Issue 2 Inside Telecommunications アーンスト・アンド・ヤング情報通信センターによる、 今四半期の主要論点 2011年4月∼6月 Inside Telecommunications 第2号をご覧いただき、誠にありがとうございま す。私どもは情報通信セクターにおける最も重要な新規案件・技術を四半期ごと にレビューしています。業界にとっては、多くの新規サービス・技術に係るニュース が流れ、変化の目まぐるしい時期でした。その中で、我々は重要な論点(一体化サ ービスの現状・世界的なLTE の導入状況)を調査しました。 このレポートが貴社のビジネスに有用であれば幸いです。ご意見・ご感想につい て、私もしくはアーンスト・アンド・ヤング担当者にお伝えいただければと思います。 Jonathan Dharmapalan Global Telecommunications Leader 塚原 正彦 情報通信セクター 日本エリアリーダー Contents Foreword 3 新規サービス関連 4 一体化サービスに関する、 新しい動き 4 タイムリーなサービス提供は、 携帯事業者にとって継続的な課題 6 技術動向 7 200以上の携帯事業者がLTEに 7 地域毎に異なるWiMAX普及予測 8 投資しています レギュレーション (規制関連トピック) 9 ローミング課金に関する議論 9 ニュージーランドにおける、 分割・再編成 10 M&A 11 Introduction 11 地域ごとのM&A案件 12 ロシア成長の軌跡 12 少数持分からの撤退を重視 12 アジア太平洋地区における競争状況 13 2 Inside Telecommunications Foreword 2011 年第 2 四半期( 4 月∼ 6 月)における情報 通信セクターは、諸方面での進歩が見られまし た。デバイスメーカー間の特許に係る係争を通 じて、多くの通信事業者にとって法規制への対 応が考慮すべき重要課題であることが改めて 明らかになりました。 2011 年第 2 四半期( 4 月∼6 月)における情報通 信セクターは、諸方面での進歩が見られました。 デバイスメーカー間の特許に係る係争を通じて、 多くの通信事業者にとって法規制への対応が考 慮すべき重要課題であることが改めて明らかに なりました。 本年第 1 四半期( 1 月∼ 3 月)は M&Aに係る動き は少数でした。AT&TによるT-MobileUSA の合 併交渉が難航している状況もありましたが、新し い提携関係も発表されました。 4 月に登場したBlackBerry の Playbookタブレ ットが示すように、新しいデバイスは薄くて高速 です。ミッションクリティカルな状況下・異なる端 末経由であっても、同様の利用環境を享受する ことができます。そのような状況下においてコン テンツ管理は重要課題です。Appleが6 月に発表 した iCloud は、異なる種類の端末間でコンテン ツ共有が可能であることを中心に据えています。 このような環境下における通信事業者にとって、 新規サービスの早期提供は過去に比して重要度 を増しています。そして、サービス早期提供とい う観点では、事業者にとっては改善の余地が残さ れています。 より深い協業関係についても、明らかになってい ます。この 4 月、France TelecomとDeutsche Telecomは調達に係る合弁会社( JV )を設立し、 双方の調達の 3 分の 1( 400 億米ドル、約 3.2 兆 円)が管理される旨を発表しました。 こ れによる 年 間 の コ スト 削 減 は 1 3 億 米ド ル ( 約 1 , 0 0 0 億 円 )が 見 込 ま れ て おり、調 達 プ ロセス の 全 面 的 見 直しにより、サ ービ ス 早 期 提 供 の 動きも加 速されます。通 信 事 業 者 間 の 戦 略 的 提 携 は 、より一 般 的 に なりつ つ ありま す。直近では Telefonica が従前からの China Telecom・Telecom Italiaに加え、Bouygue(フ ランス) とのパートナーシップにも合意しました。 Adrian Baschnonga Senior Analyst Global Telecommunications Center 一方、情報通信セクターの競争環境は変化して います。バンドルサービス (一体化サービス) に関 する新しい動きに見られるように、規模・地域によ らず複数サービスの一体提案が可能であること は重要といえます。MVNO からケーブルテレビ 事業者に至るまで、協業による新規サービスの 提供は、当たり前になりつつあります。 Inside Telecommunications 3 新規サービス関連 一体化サービスに関する、新しい動き 通信キャリア・ケーブル事業者による一体化サー ビスは、固定回線における競争要因と長く認識さ れてきました。昨今、IP 放送の成熟市場における 導入、新興諸国における新規事業者による新サー ビスとしての導入により、市況は変化しています。 IP 放送の普及はヨーロッパが先行しています。一 方、成長率においてはアジアの方が上回っていま す。全世界におけるIP 放送加入者は 2010 年に 4,500 万加入に達しました(前年比 36% 増)。こ れは全世界のブロードバンド市場の 9%に相当し ます。国別に見ていくと、普及数のトップ 10 のう ち 6カ国はヨーロッパ諸国が占めています。首位 はフランスで、その次に中国・アメリカの順となっ ており、 これら3カ国で全世界加入者の 61%を占 めています。 地域毎のIP放送加入者数 (百万人) 25 20 15 10 5 0 ヨーロッパ アジア Q4 2009 南北アメリカ 中東アフリカ Q4 2010 Source: Point Topic“ , Year-End 2010 Broadband and IPTV report highlights,”23 March 2011. 市場において一体化サービスは確立したものと なっています。競争環境は広がっていて、新規参 入事業者も巻き込んだ競争となりつつあります。 ベルギーの携帯電話事業者 Mobistar は、一体 化サービス(携帯・固定・ブロードバンド・IP 放送) をこの 5 月に提供開始しました。また英国の衛星 ブロードバンド事業者 onwave は、一体化サービ ス(固定・6Mb/sec のブロードバンド・IP 放送)を 月額£ 19.99(約 2,600 円)で最近発表しまし た。局舎から物理的に離れていて、ブロードバン ドの速度が平均を下回るDSL ユーザをターゲッ トにしています。 設 備 を 保 有しな い 事 業 者 で あっても 、一 体 化 サ ービスへ の 参 入が行われています。Virgin Mobile はこの 6 月、フランスの通信事業者 SFR と5 年間の MVNO 契約に合意しました。これによ り、SFR のネットワークを利用した一体化サービ ス(固定・携帯・ブロードバンド・IP 放送)を 2012 1 年に提供する計画を表明しています。 一体化サ ービス提案は、超高速ブロードバンドサービスの 出現によってもたらされています。Hong Kong Broadband Network Limitedはこの6月、一 体化サービス(固定・ブロードバンド・IP 放送)を月 額 20 米ドル(約 1,600 円)で提供開始しました。 このブロードバンドは1Gbps 接続のものです。 パートナーシップは、新 規 参 入 事 業 者にとって 依 然として重 要です。スペインの Telefonica はこの 5 月、イタリアの 大 手メディアグ ル ープ Mediasetと契約し、放送局( Telecinco )のスペ イン語放送の権利を取得しました。イタリアの Telecom Italiaはこの6月、Walt Disneyとの パートナーシップを拡大し、自社が運営するIP 放 送( Cubovision )において、ビデオオンデマンド 方式での配信を可能としました。同時にIP 放送事 業者は、他事業者からの差異化を検討していま す。Infonetics Researchによる直近の調査に 1 “Virgin Mobiles signe avec SFR et devient un‘full MVNO’ ,”Les Echos, 5 June 2011. 4 Inside Telecommunications よれば、IP 放送事業者の 63%が複数媒体( PC・タ ブレット端末・スマートフォン)による視聴への対 2 応を2012 年2月までに検討しています。 途 上 国 市 場にお いても、一 体 化 サ ービス戦 略 は重要度を増しています。スリランカの Dialog Telekomは、南アジアで最初に一体化サービス( 固定・携帯・ブロードバンド・IP 放送)を提供した事 業者の一つです。2007 年にサービス開始後、3 百万人の新規加入者を集め、50% のシェアを保 3 有しています。 またインドにおいても、一体化 サービスの要望が高まっています。通信事業者 Reliance Communicationsは、大手ケーブル TV事業者Digicableを2010年に買収しました。 そのような状況ではありますが、多くの市場にお けるIP 電話( VoIP ) とIP 放送に対する法規制が、 普及を阻害しています。ローカル・ループ・アンバ ンドリング( LLU )の検討については、多くの国で 欠落したままです。また一部の規制当局は、デー タ回線上での VoIP サービス提供に関する新規 の事業免許、もしくは既存免許の見直しが必要と 考えています。 当 面 の 間 、少 なくと も 大 手 事 業 者 間 に お い て、TV サ ービスの有無は一体化サ ービス間の 差異化要因です。ローカルケーブルを経由しな い IP 放送( over-the-top( OTT )content )の拡 大はあるものの、プレミアムコンテンツの権利、 課金の仕組み、プラットフォームの可用性につい 中国の大手携帯電話事業者 China Mobileも、 て、ローカル市場プレーヤーも一定の影響力を 一体化サービスに目を向けています。中国国家 有しています。IP 放送サービスを一体化するに 広播電影電視総局との合弁子会社(武漢) におい あたり、特に各国で新しくサ ービス提供されて て、この 5 月から一体化サービス(携帯・ブロード いるコンテンツプラットフォームとの関係も重要 バンド( 2Mbps ) ・IP 放送)が提供されました。価 な要素です( YouView(イギリス)、MHP(イタリ 格は92 米ドル(約 7,400 円)で、個別に契約する ア)、HbbTV(ドイツ))。 4 よりも70% 安価となっています。 ラテンアメリカ でも、同様に積極的な戦略がとられています。メ 固定・ブロードバンド・IP 放送の一体化サービス キシコの携帯事業者 America Movilは、当年の については複数の国で強い動きとしてあるもの 有料テレビ加入者について300 万人追加を目標 の、携帯も加えたサービスの今後についてはそ としています。ブラジルにおいても、Telefonica れほど明確ではありません。一体化サービスの がファイバー網を整備し、有料テレビの基盤とし 一部としての携帯サービスに関しては、追加無料 て認識しています。 通話・固定電話での SIM 利用があるものの、かな り保守的な戦略が取られてきました。理由の一つ アフリカでも革新的なサービスは見られます。ケ としては、固定サービスと異なりサービス利用判 ニアにおいて、Telkomは一体化サービス(固定・ 断が各利用者にパーソナライズされていること ブロードバンド・IP 放送)を年内に提供する準備を があります。とはいえ携帯におけるWebコンテン 進めています。その中で固定とブロードバンドに ツの拡大に伴い、より積極的な固定・携帯の併売 ついては、3 月に提供済みです。アフリカで最初 可能性は存在しています。横断的なコンテンツ の一体化サービス (固定・ブロードバンド・IP 放送) の提案についても、別途開拓の余地があります。 提供事業者であるケニアの Wananchi Group はこの 5 月、7,500 万米ドル(約 60 億円)の資金 を調達しました。それによるサービス範囲の拡大 により、東アフリカの大手サービスプロバイダに なることを目指しています。 2 “Infonetics Research IPTV survey: IPTV services are getting highly personalized, highly integrated, portable, on-demand,”Infonetics Research, 21 July 2011. 3 Dialog Telekom PLC ̶ Inclusive Business Case Study. 4 “China Mobile, SARFT first to provide triple-play services,”The Global Times, 10 May 2011. Inside Telecommunications 5 タイムリーなサービス提供は、携帯事業者にとって 継続的な課題 タイムリーなサービス提供は、業界が直面する継続的な変化に対抗するための最重要課題として、 これまで以上に認識されています。 しかしながら、Amdocs( 運用サポートシステムベンダー)によ る直近の調査によると、サービス提供時期については改善の余地があります。3 年前に比べて、携 帯事業者はタイムリーなサービス提供の重要性をより強く認識しています。その一方で、 「 サービ スを6カ月以内に提供できている」事業者数は減少しています。 タイムリーなサービス提供に関する、携帯事業会社の認識 5 競合に勝ち残るためには新サービスのタイムリーな 提供は非常に重要である、 とする携帯事業者数 サービスを6カ月以内に提供できている携帯事業者数 2011 2011 70% 2008 59% 0 20% 40% 60% 65% 2008 80% 100% 67% 0 20% 40% 60% 80% 100% 携帯事業者が迅速に責任を持ってサービスを提供する能力が、以前より低下していることが本調 査より明らかになっています。とはいえ、調査対象となった125 人の経営者のうち 39 人は新サー ビス提供に必要な期間の目標として「 3カ月以下」と答えており、業界として前向きな部分はあり 6 ます。 5 Amdocs,“Amdocs survey: time-to-market grows in importance,”14 April 2011 (125 senior industry executives). 6 ibid. 6 Inside Telecommunications 技術動向 LTE導入状況について 7 商用 LTEサービスが利用可能 Commercial LTE service available LTE 導入が計画されている 導入中 Planned or ongoing LTE /deployments トライアルシステムの導入前 Pre-commitment trial systems 200以上の携帯事業者がLTEに投資しています GSA(Global mobileSuppliers Association ) の 直 近 の 数 値 によ れ ば 、LT E( l o n g - t e r m evolution )がサービス開始している・サービス が計画されている国の数は、前年同期比で 32 カ国増加して 80 カ国となりました。会社数では 208 の携帯事業者が LTE に投資しています。こ れは 2010 年 6 月の調査に比べて 98 社増加しま 8 した。 208 社の内訳は下記の通りです。 20社 商用サービス開始 134社 導入中・計画中 54社 正式な導入承認前で、技術的パイロットテ ストを実施中(20カ国) 4 月∼ 6 月の 3 カ月におけるLTE パイロットテス ト・導入に関する特筆すべきトピックは下記の通 りです。 • スリランカ 携帯事業者 3 社が、パイロットテストを実施 • メキシコ MVS Comunicacionesが、Clearwire(アメリ カの WiMax 事業者) ・Intelとのコンソーシアム で、LTEサービス提供計画を発表 • アメリカ 5 月に U.S. Cellular が LTE サービス計画を発 表。11 月より加入者ベースで 25% のカバレッジ で導入予定 AT&T が今後数カ月のうちに、5 都市で LTE サー ビスを提供予定 • ドイツ Deutsche TelekomがケルンでLTEを利用可能 としました Telefonica Germanyが、7月より商用LTEサー ビスを提供する予定 LTE の 普 及がこれまでのモバイル技 術を上 回 っている為、GSA は市場予測を上方修正しまし た。2012 年末までに81 社が商用 LTE サービス を提供する見込みです。 一方デバイスについて、この 6 月には 42 社から 137 種類の LTE 端末が発表されています。これ により、今四半期で LTE 対応端末の種類が 40% 増加したことになります。 7 ibid. 8 Global mobile Suppliers Association,“GSA confirms 208 operators in 80 countries now investing in LTE,”11 May 2011. 9 Global mobile Suppliers Association,“GSA reports 40% increase in LTE User Devices in 3 months,”13 June 2011. Inside Telecommunications 7 地域毎に異なるWiMAX 普及予測 LTE 技術の進展に伴い、携帯ブロードバンド市場 におけるWiMAX の見通しは変化しています。固 定網の地域カバー率の不備は、アジア太平洋地 区におけるLTE 成長の原動力と見込まれます。こ れはWiMAX の成長基盤と重なります。 地域ごとのWiMAX普及予測 2010-15 60,000 次 世 代 モ バイ ル ネットワ ークの 選 択 肢として LTE が存在感を増す一方で、WiMAX に成長の 余地があるニッチ市場も存在します。日本の UQ Communications は 6 月時 点で 100 万 加 入 を保有しており、東京の地下鉄車内で WiMAX 10 を利 用 可 能とする計 画があります。 韓 国 KT Telecom が提供するWiMAX(WiBro)加入者 は、2010 年に13% 成長しました。サービスは人 口ベースで85%が利用可能な状況です。 しかしながら、WiMAX 市場規模の小ささが明ら かになる中で、WiMAX をサポートするベンダー は漸減傾向にあります。それに伴い、端末価格は 相対的に高くなる傾向にあります。 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 2010 2011 2012 2013 北アメリカ 南アメリカ アジア太平洋地区 中東アフリカ 2014 法規制においてWiMAXが強くサポートされてい ても、 ビジネス面での疑問が残ります。 マレーシアにおいて 2008 年に2.3GHz 帯の免 許が4 事業者に交付されました。それにより普及 の足がかりが得られたと思われたものの、3 年経 過した現在、各事業者は LTE サービスを提供す る準備を行っています。Packet One Networks ( P1 )は WiMAX 加入者を 40 万人保有していま すが、その一方でChina MobileとTD-LTE の技 術開発の協力について合意しました。 ロシアの通信事業者 Yota は、WiMAX からLTE への移行を2010 年に判断しました。この 3 月に は 180 都市での LTE 網の構築が承認され、向こ う3 年間において人口ベースで半分がカバーさ れる計画です。 2015 ヨーロッパ Source: Ovum,“Mobile technology split forecast 2010–15,”February 2011. 10 TeleGeography,“Tokyo to deploy WiMAX on underground rail network,”23 May 2011. 8 Inside Telecommunications レギュレーション(規制関連トピック) ローミング課金に関する議論 携帯電話の課金は、継続してヨーロッパの監視 下に置かれています。7 月1 日からの欧州委員会 ( EC )による新しいプライスキャップ制度によれ ば、一般顧客は他の EU 諸国との通話 1 分あたり 最大 0.39 ユーロ(約 43 円)を支払う可能性があ ります。これは 1 分あたり0.43 ユーロ(約 48 円) から値下げされました。通話の受信時の費用に ついても、1 分あたり0.19 ユーロ(約 21 円)から 0.15ユーロ(約17円)に引き下げられました。 さらにデータローミングについても、1MB あたり 卸価格で0.80ユーロ (約89円)から0.50ユーロ (約 55 円)に引き下げられました。EU の規制下 において通信事業者は、顧客のデータ通信量が 上限の 80% に達した時点でそれを通知し、上限 に達した時点で切断する必要もあります。他の EU 諸国との文字通信(ショートメッセージサービ ス)については、0.11 ユーロ(約 12 円)で変更は ありません。 高額なローミング費用は、長らく悩みの種でし た。ローミングに関する規制は2007 年に強制適 用され、2009 年に見直しが行われました。EC は 2005 年に比して欧州内の通話料金収入が73% 減少しているとして、その値下げの正当性を主張 しました。一方ヨーロッパ通信各社も、いくつか の理由に基づいてEU のローミング規制に対して 彼らなりに価格妥当性を主張しました。しかしな がら、6 月 8 日に欧州司法裁判所において、卸価 格の値下げが一般顧客に反映されない状況下で の一般顧客向け料金のプライスキャップが合法 であるという判断に至りました。 現状の法案が 2012 年 6 月末までに施行される にあたり、2 0 1 5 年までに国 内 通 話・国 際 通 話 の 価 格 差 が 解 消される見 通しとともに、EC は 高 額なローミング費 用 へ の 対 策 案を検 討して います。最新話題として、Neelie Kroes 氏( EC Digital Agenda 担当副委員長)は「長期にわた る組織的アプローチにより、我々はローミング問 題の根本対策を検討している。ローミング市場に 存在する『 競争の不在 』という問題に関して、委 員会としては近々に包括的な新提案を予定して 11 いる。」と述べています。 ヨーロッパ規制当局が継続的にローミング費用 について検討しているものの、事実として他地域 のローミング費用はヨーロッパより高額のままで あることは留意が必要です。OECDによる一般向 けデータローミング費用の価格比較を10 ページ に示します。ヨーロッパ諸国の消費者は、他地域 の携帯利用者に比して有利な状況であるといえ ます。 11 European Commission,“Digital Agenda: lower roaming prices as of 1 July,”30 June 2011. Inside Telecommunications 9 データ通信1MBあたりの平均価格 (旅行者の出身国ごと) US$ PPP 30 25 20 15 10 Source: OECD“More effective competition and better regulation needed to cut high mobile data roaming costs, says OECD,”8 June 2011. ニュージーランドにおける、分割・再編成 ニュージーランドの超高速ブロードバンドプロジ ェクトは、マーケットの影響下にあります。国内の 70%のシェアを持つTelecom New Zealand は、そのネットワーク部分を担当するために 3 年 前に設立された Chorus の分離を計画していま す。関連法案が 7 月 1 日に発行する前提におい て、分離は2011 年内には完了する見通しです。 こ の 分 割 再 編 成 に 対 し て は 、こ れ に よ り Telecom New Zealand の価値を棄損しない 原 則を所 管 大 臣が表 明しており、広くポジティ 13 ブに受け止められています。 この点について Telecom New Zealand は6月に 声明を発表 し、法的に要求されている開示要件が、分割再編 成に係る情報提供を妨げているとしました。14 株 主 の 承 認 を 前 提 として 、Te l e c o m N e w Zealand が 2 つの上場会社に分離されることに より、Chorus は政府の超高速ブロードバンドプ ロジェクトにおけるパートナーになり得ます。ニ ュージーランド個人向けビジネスについて、外 国資本の投資制限も同時に行われます。外国資 本の投資は 2012 年 6 月までの 12 か月の間に 取り下げられる予定です。それに伴い、これまで Telecom New Zealandは2012年度の設備投 資として9 億NZドル(約 560 億円)から9.3 億 NZ ドル(約 580 億円)を計画していましたが、7.5 億 12 NZドル(約470億円)に縮小されました。 完全分割への移行に関する規制面での不確実さ は現状では解消された旨、投資家は認識してい るものの、いくつかの課題は存在しています。こ の 4 月、事業者・消費者団体が光ファイバーに係 る法案に対して反対を表明しました。小売価格の 値上げ・新しい独占事業体の出現を懸念していま す。15この 5 月、ニュージーランド政府は産業界 からの要望に基づき、超高速ブロードバンドサー ビスの価格について統制価格を廃し、市場に基 づく価格にすることとしました。 超高速インターネットに起因する固定電話大手 の分割再編成は、ニュージーランドの新しいマ ーケット構造を象徴するものとして、予想されて いました。超高速インターネットは 2009 年 3 月 にサービス開始され、2019 年には人口カバー 率で 75% を目標としています。学校・病院・90% の 職 場につ いては 2 0 1 5 年にカバーされる計 画です。PPP( 公 共サ ービスの 民 間 開 放 )はフ ァイバーインフラの 整 備を推 進し、ダークファ イバー の 活 用を提 供しました。政 府は 13.5 億 NZドル(約 850 億円)を出資しています。Rural Broadband Initiative(RBI)も、超高速インタ ーネットに係る制限の緩和・3 億 NZドル(約 190 億円)の助成金を受けることにより、25% の市場 シェアを保有しています。 さらに、ブロードバンド政策を促進する目的で既 に存在している機能分社について、適切に対処 するタスクが存在します。この 6 月、政府は2008 年に適用された現状の機能分社について見直し を行う旨、Telecom New Zealandと合意に達し ました。本合意に基づく移行において、RBI によ り提供されるサービスについては、分割の対象 外である旨が要求されました。 12 “Telecom NZ lowers capex outlook,”Telecompaper Asia, 6 May 2011. 13 “Telecom New Zealand To Separate for US$2.8bn Broadband Build,”Dow Jones International News, 24 May 2011. 14 “Telecom Communications Constraints Prior To Release Of Demerger Scheme Booklet,”Telecom New Zealand, 21 June 2011. 15 “NZ Telcos take arms against broadband network laws,”IT News, 11 April 2011. 10 Inside Telecommunications ギリシャ Greece アイスラン ド Iceland Luxembourg ルクセンブルグ ノルウェイ Norway フィンラン ド Finland フランス France デンマーク Denmark United Kingdom 英国 スロベニア Slovenia アイルラン ド Ireland ポルトガル Portugal スウェーデン Sweden オランダ Netherlands チェコ Czech Republic ハンガリー Hungary スイス Switzerland ベルギー Belgium オース トリア Austria ドイツ Germany エス トニア Estonia OECD平均 OECD average 韓国 Korea Slovak スロバキア Republic Turkey トルコ スペイン Spain イタリア Italy ニュージーラン ド New Zealand オース トラリア Australia Japan 日本 ポーラン ド Poland チリ Chile イスラエル Israel メキシコ Mexico 米国 United States 0 カナダ Canada 5 M&A Introduction 2011 年第 2 四半期( 4 月∼ 6 月)には全世界で 108 件の M&A があり、総額は 294 億米ドル(約 16 2.4兆円)でした。 参考:2011年第1四半期は、93件(556億米ドル (約4.4 兆円)) 今 四 半 期 で 最 大 の 案 件 は 、V i v e n d i が Vodafone Groupより、Societe Française du Radiotelephone SA(フランスの携帯・ブ ロードバンド事業者)を買収したものです。これ により、2,000 万加入(うちブロードバンド契約 者 460 万)を保有する、フランスの一大メディア 企業が成立しました。事業者がクラウドサービス に参入することも、買収案件の契機となってい ます。CenturyLink(アメリカ)はSavvis の買収 により、国内の大手競合他社に対抗しようとして います。Telefonica は投資ファンドNazcaより、 中小企業向けクラウドを専門とするスペインの Acensを7,500 万ユーロ(約 84 億円)で買収す 17 ることを発表しました。 今 四 半 期 の 最も重 要な話 題はテクノロジーセ クターのもので、この 5 月、Microsoft が Skype を 8 5 億 米ドル( 約 6 , 8 0 0 億 円 )で買 収した案 件です。一部の業界ウォッチャーは懐疑的な見 方をしています。とはいえ大多数の意見として は、個人・法人の両方をカバーする Skype の音 声・ビデオ・インスタントメッセージサ ービスに より、Microsoft は携帯業界に大きな存在感を 示 すものと見られています。S ky p e の 機 能を Microsoft の全サービス(ビデオゲーム∼ MS O f f i c e )に 付 加 することにより、M i c r o s o f t could は更なる付加価値により競合を引き離す ことが可能となります。さらに、Microsoft のビジ ネス ( Exchange 、SharePoint 、Lync )はSkype との技術的親和性も高いです。 2011 年下半期で最大の取引としては、この 3 月 に発表された AT&TによるT-Mobile USA の買 収案件があります( 390 億米ドル、約 3.1 兆円)。 競合他社からの反論に基づく、当局による監視 は継続していますが、当事者はこの取引が多方 面で利益をもたらすように働きかけています。合 併により様々な効率化が行われ、それにより米 国全土に渡る高速ワイヤレスサービスの提供、 特に地方におけるサービス提供という政策決定 者の目的に合致すると、AT&T は主張していま す。この案件に対抗するべく、競合他社の更なる M&Aに拍車がかかっています。代表的案件とし て、Sprint Nextelは新興事業者 LightSquared との間で、新しい携帯ネットワークの構築・運営に 18 関する15 年の案件を開始しました。 2011年4月 - 6月のM&A上位10案件 買収側 ・被買収側 Buyer/seller 取引価額 (10(US$b) 億米ドル) Deal value $11.25 Vivendi/Societe Française de Radiotelephone CenturyLink/Savvis Level 3 Communications/Global Crossing DISH Network/TerreStar Networks Deutsche Telekom/addtl 10% stake in Hellenic Telecom $2.28 $1.41 $1.38 $0.59 VimpelCom/NewTelephone unit of KT Corp. $0.42 HOT Telecommunication Systems/MIRS Communications $0.38 KKR & Co./Versatel unit of United Internet $0.32 AT&T/Cincinnati SMSA $0.32 Taiwan Mobile/Fubon Media Technology $0.29 Source: FactSet Mergerstat 16 Note: deal value total excludes deals where value is undisclosed. 17 “Telefonica to acquire Acens Technologies,”TMCnews, 10 June 2011. 18 “Falcone’ s LightSquared, Sprint Agree to 15-Year Network Accord,”Bloomberg, 18 June 2011. Inside Telecommunications 11 地域ごとのM&A 案件 4月∼6月の状況として 地域ごとのM&A案件数・取引価額(10億米ドル) ヨーロッパ・中東・ $8.5 インド・アフリカ $0.2 $0.01 日本 0 10 $0.6 $3.3 20 • 国毎の案件数について、上位の国(買収側) アメリカ 30 件、フランス8 件、イギリス7 件、 スウェーデン7 件 (参考)1月∼3月の状況として $14.9 $43.8 南北アメリカ アジア太平洋 • 国をまたぐM&A案件 48件 $13.7 • 国をまたぐM&A案件 37件 30 40 50 • 国毎の案件数について、上位の国(買収側) アメリカ 22 件 、イギリス 9 件 、ロシア 8 件 、 オランダ7 件 60 案件数 2Q11 1Q11 Source: FactSet Mergerstat ロシア成長の軌跡 4 月∼ 6 月の 間に、ロシアの 情 報 通 信セクター においても何件か大規模な M&A が行われまし た。この 6 月、VimpelCom は携帯事業者 New Telephone Co JSCの90%を買収し、150万加 入を得るとともに、ロシア極東地域での地位を固 めました。これは4月のPskovline(北西部ローカ ルのブロードバンドプロバイダ)買収に続くもの です。 ス ウェー デ ン に 本 拠 を 置 くTe l e 2 A B は、SMARTS Groupの携帯事業者(Volga地方 で 3,400 万人を人口ベースでカバー)を97% 買 収することにより、ロシアにおける存在感を増そ うとしていました。 しかしながら、Tele2 ABはそ の株主構成の不確実さを原因として、そのオファ 19 ーを取り下げました。 少数持分からの撤退を重視 成長市場の事業者が新規サービスを提供する際 には規模の経済を追及しています。それとは対 照的に、ヨーロッパの大手事業者は少数持分の 管理に重点を置いています。この 6 月、France Telecom Group は戦略プラン「 Conquests 2015 」に基づいて、アフリカ・中東における事 業 機 会 は あるも の の 、少 数 株 主 で ある場 合に 20 おける長 期 的 な 売 却 計 画 を 表 明しました 。 ( 例:イラクの 携 帯 事 業 者 Korek Telecom の 44%をこの3月に買収した)。 今後予想される「サービス集約」の方向性に基づ いて、 ヨーロッパのいくつかの事業者は合併機会 をうかがっています。Deutsche Telekomは既 に固定サービスと携帯サービスの集約を優先的 に行っています。これにより東欧地区における携 帯サービスの存在感を固定サービスに付加する 22 こととなります。 France Telecom の少数持分に関するスタンス は、 この 4 月にフランスの携帯事業者 SFRに少数 持分として出資したVodafone Groupにも影響 しています。 しかしながら、 このイギリスに本拠を 置く事業者は、 ヨーロッパ市場において合併の機 会をうかがっています。5 月 18 日の年次報告の 席上、経営幹部Vittorio Colao 氏は「合併は良 い事であり得る。全体に利益をもたらし得る、い 21 くつかの状況が想定できる」と強調しました。 19 “Tele2’ s offer to buy SMARTS invalid,”SKRIN Newswire, 28 July 2011. 20 “France Telecom-Orange presents its strategic and financial ambitions for 2011–2015: adapt to conquer,”France Telecom, 31 May 2011. 21 “Vodafone profits rise despite Spanish woe,”Financial Times, 17 May 2011. 22 Bloomberg,“Deutsche Telekom Weighs Polish Fixed Lines, Slovakian Buyout in Turnaround,”23 May 2011. 12 Inside Telecommunications アジア太平洋地区における競争状況 インドネシア PT Telkom は、携帯サービス部門 Telkomsel の持分のうち SingTel 保有分の最大 35%について買い戻す計画を明らかにしました。 これは、外国人保有により情報通信業界におけ る競争が阻害されていると、政府が認識する事 23 が前提です。 ベトナム政府は、通信会社の 20% 以上の保有を制限する法令を発効しました(同一 市場でサービスを提供する他の通信会社を20% 24 以上保有する個人が対象)。 これは国営通信会 社 VNPTについて、100% 保有する携帯事業者 2 社( Vinaphone 、MobiFone )の持分を下げるこ ととなります。 アジアにおける重要な取引の一つが、PLDTによ るDigitel(フィリピン第 3 位の携帯事業者)買収 の兆候です。この取引による合併後のシェアは 70% 以上となり、マーケットの 2 社寡占をもたら すため、議論を巻き起こしています。一方フィリ ピンは他の東南アジア諸国に比して、加入者獲 得で後れを取っています。この提案された取引 は規制当局( National Telecommunications Commission (NTC))により、競争阻害に係る 部分を最重要課題として、検討されています。 アジアの成長可能性について事業者は敏感で す。その中で、インドネシアに対する期待が通信 セクターの自由化により高まっています。AT&T はインドネシア初の外国籍企業として事業免許 を受けました。グローバル企業を対象として、当 該地域内での IP 接続・ネットワーク管理サービス 25 を直接提供する見込みです。 これは、インドお よびマレーシア参入の成功事例に続くものです。 カンボジア及びミャンマーも潜在的なマーケット として認識され、インドネシア・中国の携帯事業 者の関心を惹いています。 日本の通信事業者は ICT・eコマースを広く含め て標的としており、M&Aマーケットにおいて活発 な動きを継続しています。特に 3 月の震災以降 は、データセンタ及びクラウドサービスが重点領 域となっています。 26 アジア太平洋地域のM&A案件 日付 買収側 被買収側 持分(米ドル) 業種 10 Jun 2011 KDDI (Japan) WebMoney (Japan) 100% ($149m) 電子マネー決済 24 May 2011 KDDI (Japan) HKColo.Net (Hong Kong) 50% (not disclosed) データセンター 事業者 11 May 2011 NTT Communications (Japan) Frontline Systems (Australia) 70% ($67m) ITインフラ、 27 Apr 2011 VimpelCom (Russia) GTEL Mobile (Vietnam) Increase stake from 40% to 49% ($196m) 携帯事業者(GSM) 7 Apr 2011 M2 Telecommunications (Australia) Edirect Pty (Australia) $5m 携帯サービス事業者 29 Mar 2011 PLDT (Philippines) Digitel Telecommunications (Philippines) 51.55% ($1,741m) 固定・携帯事業者 16 Mar 2011 China Mobile (China) Topssion Co. (China) 100% ($36m) 携帯端末販社 関連サービス提供 事業者 23 TeleGeography, 20 May 2011. 24 Vietnam Business News, 13 April 2011. 25 MarketWatch, 7 June 2011. 26 Mergermarket, Telecom Asia, Dow Jones Factiva. Inside Telecommunications 13 Notes 14 Inside Telecommunications Notes Inside Telecommunications 15 Ernst & Young ShinNihon LLC Events ITU Telecom World 2011, ジュネーブ, 24–27 October 2011 アーンスト・アンド・ヤングは、通信業界大手企業・政府首脳・デジタルイノ ベーター・先端技術者が集うITU Telecom World 2011 のキースポン サーです。今年のイベントは、各社 CEO・大規模ビジネスのキープレーヤ ー(通信事業者・通信技術各社・メーカー・コンテンツ&アプリケーションプ ロバイダ)が集うものとなります。さらに、規制当局・政策アドバイザリー・ 主要メディア各社も加わり、情報共有・ネットワーキング・ハイレベルな戦 略・提携の議論が行われます。 ITU Telecom World 2011は、1971年にITUの最初のイベントが行わ れて以来、40 回目となります。このイベントは、情報通信業界において最 も影響力があるものの一つに挙げられます。 アーンスト・アンド・ヤングの Global Telecommunications Leaderで あるJonathan Dharmapalanは、10月26日(水)のメインフォーラム でのパネルセッションにて、情報通信業界の エコシステムの変化につい てモデレーターを務めます。 http://world2011.itu.int/ Contacts Jonathan Dharmapalan Global Telecommunications Leader [email protected] Adrian Baschnonga Global Telecommunications Senior Analyst [email protected] Steve Lo Global Telecommunications Center ̶ Beijing [email protected] Holger Forst Global Telecommunications Center ̶ Cologne [email protected] Prashant Singhal Global Telecommunications Center ̶ Delhi [email protected] Serge Thiemele Global Telecommunications Center ̶ Johannesburg [email protected] Wasim Khan Global Telecommunications Center ̶ Riyadh [email protected] Mike Stoltz Global Telecommunications Center ̶ San Antonio [email protected] Masahiko Tsukahara Global Telecommunications Center ̶ 日本連絡先 [email protected] (塚原 正彦) アーンスト・アンド・ヤングについて アーンスト・アンド・ヤングは、 アシュアランス、 税務、 トラ ンザクションおよびアドバイザリーサービスの分野にお ける世界的なリーダーです。全世界の14万1千人の構 成員は、 共通のバリュー (価値観) に基づいて、 品質にお いて徹底した責任を果します。私どもは、 クライアント、 構成員、 そして社会の可能性の実現に向けて、 プラスの 変化をもたらすよう支援します。 「アーンスト・アンド・ヤング」 とは、 アーンスト・アンド・ヤ ング・グローバル・リミテッドのメンバーファームで構成 されるグローバル・ネットワークを指し、各メンバーファ ームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤ ング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会 社であり、顧客サービスは提供していません。 詳しく は、 www.ey.com にて紹介しています。 新日本有限責任監査法人について 新日本有限責任監査法人は、 アーンスト・アンド・ヤング のメンバーファームです。全国に拠点を持ち、 日本最大 規模の人員を擁する監査法人業界のリーダーです。品 質を最優先に、 監査および保証業務をはじめ、 各種財務 関連アドバイザリーサービスなどを提供しています。ア ーンスト・アンド・ヤングのグローバル・ネットワークを通 じて、 日本を取り巻く世界経済、 社会における資本市場 への信任を確保し、その機能を向上するため、可能性 の実現を追求します。詳しくは、 www.shinnihon.or.jp にて紹介しています。 アーンスト・アンド・ヤング情報通信センターについて 通信キャリア各社は複雑な経済情勢の下、 継続的成長・ 合併・事業変革・技術的革新・各種規制という様々な課題 に直面しています。私たちアーンスト・アンド・ヤングの 産業別アプローチによる監査・保証業務、税務、 トラン ザクションおよびアドバイザリーをお選びいただくこと で、そのようなキャリア各社に価値を提供いたします。 世界中でビジネスを展開するキャリア各社にとっては、 アーンスト・アンド・ヤングによる事業機会・事業の複雑 性・ビジネス的な実現可能性に関する明確な理解から は得られるものが多いと考えます。 その中心となるのが、 アーンスト・アンド・ヤング情報通 信センターです。クライアント各社の喫緊の課題に対 処するべく、 全世界 (パリ・ケルン・ヨハネスブルグ・リヤド・ デリー・北京・サンアントニオ) から情報・ノウハウを集約 しています。業界トレンド・重要課題への洞察を通じて、 クライアントに貢献いたします。 経済情勢の悪化は、次世代サービスの提供、 インフラ 共有、 アウトソーシング、 収入の確保、 効率的運用、 規制 対応、成長マーケットへの投資、M&Aに影響を及ぼす 可能性があります。これらトレンドに的確に対応し業績 を向上させるために、 私どもアーンスト・アンド・ヤングは サポートさせていただきます。 © 2011 Ernst & Young ShinNihon LLC All Rights Reserved. 本書又は本書に含まれる資料は、 一定の編集を経た要約形式 の情報を掲載するものです。 したがって、 本書又は本書に含ま れる資料のご利用は一般的な参考目的の利用に限られるもの とし、特定の目的を前提とした利用、詳細な調査への代用、専 門的な判断の材料としてのご利用等はしないでください。本 書又は本書に含まれる資料について、 新日本有限責任監査法 人を含むアーンスト・アンド・ヤングの他のいかなるグローバル・ ネットワークのメンバーも、その内容の正確性、完全性、目的 適合性その他いかなる点についてもこれを保証するものでは なく、 本書又は本書に含まれる資料に基づいた行動又は行動 をしないことにより発生したいかなる損害についても一切の 責任を負いません。
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