第8号 - 練馬光が丘病院 - 地域医療振興協会

今月のトピック
熱中症に用心を
熱中症は暑熱環境下において、身体と環境との適応の障害によっておこる状態の総称です。
私たちの体は、24時間周期でおよそ36~37℃の範囲に体温を調整しています。およそ36~37℃という温度は、代謝や体
内酵素の働きにおいて最適な温度なのですが、そのような代謝や働き、身体の運動によって常に熱が産生されます。同時
に、その熱による異常な体温上昇を抑えるための効率的な調整機能も私たちの体には備わっています。
効率的な調整機能・・・暑い時には、自律神経を介して末梢血管が拡張し、皮膚に多くの血流が分布することで、外気へ
の「熱伝導」による体温低下をはかることができます。また、汗をたくさんかくことができれば、「汗の蒸発」に伴って熱が奪
われるので体温の低下に役立ちます。しかし、体内での血流の分布が変化し、また、汗によって水分や塩分が失われるな
どの状態に対して適切に対処できなければ、筋肉のこむらがえりや失神を起こします。そして、熱の産生と熱の放出とのバ
ランスが崩れてしまうと、体温が上昇します。このような状態が熱中症です。
平成25年6月
熱中症を疑った場合、衣類を緩めたり脱がせて、体から熱の放散を助けたり、できるだけ風通しの良い日陰や、
第8号
できればクーラーが効いている室内などに移動しましょう。近くにそのような場所がなければ、
脇の下などに氷枕などあてて冷やしたり、うちわなどで体を扇ぐのも熱の放散を助けます。
室内にいるからといって油断は大敵です。
室温に注意したり、水分をしっかりと取って予防を心がけましょう。
練馬光が丘病院からの
お知らせ
中央処置室の運用が始まりました(5月より)。
旧皮膚科外来診察室を、 この度中央処置室に改装いたしました。
以前よりも一部検査等へのご案内がスムーズになることが見込まれます。ご不明
な点は職員までお問い合わせください。
中央処置室
栄養食事指導外来(完全予約制)が始まりました(5月より)。
ご予約を希望される患者様は、かかりつけの医療機関様へご相談の上、医療機関様からのご予約をお願いいたし
ます。医療機関様は、地域連携相談センターあてに「栄養食事指導外来予約ご希望」の旨をご連絡下さい。
化学療法室を移動しました(南館1階に5月より)。
医師のご紹介
部署のご紹介
練馬光が丘病院は「公益社団法人地域医療振興協会」の運営施設です。 地域医療振興協会は、地域医療を取り巻くさまざまな問題を解決し、へき
地を中心とした地域保健医療の調査研究および地域医学知識の啓発と普及を行うことを目的に1987年5月に設立され、2009 年 12 月1 日より公益社
団法人として新たにスタートしました。地域医療に対する意欲と実績を持つ医師を中心に、つねに地域保健医療の確保と質の向上など住民福祉の増
進を図り、地域間での医療の不均衡の解消、地域の振興を推進しています。
編集後記
うっすらとアジサイが色づき始めました。そろそろ関東も梅雨入りですね。温度に加え湿度が増してくるので、熱中症と同時に食品の鮮度管理にも注意し
たい時期です。保冷剤の使用、調理方法の工夫、キッチン用品の手入れや冷蔵庫内の掃除等々始めましょう。(M.Y)
発行元:
〒179-0072 東京都練馬区光が丘2-11-1
TEL:03-3979-3611(代)
常勤顧問
長阪
恒 樹 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
常勤顧問 後 藤
頭頸部 外 科
腎 臓 内 科
耳鼻いんこう科
泌 尿 器 科
眞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
吉 積 隆・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
部 長 藤 巻 道 孝 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
部 長 高 井 禎 成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
科 長 藤 森 雅 博 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
今月のトピック 熱中症に用心を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
病院からのお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
練馬光が丘病院
練馬光が丘病院
医師のご紹介
部署のご紹介
頭頸部外科
腎臓内科
今年1月から産婦人科常勤顧問として着任いたしました、長阪 恒樹です。転勤
と同時に住居も光が丘に転居して、40年ぶりの練馬区民になりました。自宅から
病院まで徒歩5分の距離ですので、救急の多い産婦人科に少しでも貢献しようと
思っております。
練馬光が丘病院に来る前は、関東中央病院、武蔵野赤十字病院、河北総合病
常勤顧問
ながさか
つねき
長阪
恒樹
産婦人科
院でそれぞれ産婦人科部長として26年間勤務してまいりました。お産の多い病院、
頭頸部とは鎖骨よ
り上で脳脊椎、眼球
以外の領域をさしま
す。当科では、この
スタッフ:左より 島、小高、藤巻、高橋、薬袋
領域(口腔、咽頭、
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、慢性的に経
子宮癌や卵巣癌などが多い病院、腹腔鏡や子宮鏡など内視鏡手術の多い病院
鼻・副鼻腔、喉頭、気管、唾液腺・甲状腺、頸部食道な
などそれぞれ特徴がありました。
ど)の悪性腫瘍、良性腫瘍の診断、外科治療を行いま
練馬光が丘病院ではこれまでの経験を生かして、妊娠・分娩はもとより、あらゆ
る産婦人科疾患に対して的確に安全な医療を行う所存です。
練馬光が丘病院では今のところ放射線治療はできません。また疾患によってはわれわれよりも専門的な病院もご
ざいます。患者様の状況により、必要に応じて高度医療機関をご紹介させていただきますのでご安心ください。
私が医師になってから心がけていることは、患者様にわかりやすく説明することです。ご理解・ご納得いただくまで
十分にお話しさせていただきますので、ご不審な点やわかりにくいことがございましたら、ご遠慮なくお申し出くださ
い。 練馬区をはじめ近隣の皆様のお役に立てるよう努力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
リウマチ内科で診療を始めさせていただきました 、後藤 眞と申します。
以前、練馬区関町に住んでおりましたので、当地に親近感を感じております。
す。癌の治療では根治性を保ちつつ治療後の障害を
①蛋白尿・血尿・尿量増加や減少・浮腫(むくみ)・高血圧・
んでは、放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)も大
②透析開始前のCKDの治療
ではありませんが、治療法の選択に際しては患者様
栄養士・薬剤師・看護師をはじめとするスタッフ、かかりつけ
医の方々と連携を取りながら協力して診療しています。
ご説明し、それぞれの専門医とも協力して適切な治療
腎臓内科外来: (火) 藤巻 ・薬袋 (水) 高橋 (木)小高・島
が受けられるよう配慮いたします。
透析室: 藤巻・薬袋・高橋・小高・島・大倉・檜垣・ 豊城・ 冨丘
部長:藤巻 道孝(ふじまき みちたか)
吉積 隆(よしずみ たかし)
して改装されました、都立大塚病院リウマチ膠原病科の医長(その後部長)として、
近隣医師会の先生方との連携を推進し、リウマチ膠原病なら都立大塚病院と評価
高井禎成です。非常勤
されるようになりました。私自身は、リウマチ学会専門医指導医として、日本リウマ
医師のみの時に比べ、
チ財団の、主に開業医の先生方を会員としております財団ニュースの編集長を10
一週間以内に再診が必
年以上務めており、ネット上のインターネット医科大学でも、リウマチ膠原病の無料
要な患者様などに、より安心して受診いただけるようにな
医療相談を10年ほど継続し好評を博しました(残念ながら、数年前に中止されています)。リウマチ膠原病全般に興味を
りました。私は特に内耳性めまい疾患の診療経験があり
持っておりますが、とくに関節の痛みに関係する関節リウマチ、変形性関節症、シェーグレン症候群、痛風、老年病の診
ますが、これまで勤務した病院で耳鼻いんこう科全般の
療と研究を、複数の大学の教授、客員教授を兼任しつつ、行ってまいりました。また、大変、医者としては、変わった経歴
診療を経験してきております。
リウマチ内科
③血液透析の治療
のご希望をうかがい、それぞれの治療の利点、欠点を
として赴任いたしました
眞
電解質異常など「腎・尿・ミネラル」に関すること
きな柱です。現在すべての治療法を当院で行えるわけ
ア大学サンディエゴ校リウマチアレルギー内科)留学後、地域連携のモデル病院と
後藤
の開始を遅らせる治療が重要となります。
当科は、下記の診療を行っています。
昨年11月に常勤医師
常勤顧問
活習慣の改善と薬物療法で病気の進行を抑え、将来の透析
頭癌での音声保存など)を目指しています。頭頸部が
耳鼻いんこう科
まこと
高血圧・動脈硬化症などの生活習慣病と関連しています。生
最小限にとどめるための機能温存手術(咽頭癌や喉
私の経歴と得意分野ですが、東大病院で内科研修を終え、アメリカ(カリフォルニ
ごとう
過する腎臓の病気のことです。原因として、腎炎や糖尿病・
ですが、大変希な遺伝病で、早く老化する早老病に分類されますウェルナー症候群の患者様を多数診察しております。
非常勤医師は主に大学病院から派遣されており、必要
そうした経験から、診断に難渋するような患者様の紹介を経験しておりますし、一般の読者向けに、リウマチ、免疫、老
な時やご要望により連携をとることも可能です。扁桃摘
化についての書籍を10冊ほど出版し、講演活動も行っております。
出術、内視鏡下鼻内副鼻腔手術、声帯ポリープ切除術
練馬光が丘地域も、老齢化の波が押し寄せてきており、老年病を抱えて困っていらっしゃる方も少なくないのではない
などの常勤一名で可能な入院手術にも今年4月から対
かと案じております。特に、関節疾患は、われわれの生活の質を低下させる大変大きな原因となります。治療法も急速
応できるようになりました。また、セカンドオピニオン的な
に進歩し、これまで治るはずがないと思われてきたようなリウマチ性疾患でも、かなり改善が見込めるようになっていま
ご相談でもご遠慮なくご受診ください。
す。もうだめだろう、年だからと、あきらめることなく、ぜひ、一度、専門家の診察をお受けになってください。
部長:高井 禎成(たかい よしなり)
泌尿器科
はじめまして、泌尿器科の
藤森雅博と申します。泌尿器
科と聞いて何をイメージします
か?前立腺肥大症をはじめと
して、おしっこの出かたが悪い
人がかかる科、男性に特化された科というイメージですか?
日本では60歳以上の男性の約78%が何らかの排尿に関す
る症状があるとされています。前立腺肥大症の治療は薬の
進歩もあり、従来ならば手術が必要とされたケースでも投薬
で改善しているケースは増えています。また、前立腺癌は天
皇陛下が罹患されているので関心が高いかと思います。前
立腺特異抗原(PSA)による採血で早期発見されれば、より負
担の少ない治療も可能となってきています。女性でも、30歳
以上の3人に1人の割合で尿失禁を自覚していると言われて
います。泌尿器科はその様な方々の治療をしていますので、
ご相談していただければと思います。
科長:藤森 雅博(ふじもり まさひろ)