グラクティブ錠 - 薬剤部

添付文書改訂のお知らせ
選択的DPP- 4阻害剤
2 012 年 4 月
─ 糖尿病用剤 ─
製造販売
グラクティブ 錠 25
処方せん医薬品 グラクティブ 錠 50
処方せん医薬品 グラクティブ 錠 100
R
○
処方せん医薬品
R
○
お問い合わせ先:くすり相談室
電話 0120−626−190
R
○
R
○
《GLACTIV 》
シタグリプチンリン酸塩水和物錠
このたび、標記製品につきまして「使用上の注意」を改訂致します。また、同時に「薬物動態」
「臨床成績」「主要文献」を
改訂致します。
今後、該当製品のご使用に際しましては、新しい添付文書をご参照くださいますようお願い申し上げます。
1. 改訂内容 (下線部分改訂)
改 訂
現 行(破線部分:削除)
2012 年 4 月改訂
2011 年 12 月改訂
〔使用上の注意〕
〔使用上の注意〕
1.慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(1)∼(3)
省略(変更なし)
(4)腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者〔腸閉塞を起
こすおそれがある。(「重大な副作用」の項参照)〕
1 .慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)∼(3)
省略
4.副作用
(1)重大な副作用
1)∼ 7)
省略(変更なし)
8)腸閉塞
腸閉塞(頻度不明※)があらわれることがあるので、観察
を十分に行い、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔
吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処
置を行うこと。(「慎重投与」の項参照)
9)横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグ
ロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症(頻度不明※)があ
らわれることがあるので、このような場合には投与を中止
し、適切な処置を行うこと。
(2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
4 .副作用
(1)重大な副作用
1)∼ 7)
省略
0 . 1 ∼ 2%未満
追記
追記
(2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明※
0 . 1 ∼ 2%未満
省略(変更なし)
省略
関節痛、筋肉
痛、四肢痛、
背部痛
筋骨格系及び
結合組織障害
頻度不明※
追記
省略(変更なし)
省略
※:自発報告あるいは海外において認められている。
※:自発報告あるいは海外において認められている。
〔薬 物 動 態〕
〔薬 物 動 態〕
9.薬物相互作用
(1)∼(4)
省略(変更なし)
(5)その他の薬剤との併用(外国人データ)
ロシグリタゾン 10)、グリベンクラミド 11)、シンバスタチ
9.薬物相互作用
(1)∼(4)
省略(変更なし)
(5)その他の薬剤との併用(外国人データ)
ロシグリタゾン 10)、グリベンクラミド 11)、シンバスタチ
次頁へ続く
1
改 訂
現 行(破線部分:削除)
ン 12)、ワルファリン 13)及び経口避妊薬(ノルエチステロ
ン / エチニルエストラジオール)14)との薬物相互作用試験
データから、シタグリプチン 200mg1 日 1 回は CYP3A4、
2C8 及び 2C9 を阻害しないと考えられた。
ン 12)、ワルファリン 13)及び経口避妊薬(ノルエチステロ
ン/エチニルエストラジオール)との薬物相互作用試験デー
タから、シタグリプチン 200mg1 日 1 回は CYP3A4、2C8 及
び 2C9 を阻害しないと考えられた。
〔臨 床 成 績〕
〔臨 床 成 績〕
2 .併用療法
(1)グリメピリド、ピオグリタゾン、メトホルミン、又はボグ
リボースとの併用試験18,19)
以下、省略(変更なし)
2 .併用療法
(1)グリメピリド、ピオグリタゾン、メトホルミン、又はボグ
リボースとの併用試験17)
以下、省略
〔主 要 文 献〕
〔主 要 文 献〕
1)
∼ 13)省略(変更なし)
14)Migoya E. M. et al.:J. Clin. Pharmacol., 51:1319, 2011
15)Iwamoto Y. et al.:Endocr. J., 57:383, 2010
16)∼ 18)以下番号繰り下げ
19)Kashiwagi A. et al.:J. Diabetes Invest., 2:381, 2011
20)Drucker D. J.:Diabetes Care, 26:2929, 2003
21)∼ 24)以下番号繰り下げ
1)
∼ 13)省略
14)Iwamoto Y. et al.:Endocr. J., 57:383, 2010
15)
∼ 17)省略
18)Drucker D. J.:Diabetes Care, 26:2929, 2003
19)
∼ 22)省略
2. 改訂理由
平成 24 年 4 月 24 日付 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知に基づき、「使用上の注意」を改訂致します。また、同時に「使
用上の注意」の他の記載及び「薬物動態」「臨床成績」「主要文献」を自主改訂致します。
《
〔使用上の注意〕改訂理由》
・平成 24 年 4 月 24 日付 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知に基づく改訂
1 .慎重投与(4)
腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者では腸閉塞が発現することがあるため、新たに記載しました。
4 .副作用
(1)重大な副作用 8)腸閉塞、9)横紋筋融解症
副作用報告に基づき、『腸閉塞』及び『横紋筋融解症』を新たに記載しました。
・自主改訂
(2)その他の副作用
副作用報告に基づき、『関節痛』『筋肉痛』『四肢痛』『背部痛』を新たに記載しました。
《〔使用上の注意〕以外の改訂理由》
・自主改訂
〔薬物動態〕〔臨床成績〕〔主要文献〕
経口避妊薬との薬物相互作用試験、ピオグリタゾンとの併用試験に関する文献を引用文献として追加し、主要文献に書誌事
項を追加しました。
尚、流通在庫の関係から改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数を必要と致しますので、当分の間ここにご
案内致しました改訂内容をご参照下さいますようお願い申し上げます。
※次頁以降に症例紹介、改訂部分及び使用上の注意の全文を記載しておりますのでご参照下さい。
2
─ 腸閉塞の症例紹介 ─
副作用
(報告された副作用)
症例紹介 1
男性
70 歳代
腸閉塞
(腸閉塞)
使用理由:2 型糖尿病
1 日投与量、投与期間
合併症:脂質異常症、皮膚そう痒症
25mg、5 日間
経過及び処置
投与 21 年前
胃切除のオペを実施した。
投与 15 年前
腸閉塞を起こし、手術を施行した。
投与 26 カ月前
2 型糖尿病に対し、グリクラジド(40mg × 1 回 / 日)、メトホルミン塩酸塩(250mg × 3 回
/ 日)、ミグリトール(50mg × 3 回 / 日)を内服していた。ミグリトールは前医から処方さ
れていた。
投与 302 日前
グリクラジドを 60mg/ 日に増量した。HbA1c:7.4%。
投与 204 日前
2 型糖尿病に対し、メトホルミン塩酸塩よりピオグリタゾン塩酸塩(30mg/ 日)に切り替え、
グリクラジド(60mg/ 日)
、ミグリトール(50mg × 3 回 / 日)は継続した。HbA1c:7.5%。
投与開始日
HbA1c:7.0%と横ばいが続いたため、2 型糖尿病に対し、グリクラジドを 40mg/ 日に減量し、
ピオグリタゾン塩酸塩、ミグリトールは継続し、本剤(25mg × 1 回 / 日)の追加投与を開
始した。
投与 5 日目
朝食摂取後より、腹痛があり、嘔吐したため、午前中に当院消化器内科を受診した。腹部膨
(中止日)
隆を指摘され、腸閉塞が疑われた。腹部・骨盤腔(上下腹部)の CT 検査を施行後、入院と
なった。感染症(−)
。腹部・骨盤腔 CT にて、空腸を中心に、腸管拡張、内容物の貯留があっ
て、腸閉塞の所見あり。拡張部先端は左腎下極の尾側、大腰筋の腹側と思われ、胃術後であ
ることから、術後癒着性イレウスが疑われた。腹水はなく、腹部実質臓器に明らかな異常所
見は認めなかった。
入院後、処置として絶食させ、補液を投与し、イレウス管挿入にて加療した。2 型糖尿病の
内服薬(本剤、グリクラジド、ピオグリタゾン塩酸塩、ミグリトール)は一時中止とし、ヒ
トインスリン(遺伝子組換え)のスケール打ちへと変更した。嘔吐はおさまり、腹痛も徐々
に改善した。WBC:11570/ μL、CRP:0.02mg/dL。
中止 1 日後
腹痛はほぼ消失した。
中止 2 日後
イレウス管を抜管した。夕食より重湯を開始し、少しずつ食事量 UP した。
中止 3 日後
この頃には食事摂取も可能となった。
中止 6 日後
米飯摂取可能となった。2 型糖尿病に対し、グリクラジド(60mg/ 日)およびピオグリタゾ
ン塩酸塩(30mg/ 日)の投与を再開した。
中止 7 日後
腸閉塞は回復し、患者は退院した。
中止 21 日後
外来受診し、腹痛等なく、経過良好であることを確認した。HbA1c:6.9%、WBC:4510/
μL、CRP:0.01mg/dL。その後、本剤は再投与しなかった。
併用薬:ミグリトール、グリクラジド、ピオグリタゾン塩酸塩、ロスバスタチンカルシウム、フェキソフェナジ
ン塩酸塩
出典:未公開社内資料
3
─ 横紋筋融解症の症例紹介 ─
副作用
(報告された副作用)
症例紹介 2
男性
50 歳代
横紋筋融解症
(CPK 上昇、意識消失)
使用理由:2 型糖尿病
1 日投与量、投与期間
合併症:脂質異常症、胆石症、脂肪肝、
肥満症
50mg、188 日間
経過及び処置
投与 414 日前
脂質異常症に対し、アトルバスタチンカルシウム水和物の投与を開始した。
投与開始日
本剤(50mg × 1 回 / 日)投与を開始した。
投与 161 日目
糖尿病、脂肪肝、胆石症、肥満症にて外来通院中であり、特に自覚症状は認めず、月 1 回の
外来通院をしていた。
投与 186 日目
PM1:00 頃、買い物中、突然意識がなくなり、他院へ救急搬送された。この時の意識はなかっ
た(約 1 時間)。意識消失にて倒れた時の打撲による皮下出血等は認めなかった。低血糖は
認めなかった。神経内科にて頭部 CT を施行したが、特に異常なしと診断され点滴後に帰宅
した。CPK:217 IU/L、AST:53 IU/L、ALT:90 IU/L、LDH:589 IU/L。
投与 187 日目
両下肢の痛みがあるため、当院に受診した。一過性脳虚血発作を疑い、点滴にて経過観察と
した。また、他院受診時の所見(CPK:217 IU/L、下肢痛あり)より、横紋筋融解症を疑い、
当院で再検した。CPK:2333 IU/L、AST:55 IU/L、ALT:75 IU/L、LDH:244 IU/L。
投与 188 日目
右ふくらはぎに筋肉痛を訴えたことから、横紋筋融解症を疑い、すべての薬(本剤、アトル
(中止日)
バスタチンカルシウム水和物)を中止し、経過観察とした。
中止 3 日後
CPK:423 IU/L。
中止 22 日後
CPK:110 IU/L と正常となり、症状(両下肢痛)も認めなくなり、改善した。
投与 1 日前
投与 186 日目
投与 187 日目
中止 3 日後
中止 22 日後
中止 52 日後
WBC(/μL)
9800
18400
13100
─
8200
9900
CPK(IU/L)
─
217
2333
423
110
110
CRP(mg/dL)
─
0.2
0.67
─
─
─
AST(IU/L)
55
53
55
66
63
51
ALT(IU/L)
132
90
75
99
120
106
LDH(IU/L)
─
589
244
224
212
204
検査項目名
併用薬:アトルバスタチンカルシウム水和物
出典:未公開社内資料
4
改訂部分及び使用上の注意の全文(下線部分:改訂)
2012 年 4 月改訂
(4)本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を
十分に観察し、常に投与継続の必要性について注意を払う
こと。本剤を 3ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不
十分な場合、より適切と考えられる治療への変更を考慮す
ること。
(5)投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する
必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合
併等により効果がなくなったり、不十分となる場合がある
ので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意の上、
常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
(6)腎機能障害のある患者では本剤の排泄が遅延し血中濃度が
上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査するこ
とが望ましい。(
「用法・用量に関連する使用上の注意」
、
「慎
重投与」及び「薬物動態」の項参照)
(7)急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹
痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医
師の診察を受けるよう患者に指導すること。(「重大な副作
用」、
「その他の副作用」の項参照)
(8)インスリン依存状態の 2 型糖尿病患者に対する本剤とイン
スリン製剤との併用投与の有効性及び安全性は検討されて
いない。したがって、患者のインスリン依存状態について
確認し、本剤とインスリン製剤との併用投与の可否を判断
すること。
(9)速効型インスリン分泌促進薬、GLP-1 アナログ製剤との併
用についての有効性及び安全性は確立されていない。
〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1 型糖尿
病の患者〔輸液及びインスリンによる速やかな高血糖
の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない。〕
(3)血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能
障害のある患者〔本剤の血中濃度が上昇する。(「薬物
動態」の項参照)〕
(4)重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者〔イン
スリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与
は適さない。〕
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
本剤は主に腎臓で排泄されるため、中等度腎機能障害のあ
る患者では、下表を目安に用量調節すること。(
「慎重投与」
及び「薬物動態」の項参照)
腎機能 クレアチニンクリアランス
(mL/分) 通 常
障 害 血清クレアチニン値(mg/dL)※ 投与量
最 大
投与量
< Ccr < 50
30 −
< 2.5
男性:1 . 5 < Cr −
< 2.0
女性:1 . 3 < Cr −
50mg
1日1回
中等度
25mg
1日1回
※:クレアチニンクリアランスに概ね相当する値
3 .相互作用
本剤は主に腎臓から未変化体として排泄され、その排泄に
は能動的な尿細管分泌の関与が推察される。(「薬物動態」
の項参照)
併用注意(併用に注意すること)
〔使用上の注意〕
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)中等度腎機能障害のある患者(「用法 ・ 用量に関連する使
用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)
(2)他の糖尿病用薬(特に、インスリン製剤又はスルホニルウ
レア剤)を投与中の患者〔併用により低血糖症を起こすこ
とがある。(「重要な基本的注意」、「相互作用」、「重大な副
作用」及び「臨床成績」の項参照)〕
(3)次に掲げる低血糖を起こすおそれのある患者又は状態
1)脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
2)栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量
の不足又は衰弱状態
3)激しい筋肉運動
4)過度のアルコール摂取者
5)高齢者
(4)腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者〔腸閉塞を起
こすおそれがある。(「重大な副作用」の項参照)〕
薬剤名等
糖尿病用薬
インスリン製剤
スルホニルウレア
剤
チアゾリジン系
薬剤
ビグアナイド系薬
剤
α-グルコシダー
ゼ阻害剤
速効型インスリン
分 泌 促 進 薬 注)
GLP-1アナログ
製剤注)等
2.重要な基本的注意
(1)本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその
対処方法について十分説明すること。特に、インスリン製
剤又はスルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリス
クが増加する。インスリン製剤又はスルホニルウレア剤に
よる低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤と併用
する場合には、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤の
減量を検討すること。(「慎重投与」、「相互作用」、「重大な
副作用」及び「臨床成績」の項参照)
(2)糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する
こと。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類
似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患が
あることに留意すること。
(3)本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、
運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考
慮すること。
ジゴキシン
5
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
糖尿病用薬との併用時に 糖 尿 病 用 薬
は、低血糖症の発現に注 ( 特に、インス
意すること。特に、インスリ リン製 剤 又は
ン製剤又はスルホニルウレ スルホニルウレ
ア剤と併用する場合、低 ア剤 )との 併
血糖のリスクが増加する。 用時には、本
これらの薬剤による低血 剤の血糖コント
糖のリスクを軽減するため、 ロール改 善に
インスリン製剤又はスルホ より、低 血 糖
ニルウレア剤の減量を検 症 のリスクが
討すること。低血糖症状 増加するおそ
が認められた場合には、 れがある。
糖質を含む食品を摂取す
るなど適切な処置を行うこ
と。α-グルコシダーゼ阻害
剤との併用により低血糖
症状が認められた場合に
は、ブドウ糖を投与すること。
(「慎重投与」、
「重要な基
本的注意」、
「重大な副作
用」及び「臨床成績」の
項参照)
本剤との併用によりジゴキ 機序不明
シンの血漿中濃度がわず
かに増加したとの報告が
あるので、適切な観察を
行うこと。
(「薬物動態」の
項参照)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
血糖降下作用を
増強する薬剤
β- 遮断薬
サリチル酸剤
モノアミン酸 化
酵素阻害剤等
左記薬剤と本剤を併用す
る場合には、血糖降下作
用の増強によりさらに血糖
が低下する可能性がある
ため、併用する場合には、
血 糖 値その他 患 者の状
態を十分観察しながら投
与すること。
左記薬剤との
併 用により血
糖降下作用
が増強される
おそれがある。
血糖降下作用を
減弱する薬剤
エピネフリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン
等
左記薬剤と本剤を併用す
る場合には、血糖降下作
用の減弱により血糖が上
昇する可能性があるため、
併用する場合には、血糖
値その他患者の状態を十
分観察しながら投与する
こと。
左記薬剤との
併 用により血
糖降下作用
が減弱される
おそれがある。
6)急性膵炎
急性膵炎(頻度不明※)があらわれることがあるので、観
察を十分に行い、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認
められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
海外の自発報告においては、出血性膵炎又は壊死性膵炎も
報告されている。(
「重要な基本的注意」の項参照)
7)間質性肺炎
間質性肺炎(頻度不明 ※)があらわれることがあるので、
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認めら
れた場合には、速やかに胸部 X 線、胸部 CT、血清マーカー
等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には
投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置
を行うこと。
8)腸閉塞
腸閉塞(頻度不明※)があらわれることがあるので、観察
を十分に行い、高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔
吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処
置を行うこと。(「慎重投与」の項参照)
9)横紋筋融解症
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグ
ロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症(頻度不明※)があ
らわれることがあるので、このような場合には投与を中止
し、適切な処置を行うこと。
(2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
注):
「重要な基本的注意」の項参照
4.副作用
国内で実施された臨床試験において、1,581例中181例
(11.4%)
の副作用が認められた。主なものは低血糖症 63 例(4 . 0%)、
便秘 17 例(1 . 1%)、空腹 9 例(0 . 6%)、腹部膨満 8 例(0 . 5%)
等であった。また、関連の否定できない臨床検査値の異常
変動は 1 , 579 例中 62 例(3 . 9%)に認められ、主なものは
ALT(GPT)増加 20 例 /1 , 579 例(1 . 3%)、AST(GOT)増加
12 例 /1 , 579 例(0 . 8%)、γ-GTP 増加 12 例 /1 , 579 例(0 . 8%)
等であった。(承認時)
(1)重大な副作用
1)アナフィラキシー反応
アナフィラキシー反応(頻度不明※)があらわれることが
あるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
投与を中止し、適切な処置を行うこと。(
「禁忌」の項参照)
2)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、剥脱性皮
膚炎
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)、剥脱性皮
膚炎(いずれも頻度不明※)があらわれることがあるので、
このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切
な処置を行うこと。(「禁忌」の項参照)
3)低血糖症
経口糖尿病用薬との併用で低血糖症(グリメピリド併用時
5 . 3%、ピオグリタゾン併用時 0 . 8%、メトホルミン併用
時 0 . 7%、ボグリボース併用時 0 . 8%)があらわれること
がある。また、インスリン製剤併用時に低血糖症(17 . 4%)
が多くみられている。特に、インスリン製剤又はスルホニ
ルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識
消失を来す例も報告されていることから、これらの薬剤と
併用する場合には、インスリン製剤又はスルホニルウレア
剤の減量を検討すること。また、他の糖尿病用薬を併用し
ない場合でも低血糖症(1 . 0%)が報告されている。低血
糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取する
など適切な処置を行うこと。ただし、 α-グルコシダーゼ
阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブ
ドウ糖を投与すること。(
「慎重投与」
、
「重要な基本的注意」
、
「相互作用」及び「臨床成績」の項参照)
4)肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)等の著しい上昇を伴う肝機能
障害、黄疸(いずれも頻度不明※)があらわれることがあ
るので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、
投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5)急性腎不全
急性腎不全(頻度不明 ※)があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
0 . 1 ∼ 2%未満
神経系障害
浮動性めまい、感覚鈍麻
眼障害
糖尿病性網膜症の悪化
耳及び
迷路障害
回転性めまい
心臓障害
上室性期外収縮、心室性期
外収縮、動悸
呼吸、胸郭
鼻咽頭炎
及び縦隔障害
胃腸障害
頻度不明※
頭痛
上気道感染
腹部不快感(胃不快感を含む)、
腹部膨満、腹痛、悪心、便秘、
下痢、鼓腸、胃ポリープ、胃炎、 嘔吐
萎縮性胃炎、びらん性胃炎、歯
周炎、逆流性食道炎、口内炎
肝胆道系障害 肝機能異常
皮膚及び
発疹、湿疹、冷汗、多汗症
皮下組織障害
皮膚血管炎、
蕁麻疹、
血管浮腫
筋骨格系及び
結合組織障害
関節痛、筋肉
痛、四肢痛、
背部痛
全身障害
臨床検査
空腹、浮腫、J怠感
心電図T波振幅減少、体重増加、
赤血球数減少、ヘモグロビン減少、
ヘマトクリッ
ト減少、白血球数増加、
ALT(GPT)増加、AST(GOT)
増加、γ-GTP 増加、血中ビリル
ビン増加、血中 LDH 増加、CK
(CPK)増加、血中コレステロー
ル増加、血中尿酸増加、血中
尿素増加、血中クレアチニン増加、
血中ブドウ糖減少、低比重リポ
蛋白増加、血中トリグリセリド増加、
尿中蛋白陽性
※:自発報告あるいは海外において認められている。
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5.高齢者への投与
高齢者では腎機能が低下していることが多い。高齢者では
腎機能に注意し、腎機能障害がある場合には適切な用量調
節を行うこと。(
「用法・用量に関連する使用上の注意」
、
「慎
重投与」及び「薬物動態」の項参照)
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益
性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を考慮す
ること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。
動物実験(ラット)において、1 , 000mg/kg/日(臨床での
最大投与量 100mg/日の約 100 倍の曝露量に相当する)経
口投与により、胎児肋骨の欠損、形成不全及び波状肋骨の
発現率の軽度増加が認められたとの報告がある。〕
(2)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。 〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕
7.小児等への投与
小児等に対する本剤の安全性及び有効性は確立していない
(使用経験がない)。
8.適用上の注意
薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出し
て服用するよう指導すること。(PTP シート
の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入
し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤
な合併症を併発することが報告されている。)
9.その他の注意
雌雄ラットに本剤 50、150 及び 500mg/kg/日を 2 年間経口
投与したがん原性試験では、500mg/kg/日群の雄ラットに
おいて肝腺腫及び肝がんの発現率が増加し、同群の雌ラッ
トにおいて肝がんの発現率が増加したとの報告がある。こ
のラットの投与量は、臨床での最大投与量 100mg/日の約
58 倍の曝露量に相当する。
雌雄マウスに本剤 50、125、250 及び 500mg/kg/日を 2 年間
経口投与したがん原性試験では、本剤 500mg/kg/日(臨
床での最大投与量100mg/日の約68倍の曝露量に相当する)
までの用量で、いずれの臓器においても腫瘍の発現率は増
加しなかった。
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