人権さんだ No.366(3) 平成21年9月15日 平成21年9月15日 こ う い し ょ う さみ ど く し ょ あま ふ く し ま たお せ ん ご く じ だ い ひ あ き と し ゅ み けやき台中学校 1年生 ︵前年度︶ 福島 彰人 ま く か ま き ょ り か い ご き が よ ゆ う * 家族の声① * ・家族は本人の言動や行動に振り回され、病状を理解できずに困っ ている方が多いと思います。進行中の方は精神的にも不安定な方 が多いと思います。物忘れがひどくなり記憶も薄れていくので常 に何か忘れているような気持ちになっているのです。 ・本人をありのまま受け入れ、相手に安心感を少しでも持ってもら えるようなかかわりをしています。 身近にちょっと変 !! と思っ た時、家に見に来てくれるような人が地域にいると、とても安心 です。 ・親に認知の症状が出てくるとなかなか受け入れることが出来ず、 イライラしてしまう様ですが、病気として受け止めて温かい気持 ちで接しておられる家族では、本人も家族も笑顔がたくさん見ら れます。 ・物忘れが増えてくるとどれだけ不安な事かと想像できます。そう いう不安な時にはまわりの優しい気持ちで穏やかに過ごせること により、症状の進行を遅らせることが出来るのです。 そうぞう おだ ご とつぜん き お く ひ て い て き * 家族の声③ * さい そ ん げ ん じょうたい そ ん け い り か い いとな つ ね か ご づ か つ と い 私には 82 歳 になる母親がいます。3、4年前に アルツハイマー型認知症と診断されました。 「自分の母親がなぜ?」 とか 「なぜこんなこと が?」 とか考え、悩みました。認知症を理解し、受 け入れるのに1、2年かかってしまいました。この1、 2年というのは家庭内が本当に修 羅場でした。現に 「暴力の虐待」・「言葉の虐待」・「態度の虐待」をして しまう気持ちになったことが度々ありました。 その気持ちが解放されたのは親として見るのでは 無く、一人の人間としての尊 厳を感じることができ た時に、母親を受け入れることが出来ました。 今ではデイサービス・介護ヘルパーさんとか特 別 養護老人ホームのショートステイ等々たくさんの利 用施設があり、それを利用しています。それと同時 に私が思っていることはできるだけ家で介護をして いくことです。家に母親がいることで村の人たちが 通ったり、声かけをしてくださったり、もちろん家 族の声かけで少しでも心の安定をはかりたいという 思いからです。もう一つの理由は母親が家にいると いうことで認知症という病気を近隣の方に見てもら う、理解してもらうためでもあります。 認知症ということで初めはぎこちない声かけでし たが、普通に話をしていただける方が増えたことが 家族にとっては大変うれしいできごとでもあります。 「介護大変ね。でも頑張って」と言われるよりも「お ばあちゃん草引きご苦労様。元気だね。」と声をかけ られる事の方がとてもうれしい気 持ちになります。 認知症の介護は大変です。でも 近 隣の方から元気をもらっている 自分が今日もいます。(M.U) しんだん し ぼうりょく ゅ ら ば ぎゃくたい そんげん とくべつ よ う ご きんりん き ん り ん ************************************************** い 「 い つ か ら 介 護 し て い る の?どんな介護をめざしてい るの?心掛けていることはあ るの?」どれにも答えは見つ かりません。突 然記 憶の抜け 落ちる親に対して「なんで?」 という思いからか、感情的に 大きな声を出したり、否 定的 な言葉が出ていました。まる でよくない対応の見本みたい です。でもいいかかわりが出 来た時は「それなら安心やわ」 と言ってもらえ、そんな時は 私も安心します。 悔 い の な い 介 護 は、 私 に とって悔いのない生き方なの です。これは介護に限らず、 生きて行くこと全てに言える ことだと思い至りました。安 心できることを増やしていき たい。完全にできるはずはあ りませんが、ちょっとは成長 したかなと自分の心に認めら れるようなそんな日々をめざ したいと思います。(A.F) * 家族の声② * ************************************************** か ﹁尊厳をもって自分らしく生きたい﹂これは誰もが望む共 通の願いです。人は人生のどの時代においても、またどんな 状態になろうとも、一人の人間として個性と人格が尊重され なければなりません。相手のあるがままの姿を受けとめ、相 手の気持ちを理解しようと常に努めようとする態度が、 ﹁人 間を尊敬する﹂という営みなのではないでしょうか。 こ う れ い し ゃ ぎゃくたい こ か い ご し ゃ へいはつ 母が認知症とうつを併 発し た時、子どもは私しかいない ので「がんばって、私が母の 介護をしなければ…」と仕事 も家事も子どもたちの世話も しながら、一 生懸 命でした。 でも一人で介護のすべてを頑 張るのは、とても大変で、つ い母に対してとげのある言葉 を発している私がいました。 そんな時、ある人から「あな たは今、お母さんといっしょ におぼれかけているよ。気持 ちはよくわかるけど、あなた は川に入らないで、岸からお かあさんを助ける方法を考 えることが大切やと思うよ」 と 言 わ れ ま し た。 そ の 言 葉 に、私は肩 の力がフ∼ッとぬ け、母のことをいろんな人に 相談し、援 助を求めることが できるようになりました。母 の施 設入所にも、いろいろな 葛 藤がありましたが、“どう することが、母と私の幸せに つながるのか!!”を第一に 考え行動しました。今は「こ こに入ってよかったわ∼、み んなやさしい人ばっかりや」 という母の笑顔に、私が元気 をもらっています。(M.O) いっしょう け ん め い かた えんじょ し せ つ か っ と う だ れ の ぞ そんちょう 認知症サポーターとは、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族 を温かく見守る応援者であり、認知症サポーター養成講座を受講した 人のことです。何か特別なことをするのではなく、たとえば、友人や 家族にその知識を伝える、認知症になった人や家族の気持ちを理解す るよう努めるなど、活動内容は自分のできる範囲で人それぞれです。 三田市社会福祉協議会では、三田市在住で 10 名以上が参加できる 団体やグループに対する講師派遣を受け付けております。 ○問い合わせ・申込み 三田市社会福祉協議会地域福祉課地域福祉支援室(℡ 559-5965)まで お ※夜間・土曜日・日曜日・祝日は電話対応となります。 せ 553-1077 認知症サポーター養成講座 せ き に ん ウッディ高齢者支援センター よ ゆ う うった ご 559-5941 560-3080 567-6666 568-6877 553-3600 てきせつ かか い 三田・三輪南 三輪北・小野・高平 広野・本庄 藍 フラワータウン ウッディタウン・ カルチャータウン むずか かな か 三田市地域包括支援センター サンウエスト高齢者支援センター 三田高原高齢者支援センター さんすい高齢者支援センター フラワー高齢者支援センター げんどう な 高齢者虐待の原因の一つに﹁介護疲れ﹂があります。介護の 責任を一人で背負い込むのではなく、多くの人たちといっしょ にすることを考えましょう。それが介護者の心のゆとりにつな がり、ひいては介護を受ける人の幸せにつながるのです。 介護を受ける人にも、介護する人にも、同じく人権があり ます。 それぞれが大切な人生を、そして今を生きているのです。 あなたも、同じ時を共に生きる一人として、自分に何がで きるのか、いっしょに考え合っていきましょう。 電話番号 ちが ・認知症の人の多くが「何か今までの自分とは違 う」と自分自身の変化に気づいています ・家族にとっては本人の言動に受け入れられない 部分も多く、難しい状況があります。それでも 本人のこれまでの人生を思う時、その人らしさ が保てるケアが出来ることが望まれます。 ・「認知症の人は何もわからない、できない」と 思いがちですが、適切なかかわりによって心身 の力が引き出されますし、感情やその人らしさ は豊かに残っています。 ・認知症の人の「あるがまま」を受け入れられる ようになるためには、介護者の気持ちの余裕が 必要です。介護者の余裕は認知症本人や家族に 対する周囲からの理解によって得られます。 夕方になるといつも 泣 き出していた。なぜ 悲しいのかと聞くと「何 もわからない、どうし たら良いのかわからな い」と頭を抱 えて不安 を訴える。「自分がどこ かずっと遠い所に行き そうだ」……。「そばに いつもいるよ」と言う と、「そう言ってくれる のが一番うれしい」と 言っていた。(当事者の 家族の聞きとりより) えら 担当地区 「ヘルパー」の声 ● 当事者の声② ● し だ い 相談窓口 「ケアマネージャー」の声 かたむ あず ︵全国中学生人権作文コンテスト 伊丹地区大会最優秀賞・兵庫県大会奨励賞作品︶ 地域包括支援センター・高齢者支援センターでは、介護について必要なアド バイスや、利用できるサービス等の相談に応じています。ぜひご活用ください。 当事者と、この人たちにかかわる多くの人たちの声から考えてみましょう。 ぼうりょく よっきゅう ふ ま ん 助 け て あ げ な い と い け な い、 祖 母 の こ と も 手 伝 っ て あ げ な い と い け な い と 思 っ た。 退 院 し て か ら だ い ぶ ん 経 つというのに、何もしてあげなかったなと、反省した。 祖 母 を 見 て い る と 介 護 は 大 変 だ っ た。 一 日 三 度 の 食 事。 ゆ っ く り だ が 自 分 で ち ゃ ん と 食 べ る 祖 父。 見 て い な い と た く さ ん こ ぼ し て し ま う。 何 回 も お こ し て あ げ たり、着替えもさせてあげたり、洗たくも何回もする。 身近に介護する人が居ないと大変そうだなと思うだけ で は 他 人 事 だ。 本 当 の 大 変 さ は や っ て み な い と 分 か ら な い。 祖 母 の 顔 は と て も 疲 れ て 見 え た。 あ る 時、 食 べ 終わった食器を片付けている祖父に、 ﹁おじいちゃん偉いねー。﹂ と、 声 を か け た 祖 母。 子 ど も に 言 う み た い だ な と 思 い な が ら、 明 る く 楽 し そ う に 祖 父 に 話 し か け る 祖 母 に な ん だ か 感 動 し て し ま っ た。 ほ め ら れ て 祖 父 も う れ し そ うだった。この出来事で、僕の不安な気持ちは無くなっ て し ま っ た。 介 護 と い う 言 葉 は、 暗 く て 悲 し い イ メ ー ジ だ け だ っ た け れ ど、 介 護 す る 人 の 気 持 ち 次 第 な ん だ な と 思 っ た。 介 護 は 自 分 だ け が し ん ど い と 思 う と 続 か な い。 介 護 し て も っ ら っ て い る 方 も 介 護 さ れ て て 当 然 だ と 思 っ て い る と、 ぎ く し ゃ く し て く る。 お 互 い の 気 持 ち を 考 え、 や さ し い 言 葉 を か け る こ と が 大 切 だ と 思 う。 介 護 す る 人 が 一 人 に な る 時 間 も 必 要 だ。 祖 母 は 祖 父を時々はデイケアという施設に預けて友達と食事を し て い る そ う だ。 も ち ろ ん 僕 も 母 も 手 伝 う の で 祖 母 に は 少 し で も 楽 に な っ て も ら い た い。 僕 は 日 本 の 介 護 問 題 の こ と は よ く 分 か ら な い け ど、 小 さ な こ と で も、 で きることからやっていきたい。 ① × 認知症は生活習慣の改善で予防することが可能と考えられています ② ○ 認知症のもの忘れの場合、体験したこと自体を忘れてしまうといった特徴があります ③ × 認知症は適切な治療を行えば、症状を軽減したり進行を遅らせたりすることが可能です ④ ○ かかりつけ医や認知症の専門医への早めの受診や相談することが大切です アルツハイマー病 患 者がひどく暴 力的に なることがあるのはど うしてか、それは単に 「私はこれがしたくな い」という言葉が出て こないこと、なぜいや なのか言うことが表現 できないため、内部に 欲 求不 満が閉じ込めら れるからなのです。 私 た ち に 耳 を 傾 け、 き め 細 か く 対 応 を し、 私たちの気持ちを認め て、価値ある人間とし て、敬意を示してくれ ることが、何より助け になります。 ************************ 介護を考える お ん こ う 僕 の 母 方 の 祖 父 は 昭 和 十 年 生 ま れ で 七 十 三 才。 趣 味 は ゲ ー ト ボ ー ル と 読 書 で、 と く に 戦 国 時 代 の 本 が 好 き だ。 食 べ る 事 も 大 好 き で、 甘 い 物 に 目 が な い。 い つ も 温 厚 で 優 し く、 人 の た め に で き る 事 を 探 し て い る よ う な 人 だ。 そ の 祖 父 が 昨 年 く も 膜 下 出 血 で 倒 れ、 な ん と か一命はとりとめたが左半身に麻痺が残ってしまっ た。 後 遺 症 が 出 て し ま っ た の だ。 祖 父 の 家 か ら 私 の 家 ま で 車 で 二 時 間。 し ょ っ ち ゅ う 行 け る 距 離 で は な い の で、 顔 を 見 に 行 く の は 二 ヶ 月 に 一 回 ほ ど だ っ た。 介 護 している祖母も疲労がたまってきているということだ し、 リ ハ ビ リ を 手 伝 う 予 定 で こ の 夏 休 み 祖 父 の と こ ろ へ行った。そして、一日半分以上寝たきりの祖父を見た。 ﹁もう、おじいちゃんは障がい者じゃけんな。﹂ ﹁アルツハイマーにもなっとるんよ。﹂ と、 祖 母 が 言 っ た。 な ん だ か 遠 く で 他 人 の 事 を 話 し て いるのかと思ってしまった。 ﹁僕のおじいちゃんがアルツハイマー?﹂ そ し て、 ご は ん も ゆ っ く り と し か 口 に 運 べ な い 祖 父 を 見た時、急に実感した。 ﹁おじいちゃんは障がい者なんだ。﹂ つい最近まであんなに元気で毎日のようにゲートボー ルに出かけていた祖父が、急に別人の様になってしまっ た。 悲 し く 寂 し い 気 持 ち に な っ た け れ ど、 何 か 祖 父 を クイズの答え 相談窓口を活用しましょう あなたは認知症の高齢者をどのように見ていますか? ● 当事者の声① ● か ん じ ゃ 人権さんだ No.366(2) よう し え ん ケアマネージャー:介護保険制度において、要支援、または要介護と認定された人が、適切な介護サービスを受けられるようにするため に、介護サービス計画(ケアプラン)を作成する専門職 ヘ ル パ ー :在宅の高齢者や障がい者宅を訪問して、家事援助や介護サービスを提供する人 9月の定例人権相談…9月24日㈭ 相談希望者は人権推進課へ(TEL559-5081・559-5148) 女性のための相談…問い合わせはまちづくり協働センター男女共同参画担当(TEL563-8000) せんもんしょく か じ えんじょ ていきょう
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