・東京藝術大学 学長)
司会: 松本 辰明(
(社)全国公立文化施設協会 常務理事)
講師プロフィール
宮田 亮平
金工作家。新潟県佐渡に蝋型鋳金作家の二代目宮田藍堂の三男として生まれる。1972 年に東京藝術大学大学院 美術研究科
工芸専門課程(鍛金専攻)を修了。イルカをモチーフとした「シュプリンゲン」シリーズなどの作品で、
「宮田亮平展」
(個
展)をはじめとして、国内外で多数の展覧会に参加。
「日展」内閣総理大臣賞や、
「日本現代工芸美術展」内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞し、2012 年に第 68 回日本芸術院
賞を受賞。
現在、東京藝術大学学長として大学経営にあたる傍ら、作家としての制作活動も活発に続ける。国立大学協会理事、文部
科学省「文化審議会」会長、日展理事、現代工芸美術家協会常務理事、日本相撲協会「横綱審議委員会」委員を務めるな
ど、各方面にて活躍している。
【略歴・受賞歴等】
1945 年 新潟県佐渡に生まれる
1972 年 東京藝術大学大学院 美術研究科 工芸専門課程 鍛金専攻 修了
第 11 回「日本現代工芸美術展」 大賞、読売新聞社賞、日本 TV 賞 受賞
1979 年 第 18 回「日本現代工芸美術展」文部大臣賞 受賞
1981 年 第 13 回「日展」特選 受賞
1990 年 文部省在外研究員(ドイツ)赴任
1997 年 第 29 回「日展」特選 受賞
2001 年 東京藝術大学 美術学部長 就任
2004 年 東京藝術大学 副学長・理事 就任
2005 年 東京藝術大学 学長 就任
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2007 年 第 46 回「日本現代工芸美術展」内閣総理大臣賞 受賞
2009 年 大邱大学校(韓国)より 名誉造形芸術博士号 授与
第 41 回「日展」内閣総理大臣賞 受賞
2012 年 第 68 回 日本芸術院賞 受賞
司会者プロフィール
松本 辰明
1952 年熊本県生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、民間企業勤務を経て、1979 年東京都庁入都。教育庁、生活文
化局国際交流部、同部パリ事務所、企画審議室調査部、政策報道室報道課等に勤務後、港区役所障害保健福祉課長、区民
広報課長等を歴任。その後、東京都住宅局滞納整理担当課長、同局免許課長、生活文化局男女平等参画室長を経て、2007
年より東京文化会館副館長に就任。これまで教育、文化、国際関係、広報、障害福祉、住宅などの行政分野を担当。また、
2007 年より(社)全国公立文化施設協会常務理事を兼務。
memo
3
プログラム 1-1
◯事業企画ワークショップ〜体験型〜
日時: 2 月 13 日(水)
企画制作コースⅠ
企画立案編
14:20〜16:20
会場: カルチャー棟 リハーサル室
“身体詩レッスン”の変幻する愉しみ
講師: オーハシヨースケ(身体詩パフォーマー)
アシスタント: 田渕 英生(映像作家)
アシスタント: ヨシダ 朝(あさひ)
(俳優)
司会: 岩波 剛(演劇評論家)
<概要>
舞台芸術とは、せんじ詰めれば、人間への興味だと言えるでしょう。だれもワークショップを芸術などと
は言いません。そんな呼び方をしないからこそ、身体と言葉、それだけで、かしこまった芸術とは一味も二
味も違うさまざまな表現やパフォーマンスが可能になってきました。今回は児童演劇を中心として、表現も
幅広く、活動の場も海外各地にまで広げているオーハシヨースケさんの“ショップ”に参加してみませんか。
前半は集団で、
“物語”のなかへ、後半はそれぞれ自分のなかの隠された“神話”や気づかなかった主題さが
しへ……。服装も立ち見もすべて自由です。
講師プロフィール
オーハシヨースケ
身体詩パフォーマー、演劇教育家。
演劇教育と身体詩劇の NPO 法人「祈りの芸術 TAICHI-KIKAKU」副理事長。
1982 年早稲田大学第一文学部演劇専攻卒業。85 年 TAICHI-KIKAKU をモリムラルミコと結成、88 年のパリ公演を期にEU、
アフリカ、アジア、東欧等海外公演を多数上演、JT クロス・カルチャー大賞受賞(日本たばこ)
。
「身体詩」という新しい「劇」
分野を切り開き第 7 回カイロ国際実験演劇祭(エジプト政府)で「BEST ACTOR AWARD」受賞。2001 年国際交流基金フェロ
ーシップでベルギー・IAD 芸術大学に又 2006 年文化庁新進芸術家海外特別派遣で英国チェスター大学で「演劇教育」を共
同研究。表現者としてだけでなく、
「身体詩レッスン」や「演劇教育」にも精力的に力を注いでいる。
4
田渕 英生
映像作家、
「身体詩レッスン」ワークショップアシスタント。
NPO 法人「祈りの芸術 TAICHI-KIKAKU」理事
早稲田大学第一文学部中退。助監督を経てフリーの映像演出家になる。世界各国の映画祭の招待作品となった『VISION』
や、昨年劇場再公開された『あしたが消える~どうして原発~』など、ドラマからドキュメンタリーまで幅広い作品を演
出。1991 年より TAICHI-KIKAKU に参加。以降、全ての海外公演に参加し活動を記録。舞台使用映像の他、
『僕はいまアフリ
カにいる』など「身体詩」映像作品も制作。講師オーハシのアシスタントを 8 年間つとめている。
ヨシダ朝
俳優・身体詩パフォーマー、NPO 法人「祈りの芸術 TAICHI-KIKAKU」監事
1986 年早稲田大学第一文学部哲学科卒業、早稲田大学演劇研究会・ザズゥシアターに所属し全作品に出演。1989 年より
TAICHI-KIKAKU に参加し、身体詩作品『金色の魚』
『眠る夢』
『PILGRIM』
『喜びの島』等出演や「身体詩」演劇教育活動に参
加。他に映像・商業演劇でも活動、映画『武士の家計簿』
『椿三十郎』
『笑いの大学』ドラマ『坂の上の雲』
『龍馬伝』舞台
『八月の狩』
(演出:鐘下辰男)
『ヤジルシ』
(演出:太田省吾)等に出演。
司会者プロフィール
岩波 剛
長野県生れ。東京大学文学部を卒業後、
(株)新潮社に入社し、雑誌、出版部門の編集委員をつとめる。文学の動向と舞台
芸術の新しい潮流との関連に注目、とくに 1950 年代から 80 年代にかけての舞台表現、観客層の大きな変化をめぐって、
評論活動を行った。退職後は雑誌・新聞の劇評や大学の教師をつとめ、90 年代全国各地の文化施設の急増と共に、文化庁
の委嘱による芸術情報プラザの創設にアドバイザーとして参加し、さらに(社)全国公立文化施設協会アドバイザーとし
て現在に至る。
その間、文化庁の芸術祭、芸術選奨、芸術文化振興基金、また東京都の優秀児童劇選定などの審査・選考にあたる。民間
のテアトロ演劇賞、湯浅芳子賞、高松宮殿下記念世界文化賞の選考委員をつとめている。日本文藝家協会、国際演劇評論
家協会会員。著作に『現代演劇の位相』ほか。
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プログラム 1-2
◯事業企画ワークショップ〜体験型〜
日時: 2 月 13 日(水)
企画制作コースⅠ
企画立案編
16:40〜18:40
会場: カルチャー棟 リハーサル室
地域再生にクラシック音楽と日本の伝統文化が共に生きる企画を!!
—神奈川フィルハーモニーと神奈川県文化財活性化プランの新しい試み―
講師: 澤木 泰成 (
(財)神奈川フィルハーモニー管弦楽団 事務局次長)
講師: 三橋 貴風 (尺八演奏家 神奈川県文化財活性化プラン 実行委員長)
講師: 小野木 豊昭(伝統芸能プロデューサー (有)古典空間 代表)
司会: 平野 英俊 (舞踊評論家 邦舞)
<企画趣旨>
1970 年に能役者・観世寿夫は「
(伝統芸術を)何か現代とは切り離された特殊な文化として固定的(無形文
化財保存継承)に考えて現代に生きる舞台芸術として評価することが欠如してしまった」という文を書いて
いる。今一層グローバルな時代が進む中で、文化芸術に携わる人材育成には、日本の伝統文化のアイデンテ
ィティーを、国際的な見地から現代に生きる新しい視点で捉え直して実践し、発信していく必要がある。神
奈川フィルハーモニーの新しい試みの事業は、その点、明日への第一歩であり、新しい展開と発展が期待さ
れる。尺八と筝のワークショップ入りで実施する。
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講師プロフィール
澤木 泰成
財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団事務局次長
1971 年 岡山県玉野市生まれ。1994 年武蔵野音楽大学音楽学部を卒業後、財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団事務
局に勤務。1994 年から 1999 年まで同楽団のステージマネージャーを担当、その後、営業・企画また文化庁の巡回公演事業
などの制作担当を経て現在に至る。
三橋 貴風
尺八琴古流を佐々木操風氏に、普化尺八古典本曲を岡本竹外氏に師事した。1980 年「三橋貴風 第一回リサイタル」によ
り文化庁芸術祭優秀賞を、1981 年に大阪文化祭賞を受賞し、1989 年にソロリサイタルにより文化庁芸術祭賞を受賞。1992
年、第 10 回中島健蔵音楽賞を、ソロ CD『竹林奇譚』により文化庁芸術作品賞を、また横浜文化賞奨励賞を受賞。2009 年、
文化庁文化交流使に任命され、ブラジル及び韓国において活動を展開する。また同年、
「三橋貴風 尺八本曲 空間曼陀羅
恨(ハン)の軌跡」により文化庁芸術祭大賞を受賞。2010 年 文化庁 芸術選奨 文部科学大臣賞を受賞。同年、横浜文
化賞を受賞。2011 年 紫綬褒章受章。
邦楽啓蒙プロジェクト「デーモン閣下の邦楽維新」をプロデュースし 12 年目を迎える。
海外の交響楽団からのソリストとしての招聘も多く、NY カーネギーホール等での演奏も多数。海外及び国内でのリサイタ
ルも 150 回を数える。現在、普及用の合成樹脂製の尺八「NOBLE 管」を開発、特許を取得。また、うちなー(沖縄)尺八を
開発し実用新案を取得。琴古流尺八大師範。
小野木 豊昭
大学院で日本演劇史を学び、1990 年に伝統芸能企画制作オフィス<古典空間>を設立。
「伝統の単なる“再現”にとどまることなく、<明日の活力となり得る芸能>として現代に“再生”する」をコンセプト
に、各種邦楽、日本舞踊公演はもとより、
『ザ・忠臣蔵ナイト』
『沖縄発・三弦三昧』他、地域発の企画を提案しつつ、全
国各地の公共ホール自主公演や学校アウトリーチ、また海外公演、各種イベント等、様々な伝統芸能公演の企画、制作、
プロデュースを行う。数々のメディア出演、大学の非常勤講師を務めるなど、若い世代への伝統芸能の普及にも意欲を燃
やしている。2009 年より実施されている東京都主催の伝統芸能フェスティバル<東京発 伝統 WA 感動>より『夏・東京の
太鼓』
『三弦 海を越えて』
『邦楽ワンダーBOX』
『はじめての邦楽』等公演の制作、2012 年 5 月には東京スカイツリーオー
プニングイベントの制作を担当する。2004 年より船橋市文化芸術ホール芸術アドバイザー。
<概要>
「伝統」を踏まえた上で、いかに「楽しく、わかり易く、カッコよく」社会に提示するか・・・伝統芸能の現代的展開
にとって、この不可欠のコンセプトを共有できるのは唯一、自治体の文化事業であり、私たちにとっては欠くことのでき
ない最大のパートナーと位置付けられます。各地域が有する様々な伝承芸能や歴史的、民俗的逸話の存在を再認識する事
は、自らが居住する地域の文化的アイデンティティーの体感、そして地域からの文化発信への後押しになり得るという意
味で、付加すべき重要なベクトルと考えます。文化事業担当者や地域住民とコーディネーターが向き合い、
「継続と拡がり」
を視座にいかなる方法で展開するか、①2012 年 11 月に神奈川県から与えられた「オーケストラ」
「能楽」
「鎌倉の世界遺産
登録支援」
、まるで落語の三題噺に挑むがごとき命題をどのように実際の企画に落とし込み昇華させて行ったか、②伝統芸
能を次世代に伝える一つの方法として実践中のワークショップを事例に考察したいと思います。
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(小野木豊昭)
司会者プロフィール
平野 英俊
1944 年(昭和 19 年)仙台市に生まれる。早稲田大学第一文学部演劇専修卒業後、邦楽、邦舞関係の雑誌編集者を永年つと
め、退職後は、
『日本舞踊入門』
『日本舞踊鑑賞入門』
『日本舞踊曲集成(全 3 巻)
』等の編著の他、
(社)全国公立文化施設
協会アドバイザーとして、日本の伝統芸能を鳥瞰し、アートマネジメントについて考察、意見を述べている。また、文部
科学省文化審議会文化財部会第四専門委員を 2011 年まで務める。
「公文協歌舞伎」の歌舞伎小委員会の委員。栃木県立足
利南高等学校発行『歌舞伎授業教材、歌舞伎の基礎知識』の監修などもつとめる。
<概要>
地域文化芸術活性のアートマネジメント<アートで地域再生。企画制作に三つの提案>
―島国日本風土の山川海を結んで日本独自の世界的文化芸術を創造した、地域文化芸術の強固なインフラに学んで、生活
とともにある新しいコミュニティづくりの第一歩―
● 提案1 基礎づくりの第一歩
(a) 国家的文化芸術鑑賞機会の地域格差をなくす。国と県が連携して巡回公演の充実
(b) 県の取り組み―神奈川県の取り組みの例。クラシック音楽等を現代舞台芸術とし、伝統芸能を現代と切り離す理念
の転換―共に活性
(c) ―(b)に基づく文化芸術などの教育
● 提案2 ヨーロッパに学ぶアートマネジメント→アートインコミュニティからコミュニティアート(スポーツ界に学ぶ)
への転換
(a) アートデモクラシー ― ― すべての人に平等
(b) レジデンス、アウトリーチ、ワークショップ
(c) プロフェッショナル的育成
● 提案3 地域のヘリテイジ(有形文化遺産)とアーツ(無形文化遺産)を結んで、グローバルな世界に向けて発信して
いく、アーツマネジメント能力を高める人材育成―情報化時代に地域、国内、世界を見つめることができる人
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プログラム 1-3
◯事業企画ワークショップ〜体験型〜
日時: 2 月 14 日(木)
企画制作コースⅠ
企画立案編
13:00〜15:00
会場: カルチャー棟 リハーサル室
見て、動いて、バレエ・ダンスの魅力と知識
講師: 伊藤 千枝
(演出家・振付家・ダンサー 珍しいキノコ舞踊団)
講師: 池田 理沙子 (バレエダンサー バレエスタジオ DUO)
司会: うらわ まこと(舞踊評論家)
<概要>
バレエは、17 世紀の宮廷バレエ、
『ジゼル』などのロマンティックバレエ、そして 18 世紀末にチャイコフ
スキーの三大バレエなどクラシックバレエとして形式が確立しました。
この形式について、ステップ(パ)
、マイム、そしてその組み合わせによるバレエの見方などを動きによって
解説します。モデルは新進のバレリーナ池田理沙子さん。次いで、20 世紀に入ってもっと自由に動き、表現
したいとして生まれたモダンダンスから今日のコンテンポラリーダンスまでを概観、コンテンポラリーダン
スについて、
「珍しいキノコ舞踊団」の伊藤千枝さんに、解説と動きの指導をしてもらいます。積極的に参加
し、動く楽しみを味わってください。
最後に講師のお二人が踊りを見せてくれます。ダンス公演を企画、立案するには、まずダンスの知識と魅力
を知ること。そしてダンスの現在について、広く具体的な情報を知ることが前提になります。ぜひこれを身
に付けてください。
講師プロフィール
伊藤 千枝
幼少時に本田・佐藤モダンバレエ研究所に入所しダンスを始める。15 歳からはクラシックバレエも学び始め、日本大学藝
術学部演劇学科西洋舞踊コースに進学。大学二年次に同期の小山洋子、山下三味子らと珍しいキノコ舞踊団を結成した。
当初は三人による共同振付、共同演出で作品を発表していたが、99 年から伊藤がすべての振付、演出、構成を担当。これ
までに 20 作品以上を創り、国内外 30 カ所以上の場所で上演を行っている。
また、ダンス作品以外の映画、演劇、テレビ、CM、ミュージックビデオなどへの振付や出演も多く、その活動は多岐にわ
たる。主な振付作品は、映画『めがね』の「メルシー体操」
、NHK 教育番組『ドレミノテレビ』
、TVCM「アセロラ体操」など。
現在、桜美林大学の非常勤講師を務めている。
10
池田 理沙子
4 歳よりバレエを始める。
7 歳よりバレエスタジオ DUO・田中洋子に師事。
<バレエ舞踏歴>
第 5 回 AJBU コンクール 児童の部 1 位
第 62 回 全国舞踊コンクール バレエ第 2 部 入賞 3 位
第 11 回 NBA 全国バレエコンクール 中学生の部 2 位
第 65 回 全国舞踊コンクール バレエジュニアの部 入賞 2 位
第 12 回 NBA 全国バレエコンクール 中学生の部 1 位
YAGP 2009 日本予選 シニアの部 2 位
ニューヨークファイナル シニアの部 銅メダル
第 13 回 NBA バレエコンクール 高校生の部 1 位
コンテンポラリーの部 2-2 位
スカラシップ賞 ハンガリー国立ブタペストバレエ学校留学
第 10 回 AJBU コンクール ジュニア 1 部 2 位
第 12 回 AJBU コンクール シニアの部 2 位
第 69 回 全国舞踊コンクール バレエ・パ・ド・ドゥ部 2 位
司会者プロフィール
うらわまこと
舞踊評論、公立文化施設活性化事業アドバイザー、松蔭大学経営文化学部教授。慶応義塾大学時代、ダンサーとして戦後
初のバレリーナ松尾明美の相手役を務める。その後、現在まで文化庁芸術祭、芸術選奨、芸術重点支援事業、海外・国内
研修、芸術文化振興基金などの審査、選考委員、
(財)松山バレエ団、橘秋子記念財団、服部智恵子賞、江口隆哉賞、中川
鋭之助賞など各種表彰、顕彰の選考委員。
『東京新聞』
、
『神戸新聞』
、埼玉県舞踊協会、北九州、NBA バレエ団などのコンク
ールの審査委員を歴任。
『週間オン・ステージ新聞』
、
『東京新聞』
、
『ダンスマガジン』
、
『バレリーナへの道』
、さらに(株)
ビデオや東京ダンススクエアのホームページなどに寄稿。
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プログラム 2-1
◯指定管理者制度
日時: 2 月 13 日(水)
劇場経営コース
14:20〜16:20
会場: センター棟 102 号室
指定管理者制度の行方
講師: 垂水 健治(北九州芸術劇場 シアターコーディネーター 兼 舞台技術課長)
講師: 真田 弘彦(新潟市民芸術文化会館・りゅーとぴあ 事業課長)
司会: 草加 叔也(
(有)空間創造研究所 代表)
<概要>
出口の見えない経済状況を反映してか、ますます公立の劇場・音楽堂のおかれている状況は混迷を極める
状況になりつつあると言わざるをえません。特にその根幹をなす管理運営者の選定や評価につながる第一歩
となる「指定管理者制度」導入の基盤が揺れているようです。平成 24 年 6 月に公布された「劇場、音楽堂等
の活性化に関する法律」第 16 条の指針でも、この指定管理者制度への言及が想定されますが、施設を設置、
所管をするとともに指定管理者制度を導入、運用する地方自治体の責務を含めて、この制度の行方について
考えます。
講師プロフィール
垂水健治
1958 年 秋田県生まれ。東京理科大学理学部中退
2001 年 劇団「ぐるーぷ連」舞台監督、宮崎県立芸術劇場を経て、北九州市委嘱ディレクターとして北九州芸術劇場の
開設準備に携わる
2002 年 (財)北九州芸術文化振興財団・テクニカルマネージャー
2003 年 北九州芸術劇場オープン、施設利用責任者
2004 年 シアターコーディネーター。劇場運営全般の調整役や指定管理提案書の取りまとめ、事業評価調査などを担当
2009 年 舞台技術課長兼任
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真田 弘彦
昭和 52 年 4 月新潟市教育委員会採用と同時に、地域住民の練習と発表の場をもつ、当時先進的施設であった、新潟市音楽
文化会館の建設事業に舞台技術スタッフとして関わる。11 月のオープン後、施設の舞台音響スタッフとして市民の文化活
動をサポートする。その傍ら、新潟市ミュージカル研究会の設立に関わり、市民ミュージカルのプロデューサー・制作と
して 13 年間活動する。平成 6 年から平成 10 年まで、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)の建設事業担当セクション
に配属され、管理運営計画・事業計画の立案に従事する。同館オープンから平成 17 年 3 月まで事業課に所属し、演劇、能
楽、コンテンポラリー事業の企画・制作を担当する。平成 17 年 4 月から平成 19 年 3 月まで、新潟市水族館(マリンピア
日本海)の指定管理者である(財)新潟市開発公社に出向し、施設の管理運営に従事する。同年 4 月から、新潟市文化ス
ポーツ部文化政策課に配属となり、市の文化政策事業に従事する。平成 24 年 4 月から新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴ
あ)の事業課長として配属される。
司会者プロフィール
草加 叔也
1957 年、岡山県倉敷市生まれ。劇場・ホールなど演出空間を中心に基本構想から施設計画、そして管理運営計画(指定管
理者選定支援業務を含む)など劇場コンサルタントとして「銀座セゾン劇場」
「広島市民文化創造センター」
「森下スタジ
オ」
「福岡シティ劇場」
「富山市芸術文化ホール」
「新潟市民芸術文化会館」
「長久手町文化の家」
「可児市文化創造センター」
「足立区シアター1010」
「国立劇場おきなわ」
「武豊町民会館」
「高松市文化芸術ホール」
「兵庫県立芸術文化センター」
「ミ
ューザ川崎シンフォニーホール」
「芸能花伝舎」など各地の劇場施設づくりに関わるとともに、ピーター・ブルック、レフ・
ドージン、ユーリー・リビュー・モフ、ピナ・バウシュ、アリアーヌ・ムニューシュキンなどによる演出作品の日本公演
で技術監督として直接上演活動に携わる。
1989 年には芸術家在外研修員として渡英。現在、劇場コンサルタント/空間創造研究所代表として活動。その他には、
(社)
全国公立文化施設協会アドバイザーなどを務める。
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プログラム 2-2
◯自治体文化政策
日時: 2 月 13 日(水)
劇場経営コース
16:40〜18:40
会場: センター棟 102 号室
自治体を元気にするホール運営
講師: 中川 幾郎(帝塚山大学・法学部大学院法政策研究科教授、博士)
講師: 太下 義之(三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(株)芸術・文化政策センター長 主席研究員)
司会: 柴田 英杞(
(社)全国公立文化施設協会 アドバイザー)
<概要>
“自治体がホールを元気にするのではない。ホールが自治体を元気にするのだ!”という刺激的なミッシ
ョンの下、自治体文化政策の論客である二人の先生方による問題提起と戦略的な政策リードで本講義は進め
られます。文化芸術振興基本法制定から 10 年、指定管理者制度導入から 7 年、待ったなしの公益法人制度改
革、そして、平成 24 年 6 月施行された「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」
。加えて、助成金制度の見
直しや日本版アーツカウンシル等の新たな動き、東日本大震災後の心の復興支援など、優れた作品制作や文
化事業を実施するほかに、地域の絆と共生社会の実現に向けて取り組む社会包摂機能を持ったホール運営が
期待されています。外部環境への敏感な対応とその変化に振り回されないように着実な一歩前進を目指すこ
とはとても重要です。参加者の皆さま、どうぞ、設置自治体の文化担当職員の方々とご同伴でお越しくださ
い。
講師プロフィール
中川 幾郎
帝塚山大学法学部教授
大学院法政策研究科教授
博士(国際公共政策)
【略歴】
1946 年 大阪府豊中市生まれ
1969 年 同志社大学経済学部卒業後、豊中市役所勤務、阪神淡路大震災時の市長公室広報課長を経て、2000 年大阪大学大
学院国際公共政策研究科博士後期課程修了、大阪大学博士(国際公共政策)
1997 年 4 月 帝塚山大学法政策学部助教授
14
2003 年 4 月 帝塚山大学大学院法政策研究科教授
2010 年 4 月 帝塚山大学法学部へ改組に伴い、法学部教授兼務
【所属学会・役員等】
日本文化政策学会会長、自治体学会運営委員、日本コミュニティ政策学会副会長、日本アートマネジメント学会などに所
属
【各種委員等】
文化庁芸術活動支援員、滋賀県文化審議会座長代理、大阪府文化振興会議座長代理、三重県文化審議会委員、奈良県公益
認定審査等審議会会長など
【その他】
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、神戸新聞等に随時執筆
太下 義之
三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 芸術・文化政策センター主席研究員/センター長。
慶應義塾大学経済学部卒業。文化経済学会理事。コンテンツ学会理事。政策分析ネットワーク副代表。
『季刊 政策・経営
研究』編集長。文化審議会文化政策部会委員、東京芸術文化評議会専門委員、大阪府・大阪市特別参与、新潟市マンガ・
アニメを活用したまちづくり構想検討委員会委員長、鶴岡市食文化創造都市アドバイザー、文化情報の整備と活用「100 人
委員会」委員など、文化政策関連の委員を多数兼務。
司会者プロフィール
柴田 英杞
神奈川県横浜市生。
政策研究大学院大学政策研究科文化政策プログラム修士課程修了(文化政策修士)
劇団俳優座演劇制作部勤務後、平成 7 年度より、北海道・仙台・広島等の自治体が実施した演劇による人材育成事業に着
手し、演劇プロデューサーを務める。地域における文化芸術振興事業を数多く手掛け、文化ボランティアや文化事業の企
画立案や評価等、広範な活動に参画。平成 9 年度、文化庁派遣在外研修員(アートマネジメント部門)として英米の地域
劇場にて研修。
全国公募により、平成 14 年 9 月から 9 年 3 ヶ月に渡り、鳥取県文化振興財団文化芸術デザイナーに就任。前総務大臣・現
慶應義塾大学法学部教授・片山善博氏が鳥取県知事を務めた当時、県政のひとつであった文化政策を推進し、鳥取県の文
化振興に寄与する。
平成 17 年度から(社)全国公立文化施設協会アドバイザーを務め、全国の公立文化施設の管理運営や文化事業などのアド
バイスを行う。平成 21 年度より、滋賀県文化振興事業団に勤務し、現在は芸術監督として、滋賀県次世代創造発信事業を
推進(主に邦楽・邦舞)
。平成 24 年からは日本芸術文化振興基金演劇部門のプログラムオフィサーを務める。
memo
15
プログラム 2-3
◯人材育成
日時: 2 月 14 日(木)
劇場経営コース
10:00〜12:00
会場: センター棟 102 号室
こどもたちにオペラを〜こどもたちがオペラを
講師: 久保 摩耶子(作曲家 ベルリン在住)
講師: 新藤 浩伸 (東京大学大学院 専任講師 生涯学習論)
講師: 関根 礼子 (音楽評論家)
司会: 佐藤 克明 (
(社)全国公立文化施設協会アドバイザー)
<概要>
茨城県日立市、札幌市などで、こどもたちがオペラの指揮者から歌や音楽、演技などを学び、オペラの舞
台に立つまでの経験を通して成長する「こどもオペラ学校」が毎年おこなわれています。その報告に加えて、
底辺家庭のこどもたちに音楽教育を無料で行い、自作のこどもオペラを指導して、こどもたちの公演を成功
させ、大きな反響を呼んだというベルリンの久保摩耶子さんの報告を聞き、オペラという総合舞台文化が、
こどもたちをどう変え、家庭や地域社会に何をもたらしてきたか、また、従来のオペラの活動にどのような
変化をもたらしたかを検討しながら、公立文化施設の新たな課題を考えていきます。
講師プロフィール
久保 摩耶子
大阪音楽大学ピアノ科を卒業後、1972 年に渡欧してウィーン国立音楽大学作曲科でローマン・ハウベンシュトック=ラマ
ティ、エリッヒ-ウルバンネル、フリードリッヒ-チェルハ、ドイツのハノーファー州立音楽大学で作曲をヘルムート・ラ
ッヘンマンに師事。1985 年からベルリンに拠点を移してヨーロッパ中心に作曲活動をする。1990 年から4年間イタリアに
滞在。1995 年以降再びベルリンに定住。1990 年代からオペラに集中するが、現在に至まで約 120 の作品はさまざまなジャ
ンルに渡っている。1996 年オーストリア、グラーツで初演された『羅生門』グラーツ歌劇場とシュタイアーの秋委嘱作品、
『羅生門』日本語による日生劇場東京初演(2002)
。2005 年新国立オペラ劇場委嘱作品『おさん、心中天網島物語より』の
初演。2010 年ベルリン教育芸術基金によるジュニアオペラ『クモの糸』初演。これらのオペラではすべて日本文学とヨー
ロッパ音楽から得たマテリアルを結びつける技法が駆使されている。躍中短歌歌人松平盟子による『春の異変―東日本大
震災を詠む』短歌をテキストにした弦楽オーケストラとソプラノの初演が 2011 年にベルリンで行なわれた。2008 年に発足
させた ヤコブ—ヤング アジアン 室内オーケストラ ベルリン— の芸術監督を務めるなど幅広く活動。
16
1979 年にブールジュ電子音楽国際作曲コンクールで入賞してデビュー。ダルムシュタット夏季現代音楽講習会やドナウエ
ッシンゲン現代音楽祭でも活躍し、代表作の『ピアノ協奏曲』やグラーツで初演されたオペラ『羅生門』では師の影響の
強い作風を示す。日本でも京都市交響楽団によって『交響曲第 2 番』が日本初演されていた。
新藤 浩伸
山梨県出身。東京大学文学部卒業、同大学院教育学研究科修了、博士(教育学)
。
昭和音楽大学舞台芸術センター特任助教授、東京音楽大学音楽学部音楽教育専攻専任講師を経て、2011 年より東京大学大
学院教育学研究科講師。専門は生涯学習・社会教育。自身のアマチュアオーケストラ活動の経験から、人間の生涯にわた
る成長・発達における学びの意味を芸術を中心に研究している。またそのための環境をどう支援し創造していくか、主に
日本の文化施設、教育・文化政策、文化産業の歴史に即して調査している。著作に『表現・文化活動の社会教育学』
『生涯
学習がつくる公共空間』
(いずれも共著)
、
『戦前期における公会堂の機能に関する考察』など。
関根 礼子
新潟県生まれ。国立音楽大学楽理学科卒業。1971 年より(株)音楽旬報社にて『音楽旬報』の編集、執筆に従事。
『音楽芸
術』等でも評論活動をし、1981 年退社後、フリーにてオペラ中心に評論・研究をする。特に日本のオペラが専門。1995 年
より昭和音楽大学オペラ研究所嘱託研究員。
『日本のオペラ年鑑』編纂委員長を初刊の 1995 年版から現在まで努める。
(公
財)三菱 UFJ 信託芸術文化財団理事・選考委員、
(公財)ニッセイ文化振興財団理事・
(公財)東京オペラシティ文化財団
理事、東燃ゼネラル音楽賞(旧エクソンモービル音楽賞)選考委員ほか。著書に『日本のオペラ史 1953〜』
(2011 水曜社)
、
『オペラの世界』
(1983 三一書房)など。
司会者プロフィール
佐藤 克明
1934 年東京生まれ。日本フィルハーモニー交響楽団の最も困難な時期に、日本フィルの依頼で日本フィルハーモニー協会
設立に携わり、事務局長を8年間務める。その後、(社)芸団協の文化政策研究会委員・専門研究員として、実演芸能の
調査研究、政策提言などに関わった。2002 年から全国公立文化施設協会アドバイザーとして、各地の文化施設活性化に携
わっている。
1991 年から淡路島で 10 回行われた「全国人形芝居サミット&フェスティバル」、日立市で 1996 年から 13 回行われた「全
国オペラフォーラム」で、それぞれコーディネーターを務める。著書『音楽市民まちをつくる』『オペラのあるまち』ほ
か。オペラ台本『水の声』(日立市市制 60 周年記念委嘱作品)、『押し花の愛』(秋田市建都 400 年記念委嘱作品)
memo
17
プログラム 2-4
◯劇場法
日時: 2 月 14 日(木)
劇場経営コース
13:00〜15:00
会場: センター棟 102 号室
劇場法と劇場・音楽堂
パネリスト: 松井 憲太郎(富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ 館長)
パネリスト: 中山 夏織 (NPO 法人シアタープランニングネットワーク 代表)
パネリスト: 伊藤 裕夫 (文化政策研究者)
司会・デモレーター: 鈴木 滉二郎(明治大学 特任講師)
<現状と課題意識>
(社)全国公立文化施設協会の『平成 22 年度劇場・音楽堂等の活動状況に関する調査報告書』によれば、
「貸館事業中心」あるいは「貸館事業も積極的に展開」とされる総合型文化施設が約 1000 館 82%であるの
に対し、
「明確なミッションや方針のもと優れた公演芸術作品を創造する」専門モデルの文化施設は約 20 館
1.7%にとどまっています。
文化施設の専門職員の登用も、下記のような状況にあります。
(
「行政構造改革が芸術文化政策に与えた
影響に関する調査研究」2009 年 2 月全国自治体アンケート調査)
「芸術監督・プロデューサーなど、基幹となる職務に専門家を登用」する文化施設
・都道府県(有効回答数38)―専門家を登用9→登用率 23.7%
・政令指定都市(有効回答数13)-専門家を登用5→登用率 38.5%
・市区町村(有効回答数827)-専門家を登用14→登用率 1.7%
そして、公立文化施設の事業規模(自主事業予算額)は、
・5 百万円以下-230 施設(24.6%)
・5 百万円~1 千万円-161 施設(17.2%)
・1千万円~5千万円-427 施設(45.7%)
・1 億円超-43 施設 5%弱
となっており、自主事業実施率は 76.9%であるものの、そのうち 64.7%は買い取り公演という結果がでてい
ます。
(芸団協『社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)の提言』
(2009.3)
、調査回答 935)
このような状況のもとで 2012 年 6 月劇場法が制定され、その法前文で劇場、音楽堂等は、
・文化芸術を継承し、創造し、及び発信する場であり、
・地域コミュニティの創造と再生を通じて地域の発展を支える『新しい広場』であり、
・国際社会の発展に寄与する『世界への窓』にもなる
「
『公共財』ともいうべき存在である」ことが確認されました。
18
文化施設のあり方が法律にこのように謳われた折柄、劇場・音楽堂はどうあるべきなのか、そしてその事
業をどのように展開していくべきなのか、公共劇場や舞台芸術の公共性を踏まえて長く活躍されている 3 人
の専門家を迎え、改めて共に考えて行きたいと思います。
(鈴木滉二郎)
<公共性とは何か 文化・芸術の公共性と「劇場」>
「文化・芸術は、政治や経済とは異なった形、すなわち特異性(特殊な状況、特殊な体験、特殊な感性など)
の中にある普遍性を〈共感〉を通して確認しあうことで、
『市民社会』のニーズ=〈公共性〉を担保していく
べきものとして、歴史的に役割を担ってきました。
昨年『劇場法』が成立し、劇場・音楽堂等を実演芸術の公演を企画、実施、公開していくための『施設及び
人的体制』と定義したことは大きく評価されるべきことだと考えますが、しかし前述した文化・芸術の〈公共
性〉は、法律ができれば可能となるものではなく、劇場・音楽堂等に関わる人々、文化・芸術の役割を確信し
てそれを現実化する『人的体制』と、そのためのマネジメントこそが要となります。
神奈川県下の小都市でいま担っている仕事を基に、文化・芸術の〈公共性〉を提起したいと思っています。
」
(伊藤裕夫)
<芸術創造団体モデルの劇場マネジメントの実現のために>
「芸術創造団体に指定管理者になって欲しいと願うのは、私個人が『劇場は芸術家主導のもとで運営される
もの』という通念を強く持つ英国で教育され、英国演劇と長く仕事をしてきたからです。人が行き交い、人
が日々働く劇場という場で、芸術家は、芸術家として生活者として成長していくのです。日本を省みれば、
行政的組織のなかに、芸術監督あるいはプロデューサーというポストにだけ限定的に芸術家がとりこまれる
構造がいま増えていると思われます。もとより日本の芸術家の育成の過程において生活者としての意識や社
会性、アカウンタビリティという概念は存在していないこともあって、同時に、官僚的な行政的組織の性質
上、おのずとその職務・役割は限定されたものになり、育つというよりも、むしろ閉塞状況に置かれている
のではないかと心配するものです。もちろん、芸術監督には経営者として、組織改革を仕掛け、遂行しうる
マクロの視点とタフさは不可欠です。しかし、限界があるように思われます。
指定管理者制度のもとで、一人の芸術家による関与ではなく、芸術創造団体の組織が劇場やホールの運営
に関与するというモデルを可能にするためには、何が必要なのでしょうか。野心の不在であれば寂しいかぎ
りですが、いかに公共性を体現するミッションを、芸術的にも財政的にもアカウンタビリティを示しうるマ
ネジメント能力ももちうるのか。指定管理者としてのチャレンジが、自分たちと自分たちの観客だけを見つ
めてきた芸術創造団体の「内向きの」創造のあり方も変え、芸術をたくましいものに育ててくれるのではな
いか、そんなことを考えています」
(中山夏織)
<アーティストと市民が共同する芸術創造拠点をめざして>
「富士見市民文化会館キラリふじみ」が地域にむけて果たそうとしている役割は、市民が共通の文化的基
盤を発見し、創りだすための場や機会の提供です。
キラリふじみには、このような役割をプログラムをつうじて実現していくアーティストとして、多田淳之
介芸術監督のほかに5人のアソシエイト・アーティスト、舞踊家の田中泯、白神ももこ、音楽家の矢野誠、
劇作家・演出家の永井愛、田上豊の各氏がいます。
彼/彼女らが行うプログラムは、大きくふたつあります。ひとつは「レパートリーの創造と上演」と名づ
けられた、プロの芸術家としての作品創造の活動です。レパートリーとは、観客がそれを鑑賞することで、
自分たちの真の姿を発見し、かつ自分たちが形づくる社会の歴史的な意味をも再認識しうるような、芸術と
しての力を秘めた舞台作品のことです。こうした力をもつレパートリーを、市民社会に必要不可欠な文化を
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不断に再生し、更新する公共的な文化財としてとらえて、キラリふじみでは市民を中心とした観客に提供す
ることを目指しています。
もうひとつ、芸術監督とアソシエイト・アーティストは「市民参加プログラム」にも取り組んでいます。
例をあげると、田中泯による『私の子供=舞踊団』
、矢野誠による「合唱コンサート『地球のことづて』
」な
どですが、このプログラムでは、プロの芸術家と市民が共同作業するなかで、プロの創造性と高度な技能と、
アマチュアの市民がもつ既成の芸術の枠には収まりきらない生活者固有の発想と表現が融合して、
〈いま/こ
こ〉に集ったもののみが創ることができるユニークな芸術表現が誕生しています。
こうしたプログラムをはじめてまだ2年目ですが、そこからは確実に新しいなにものかが芽生きはじめて
います。今後もアーティストと市民とともに、新しい市民文化の創造を目指して、着実に歩みを進めていこ
うと考えています。
(松井憲太郎)
パネリスト プロフィール
松井 憲太郎
富士見市民文化会館キラリふじみ館長。専門は演劇制作、評論、劇場運営。1981 年〜96 年まで劇団黒テントに在籍。劇団
活動と並行して、地方でのイベント制作や劇場運営コンサルタントを手がける。90 年から世田谷パブリックシアターの設
立準備にたずさわり、97 年の開館から学芸課長、プログラム・ディレクターなどを務め、舞台作品の企画制作とレクチャ
ー・ワークショップ等の学芸活動を統括した。2008 年同劇場を退職。09 年にアジア演劇創造研究センターを設立、アジア
を中心に海外と日本の演劇の共同制作やネットワーク構築、また内外の教育演劇の研究に取り組む。2010 年 4 月より現職。
慶應義塾大学、学習院大学大学院非常勤講師。
中山 夏織
プロデューサー・翻訳・ドラマ教育アドバイザー
三重県四日市市出身。1985 年、明治大学文学部演劇学専攻卒。株式会社東急百貨店を経て、1990 年〜1995 年、社団法人日
本芸能実演家団体協議会(芸団協)に勤務。在職中に、英国シティ大学芸術政策経営学部アートマネジメント修士課程に
留学。芸団協退職後、再留学。博士課程に進学、1997 年中退。文化政策、アートマネジメント、アーティストサバイバル
等を教えるかたわら、シアタープランニングネットワークを設立し、プロデューサー、コーディネーター、トレーナー、
通訳として、数多くの舞台芸術の国際交流、人材育成プロジェクトにかかわる。著書に『演劇と社会―英国演劇社会史』
(美
学出版)
、
『ドラマ教育を探る 12 章』
(TPN)他。共著に『THEATRE TERMS』
(シアターガイド)
、翻訳戯曲に『アメリカン・
パイロット』
(楽天団)
、
『ハンナとハンナ』
(国際演劇協会)
、
『カラムとセフィーの物語』
(文学座アトリエ)
、
『宮殿のモン
スター』
『黄色い月』
(TPN プレイズ&プレイヤーズ)他。
現在、明治大学文学部兼任講師、桐朋学園大学音楽部非常勤講師。2012 年 4 月、独立行政法人日本芸術文化振興会プログ
ラムオフィサー(演劇)就任。
伊藤 裕夫
逗子市文化振興課専任主査、元富山大学教授。
東京大学文学部卒業後、
(株)電通入社。その後(株)電通総研出向を経て、2000 年より静岡文化芸術大学教授、2006〜2010
年富山大学芸術文化学部教授。他に日本文化政策学会副会長、
(公財)舞台芸術財団演劇人会議評議員、
(公財)静岡県文
20
化財団理事などをつとめるほか、静岡文化芸術大学大学院文化政策研究科、立教大学大学院 21 世紀社会デザイン研究科等
の兼任講師など。専門は、文化政策、アートマネジメント。近著に『入門文化政策』
(共著・ミネルヴァ書房、2008)
、
『ア
ーツマネジメント概論(三訂版)
』
(共編著・水曜社、2009)
、
『公共劇場の 10 年』
(共編著・美学出版、2010)など。
司会者プロフィール
鈴木 滉二郎
明治大学経営学部特任講師(自治体マネジメント論、公共ガバナンス論)
。68 年早大一法卒、同年都庁に入り、87 年企画
審議室計画部副参事、情報連絡室報道課長、教育庁参事等を経て 98 年東京文化会館副館長(兼(社)全国公立文化施設協
会常務理事)、その後職員研修所教授等を経て都庁を退職。2003 年高知女子大学教授(文化・まちづくり政策論)
。06 年静
岡文化芸術大学教授、07 年同大学院文化政策研究科長。10 年同退職、11 年より現職。この間法大講師(行政管理論)
、高
知県文化施設検討会座長、静岡県文化政策審議会副会長、尾道市文化施設アドバイザーなどを歴任、
(社)全国公立文化施
設協会アドバイザー、日本文化政策学会理事、
(公財)ローランド芸術文化振興財団理事、
(公財)演劇人会議監事など。
『指定管理者制度で何が変わるのか(共著) 』
(水曜社、2004 年)
、
『公共劇場の 10 年(共著)
』
(美学出版、2010 年)
、論
文「文化の創造・交流とまち・地域そして社会発展の条件」
(都市問題研究 2004.3)
、
「公立文化施設はどう変わるのか-社
会的分権が開く市民社会」
(月刊自治研 2005.7)
、
「公立文化施設を『新しい公共』の舞台に」
(NPO ジャーナル、2005.10)
、
「分権化過程における文化権制定法理の課題~条約―憲法―法律―条例間関係の権利展開~」
(
『文化政策研究 第 1 号』
2008.6、美学出版)
、
「近世・近代転換期における演劇・劇場と文化政策」
『文化政策研究第 3 号』
(2009.12、美学出版)等
memo
21
プログラム 3-1
◯接客・接遇ワークショップ
日時: 2 月 13 日(水)
14:20〜18:40
ホール運営
コース
会場: センター棟 310 号室
地域文化施設職員・入門編!
お客様をお迎えするワークショップ
講師:星野 愛子(サントリーパブリシティサービス(株)
)
司会:間瀬 勝一(小田原市民会館 館長)
<概要>
皆さんの接客態度で施設の印象は左右されます。来館されたお客様に満ち足りた時間を過ごしていただく
ために、お客様の気持ちに寄り沿いつつ、円滑でスマートなサービスを提供することが必要です。市民ボラ
ンティア等で対応している施設もありますが、施設職員が接客対応の達人であることが望まれます。このプ
ログラムでは、基本の接遇から緊急時対応まで、お客様をお迎えする心構えや実務など、フロントスタッフ
の仕事を具体的にワークショップ形式で体験します。実技中心のための定員制(40 名)とさせていただきま
す。また、この講座に初めて参加される方を優先といたします。
講師プロフィール
星野愛子
これまでに、サントリーホールの他、新国立劇場や国立能楽堂、兵庫県立芸術文化センター等、クラシック・オペラ・バ
レエ・伝統芸能等、幅広いジャンルの公演において、レセプショニストを統率する統括責任者として文化施設のサービス
運営に携わってまいりました。
ホール・劇場での豊富な現場経験を活かした接客・接遇研修は、より具体的且つ実践的であるため、分かりやすいと評価
いただいております。
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司会者プロフィール
間瀬 勝一
文化施設運営、舞台制作。舞台監督として演劇、コンサート、現代舞踊、クラシックバレエなどの公演に携わる。1968 年
藤沢市民会館開館に伴い舞台スタッフとして入社。舞台技術者として舞台運営を担当、また、イベントの企画運営なども
担当する。1993 年(財)横浜市芸術文化振興財団に入社。旭区「サンハート」、泉区「テアトルフォンテ」、栄区「リリス
ホール」、神奈川区「かなっくホール」、磯子区「杉田劇場」などの地域文化施設の館長を歴任。2005 年逗子文化プラザ
ホールアドバイザー、2009 年より逗子文化プラザホール館長。2010 年逗子市市民協働部文化振興課課長を兼務。2012 年よ
り小田原市民会館館長、小田原市文化部文化政策課芸術文化担当課長を兼務している。地域文化施設の基本構想、管理運
営等検討委員会専門委員、指定管理者選定委員会専門委員、アートマネージメントセミナーの企画、講師などを歴任し、
地域住民が舞台芸術を日常的に享受できる仕組み「舞台芸術の日常化」の推進に努めている。
memo
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プログラム 3-2
◯リスクマネジメント
日時: 2 月 14 日(木)
ホール運営
コース
10:00〜12:00
会場: センター棟 310 号室
リスクマネジメントⅡ
〜リスクマネジメントを超えて〜
パネリスト: 菅原 清 (岩沼市民会館 中央公民館 館長)
長野 隆人(いわき芸術文化交流館アリオス 経営総務課チーフ)
間瀬 勝一(小田原市民会館 館長)
草加 叔也(
(有)空間創造研究所 代表)
司会: 坪能 克裕(作曲家・音楽プロデューサー)
<概要>
“お客様の安全・安心を確保するために、各会館がポジティブでいられる手立てを考える”
あの自然の猛威にさらされた 3 月 11 日から 2 年が過ぎようとしています。しかし、その時に残された記憶と
深い傷跡は、未だに癒えることはありません。昨年のプログラムでは、その脅威の時にどう立ち向かったの
かということと被害の状況、そして優先的に取組むべき課題についての報告と情報交換を行いました。本年
度はその経験を踏まえて、平時の今だからこそできること、取組まなければならないことについて、このプ
ログラムに参加される方々の個々の取組みとして考えていただく機会にしたいと願っています。
パネリスト プロフィール
菅原 清
1948 年 宮城県岩沼市生まれ。
専門は土木・建築。
民間建設会社に入社後、1973 年岩沼市役所に入所、主に建設部門に勤務。2009 年 3 月定年退職、同年 4 月より岩沼市民会
館・中央公民館館長、現在に至る。2011 年 3 月 11 日 14 時 46 分は市民会館に勤務中に遭遇、そのまま避難所開設・運営・
6 月 5 日の閉鎖と無我夢中で 3 ヶ月を過ごした。
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長野 隆人
1976 年、静岡県島田市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。クラシック音楽情報誌『ぶらあぼ』副編集長、バレエ・ダンス
情報誌『DANZA』編集長を経て、2007 年から、いわき芸術文化交流館アリオスのオープニングに携わる。現在、同館広報グ
ループチーフ。広報紙『アリオスペーパー』の編集や、館内を子どもたちのあそび場にする「あそび工房」の運営などを
市民とともに模索する過程で、これまでにない施設の愛され方を開拓する「施設広報」の確立を目指す。共著に『200CD 鍵
盤の覇者たち』
『究極!クラシックのツボ!』など。
『文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと』
(水曜社)では第
一部を担当。
間瀬 勝一
文化施設運営、舞台制作。舞台監督として演劇、コンサート、現代舞踊、クラシックバレエなどの公演に携わる。1968 年
藤沢市民会館開館に伴い舞台スタッフとして入社。舞台技術者として舞台運営を担当、また、イベントの企画運営なども
担当する。1993 年(財)横浜市芸術文化振興財団に入社。旭区「サンハート」
、泉区「テアトルフォンテ」
、栄区「リリスホ
ール」
、神奈川区「かなっくホール」
、磯子区「杉田劇場」などの地域文化施設の館長を歴任。2005 年逗子文化プラザホー
ルアドバイザー、2009 年より逗子文化プラザホール館長。2010 年逗子市市民協働部文化振興課課長を兼務。2012 年より小
田原市民会館館長、小田原市文化部文化政策課芸術文化担当課長を兼務している。地域文化施設の基本構想、管理運営等
検討委員会専門委員、指定管理者選定委員会専門委員、アートマネージメントセミナーの企画、講師などを歴任し、地域
住民が舞台芸術を日常的に享受できる仕組み「舞台芸術の日常化」の推進に努めている。
草加 叔也
1957 年、岡山県倉敷市生まれ。劇場・ホールなど演出空間を中心に基本構想から施設計画、そして管理運営計画(指定管
理者選定支援業務を含む)など劇場コンサルタントとして「銀座セゾン劇場」
「広島市民文化創造センター」
「森下スタジ
オ」
「福岡シティ劇場」
「富山市芸術文化ホール」
「新潟市民芸術文化会館」
「長久手町文化の家」
「可児市文化創造センター」
「足立区シアター1010」
「国立劇場おきなわ」
「武豊町民会館」
「高松市文化芸術ホール」
「兵庫県立芸術文化センター」
「ミ
ューザ川崎シンフォニーホール」
「芸能花伝舎」など各地の劇場施設づくりに関わるとともに、ピーター・ブルック、レフ・
ドージン、ユーリー・リビュー・モフ、ピナ・バウシュ、アリアーヌ・ムニューシュキンなどによる演出作品の日本公演
で技術監督として直接上演活動に携わる。
1989 年には芸術家在外研修員として渡英。現在、劇場コンサルタント/空間創造研究所代表として活動。その他には、
(社)
全国公立文化施設協会アドバイザーなどを務める。
司会者プロフィール
坪能 克裕
専門は現代音楽を中心とした作曲家。大学で後進の指導を約 40 年。日本コロムビアなど音楽産業のディレクター・市民文
化会館の芸術監督などを歴任。
市民文化育成や音楽教育の実践プログラムを多数持ち、ワークショップ・リーダーでも活動。現在各地の文化施設に支援
員で訪問し「検証・評価」で訪問館を絶賛中。
文化審議会第8期文化政策部会委員。
(社)全国公立文化施設協会アドバイザー。日本現代音楽協会会長ほか。
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プログラム 4-1
◯事業企画
日時: 2 月 13 日(水)
企画制作コースⅡ
14:20〜16:20
マネジメント編
会場: センター棟 417 号室
ホール事業の企画立案のプロセスと成功へのポイント
〜実践的コンサートホールのマネジメントについて〜
講師: 善積 俊夫(
(社)日本クラシック音楽事業協会 常務理事)
講師: 入山 功一(
(株)AMATI 代表取締役 宮崎国際音楽祭アシスタント・ディレクター
NPO 法人日本アーツ・センター理事)
司会: 池田 温 (武蔵野音楽大学 教授)
<概要>
各文化施設では、これまで行われてきた実績やそこから生まれた習慣等に則ってマネジメントの業務が行
われていることが多いと思われます。このような方法は、それぞれの土地の生活習慣の上に培われたもので、
まさにその施設とその環境にマッチしたもので大切にされなければならないと思います。しかし、変化して
いく時代に即して、それぞれの施設がさらに新しいアイディアを取り入れながら、いっそう充実した事業を
展開していくためには、他者の方法論についても学習し、自分の方法論と比較・考察する必要があるのでは
ないかと思います。そのことによって、それぞれの施設で、さらに新しい事業、さらに充実した事業の展開
が可能となるのではないかと思います。
その他者の方法論として、音楽マネジメントの世界で、いろいろな立場で実績をあげてこられた方々が、
この度そのマネジメントについての実績をまとめた本を編纂されることを知り、その代表の方に講師として
登場いただくことにいたしました。
講師プロフィール
善積 俊夫
昭和 36 年 関西学院大学経済学部卒。ヤマハ株式会社(当時は日本楽器製造株式会社)に入社。
銀座店、心斎橋店等の店長を務め、その後(財)ヤマハ音楽振興会にて、教育部長、大阪支部長、アーティストプロモー
ト室長などを担当。音楽普及活動に従事した。平成 9 年 11 月より、社団法人日本クラシック音楽事業協会の事務局長に就
任、現在は常務理事として社団の運営に携わっている。協会業務の他、大阪国際室内楽コンクール&フェスタの運営委員、
仙台国際コンクール委員、財団法人音楽産業・文化振興財団評議員等の活動を行っている。また、地域生涯非営利活動法
人「65 歳からのアートライフ推進会議」の立ち上げに参画顧問を務めている。
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入山 功一
東京生まれ。1986 年、明治大学法学部卒業。大学在学中の 1985 年より(株)梶本音楽事務所のスタッフとしてさまざまな
企画の立案、アーティスト・マネジメント、招聘業務を行う。
1996 年より宮崎県が主催する宮崎国際音楽祭の立ち上げに参画し、現在に至るまでアシスタント・ディレクターを努める。
2003 年、演出家の平田オリザ氏らと NPO 法人日本アーツ・センターの設立に携わり、理事を努める。
2004 年からは、梶本音楽事務所副社長を務め、2009 年 9 月に同事務所退社。
2009 年 10 月には株式会社 AMATI を設立し、代表取締役社長に就任。
チェンバロ・フェスティバルや雅楽定期公演など、意欲的な企画をスタートさせている。これまでに尚美学園短期大学「ア
ート・マネジメント概論」講師、
(財)地域創造ステージ・ラボ講師、
(社)日本建築学会パネリストをはじめ多くの研修
会の講師を務めた。
司会者プロフィール
池田 温
昭和 36 年東京都公立学校教諭。同 57 年から文化庁・芸術査官、主任芸術調査官、主任芸術文化調査官を歴任。この間現
在の「子どものための優れた舞台体験事業」の原型となる「中学校芸術鑑賞教室」の企画立案。
平成 8 年から新国立劇場・事業部長として、これまで二期会オペラ振興会に委託して行われていた文化庁オペラ研修所を
新国立劇場へ移管し、同 10 年「新国立劇場オペラ研修所」としてスタートさせる。
平成12年、再び教育界へ戻り、武蔵野音楽大学(音楽教育学科)教授として、さらに平成 19 年からは「音楽環境運営学
科」(アートマネジメントに従事する人材の育成する学科)の教授として、後進の育成にあたるとともに、併せて演奏部
長も勤め大学の多数のコンサートやオペラの企画・実施にあたっている。また、平成 17 年からは(社)全国公立文化施設
協会の公立文化施設活性化アドバイザーを務めている。
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プログラム 4-2
◯資金調達・助成金
日時: 2 月 14 日(木)
企画制作コースⅡ
10:00〜12:00
マネジメント編
会場: センター棟 417 号室
助成金の考え方とそのポイント
〜足腰を強くする劇場経営とは〜
講師: 唐津 絵理(愛知芸術文化センター 主任学芸員)
講師: 伊藤 美歩(
(有)アーツブリッジ 代表)
司会: 柴田 英杞(
(社)全国公立文化施設協会 アドバイザー)
<概要>
研修のニーズとしていつもトップを占めるのは、広報と資金調達ですが、前回のアンケートでは、助成金
というニーズが単独で踊り出ました。過去 2 回の資金調達は民間の手法について学びました。そこで明らか
になったことは、集金マシーンに捉われていた概念を覆し、当該劇場の「夢」や「将来像」をまず語ること
ができるか否かということでした。本講義では、公的資金の助成金制度に焦点をあて、助成金の考え方や獲
得するためのポイントを紹介いたします。助成金は媚薬です。助成金を獲得するということは、メリットも
当然ありますが、一方で助成金に見合う足腰を鍛えておかなければならないことも同時に学ぶ必要がありま
す。
講師プロフィール
唐津 絵理
愛知芸術文化センター主任学芸員 あいちトリエンナーレ 2013 プロデューサー
お茶の水女子大学文教育学部舞踊教育学科卒業、同大学院人文科学研究科修了(文学修士)
。幼少の頃より、モダンダンス
やバレエ等の様々な身体表現を学び、大学在学中より舞台活動を行う。92 年、愛知芸術文化センターの開館準備室を経て、
現在まで愛知県文化情報センター所属。日本では初となる舞踊の学芸員としてダンスを中心とした複合的な舞台作品<ダ
ンスオペラ>等、数々のオリジナル作品や企画をプロデュース。公演のほかにもパフォーミングアーツのワークショップ
や講座等の教育・普及事業も数多く手がける。それらの成果として 2000 年には、公立施設としては極めて珍しい民間から
の賞、
「第1回アサヒビール芸術賞」を受賞(愛知県文化情報センターに対して)
。著書に『身体の知性』
、
『20 世紀舞踊の
作家と作品世界』等。山口大学、愛知県立芸術大学等の非常勤講師(アートマネジメント論、舞踊論等)や各種媒体への
執筆、舞台公演の審査員、レクチャー、シンポジウムへの参加、アウトリーチプログラムのコーディネーター等、舞台芸
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術の普及のための多様な活動を行う。
近年の主な活動としては、2007 年〜2009 年文化庁文化審議会文化政策部会委員、2010 年あいちトリエンナーレ 2010 キュ
レーター、2011 年より(社)全国公立文化施設協会アートマネジメントハンドブック企画委員、2010 年よりトヨタコレオ
グラフィーアワード審査委員、セゾン文化財団 2013 年現代演劇・舞踊公募プログラム・アドバイザリーボード、2013 年ダ
ンスボックス主催「国内ダンス留学@神戸」ショーイング審査委員等。
伊藤 美歩
米国ノースウェスタン大学卒。サザンメソジスト大学大学院修士課程修了、MBA及びMA(芸術運営学)の学位を取得。
テキサス州のサンアントニオ交響楽団で企画職を担当後、ハリウッドボウルにて企画職、ロサンジェルス・フィルハーモ
ニーではその活動拠点となるウォルト・ディズニーコンサートホール建設のためのファンドレイジング・キャンペーンの
マネージャーを務める。2004 年に帰国。日本の芸術団体やNPO団体の運営を少しでも安定させるためのファンドレイジ
ング・ノウハウの共有や、音楽イベントの企画・制作などを行うために 2005 年 5 月に有限会社アーツブリッジを設立。非
営利団体や自治体職員を対象としたファンドレイジング研修やコンサルティングを行っている。2008 年にはトヨタ芸術環
境KAIZENプロジュクトに採用され、
『技術団体のためのファンドレイジング・ハンドブック~個人サポーター獲得を
目指して~』を発行。
(無料ダウンロード→http://www.nettam.jp/kaizen/kaizen-saku)。日本ファンドレイジング協会理事。米国の
Association of Fundraising Professionals および Association of Professional Researcher for Advancement 会員。
司会者プロフィール
柴田 英杞
神奈川県横浜市生。
政策研究大学院大学政策研究科文化政策プログラム修士課程修了(文化政策修士)
劇団俳優座演劇制作部勤務後、平成 7 年度より、北海道・仙台・広島等の自治体が実施した演劇による人材育成事業に着
手し、演劇プロデューサーを務める。地域における文化芸術振興事業を数多く手掛け、文化ボランティアや文化事業の企
画立案や評価等、広範な活動に参画。平成 9 年度、文化庁派遣在外研修員(アートマネジメント部門)として英米の地域
劇場にて研修。
全国公募により、平成 14 年 9 月から 9 年 3 ヶ月に渡り、鳥取県文化振興財団文化芸術デザイナーに就任。前総務大臣・現
慶應義塾大学法学部教授・片山善博氏が鳥取県知事を務めた当時、県政のひとつであった文化政策を推進し、鳥取県の文
化振興に寄与する。
平成 17 年度から(社)全国公立文化施設協会アドバイザーを務め、全国の公立文化施設の管理運営や文化事業などのアド
バイスを行う。平成 21 年度より、滋賀県文化振興事業団に勤務し、現在は芸術監督として、滋賀県次世代創造発信事業を
推進(主に邦楽・邦舞)
。平成 24 年からは日本芸術文化振興基金演劇部門のプログラムオフィサーを務める。
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プログラム 4-3
◯広報宣伝
日時: 2 月 14 日(木)
企画制作コースⅡ
13:00〜15:00
マネジメント編
会場: センター棟 417 号室
文化事業・広報宣伝から助成金対策まで
講師: 嶋田 実名子(花王(株)理事、
(公財)花王芸術・科学財団 常務理事 兼 事務局長)
講師: 藤谷 浩二(朝日新聞東京本社 文化くらし報道部 記者)
司会: 坪能 克裕(作曲家・音楽プロデューサー)
<概要>
広報宣伝は文化事業のみでなく、文化施設全体の情報発信と市民とのコミュニケーションにもなっていま
す。事業などの券売にも直結しますが、情報発信は”助成金”の獲得まで展開できるはずです。しかし現実
的には宣伝費の方が上回ってしまうこともあります。どうしたら文化事業の情報が効果的に発信できて、助
成金の獲得にまでつなげることができるか、皆様とご一緒に考えてみたいと思います。
講師プロフィール
嶋田 実名子
1953 年生まれ。日本女子大学卒業後、2 社を経て消費生活アドバイザーとしてフリーで活動。1986 年に花王株式会社に入
社。化粧品事業本部、広報センターを経て、2000 年より社会貢献分野の活動責任者として社会・文化室長。2003 年、財団
法人花王芸術・科学財団の常務理事兼事務局長就任。2006 年より、コーポレートコミュニケーション部門サステナビリテ
ィ推進部長(兼)社会貢献部長、及び上記財団の専務理事/事務局長兼任。2010 年 6 月より、花王株式会社 理事。
書籍:
『女性のための上司術』監修(情報センター出版)
日本経済団体連合会 社会貢献担当者懇談会 座長
日本 NPO センター理事
文部科学省独立行政法人評価委員会委員
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藤谷 浩二
朝日新聞東京本社 文化くらし報道部記者
1969 年 埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業
1992 年 朝日新聞に入社。2000 年より 2010 年までの間、通算 7 年半にわたり東京本社学芸部・文化部で演劇・舞台芸術
を担当
2010 年 4 月〜2012 年 8 月 さいたま総局勤務
同年 9 月より現職
司会者プロフィール
坪能 克裕
専門は現代音楽を中心とした作曲家。大学で後進の指導を約 40 年。日本コロムビアなど音楽産業のディレクター・市民文
化会館の芸術監督などを歴任。
市民文化育成や音楽教育の実践プログラムを多数持ち、ワークショップ・リーダーでも活動。現在各地の文化施設に支援
員で訪問し「検証・評価」で訪問館を絶賛中。
文化審議会第8期文化政策部会委員。(社)全国公立文化施設協会アドバイザー。日本現代音楽協会会長ほか。
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日時: 2 月 14 日(木)
特別
プログラム
15:30〜17:30
会場: カルチャー棟 大ホール
口語訳による日本音楽の新しいエンターテインメント
邦楽オラトリオ「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)古事記より」
作詞: 松本 隆
作曲: 藤舎 貴生
朗読: 一色 采子
唄: 今藤 政貴
杵屋 巳之助
今藤 政子
三味線: 杵屋 栄八郎
杵屋 勝十朗
杵屋 栄之丞
囃子: 藤舎 円秀
堅田 喜三郎
望月 秀幸
梅屋 喜三郎
笛: 藤舎 貴生
箏: 中川 敏裕
高畠 一郎
太鼓: 田代 誠
ナビゲーター: 藤舎 貴生(横笛奏者)
藤本 草(
(公財)日本伝統文化振興財団 理事長)
司会: 平野 英俊(舞踊評論家 邦舞)
<概要>
「古事記」編纂 1300 年にあたり、
「八俣の大蛇」
「因幡の白兎」などの馴染みのある逸話を、口語体による朗
読や唄、三味線、箏、笛、太鼓等の邦楽器で演奏します。古典を踏襲しつつ現代的でわかり易く、誰にでも
楽しめる邦楽を目指します。演奏に先立ち、邦楽器の紹介や楽器の舞台レイアウト等の解説を行い、邦楽公
演開催に際する育成プログラムの内容も盛り込みます。
「幸魂奇魂」は祈りの言葉で、最古の神社と称される三輪山の神が日本人に授けた聖なる言葉。東日本大震
災を体験した日本と日本人の魂への「再生」の祈りが込められています。本作品によって日本音楽の素晴ら
しさを伝え、伝統文化で地域を元気にしたいと願っています。
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ナビゲータープロフィール
藤舎 貴生(とうしゃ きしょう)
横笛奏者。邦楽囃子二世家元、中村寿鶴を祖父とし、藤舎呂悦の長男として京都に生まれる。囃子を藤舎流宗家藤舎せい
子、笛を藤舎名生、長唄を今藤政太郎、マリンバを山本毅に師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業後、専門楽器を横笛
とし、歌舞伎、日本舞踊はもとより、クラシックコンサートにソリストとして招かれるなど幅広く活躍。黒田征太郎、武
田双雲、世界チャンピオン DJ、KENTARO など異種アーティストとの共演も多い。近年作曲も多く手がけ、代表作に「静」
「梅
雨将軍信長」
「一心行桜」など。
NHK 大河ドラマの横笛指導、プロデュース・企画公演も行う。池坊文化学院特任教授歴任。
CD「幸魂 奇魂(さきみたま・くしみたま)―古事記より」で、第 54 回(2012 年)日本レコード大賞企画賞受賞。
藤本 草(ふじもと そう)
1950 年東京都出身。1976 年に日本ビクター株式会社入社。ビクターエンタテインメント株式会社で、日本の古典音楽・民
俗芸能、世界の民族音楽、欧米クラシック音楽を専門分野とする音楽・映像プロデューサーとして、1000 タイトルを超え
る作品を制作。
現在、公益財団法人日本伝統文化振興財団理事長。公益財団法人全国税理士共栄会文化財団理事、一般財団法人合唱音楽
振興会理事、公益財団法人伝統文化活性化国民協会参与、特定非営利活動法人日本尺八協会理事、東京都文化発信プロジ
ェクト委員、歴史的音盤アーカイブ推進協議会副代表幹事。その他、東京邦楽コンクール審査委員長、賢順記念全国箏曲
コンクール審査委員等を歴任。
司会者プロフィール
平野 英俊
1944 年(昭和 19 年)仙台市に生まれる。早稲田大学第一文学部演劇専修卒業後、邦楽、邦舞関係の雑誌編集者を永年つと
め、退職後は、『日本舞踊入門』『日本舞踊鑑賞入門』『日本舞踊曲集成(全 3 巻)』等の編著の他、(社)全国公立文
化施設協会アドバイザーとして、日本の伝統芸能を鳥瞰し、アートマネジメントについて考察、意見を述べている。また、
文部科学省文化審議会文化財部会第四専門委員を 2011 年まで務める。「公文協歌舞伎」の歌舞伎小委員会の委員。栃木県
立足利南高等学校発行『歌舞伎授業教材、歌舞伎の基礎知識』の監修などもつとめる。
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日時: 2 月 15 日(金)
ファイナル
10:00〜11:45
会場: カルチャー棟 大ホール
白熱!「あらためて公立文化施設のあり方を考える」
講師: 草加 叔也(
(有)空間創造研究所 代表)
講師: 田村 孝子(静岡県コンベンションアーツセンター(グランシップ)館長)
講師: 本杉 省三(日本大学教授 文化芸術による復興推進コンソーシアム運営委員長)
講師: 水戸 雅彦(仙南芸術文化センター(えずこホール)
)
司会: 松本 辰明(
(社)全国公立文化施設協会 常務理事)
<概要>
東日本大震災からまもなく2年。壊滅的な被害を受けた被災地では多くの困難を抱えながら、今なお再生・
復興の途上にある。今後、被災者が将来に希望を描き、被災地が着実に復興していくために、文化芸術はど
のような役割を担うのか、そのために公立文化施設は何をなすべきなのか。このことは、東北のみならず、
同時に全国にも共通する課題でもある。東北の「今」に向き合いつつ、6 月に制定された「劇場、音楽堂等の
活性化に関する法律」の趣旨と法律に基づく指針の内容も踏まえ、これからの公立文化施設のあり方を探る。
講師プロフィール
草加 叔也
1957 年、岡山県倉敷市生まれ。劇場・ホールなど演出空間を中心に基本構想から施設計画、そして管理運営計画(指定管
理者選定支援業務を含む)など劇場コンサルタントとして「銀座セゾン劇場」
「広島市民文化創造センター」
「森下スタジ
オ」
「福岡シティ劇場」
「富山市芸術文化ホール」
「新潟市民芸術文化会館」
「長久手町文化の家」
「可児市文化創造センター」
「足立区シアター1010」
「国立劇場おきなわ」
「武豊町民会館」
「高松市文化芸術ホール」
「兵庫県立芸術文化センター」
「ミ
ューザ川崎シンフォニーホール」
「芸能花伝舎」など各地の劇場施設づくりに関わるとともに、ピーター・ブルック、レフ・
ドージン、ユーリー・リビュー・モフ、ピナ・バウシュ、アリアーヌ・ムニューシュキンなどによる演出作品の日本公演
で技術監督として直接上演活動に携わる。
1989 年には芸術家在外研修員として渡英。現在、劇場コンサルタント/空間創造研究所代表として活動。その他には、
(社)
全国公立文化施設協会アドバイザーなどを務める。
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田村 孝子
東京都出身。1965 年慶應義塾大学文学部卒業。同年 NHK 入局。副会長秘書を経て、1968 年から音楽番組ディレクターとし
て『あなたのメロディー』
『N 響アワー』
『ときめき夢サウンド』
『ジュリー・アンドリュース&アンドレ・プレヴィン指揮
NHK 交響楽団コンサート』などの人気音楽番組を手掛ける。1997 年〜2007 年まで NHK 解説委員(芸術文化担当)として文
化行政への提言や情報発信に努める。現在、静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ館長。主な公職歴とし
て、2006 年〜2011 年 文化庁・文化審議会委員、2008 年〜静岡県総合計画審議会委員、2011 年〜(財)新国立劇場運営
財団評議員、等。
本杉 省三
【学歴】
1972 年日本大学理工学部建築学科卒業、1974 年同大学院修了。1981 年〜1983 年ベルリン自由大学演劇研究所留学(DAAD
ドイツ学術交流会給費生)
。ベルリン・ドイツオペラ Deutche Oper Berlin 技術部及びシャウビューネ劇場 Schaubühne am
Lehniner Platz 技術部特別研究員。
【職歴】
1974 年 10 月〜日本大学理工学部助手、1977 年 12 月〜1978 年 3 月文化庁文化部文化普及課嘱託、1978 年 4 月〜1981 年 7
月文化庁文化部文化普及課非常勤職員(第二国立劇場設立準備担当)
、1989 年 4 月〜日本大学理工学部専任講師、1993 年 4
月〜同助教授、1999 年 4 月〜同教授、現在に至る。
【最近の主な社会活動】
(社)日本建築学会 JABEE 建築分野審査委員会委員(2005 年〜、幹事:2006 年〜、委員長:2009 年〜)
、
(社)日本技
術者教育認定機構(JABEE)認定・審査調整委員会委員(2009 年〜、理事:2011 年〜)
(社)劇場演出空間技術協会理事・
同技術委員会委員長、新国立劇場オペラ専門委員(2005 年〜2010 年)
、劇場等演出空間運用基準協議会専門研究会座長(2007
年〜)
、柏崎市新市民会館設計者選定プロポーザル審査委員会委員(副委員長:2008 年〜2009 年)上田市交流・文化施設
等基本設計業務公募型プロポーザル設計者選定委員会委員(2010 年〜2011 年)
、八千代市中央図書館・市民ギャラリー整
備事業基本設計業務公募プロポーザル審査委員(2011 年)
、四国中央市市民文化ホール設計者選定委員会委員(2011 年〜
2012 年)他。
【主な劇場・ホールの計画・設計協力作品】
東急文化村(1985 年〜1989 年)
、新国立劇場(1986 年〜1997 年)
、愛知芸術文化センター(1987 年〜1992 年)
、明治座劇
場(1988 年〜1993 年)
、新潟市民芸術文化会館りゅうとぴあ(1992 年〜1998 年)
、長岡リリックホール(1993 年〜1996 年)
つくばカピオ(1993 年〜1996 年)
、なら 100 年会館(1993 年〜1998 年)
、静岡グランシップ(1994 年〜1998 年)
、大社文
化プレイス(1993 年〜1999 年)
、ビッグハート出雲(1995 年〜1999 年)
、クレアこうのす(1996 年〜2000 年)
、山口情報
芸術センター(1997 年〜2003 年)
、Stadtheater Almere(1999 年~2007 年、オランダ)
、まつもと市民芸術館(1997 年〜
2004 年)
、Qatar National Convention Centre(2003 年〜、カタール)
、台中メトロポリタン・オペラハウス(2006 年〜、
台湾)
、村山市総合文化複合施設(2007 年〜2010 年)
、真壁伝承館(2008 年〜2011 年)
、大同市舞台芸術センター(2010 年
〜、中華人民共和国大同市)
、等。
水戸雅彦
1956 年宮城県生まれ。1996 年仙南芸術文化センター(えずこホール)オープンと同時に仙南文化振興財団事務局次長とし
てホールの管理運営、事業の企画制作に携わる。以後 14 年間、住民参加型事業、アウトリーチ事業を中心に地域密着型の
各種事業を積極的に展開。2006 年(平成 18 年)4 月 1 日、仙南文化振興財団の運営から仙南地域広域行政事務組合の直営
に移行。現在、仙南芸術文化センター所長。2004 年(平成 16 年)
「えずこ芸術のまち創造事業」が内閣府から地域再生計
画の認定。2007 年(平成 19 年度)えずこホールが財団法人地域創造 JAFRA アワード(総務大臣賞)受賞。宮城県文化芸術
振興審議会委員。
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司会者プロフィール
松本 辰明
1952 年熊本県生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、民間企業勤務を経て、1979 年東京都庁入都。教育庁、生活文
化局国際交流部、同部パリ事務所、企画審議室調査部、政策報道室報道課等に勤務後、港区役所障害保健福祉課長、区民
広報課長等を歴任。その後、東京都住宅局滞納整理担当課長、同局免許課長、生活文化局男女平等参画室長を経て、2007
年より東京文化会館副館長に就任。これまで教育、文化、国際関係、広報、障害福祉、住宅などの行政分野を担当。また、
2007 年より(社)全国公立文化施設協会常務理事を兼務。
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