AGRI SPECIAL 日照時間が長く雨の少ない香川県で栽培される果物は全国の市場で高い評価を得ているものが少なくありません。日本一小さな県だけに、量でのナンバーワンを目指すよりむしろ、品質でナンバーワン、オンリーワンの果物産地を目指してオリジナル品種の開発にも力を入れています。そんな香川県産果物のさらなる評価向上と、その生産者の支援を目的に昨年度から始まった「さぬき讃フルーツ推奨制度」について紹介します。あっと！驚く美味しさ「さぬき讃フルーツ」生産者も、消費者も。 “県民みんなのおいしいブランド” ロゴマーク「サンサンとふりそそぐ太陽の恵みを受けて、あっと！驚く美味しさ」を表現しています。また、四季折々の豊かな自然や風土の魅力が大きく広がっていくイメージを渦巻きの模様に象徴させ、「香川のフルーツ」がイキイキと飛ぶように育っていくさまを3色の線で表現しています。 ※「さぬき讃フルーツ」は香川県の登録商標です。「さぬき讃フルーツ」とは？香川県が平成24年4月から始めた制度で、県オリジナル品種を中心とした果物で、県で認定した生産者が栽培し、糖度など一定の品質基準を満たしたものを「さぬき讃フルーツ」として推奨しています。「さぬき讃フルーツ」の意味は？「サンサンとふりそそぐ太陽のもと、生産者が心を込めて大切に育てた、香川自慢の果物であること」が伝わるよう、太陽の「SUN」、香川産の「産」、賛美の「賛」に、讃岐の「讃」の漢字を当て、消費者にわかりやすく、心に強く印象づけられるよう命名しました。 4 「さぬき讃フルーツ」の対象品種キウイフルーツ「香緑」「ヘイワード」が自然交雑してできた種子の中から選抜。俵のような形と、鮮やかな濃い緑色の果肉が特徴です。（平成25年6月現在）県オリジナル品種温州ミカンキウイフルーツ「さぬきゴールド」「小原紅早生」黄金色に輝く果肉とメロンのような食感。世界最大級の大きさで、ビタミンＣが通常のキウイの３倍含まれています。紅色の果皮と濃厚な甘さが特徴。JA香川県では、「さぬき紅」の商品名でブランド化を進めています。キウイフルーツキウイフルーツ「香粋」「さぬきエンジェルスイート」ひと口サイズのかわいいキウイ。果皮に毛がないので、指で半分に割って果肉を押し出すとゼリーのように食べられます。酸味が少なく、和三盆糖のような上質な甘さが特徴。種子の周辺部が「天使の輪」のように赤く色付きます。キウイフルーツイチゴ「さぬきひめ」「さぬきキウイっこ」柔らかな食感で、ひと口食べれば果汁があふれるほどジューシー。鮮やかな赤色の果皮と、やや丸みを帯びた形が特徴です。香川県と香川大学が共同開発した新しいキウイ。５品種を組み合わせることで11∼3月まで販売することができます。一般品種ブドウ「ピオーネ」ブドウ「シャインマスカット」種がなく果皮が薄いので、皮ごと食べられる新感覚のマスカット。サクサクとした食感と、記憶に残る甘さが特徴です。爽やかな酸味と甘みのバランスが絶妙。巨峰とマスカットを交配した品種で、皮ばなれがよく、「黒い真珠」と呼ばれています。写真（未）モモナシ「幸水・豊水」「白鳳・白桃系品種」写真（未）甘くてシャキシャキとした食感。観音寺市豊浜町のナシは100年以上の歴史があり、「ホウナンのナシ」として親しまれています。芳醇な香りと、とろけるような果肉。日照時間が長く雨が少ない香川県は、良質なモモの産地として知られています。旬カレンダー 4（月） 5 6 7 8 9 10 11 小原紅早生香緑さぬきゴールド香粋さぬきエンジェルスイートさぬきキウイっこさぬきひめシャインマスカットピオーネモモ（白鳳・白桃系品種）ナシ（幸水・豊水） 5 kilari ' 13 .7 12 1 2 3 新たに﹁さぬき讃フルーツ生産拡大樹棚や栽培温室、高品質生産に必要事業﹂を創設し、生産拡大に必要な果県民の方々、また生産者の方々の関なマルチドリップ栽培などの導入に対昨年度はスタートの年でしたが、取り組みはどうでしたか？心も高く、順調なスタートが切れたもを﹁さぬき讃フルーツ﹂として、そのおい度など一定の品質基準を満たしたもの讃フルーツ﹂のおいしさを伝えるための本制度の一層の定着に向け、﹁さぬき今年度は２年目ということで、どのような取り組みを進めていく予定ですか？ ※ 1﹁さぬき讃フルーツマスターショップ﹂とは⋮ ﹁さぬき讃フルーツ﹂の常設コーナー設置や対面販売などにより、﹁さぬき讃フルーツ﹂の積極的な販売と併せて、品種の特徴や産地の魅力などを消費者にわかりやすくＰＲできる販売店が登録されています。賞味ください。鮮な﹁さぬき讃フルーツ﹂をぜひともごます。消費者の方々には、おいしくて新カットやピオーネ、モモなどが旬を迎えこれからの季節には、シャインマスきたいと考えています。の皆さまとともに取り組みを進めてい生産者、 JA、そして消費者である県民本県果樹栽培の発展につながるよう、めるとともに、着実な生産拡大により、度﹂を活用し、本県果実の評価を一層高今後とも、﹁さぬき讃フルーツ推奨制今後の定着に向けた取り組みについてはいかがですか？しています。費用への助成など支援を行うこととする支援や、新規植栽に必要な初期団体、のと考えています。初年度は、J Aの部会など 2 個人が認定を受け、きめ細かな栽培しさや産地の魅力などを広く県民の方取り組みの強化、また、生産拡大や一層 ※ 2﹂によるイベントで ※ 2﹁さぬき讃フルーツ大使﹂とは⋮ 県内外の各種イベントや試食宣伝キャンペーンなどで﹁さぬき讃フルーツ﹂のP R 活動などを行う﹁さぬき讃フルーツ大使﹂を公募し︵募集期間は終了︶、７月上旬に選考結果を発表します。さぬき讃フルーツ主催：かがわ農産物流通消費推進協議会・香川県管理により、いずれも全国に誇れる糖度の高い高品質果実に仕上がり、市場でも高い評価を受けたところです。また、﹁さぬき讃フルーツ﹂は県内で生産されたおいしい果物であることを PRするため、卸売市場でのトップセールスをはじめ、イベントでの試食宣伝や県のホームページでの情報発信のほか、﹁さぬき讃フルーツマスターショッ々にP Rするとともに、生産拡大や品の品質向上に向けた取り組みを支援しの登録などにも取り組みました。プ ※1﹂質向上に取り組む生産者の方々を応援ていきます。物で、県で認定した生産者が栽培し、糖し、有利販売につなげていくために、昨 PRについては、昨年度からの取り組讃フルーツ大使近に感じていただくため、新たに﹁さぬきみに加え、﹁さぬき讃フルーツ﹂をより身年4月に創設した制度です。県のオリジナル品種を中心とした果﹁さぬき讃フルーツ推奨制度﹂を創設した目的は？に聞きました 34 の販売や、﹁さぬき讃フルーツフォトコンテスト﹂を開催します。募集期間：平成25年7月１日（月）∼平成26年1月10日（金）『さぬき讃フルーツのある風景』をテーマにした写真作品を広く募集するコンテストです。応募資格及び応募規定・応募方法など詳しくは、下記ホームページをご覧ください。「さぬき讃フルーツ」フォトコンテスト応募受付中！栗本俊二さん課長香川県担当者から 2年目を迎え、さらにPRと生産者支援を拡大します香川県農政水産部農業生産流通課 6 あっと！驚く美味しさ昭和年代から町を挙げてブドウ栽迎えています。前に樹を植え、今年４回目の収穫期をドウを栽培する大西さん夫妻も、5 年ピオーネをはじめさまざまな品種のブる﹁ J A 香川県高瀬ぶどう部会﹂で産者に認定されました。同部会に属すで、﹁さぬき讃フルーツ﹂の同品目の生れている品種の一つがシャインマスカット﹁三豊ぶどう部会﹂。同部会が、力を入県内有数のブドウ産地を統括する「シャインマスカットは香りがよく、シャキシャキとした食感。また、種がなく果皮ごと食べられる新感覚のブドウです！」と大西さん夫妻。取材時は収穫の約１か月前で、これからさらに粒はふっくらと充実し、袋掛けして糖度を高めていきます年を誇るベテ培を推進してきた高瀬町で、その当初から栽培に取り組んで「さぬき讃フルーツシャインマスカット」認定生産者三豊ぶどう部会所属 40 ランの大西さん。従来の露地トンネル栽横峰昭一課長培に加え、今年度からは加温栽培にもＪＡ香川県営農部販売促進課挑戦しています。燃料コストはもちろん、技術的にも温度・湿度管理が難し西さんはじめ部会員の皆さんは日々、技術を磨いています。「他品種に比べ、摘粒による房づくりが特に難しい品種です」と大西さん。仕上がりの形を予想しながら粒を落とし、大粒で糖度が十分に乗ったブドウを最適な出荷日に収穫できるように育て上げるワザは、まさに職人芸います。そんな中、﹁さぬき讃フ争に明け暮れざるをえなくなって産地が同質化した産品の価格競昨今の経済情勢の中、多くのだけるような活動をしていきたい﹁さぬき讃フルーツ﹂〟と思っていたす。県民の皆さんに〝私たち・私の意味を伝えることこそが大切でい。お客様に商品を作った思いや売ることが前に出てはいけなと思っています。却し、こだわり、差別化、また地域り、ＰＲしたりしていただきたいかい！﹂と思ったら県外の人に贈ったしさを知っていただき、﹁おいしす。県民の皆さんにまずそのおいばかりでなく、県内にも出荷しまんし、東京や大阪などの大消費地〝超高級品ブランド〟ではありませ﹁さぬき讃フルーツ﹂は、決してます。して、販促活動に力を入れていきも、できる限り有利販売を目指分に発揮できます。ＪＡとして多い香川県ならではの強みを存かできないことで、小さな産地のた取り組みは、大産地ではなかな品になり得ると思います。こうし性を前面に出した魅力的な特産ルーツ﹂は〝同質化競争〟から脱に聞きましたく、地元では数人しか導入していない栽培法ですが、出荷時期が１か月ほども早められるのが強みだとか。糖度のチェックは、ＪＡの職員が非破壊検査で計れる機器を持って収穫前に各園地で計測。出荷後に抽出したサンプルを潰して計る方式より格段に精度が上がり、品質向上に直結しています。こうした地道な努力が実を結び、１％が﹁さぬき年目の昨年度は、同部会のシャインマスカット全出荷量のうちした。今年度は％以上を目標に、さら讃フルーツ﹂の推奨基準をクリアしま 36 なる品質向上に努めていきたいと、大 50 販売担当者かららです。 7 kilari ' 13 . 7 40 大西光輝さん（73歳）ヨシ子さん「さぬき讃フルーツ」生産者から AGRI SPECIAL （三豊市高瀬町上麻）