資料 7 一般認証指針(JIS Q1001)の扱いについて 平成 20 年 3 月 17 日 経済産業省認証課 1.方針(案) (1)一般認証指針は、新 JIS マーク制度の認証業務等の基準について、法令の内 容やその解釈、推奨される事項等を包括的に示したものであり、経過措置期間 における制度の円滑な運用に貢献してきたところ。 (2)しかしながら、①法令解釈を JIS で行っていること、②規制事項と推奨事項 が混在していること、③法令と若干異なる表現があること 等、逆に将来にお いて問題となりかねない点もあることから、経過措置期間が終了するにあたり、 その内容及び位置づけについて検討する。 (3)具体的には、①法令解釈は別途通達等で行うこと、②規制事項と推奨事項の 違いが分かるような記載に努めること、③誤解が生じない表現とすること、等 を基本方針とし、一般認証指針の内容を全面的に見直す。またその際、JIS と して維持する必要があるかどうかについても併せて検討する。 2.検討の対象となる事例 (1)法令解釈を行っている例 省令第 10 条第 1 項 ...国内登録認証機関は、被認証者に対して定期的に、 次条及び第 12 条の審査(製品試験及び品質管理体制のこと)を行うものと する。ただし、国内登録認証機関がその必要がないと認めたときは、製品試 験(主務大臣が告示で定めるものを除く。)及び品質管理体制の審査(主務 大臣が告示で定めるものを除く。)の一部を省略することができる。 12.1.2 認証維持製品試験 (前半略)登録認証機関は、鉱工業品等が特注品 の場合には、サンプルが高価な場合などにおいて、認証維持審査を実施すると き、初回製品試験の全要素を繰り返して認証維持製品試験を実施する必要はな 1 いと判断することができる。 12.1.1 認証維持工場審査 (前半略)登録認証機関は、認証維持工場審査に おいて、適切と判断する場合、他の適合性評価結果(例えば、IAF の MLA に署 名している認定機関から認定を受けた審査登録機関による JIS Q9001 審査登録 制度のサーベイランス結果等)を活用することができる。 (2)奨励事項の例(法令よりも厳しい管理を求めている例) 省令第 10 条第 2 項 前項の審査(定期的な審査のこと)は、三年(主務 大臣が告示で定める鉱工業品又はその加工技術の認証に係るものである場 合にあっては、主務大臣が告示で定める期間)ごとに一回以上の頻度で行 うものとする。 12.1 定期的な認証維持審査 (前半略)認証維持審査は、12.2 に規定する臨 時の認証維持審査の有無にかかわらず認証契約を締結した日から起算して、3 年ごとに 1 回以上の頻度で定期的に行わなければならない。 省令第 18 条第 1 項 認証契約には、少なくとも次に掲げる事項を定める ものとする。 第 8 号 国内登録認証機関及び被認証者の秘密の保持に関する事項 附属書 3 認証マーク等の表示の使用許諾に係る契約書の参考例 第 14 条 乙は、甲の認証に関連し知り得た認証を行っている鉱工業品等及び その製造又は加工に関する一切の情報について認証業務にだけ使用するもの とし、他の目的に使用し又は甲の承諾若しくは関連する法令に基づく等の正当 な理由なくして第三者に当該情報を漏えいしてはならない。ただし、本認証契 約の締結時に公知であった情報、本認証契約の締結後に乙の故意又は過失によ らず公知になった情報及び乙が第三者から適法に取得した情報は除く。 (3)法令と表現が異なる例 国内登録認証機関は、第 9 条の表の一の項の審査(初回審 査や臨時審査等のこと)をした結果、鉱工業品が日本工業規格に適合し、 かつ、認証依頼者の品質管理体制が第二条の基準をすべて満たしているこ 省令第 13 条 2 とを確認し、認証を行うものとする。 4.認証の条件 登録認証機関は、認証に係る JIS、本指針、認証に係る鉱工業 品等に関連する分野別認証指針が定められている場合にあっては、当該分野別 認証指針及び登録認証機関が定める認証の業務に関する規定に基づき行われ た審査の結果、認証の対象となる鉱工業品等が当該 JIS に適合し、かつ、申請 者の品質管理体制が該当するすべてを満たしていることが確認された場合に は、認証を行うものとする。 省令第 11 条第 4 項 第 1 項第 2 号の抽出(製品試験の際のサンプリング のこと)が被認証者等の品質管理体制の現地調査を行う前に行われた場合 であって、当該抽出後に被認証者等の品質管理体制について当該試験用の 鉱工業品の日本工業規格への適合性の審査に影響を及ぼすような変更があ った場合には、当該製品試験の結果を用いて審査してはならない。 6.3.1 サンプルの抜き取り (前半省略)登録認証機関は、サンプルの前処理 が必要である場合又は試験に長期間を要する場合には、初回製品試験を初回工 場審査の前に実施することができる。その場合、当該初回工場審査において、 既に登録認証機関において抜き取ったサンプルを、次の a)及び b)の確認を行 わなければならない。 a)当該サンプルは、当該認証の対象である製造又は加工工程を代表するもので あること。 b)当該サンプルの抜き取った後に、品質管理体制について変更又は修正があっ た場合には、当該変更又は修正が当該サンプルを使用した初回製品試験を無効 にするものではないこと。 なお、登録認証機関は、上記 a)及び b)の観点から必要と判断した場合には、 初回製品試験の結果を申請者の実施した試験結果と比較・検証しなければなら ない。 3.検討のスケジュール (方針(案)が了解されれば、)次回の JIS マーク制度専門委員会(秋頃を目 処)までに、事務局が関係者と協議の上、改正案を策定する。 3 (参考)一般認証指針制定の経緯 今般の工業標準化法改正に先立ってとりまとめられた、日本工業標準調査会 「新時代における規格・認証制度のあり方検討特別委員会」報告書(平成 15 年 6 月 17 日)において、 「具体的な品質管理の審査方法、試験の実施方法などの認 証手続きについては、基本的には、認証機関たる個々の登録機関が定めるべき ものであるが、他方で、制度全体の統一性が確保される必要があることから、 ISO/IEC ガイド 53 や、第三者製品認証システムのための推奨認証手順を定めた 同ガイド 28 などの国際的な基準を基に、国がおおまかな指針(ガイドライン) を示し、登録機関がこの指針に沿って具体的な認証手順を定める、という役割 分担が適当ではないか。」とされたのを受け、全ての製品 JIS の適合性評価に共 通する指針(JIS Q1001)として制定された。 (参考)工業標準化関係法令と一般/分野別認証指針との関係 工業標準化法 一般認証指針(JIS Q1001) 適合性認証省令 認証業務、JIS マーク の表示方法等につい て規定 法的つながり 無し ・ 工業標準化法・省令の関係規定を ISO/IEC ガイド 28 に基づき再掲 ・ 関連国際規格等から解釈事例を追加 通達 分野別認証指針(一般認証指針の特例) 経済産業省告示 適合性認定省令の以下の 事項についての特例規定 ・ 製造/加工設備 ・ 検査設備 ・ 検査方法 ・ 製品試験 ・ 品質管理体制の審査 等 引用 4 JIS Q1011(レディーミクストコンクリート) JIS Q1012(プレキャストコンクリート製品) JIS Q1013(鉄鋼製品)
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