高架橋スラブの補修・補強工法 - 財団法人・鉄道総合技術研究所

高架橋スラブの補修・補強工法
Rehabilitation Method of Viaduct Slab
【概要】
近年、RCラーメン高架橋スラブの老朽化が懸念されています。そこで、
超高強度繊維補強コンクリート(UFC)ボードならびにデッキプレートを
用いた高架橋スラブの補強工法を開発しました。これらの工法は、従来
の全断面修復工法に比べて、施工性の向上、耐力の向上、および構造
物音の低減などの効果が期待できます。
【特徴】
UFCボードならびにデッキプレートを用いた高架橋スラブの補強工法
は、スラブ下面にUFCボードもしくはデッキプレートを設置し、無収縮モ
ルタルを充填して一体化するものです。従来の全断面修復工法に比べ
て大掛かりな足場を必要としないため施工性を向上でき、大幅な耐力
向上が期待できます。UFC接着工法は、薄肉軽量のUFCボードを用い
るため基礎への負担が小さくできます。デッキプレート接着工法は大
幅にスラブ剛性が高まることから振動や騒音の低減効果が期待できる
などの特徴があります。
溝形鋼
UFCボード
後施工アンカー
既設
スラブ
充填
モルタル
UFCボード
UFC接着工法の概要
デッキプレート
既設
スラブ
充填
モルタル
デッキプレート
後施工アンカー
溝形鋼
デッキプレート接着工法の概要
施工手順
アンカーの施工
(はつり作業不要)
UFCボード
の設置
溝型鋼
の設置
UFCボード
の接続
デッキプレート
の設置
UFCボードの接続状況
(支保工不要)
無収縮モルタル充填
無収縮モルタル充填
デッキプレートの設置状況
高架橋スラブの再構築
載荷実験による補強効果の確認
スラブ底面補強状況
荷重(kN)
補強部
既設スラブ
耐力
3.8倍
デッキプレート
600
400
UFCボード
200
耐力
2.4倍
剛性10倍
既設スラブ
0
0
UFC接着工法による試験体の載荷実験
4
8
12
16
20
変位(mm)
本工法は東急建設(株)との共同研究の成果(特許出願中)です。
公益財団法人鉄道総合技術研究所
構造物技術研究部 コンクリート構造
構造物技術研究部 コンクリート構造