統合ダイナミックシミュレーション環境 OmegaLand

OmegaLand
オメガシミュレーション
統合ダイナミックシミュレーション環境 OmegaLand
(株)オメガシミュレーション
1.はじめに
ンが可能です。化学工学にもとづく詳細モデルを搭載し
ており、圧力と流量の関係を厳密に取り扱って計算してい
プラントシミュレータVisual Modelerをエンジンにして、
ます。プラントレベルの大規模なプロセスを取り扱え、しか
運転訓練シミュレータなどの応用システムを構築するため
もリアルタイムあるいはその数倍以上のスピードでシミュレ
の環境、すなわち統合ダイナミックシミュレーション環境が
ーションが可能です。
OmegaLandです。本稿ではこのOmegaLandの特長と
各機能モジュールについてをご紹介します。
■オープンなインタフェース
いろいろなプログラムとデータ交換できることは、データ
2. OmegaLand の特長
の有効利用と同時に、複合的な機能を実現することがで
OmegaLand はモジュール構造をとっており、図1のよ
きます。OmegaLand ではユーザーがモジュールを作成
うに VMSpace という仮想のデータバス・制御バスで情報
できるように、モジュール間を接続するためのインタフェー
を交換しながら動作します。OmegaLand の特長は以
スが公開されており、開発キットが提供されています。ユ
下の3項目です。
ーザーが自ら機能モジュールを開発して、この環境に組
み込むことも可能です。
また、OPC(OLE for Process Control)インタフェース
■多目的に利用できるモジュール構造
求められるさまざまな機能を、独立性の高いモジュール
に対応したモジュールを提供しており、サーバ、クライアン
に整理・分割することで、ユーザーの多様なニーズに応え
トのいずれにもなりうる機能があります。OPC インタフェー
られる組み合わせが可能となっています。
スがあるパッケージなら簡単に接続できて、データ交換が
可能となります。
ユーザーは必要なモジュールだけを購入すればよいの
で、コストを抑えることができます。さら
に、必要に応じて機能モジュールを容
易に追加できるので、システムの拡張
Basic機能
Basic機能
モジュール
や機能追加、システム全体の機能アッ
ユーザー機能
実現
インタフェース
OPC
接続
PCS
リプレイ評価
自動運転
グラフィック
データベース
実行制御
機能モジュール
■高精度で高速なシミュレーションを
プラントモデル
プを簡単に行うことができます。
ユーザー機能
モジュール
Option機能
Option機能
モジュール
OmegaLand のコア技術であるダイ
ナミックシミュレータ Visual Modeler
インタフェース
VMSpace
プラットフォーム
Windows
は、ブラッシュアップを重ねています。
プラントの装置や制御機器を忠実に
再現できるようにモデル化されており、
図1 OmegaLand の構成
装置が空の状態からでもシミュレーショ
1
OmegaLand
3.機能モジュール
オメガシミュレーション
します。プロセスモデルの履歴データを貯えたり、計算機
能によりデータを加工したりでき、スプレッドシート形式で
機能モジュールをひとつひとつ簡単に説明していきま
す。主要な構成要素となる Basic 機能モジュールと、比
較的特殊な用途に使用する Option 機能モジュールに
大別されます。
タグの登録、編集が可能です。
・VIEW-グラフィックモジュール
エンドユーザーが直接操作することになる GUI(グラフ
ィック・ユーザー・インターフェイス)を提供します。DCS の
運転監視画面の忠実な模擬や、臨場感のある現場操作
■ Basic 機能モジュール
・Visual Modeler-プラントモデルモジュール
OmegaLand のコア技術であるダイナミックシミュレータ。
の模擬が可能です。
※VIEW は Rockwell Software 社の製品 RSView32
をベースにしています。
徹底したモジュールアプローチを採用しており、複雑で大
規模なプラントのダイナミックモデルが着実に、能率よく開
発できます。
・EXEC-実行制御モジュール
OmegaLand 全体の実行を制御するとともに、それを構
成するモジュール、およびモジュールが使用するデータ
の管理を行います。いわば OmegaLand の司令塔として
の役割を果たします。
・DB-データベースモジュール
リアルタイムで利用可能なタグデータベース機能を提供
■Option 機能モジュール
・AUTO-自動運転モジュール
シミュレーション実行を自動化する機能を提供します。
同様な操作を繰り返し正確に実行することができ、運転操
作の検証に利用できます。運転訓練システムに組み込ん
で、マルファンクションの発生を含む訓練シナリオを自動
で実行することができます。
・EVAL-リプレイ評価モジュール
運転訓練などでの操作情報やイベントをロギングし、実
図2 機能モジュール
2
OmegaLand
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施されたシミュレーションを忠実に再現します。
表1 動作環境
また、訓練評価に利用できるようなログデータ
を提供します。
・PCS-PCS 接続モジュール
DCS に代表される PCS との接続機能を提
供します。これにより、実機方式による臨場感
あふれた運転訓練シミュレータを構築すること
が可能です。また、実運転向け DCS の制御ロ
ジックの検証に利用することもできます。
・OPC-OPC インタフェースモジュール
OLE/COM 技術をベースにしたインタフェー
スの標準規格である OPC のインタフェース機
能を提供します。OPC に準拠した他のシステ
ムとの接続が容易にできます。
このほかに、ユーザー自ら機能モジュールが
作成できるデベロップメントキットが用意されま
す。
<ハードウェア>
IBM PC/AT互換機
モニター
Pentium相当 600MHz以上
RAM512MB以上
XGA(解像度1024×768ドット)以上表示可能なCRT
あるいは液晶ディスプレイ
(解像度1280×1024ドットを推奨)
1GB以上の空き容量
インストールに必要
ハードディスク
CD-ROMドライブ
キーボード、マウス、
Microsoft Windowsで使用可能なもの
プリンタ
サウンドボード、スピーカー(OmegaLand/VIEW使用時で
音声出力機器*
音声機能を利用するときに必要)
ネットワーク環境*
LANボード、Ethernet
<ソフトウェア>
Microsoft Windows XP Professional または
OS
Microsoft Windows 2003 Server または
Microsoft Windows 2000 Professional/Server
Microsoft Visual C++ 2005 または Visual C++.NET 2003
(Visual Modeler使用時に必要)
RSView32 Version 6.30.06以上
その他
(OmegaLand/VIEW使用時に必要)
Microsoft Excel 97以上
(OmegaLand/VIEW、EVAL使用時に必要)
*複数台のパソコンで運用する時にはネットワーク環境が必要です。なお、ネットワー
ク上にWindows 2000/NT ServerをOSとするサーバ用パソコンが必要となります。また、
OmegaLand/VIEW使用時に音声機能を利用する場合には、サウンドボードとスピー
カーシステムが必要になります。
■ デベロップメントキット
・SDK-ユーザーモジュール作成キット
ユー ザ ー モ ジ ュ ー ル を 作 成 し て
OmegaLand 製品に接続するためのツールラ
イブラリを提供します。
■USER 機能モジュール
・USER-ユーザー作成モジュール
ユーザーが作成した機能モジュールです。
OmegaLand の他のモジュールとの接続イン
タフェースが公開されているので、容易に組み
図3 VMviewer システム構成例
込むことができます。
て、EXEC、DB、VIEW と OmegaLand のほとんどのモ
4.動作環境
OmegaLand を使用するため必要なハードウェア、お
よびソフトウェアは表1の通りです。
また、図3に VMViewer のシステム構成の一例を示し
ました。メインパソコンでは Visual Modeler をはじめとし
ジュールを動かします。ビューパソコンでは VIEW のみ
を動かします。
※ OmegaLand は ( 株 ) オ メ ガ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 登 録 商 標 で す 。 Visual
Modeler は三井化学(株)の登録商標です。Microsoft、Windows、Visual
C++は米国 Microsoft Corporation の登録商標です。RSView32 は米国
Rockwell Software,Inc.の商標です。その他の製品名などは一般に各社の商
標または登録商標です。
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