於:東京全日空ホテル 2000.9.01 JMPV4 ハンズオンセミナー ∼生存時間分析の実行∼ (株)リコー CS・品質本部 廣野 元久 1 はじめに § 今回の生存時間分析のデータでは, 主に工業製品での信頼性試験データを扱う § 例題は実験データ, 要因の水準(値)になっている § 要因は制御因子と加速因子 Motohisa HIRONO 2/81 生存時間分析とは § ある基準となる時刻から, 目的の反応が得られるまでの (生存)時間データ(Survival Time)を 対象とした解析手法の総称 § 工業分野では信頼性データ解析と呼ばれる Motohisa HIRONO 3/81 目的の反応とは § 観測する個体に対して1度だけ 非再起的に発生する事象(Event) § 例) 死亡 癌や循環器系の臨床研究での患者の再発や 死亡 l 故障 システムや機器の信頼性研究での故障 l Motohisa HIRONO 4/81 生存時間データ1 Start of Study Start of Observation Died Died Died Lost Censor Died Died Censor Died End Time Time Motohisa HIRONO 5/81 生存時間データ2 Start of Study End Start of Observation Censor Died Died Censor Died Time Motohisa HIRONO 6/81 生存時間分析の目的 § (目的の)の反応が,ある生存時間区間に l l l 集中して発生するか 時間に依存しないでランダムに発生するか 生存している確率(信頼度)はいくらか § 制御因子や環境因子の影響により生存時間 に違いはあるか l l 設計パラメータの決定 加速性,比例ハザード性による予測 Motohisa HIRONO 7/81 本ハンズオンの内容 § 生存時間分析の基礎 l 生存関数,ハザード関数,故障(死亡)の分類, Weibull分布,打切りデータ,競合リスク § 生存時間の分析 l カプラン・マイヤー法,確率プロット § 非線形回帰分析 l 比例ハザードモデル,加速モデル(Weibull回帰) 反応論モデル Motohisa HIRONO 8/81 生存時間の分布のご利益 Survival Time Analysis 注目する時点まで生存する 確率(Proportion)と 生存関数(Survival Function)の記述 製品の信頼性の記述, 生存時間データの分布の仮定 •例)変圧器が 5000時間まで生存する確率 •例)ベアリングの10%が 故障するまでの時間 Motohisa HIRONO 9/81 生存時間データの分布 § 時間データである 非負である § 中には非常に長生きな個体がある 分布の裾が右に長い § 左右対称の単峯分布ではない 正規分布の理論が使い辛い § 対象によって生存時間の分布が異なる 対数正規分布,指数分布,Weibull分布など ノンパラ手法の活躍 Motohisa HIRONO 10/81 生存関数(Survival Function) 1 生存関数S(t)とは時点tまで生存している 個体の累積比率(Proportion)を表す関数 分布関数F(t)とは S(t)=1-F(t) f(t) 故障 生存 t 密度関数 f(t) Motohisa HIRONO 11/81 生存関数(Survival Function) 2 1 生存 S(t) 1-S(t)=F(t) 故障 故障 0 生存 t 1−分布関数を生存関数 S(t) Motohisa HIRONO 12/81 ハザード関数の導入 § ハザード関数(hazard function)とは 時点t まで生存したという条件付きで, 時点t の瞬間にイベントが発生する 確率 (rate)を表す関数 h(t)=f(t)/S(t) 例)40歳死亡率 40歳で死亡するためには 40歳まで生きている必要があり, その条件の人の中で次の1年間で死亡する確率 l Motohisa HIRONO 13/81 ハザード関数と生存関数 S(t) dS ( t ) ハザードは 時点tのS(t)を 1としたときの S(t)の 傾きの絶対値 dt S(t) Motohisa HIRONO 14/81 故障( 死亡)の分類 § ハザード関数は瞬間死亡率であるからハ ザード関数の傾向により3つに分類できる l 初期故障型;ハザード関数が単調減少 • 例)乳幼時期の死亡率 l 偶発故障型;ハザード関数が一定 • 例)青壮年期の死亡率 l 磨耗故障型;ハザード関数が単調増加 • 例)老年期の死亡率 Motohisa HIRONO 15/81 Weibull分布 § 工業では主にWeibull分布を仮定 βt f (t ) = α α β −1 t β • exp − α 密度関数 t β S ( t ) = 1 − F ( t ) = exp − α 生存関数 f (t ) β t h (t ) = = S (t ) α α ハザード関数 β −1 Motohisa HIRONO 16/81 Weibull分布のパラメータ1 ワイブル分布のパラメータはα,β,γの3つ 通常は位置パラメータγを0と仮定する 形状パラメータβと尺度パラメータαを推定する 形状パラメータは分布の形を決めるものであり ワイブル分布では β <1 のとき 初期故障型 β =1 のとき 偶発故障型(指数分布) β >1 のとき 磨耗故障型 に対応する Motohisa HIRONO 17/81 Weibull分布のパラメータ2 尺度パラメータαは 累積の故障割合が63.2%に達するときの時点 注)形状パラメータの表記は JMPではβ(Beta) 日本の信頼性データ解析ではm 尺度パラメータの表記は JMPではα(Alpha) 日本の信頼性データ解析ではη Motohisa HIRONO 18/81 ハンズオン1 Weibull.JMPの解析 § データを読み込む § Weibull分布の確認 l オーバーレイプロットを描く • 1)密度関数を描く • 2)生存関数と分布関数を描く • 3)3つのハザード関数を描く Motohisa HIRONO 19/81 変数の意味など § 変数 time が生存時間 § α=10000時間,β=2.5のWeibull分布 l time,f(t),F(t),S(t) § βの値を変えてみよう l l l l h1(t)…β=2.5 h2(t)…β=1.0 h3(t)…β=0.5 データ件数40件 ハザード関数はどう変わる Motohisa HIRONO 20/81 操作1.1 オーバーレイプロットを描く 1.クリックすると 2.ウインドウが開く Motohisa HIRONO 21/81 操作1.2 変数の役割を指定 3.f(t)を選択し 1.Timeを選択し 4.Yをクリックする 2.Xをクリックする Motohisa HIRONO 5.OKを選択 22/81 操作1.3 密度関数の描画 1.クリックして 2.密度関数が描画される Motohisa HIRONO 23/81 操作1.4 生存関数と 分布関数の描画 § 同様な操作で,分布関数,生存関数を描画する § 同様な操作で,ハザード関数を描画する Motohisa HIRONO 24/81 ハンズオン1 Weibull.JMPのまとめ グラフより,ワイブル分布の ハザード関数h(t)は 形状パラメータβの値によって, 単調減少 β<1 一定 β=1 単調増加 β>1 することが分かる Motohisa HIRONO 25/81 JMP Calculator § § § § § メニューのColsでColumn Info.を選ぶ Current Properties がFormulaを確認 Edit Formula をクリック 計算式を表示,編集 2つのリストボックスの役割を理解 l 左;現在登録されているCol Name l 右;利用する関数群 • クリックすると関数を表示 Motohisa HIRONO 26/81 Survival メニュー § Survival Distribution l l l ノンパラメトリックのKaplan-Meier法 仮定した分布のパラメータを求める確率プロット 右側打ち切り,グループの比較,競合リスク § Parametric Regression l l 生存時間に分布を仮定した非線形回帰 加速モデル § Proportional Hazards l l 生存時間に分布を仮定しないCox回帰 比例ハザードモデル(セミパラメトリック) § Recurrence l 今回は対象外 Motohisa HIRONO 27/81 打ち切り(censor)データ § 観測される個体について,正確な生存時 間が測定できるとは限らないので打ち切り (censor)が生じる場合がある 1.時間の原点(測定の開始時点)が不明確な場合 例)製品やシステムなどの信頼性研究では 納品時点は分かっても,実際のユーザーの 使用開始時点は正確には分からない 左側打ち切り 2.反応の発生時点が分からない場合 例)デバイスなどでは信頼性試験終了時点に, 故障していない個体がある Motohisa HIRONO 右側打ち切り 28/81 Censor変数の意味 § JMPでは,Censor変数にルールがある l 0; 打ち切りのない完全なデータを意味する l 1,2,…(0以外); 打ち切りが生じたデータ Motohisa HIRONO 29/81 Weibull プロットの原理 t β S ( t ) = 1 − F ( t ) = exp − α 両辺に対数をとると t β log S ( t ) = − α t − log S ( t ) = α β 再度,両辺に対数をとると t log {− log S ( t )} = β log α log {− log S ( t )} = − β log α + β log t Motohisa HIRONO 30/81 ハンズオン2 Weibull.JMPの解析2 § データを読み込む § Weibullプロットの原理を理解する l l l l l Columnを1つ追加する JMP Calculatorを使い,-lnS(t)を計算する AnalyzeのFit Y byX で,Xにtime,Yに-lnS(t)を 指定する 縦軸と横軸を対数にする プロットが直線になることを確認する Motohisa HIRONO 31/81 ハンズオン2 Weibull.JMPのまとめ JMPは最尤法 § Weibullプロットの原理は timeとS(time)を変数変換して直線化 Motohisa HIRONO 32/81 ハンズオン3 Wiring.JMPの解析 § データを読み込む § 一変量の解析,分布を確認する l l l l l l Survival Disuribution を使う Survival プロットを描く Weibullプロットを描く Weibullプロットに参照線を追加する Weibull分布のパラメータを推定する 他の分布(対数正規分布,指数分布)を試す Motohisa HIRONO 33/81 変数の意味など § 電子デバイス(Al配線)の加速寿命試験における 寿命分布を推定する. § 変数の意味 l Time(加速寿命試験による電子デバイスが故 障に至るまでの時間) l Censor(打ち切り) Motohisa HIRONO 34/81 操作3.1 打ち切り情報を 無視した解析 1.Survival Distribution をクリックして 4.OKをクリック 2.Timeをクリックして 3.Yをクリック Motohisa HIRONO 35/81 操作3.2 Weibullプロットの実行 Weibull Plot Weibull Fit を選択 Motohisa HIRONO 36/81 操作3.3 パラメータの推定 Weibull プロットが 描画される 打ち切りが考慮されて いないので生存時間が短めに推定される Motohisa HIRONO 37/81 操作3.4 打ち切り情報を 考慮した解析 1.Survival Distribution をクリックして 3.Yをクリック 2.Timeをクリックして 6.OKをクリック 5.Censorをクリック 4.Censorをクリックして Motohisa HIRONO 38/81 操作3.5 信頼区間の追加 1.Show Confid Intervalを選択 2. Kaplan-Meier 法による 平均値,標準偏差の推定値 95%信頼区間が描画される Motohisa HIRONO 39/81 操作3.6 Weibullプロットの実行 1.Weibull Plot,Weibull Fit を選択 2.Weibull プロットを描画する 3.Save Estimatesを選択 推定値の違いに注目 Motohisa HIRONO 40/81 操作3.7 推定値の保存と単回帰 推定値の違いに注目:Survival では最尤法で計算している Motohisa HIRONO 41/81 ハンズオン3 Wiring.JMPのまとめ § グラフの下にExtreme-value Parameter Estimates と Weibull Parameter Estimates が表示される § 表には,ワイブル分布のパラメータの推定値の他に, 推定値の信頼水準95%の上下限値,および反応数が 表示される § Deltaはワイブルプロットの傾きでBeta=1/Delta § Lambdaはワイブルプロットの63.2%点でAlpha=eLambda § ワイブル分布の他にExponential PlotとLogNormal Plotができる Motohisa HIRONO 42/81 1因子(質的変数)の解析 § 処理の違うグループ間の生存時間の比較 § Kaplan-Meier 法の実行 l l グループ毎の生存関数の表示 ノンパラメトリック検定 • ログランク検定 • 一般化Wilcoxon検定 § パラメトリック検定 l l 生存時間分布の指定 パラメトリックモデルの実行 Motohisa HIRONO 43/81 ノンパラメトリック検定 § ログランク検定 l 全ての時点で同じウエイトがかかる § 一般化Wilcoxon検定 l l ウエイトがその時点のリスク集合の大きさ t が小さい初期のウエイトが大きい Motohisa HIRONO 44/81 ノンパラメトリック検定の比較 Motohisa HIRONO 45/81 ハンズオン4 Rats.JMPの解析 § データを読み込む § 一因子(質的変数)の解析,処理の比較 l l l l l l Survival Time Modelingを使う 2群のSurvival プロットを描く 2群の生存時間の違いを検定する 推定量を保存する 2群をまとめて生存時間を推定する 対数正規分布を仮定した検定を試す Motohisa HIRONO 46/81 変数の意味など § 発癌剤の投与量を変えた2つのグループ のラットの生存時間の比較 § 解析に用いる変数 l l l day (ラットの生存日数) Group (発癌剤の投与量の違い) Censor (打ち切りの有無) Motohisa HIRONO 47/81 操作4.1 役割の指定 1.Survival Distribution をクリックして 3.Yをクリック 2.daysをクリックして 8.OKをクリック 6.Groupをクリックして 5.Censorをクリック 4.Censorをクリックして 7.Groupingをクリック Motohisa HIRONO 48/81 操作4.2 ノンパラ検定の実行 5%有意でない 2群のラットの 生存日の違いは このデータからでは 分からない Motohisa HIRONO 49/81 操作4.3 カテゴリの併合 カテゴリー(処理の違い)を併合してみる クリックする 併合されたときの統計量が出力される Motohisa HIRONO 50/81 ハンズオン4 Rats.JMPのまとめ § Tests Between Groupsに表示されているよう に,2群の生存関数が等しいという帰無仮説の 下での検定結果(Prob>ChiSq)から,いずれの 検定でも5%で有意でないことが分かる. § ウインドウの左下隅にあるチェックボタンをクリッ クして,Show Combinedを選ぶと,2群を合併 した生存関数がグラフに追加される. § グラフの軸をダブルクリックするとグラフにグリット を表示できるなどのオプション機能がある Motohisa HIRONO 51/81 生存関数の推定値の出力(1) § 左端のdaysには,時間の順に反応,打ち切りがあっ た日が出力される. § 2番目のSurvivalのカラムは,生存関数の推定値を 示している l Survival=(At Risk - N Failed)/At Risk § 3番目のFailureのカラムは,累積のイベントの割合 (分布関数)を示しており,Survival+Failure=1 と いう関係がある § SurvStdErr(Survival Standard Error)のカラム は,得られた生存関数の値を母集団に対する推定 値と考えた場合の標準誤差を表示している Motohisa HIRONO 52/81 生存関数の推定値の出力(2) § N Failedのカラムは1番目のカラムの時点で発生 した反応の数である § N Censoredのカラムは 1番目のカラムの時点で 打ち切りのあった数である § 右端のAt Riskのカラムは,リスク集合の大きさ(ス タート時の標本数から,その時点までの反応と打 ち切りを受けた個体を除いた数)を示している § Quantilesの表にある,MeanとStdDev(Standard Deviation)は生存時間の平均の推定値と標準 偏差の推定値である Motohisa HIRONO 53/81 競合リスクモデル § イベント(故障,死亡)の原因が複数考えら れる場合に発生原因別に解析したい § 得られたデータはイベントの生起時間のみ § イベントは,原因A,B,C…でおきる § 原因A,B,C,…は背反で生存時間に依 存しない § 原因Aでイベントがおきたとき, 原因B,C,…でイベントは起きない Motohisa HIRONO 54/81 競合リスクモデルの解析の仕方 § 着目した原因で故障,死亡が発生した場合はイ ベントが発生したと考える § 着目した原因以外で故障,死亡が発生した場合 は,観測が打ち切られたと考えて打ち切りデータ として扱う § 故障の原因が同じようなものは1つにまとめる(群 間の検定をおこなう) Motohisa HIRONO 55/81 ハンズオン5 Unit.JMPの解析 § データを読み込む § 競合リスクの解析 l l Survival Time Modelingを使う Survival プロットを描く l 競合リスクを調べる Omitする原因を選ぶ l 簡便法による当てはまりの評価 l Motohisa HIRONO 56/81 変数の意味など § 電送機器に用いられるプリント基板 の生存時間解析 生存時間に依存しない2種類の原因のどちらかにより 反応=故障が起きた場合の競合リスクモデルの解析 § 変数 l time (市場での生存時間) • 基板が故障に至るまでの時間 l failure (故障の原因) • プリント基板の故障の原因は2つだけ – Condenser コンデンサのショート – Relay リレーの接点溶接不具合 Motohisa HIRONO 57/81 操作5.1 役割の指定 1.Survival Distribution をクリックして 5.Competing Causes をクリック 2.timeをクリックして 4.OKをクリック 3.Yをクリック 6.Falureを選択 Motohisa HIRONO 58/81 操作5.2 競合リスクモデル Weibull分布を 仮定した 競合リスクモデル の推定値 Weibull Plot をクリック Motohisa HIRONO 59/81 操作5.3 Weibullプロット 全体と競合モデルの Weibull直線が描画 される 1.Omit Causesをクリック 2.Condenserをクリック Motohisa HIRONO 3.OKをクリック 60/81 操作5.4 ハザード関数の描画 統計量の保存 当てはまりの良さ Motohisa HIRONO 61/81 ハンズオン5 Unit.JMPのまとめ § ポップアップメニューから,Competing Causes を選ぶと競合リスクモデル下での各故障原因毎の ワイブル分布のパラメータ推定が求まる § 生存関数のプロットにワイブル分布による生存関 数が破線で表示される § 原因コードでcondenserをOmit すると,condenserの ショートによる故障は 打ち切りデータとしてワイブ ル分布に基づく生存関数が破線で表示される § FailureをGrouping に指定した場合の解析とは同じ にならないことに注意 Motohisa HIRONO 62/81 1因子(量的変数)の解析 § 要因効果をしらべる l 製品の信頼性評価は実験研究が多い • 設計パラメータを変更したことによる改善効果 • 環境要因の寿命加速性の確認 • 加速試験が基本…反応論モデル l 比例ハザードモデル • ハザード比が一定 l 加速モデル • 生存時間が加速する Motohisa HIRONO 63/81 1変数の比例ハザードモデル § 個体のハザード関数に hi ( t ) = h0 ( t ) exp ( b1 xi ) を考える § h0(t)はxが0である基準となるハザード関数 とする § ハザードの比を取ると,共通のh0(t)が相殺 されるので,未知数はb1のみである hi ( t ) h0 ( t ) exp ( b1 xi ) = = exp {b1 ( xi − x j )} i ≠ j h j ( t ) h0 ( t ) exp ( b1 x j ) Motohisa HIRONO 64/81 反応論モデル § Arrhenius アレニウスモデル −5 ˆ Life = exp {b0 + b1 • (1/ kT )} Ea = b1 , k = 8.62 × 10 § θ℃則モデル Life = exp b0 + b1 {ln ( 2 ) • T } b1 = 1/ θˆ § Eyring モデル Life / T = exp {b0 + b1 (1/ kT )} Eˆ a = b1 § べき(n)乗モデル Life = exp {b0 + b1 • ln (T )} nˆ = b1 Motohisa HIRONO 65/81 加速モデルの解析の仕方 § 反応論モデルなどによる加速モデルのタイ プを技術的に決める § 試験する水準数と水準値を決め試験実施 § 変数変換 l 温度は絶対温度の逆数を考える など § 生存時間の分布を想定 § 加速モデルで解析 Motohisa HIRONO 66/81 ハンズオン6 Creep.JMPの解析 § データを読み込む § 1因子(量的変数)の解析,加速モデルの実施 l Survival Time Modelingを使う l 比例ハザードモデルの実行 生存時間の分布を想定 加速モデル(Weibull回帰)を実行 l 考察 l l Motohisa HIRONO 67/81 変数の意味など § プラスチック材料のクリープ破壊による寿命モデ ルのパラメータを推定する. § 変数の意味 l l l l temp (試験環境の摂氏) 1/T(試験環境の絶対温度の逆数) time(生存時間) Censor(打ち切りの有無) § 反応論モデルとして Life= exp(b0+b1/(273+temp)) =exp(b0+b1/T) を仮定する Motohisa HIRONO 68/81 操作6.1 役割の指定 1.Proportional Hazards をクリックして 3.Time to Event をクリック 2.timeをクリックして 8.Run Model をクリック 5.Censorを クリック 4.Censorをクリックして 6.1/Tをクリックして Motohisa HIRONO 7.Addをクリック 69/81 操作6.2 比例ハザードモデル 温度が65℃から10℃上昇して 75℃になったときのハザード比は h75℃ ( t ) Risk = h65℃ ( t ) = exp {−18303.289 ( 0.002874 − 0.002959 )} = 4.74 4.74倍のリスクに 跳ね上がることが分かる 比例ハザードモデルによる 生存関数のグラフ Motohisa HIRONO 70/81 操作6.3 役割の指定 2 1.Parametric Regression をクリックして 3.Time to Event をクリック 2.timeをクリックして 8.Weibull をクリック 9.Run Model をクリック 5.Censorを クリック 4.Censorをクリックして 6.1/Tをクリックして Motohisa HIRONO 7.Addをクリック 71/81 操作6.4 Weibull回帰の実行 δ=1/β 95%信頼区間 に1を含まない (1未満)から, 摩耗故障 1 αˆ = exp −23.42711 + 10266.8942 T βの推定値 1.844 Motohisa HIRONO 72/81 操作6.5 残差の検討 1.データテーブルのColumnsで新たに2つのカラムを追加 2.変数名を予測値,残差とする 3.Formulaにして,計算式 1 予測値: αˆ = exp −23.42711 + 10266.8942 T 残差: ln ( time ) − ln ( 予測値 ) res = exp δ を作る 4. Survival Distributionから,Yに残差,CensorにCensorを 指定後,Weibullプロットを行う 5.α=1,β=1のWeibull分布にしたがっていることを確認する Motohisa HIRONO 73/81 操作6.5 残差のWeibullプロット Motohisa HIRONO 74/81 ハンズオン6 Creep.JMPのまとめ § 比例ハザードモデル パラメータ推定には分布に関する情報がないこと定数項がモデル に含まれない点に注意する l Parameter Estimatesには,1/Tの回帰係数の推定値,標準誤差,95% の上下限値が表示される. l RiskRatioは回帰係数の指数(exp(-16603.743))を計算したもので, リスク比を表すものである. l Baseline Survival at timeは,要因が平均値である場合の生存関数 のプロットを表示している. l § 加速モデル(weibull回帰) l Parameter Estimatesでは比例ハザードモデルと符号が逆になってい ることに注意( ハザードの単位は1/時間) Motohisa HIRONO 75/81 多因子の解析;∼複合加速モデル § 実際の試験では要因を複数考えることが 多い § 説明変数が複数ある場合の解析 § 説明変数は量的でも質的でもよい § Survival では,fit model(重回帰分析) のよ うな変数選択機能はないことに注意 Motohisa HIRONO 76/81 ハンズオン7 Reliable.JMPの解析 § データを読み込む § 多因子(複合加速モデル)の解析 l Survival を使う l 生存時間の分布を想定 反応論モデルの想定 Waeibull回帰分析の実行 l 考察 l l Motohisa HIRONO 77/81 変数の意味など § 接着剤の寿命試験における寿命モデルのパラメー タを推定する. 但し,時間分布として,ワイブル分 布を指定する. § 変数の意味 l l l l l Glue(接着剤の種類)----処理,Temp(摂氏) 1/(kT)(試験環境の絶対温度とボルツマン常数の積の逆数), RH(試験環境の相対湿度) Day(生存日数) Censor(打ち切りの有無) Motohisa HIRONO 78/81 操作7.1 役割の指定 1.Parametric Regression をクリックして 3.Time to Event をクリック 2.Dayをクリックして 8.Weibull をクリック 9.Run Model をクリック 5.Censorを クリック 7.Addをクリック 4.Censorをクリックして 6.glue,1/kT,RHをクリックして Motohisa HIRONO 79/81 操作7.2 Weibull回帰の実施 Motohisa HIRONO 80/81 ハンズオン7 Reliable.JMPのまとめ § ワイブル分布の形状パラメータは, β=1/δ=1.8596と推定できる. § 接着剤の違いは,1%有意で, α=exp(0.2575423)=1.294であるから, Aの方がBより1.3倍ほど信頼性が高い. α=exp(-4.8603917+0.28443285/kT-0.0330083RH § 温度の偏回帰係数は反応論モデルでは活性化 エネルギーの推定値 Ea=0.28443285(eV) 95%信頼区間は,0.1033674∼0.4646598(eV) Motohisa HIRONO 81/81
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