経済構造改革に向けて前進するインド - 岡三オンライン証券

チダムバラム・インド財務大臣との会見要約
ご参考資料
2013年4月4日
経済構造改革に向けて前進するインド
来日中のインドのチダムバラム財務大臣は、4月2日、HSBC投信株式会社と単独会見を行いました。
チダムバラム財務大臣は、インドの経済成長・財政再建のために「構造改革をより強力に推し進めて
いく」と述べ、同国経済の動向や金融市場などについて語りました。
(本文内容は、2013年4月2日時点のものです)
チダムバラム財務大臣
(Chidambaram, Shri Palaniappan)
1945年、インド南部タミル・ナドゥ州生まれ。
1984年下院選挙に出馬し、初当選。
財務大臣、内務大臣を歴任した後、2012年
8月より現職。同氏は過去2度、財務大臣を
務めており、今回で3度目の就任となる。
チダムバラム財務大臣と弊社代表取締役社長
松田宇充
− これまで遅れが指摘されてきた、インフラ整備計画の進捗状況はいかがでしょうか。
確かに、インドではインフラ整備が思うように進まず、この2∼3年で見ると、投資サイクルは減速しています。
実際、政策変更や資金不足などを理由に、いくつものプロジェクトの進行が中断しています。しかしながら、
2013年1月、大型プロジェクトの迅速な推進を目的に、シン首相を議長とする内閣投資委員会*1が活動を開始し
ました。同委員会は、この2ヶ月間で石油・ガス、石炭、電力、道路などの分野で複数のプロジェクトを承認して
おり、投資総額は140億米ドル相当に達しています。現在は、31の石油・ガスの大型案件を含む215のプロジェ
クトが審査・承認を待っている状態にあります。
なお、インフラ・プロジェクトの進行を妨げている障害のひとつに、発電所プロジェクト向けの燃料供給問題が
あります。これについては対策が講じられており、国内産石炭と相対的に価格の高い輸入石炭がプールされ、
同じ価格で全ての発電所プロジェクトへと供給されるメカニズムが導入されます。また、鉱山は政府が保有して
いますが、現在、パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)*2事業が進められており、民間企業が生産を
行っています。この4ヶ月間、石炭生産は増大しており、燃料供給の確保が図られています。なお、このPPP事
業は外国企業にも門戸が開かれています。
内閣投資委員会は非常にうまく機能しており、首相自らが議長を務め、各省間の問題が容易に解決されるた
め、プロジェクトの審査・承認がスムーズに進んでいます。ここにきて投資サイクルが回復し始めており、今後
は、大型プロジェクトが動き出すことで、インフラ投資が順調に拡大することが期待されます。
*1 首相が議長を務める委員会で、各省庁間の利害関係を調整する上で大きな役割を果たしています。
*2 行政主体による公共サービスを、行政と民間との連携により提供していく官民連携のことです。
1
巻末の留意点を必ずご覧ください
− 経常収支の赤字が拡大している背景と、その対策についてお伺いできますか。
経常収支の赤字拡大は深刻な問題です。インドは、国内の供給不足を埋めるために、大量の石油を輸入して
おり、石炭、資本財、食用油、豆類なども大きく輸入に依存しています。経常赤字の問題を克服するには、輸出を
伸ばし、貿易収支の均衡を図る必要がありますが、欧州、日本など主要輸出先の景気は停滞を続けており、イン
ドの輸出は低迷しています。
また、経常赤字は、金の輸入増加により、一層拡大しています。インド人にとって、金は安全で流動性の高い資
産というだけでなく、伝統、文化、習慣(結婚式での装飾など)とも深く結びついています。国民に対して、「金の購
入を控えるように」、などとはとても言えないのが現実です。このため、今年に入り、金の輸入関税率を4%から6%
に引き上げました。
2012年10‐12月期の経常赤字(対GDP比)は6.7%と記録的な高水準に達しましたが、2012年度(2012年4月∼
2013年3月)全体では5.0∼5.1%程度に収まりそうです。今年後半には輸出が回復、金輸入も減少することが見込
まれ、また原油価格も僅かながら下落するかもしれません。
一方、ぜひ注目していただきたいのは、2012年度の経常赤字は確かに高水準に達していますが、この赤字は、
海外からの直接投資、証券投資など資本流入によって全て賄われている点です。外貨準備には一切手を付けて
おらず、むしろ外貨準備高は増加しています。
− インド準備銀行(中央銀行)は過去2回の会合で連続して政策金利を引き下げましたが、さらなる
利下げ余地はあるのでしょうか。
これは中央銀行総裁が決めることであり、大変
難しい判断となります。政府は常に経済成長を
重視する傾向がありますが、中央銀行は、イン
フレとのバランスを見る必要があります。
最近のインフレ指標(2013年2月)を見ると、卸
売物価指数(WPI)は前年比+6.8%と低下してい
ますが、その一方で消費者物価指数(CPI)は同
+10.9%と、なお高水準にある点が問題と言える
でしょう。
(%)
政策金利とインフレ指標の推移
(2008年1月末∼2013年3月末)
14
12
卸売物価指数
10
8
6
政策金利
4
2
0
-2
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
13/1
(年/月)
※卸売物価指数は2013年2月まで
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
2
巻末の留意点を必ずご覧ください
− ルピーはやや不安定な値動きとなっていますが、今後の見通しはいかがでしょうか。
ルピーの対米ドル相場は、過去3ヶ月で見れば、1米
ドル=54∼55ルピー前後の水準で安定的に推移して
います。それ以前は確かに不安定でしたが、現在は安
定を取り戻した状態と言えるでしょう。
ルピー(対円、対米ドル)の推移
(2012年1月2日∼2013年3月29日)
(ルピー/円)
2.0
インドでは、為替レートの変動を一定の範囲内に収
めるような政策を採っておらず、そのための市場介入
も実施していません。また、他国で見られるような、輸
出のために自国通貨を切り下げるようなこともしていま
せん。「為替相場は市場にゆだねる」というのがわれ
われの基本方針です。ただ、ある程度の安定性が保
たれることが望ましいものと考えています。
(米ドル/ルピー)
46
ルピー高
48
1.8
対円(左軸)
50
1.6
52
54
1.4
今後、われわれの予想通り、財政赤字が縮小し、輸
出が回復、また引き続き海外からの資本流入が続け
ば、ルピー相場が下落圧力を受ける状況は考えにくい
と思われます。政府は、引き続き海外からの資本流入
を促進する方針であり、このような政策がルピー相場
を支えるものと考えます。
56
対ドル(右軸)
ルピー安
1.2
58
12/1
12/4
12/7
12/10
13/1
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
− 最後に、日本の投資家に向けて、インドに投資する上でのアドバイスをいただけるでしょうか。
2012年、インドの株式市場は、代表的な指数であるSENSEX指数が26%上昇しました。昨年1月初めに投資し
ていればそれだけのリターンを獲得できたことになります。
また、2005年12月末から2012年末までの上昇率は107%に達しています。このように、長期的にインドの株式
市場に投資をすれば、相応のリターンを確保できるチャンスがあります。しかし、短期で売買すれば、その結果
は誰も保証できません。インドへの投資は長期スタンスが望ましいと言えます。
SENSEX指数の推移 (2005年12月末∼2013年3月末)
(ポイント)
25,000
2005年末∼
2012年末
20,000
+107%
15,000
10,000
2012年
5,000
+26%
0
05/12
06/12
07/12
08/12
09/12
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
3
巻末の留意点を必ずご覧ください
10/12
11/12
12/12 (年/月)
留 意 点
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
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
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HSBC投信株式会社
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4
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